【『うたわれるもの』感想】
 スタッフ&キャスト
 第1話「招かれざるもの」
 第2話「荒らぶる森の王」
 第3話「紫琥珀」
 第4話「戻れぬ道」
 第5話「森の娘」
 第6話「集う力」
 第7話「皇都侵攻」
 第8話「調停者」
 第9話「禁忌」
 第10話「傭兵」
 第11話「永遠の約束」
 第12話「動揺」

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  公式サイト



■ 『うたわれるもの』 スタッフ&キャスト
<スタッフ>
 監督:小林智樹
 シリーズ構成:上江洲誠
 キャラクターデザイン:中田正彦
 プロパティ・デザイン:深沢孝司
 美術監督:加藤賢司
 オープニングテーマ「夢想歌」Suara
 エンディングテーマ「まどろみの輪廻」河合英里
 アニメーション制作:OLM Team IWASA


<キャスト>
 ハクオロ:小山力也
 エルルゥ:柚木涼香
 アルルゥ:沢城みゆき
 ユズハ:中原麻衣
 カミュ::釘宮理恵
 ウルトリィ:大原さやか
 オボロ:桐井大介
 テオロ:石川ひろあき
 ソポク:雪野五月
 トゥスクル:京田尚子
 ベナウィ:浪川大輔
 ドリィ&グラァ:渡辺明乃
 ヌワンギ:吉野裕行
 カルラ:田中敦子
 クロウ:小山剛志
 ササンテ&インカラ:大川透
 トウカ:三宅華也






■ 『うたわれるもの』 第1話 「招かれざるもの」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:小林智樹 演出:渡辺正彦 作画監督:中田正彦

 原作未プレイ。
 前情報も「どうやら戦争ものとかバトルものとかになるっぽい」くらいのことしか知らなかったので、特別期待もしていなく「評判いいみたいだから観てみるか」といった感じだったんですが・・・何だか、安定して面白くなりそうな題材が揃ってますね。原作を知らないからこそすんなりと導入部に入れたような気もしますし、まずはゆったりと世界観描写から入っているというのもありがたかったりします。原作プレイ済の方々の感想はなるべく読まないようにして、真っ更な状態で楽しんでいこうかなーと。



 ○ 柚木涼香と沢城みゆきが姉妹!
 『サムライ7』の感想の出だしと一緒ですが(汗)、いやぁ〜コレは嬉しい誤算ですよ。
 ひょっとして『舞-乙HiME』で沢城みゆき(サラ)が柚木涼香(ハルカ)をたしなめていたのは、このネタだったんでしょうか。まだ妹の方にはほとんどセリフがないんですけど、お姉ちゃんの方はとっても可愛い。ちょっと狙いすぎなくらいですが、セクハラに真っ赤になる表情作画と柚木さんのオーラが、そのあざとさを忘れさせてくれます。柚木さん、こういう役もハマるんですねー。ハルカのイメージが強すぎて、ちょっと意外でした。


 あとは、途中で出てきた人妻が雪野さん。こちらはいつもの感じ。
 その旦那が石川ひろあき。元のゲームがS・RPGということなので、こういう豪快なキャラはゲーム的には重宝しそうですね。アニメでどう活躍するかは分かりませんが。


 エルルゥの尻尾ばかりがクローズアップされてましたが、とりあえず見た感じ、村の人全員は獣人っぽい耳と尻尾があるって解釈でいいっぽい(男には尻尾がないのかも知れませんが、隠してるのかも知れないし・・・)。主人公は耳自体がよく見えないんで分からないですが、少なくともこの村のような獣人っぽい人に対する知識はなかったみたいですね。
 となると―――辺境の獣人の村と、都会の普通の人間(という言い方もアレですが)の2カテゴリーの間で、記憶をなくした主人公が立ち回るという話になるのかな。『ガンダムSEED』からヲタク臭さを抜いて、神話と民俗学の要素を足していった感じがするんですが・・・これ、原作はエロゲーなんですよね? 第1話を観ただけだと、どう考えても骨太な人間ドラマになりそうなのに・・・・



 ○ 記憶をなくした主人公
 すっごくベタなシチュエーションのはずなんですが、一周まわって新しさすら感じます。
 辺境の村で事情を知らない主人公が美少女に世話されて・・・・・・って構図は『ひぐらし』と全く一緒なのに、何故こうも印象が違うのか(笑) マジメな話、僕としてはこの時期にこの作品に触れることができたっていうのは幸運なのかも知れないですね。ほら、今期のラインナップって変化球ばっかですから、こういうベタベタな第1話って凄く安心するんですよ。


 仮面が外れないというのは、漫画ファンなら『火の鳥』太陽編を思い出すはず。お婆ちゃんが出てきた時は「まさか!ロリっこじゃなくて、お婆ちゃんがヒロインなのか!?」と焦ったもんですが、流石にそこまで参考にしてくるワケないですよね。元々エロゲーですから(笑)
 でも、時代とか設定なんかも『火の鳥』っぽくはありますね。あちらは「侵略してくる仏教vs八百万の神」といった宗教バトルだったと記憶してるんですが、こちらは人種とか土地の神といったテーマになりそう。主人公が自分の中に獣じみた感情を飼っているとこなんかも、後々に重要な要素になりそうです。


 主人公だったりヒロインだったりは、一つ一つの設定やセリフが細かく伏線になっているという気もしますが・・・
 キャストを見る限りは、まだまだメインが出揃っていないので―――まだ本筋の話には入っていないっぽい。とりあえずは、週1で楽しみなアニメになりそうで期待大。
 あと、僕が望むのは、とにかく姉妹でイチャイチャしてもらいたいなってことだけです。


 








■ 『うたわれるもの』 第2話 「荒らぶる森の王」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:矢野博之 演出:深沢幸司 作画監督:松本卓也

 サブタイトルは「○○○もの」で統一してくるんじゃないかと思ってましたが、2話で既に外れた・・・・・・
 というと、第1話の「招かれざるもの」というサブタイトルは今後を考えると意味深なものがあったのかも。主人公のことなのか、ヌワンギのことなのか、ムクティパ様のことなのか。



 森の主に怯える村人を助けるために、主人公が策を練り、村人が一致団結して森の主を退治。一連の流れで村人が主人公を認めていく過程と、一人身を削ろうとする主人公に対してテオロやエルルゥが心配している様子なんかも丁寧に描かれていて好印象。また、遺された主の子どもを村の子どもが助けるというのも、ベタながら今後に繋がる重要な意味もありそうで、なかなか期待が持てます。

 全てにおいて、ビックリするくらい「フツー」を丁寧に描いているという感じ―――そこらに細かい伏線やエッセンスなんかもありそうなんですが、全体的に視聴者に負荷を与えないような作りで、安心して観れます。その反面、物足りなさを感じるのも確か。もうちょっと計算高いシナリオでも良かったかも。事件を通じて村人が主人公を認めるという流れなら、その前に主人公を認めない人物でも(アルルゥ以外にも)描いておいて、事件を通してようやく村人になれたんだ!みたいなカタルシスは欲しかったかも。

 まぁ・・・原作付きのアニメだと安易にオリジナルのキャラとか出せないでしょうから、難しくはあるんですけど・・・・・・・



 ○ 姉妹のイチャイチャっぷりが反則的に可愛いのですが
 袖ギュッと握ったり、妹の赤ちゃんに焦ったり。とてもいいタイプの姉妹ですね。ニヤニヤ。

 てゆうかですね。アバンタイトルでムティカパ様が(多分別の村の)人々を襲っていて―――の流れで入ったオープニングで、アルルゥがムティカパ様の背中に乗っていたので、「どうせアルルゥのおかげで仲間になるんだろうなあ」と思っていたら、普通に村が襲われていて、普通に皆で袋叩きにしていて驚きました。
 計算でやっているワケじゃないでしょうけど、結果的に良いミスリードになっていたかなぁと。

 つーと、何でしょう。最後に出てきた主の赤ちゃんが、いきなりあんな大きさになるんでしょうか。
 アルルゥに赤ちゃんが出来るくらいありえないと思うんですけど(笑)




 「約束してたから」というアルルゥの台詞、第1話のラストでムティカパ様の遠吠えにアルルゥが反応していたように、アルルゥには獣の言語が分かるとかそういうのがあるのかな? エルルゥも薬師の話をされた時に戸惑っているような描写があったので、メインストーリーはすんなりと王道な話で進みながら、キャラに対してはちゃんと伏線張っているみたいですね。



 ○ 民間信仰の神を、他所からやってきた者が退治
 他所者が辺境の村にやって来て、化け物退治をする―――というのはよくあるパターンの話ではあるんですが。
 「しかし、神がそんなことで怒るものでしょうか」という主人公の台詞だったり、主殺しを躊躇う村人に「じゃあ怯えたまま暮らすんですか?」と奮起を促したり、生け贄に対して過剰な反応をしたり。
 どうやら、主人公は宗教というか神というものに関係のある正体みたいです。ムティカパと対峙した時の反応からすると、主人公自体も元々は神の一種で今は人間になっている・・・・・・という話だと、人間が獣になって八百万の神に近づいていくという『火の鳥』太陽編の正反対のアプローチのようで興味深いです。


 まぁ、正体うんぬんは妄想でしかないんですが。
 村の宗教観に捉われない他所者が、村が崇めていた神を倒してしまうというのは・・・文明の発展や別の宗教が、民間宗教を駆逐していくっていうのと一緒なようで。単純に、「ムティカパを退治できてよかったね」では済まされない意味があったように思えます。


 そういう意味で描かれているなら後半に期待が持てるし、ただ何となくで王道なものを描いているのだとしても安心して観れるというクオリティの高さではあります。


 







■ 『うたわれるもの』 第3話 「紫琥珀」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:難波日登志 演出:樫山聡之 作画監督:山口保則

 新キャラはツンデレ、ライバル、病弱の妹、初めての敗北、助けてもらった恩義―――と、やたらめったら萌え要素を詰め込んできた男性キャラでした。やっばい・・・正直、中原麻衣の妹なんかより断然兄貴の方が萌えるぞ。わざわざ主人公みたいな扱いで最初に敗北を描いておく辺り、ここから主人公に反発しながら成長していくポジションなのかな。凄く楽しみなキャラが出てきましたよ。

 ホント手堅い・・・キャラの見せ方にしても、キャラ配置にしても、話を広げながら盛り上げれるように計算されていて。あざとくない『舞-HiME』のような印象。回が進んでますます手堅くなっていくに連れて、比例するように分からなくなっていくことが「これエロゲ原作なんでしょ?」ってこと。この手堅さ、どちらかというと少年漫画のソレに近いような。どこにどうエロ要素が入るのか、さっぱり分からん・・・・・・



 ○ 世界観を広げる新勢力
 第1話で、搾取する役人とそれに苦しむ村人が描かれていましたが―――単純に「奪うもの」と「奪われるもの」ではなく、役人から年貢(?)を取り返す義賊のような秘密の集団が存在していた模様。この描写によって、村の中だけで完結していた世界が一気に広がり、「国がどうのこうの」という話に今後展開していく可能性を示唆してきました。

 また、そうした味方勢力のオボロ達だけでなく、そのオボロと対立する敵勢力にもベナウィという新キャラを投入して敵サイドも掘り下げてきました。今後、強力な敵キャラとして出てくることはもちろん、彼に対してオボロがどう成長して乗り越えていくのかということも期待が持てるように。


 実は、第3話を観て一番好印象だったのはここの部分でした。
 エロゲ原作、ギャルゲ原作のアニメをさほど知っているワケでもないんですが―――僕がエロゲやギャルゲを“ストーリーとして”楽しめないのは、構築されていく人間関係が主人公を中心としたものに限られてしまうからなんです。喩えば、『Fate』のアニメの場合、士郎とセイバー、士郎と遠坂、士郎と桜・・・・というように関係が描かれるので、セイバーと桜のような関係を描くのは後回しになってしまうんですよね。
 もちろん、コレは『Fate』の一面しか見ていないということも分かってますし、そうした作品が必ずしも悪くはないということも分かっています。関係性の“余地”を残すことは二次創作の活性化にも繋がりますし、この点において『Fate』という作品は大成功を収めたというのも間違いないと思います。

 ただ、ジャンルは違えど、同じ“エロゲ”というカテゴリーを原作にしたアニメが正反対のアプローチをしていることが興味深かったことと。キャラが入り乱れる群像劇が好きな僕としては、『うたわれるもの』のような描き方が個人的には好みだなぁということです。逆に言うと、オボロの魅力に比べて、ハクオロは主人公としてのキャラ立ちはイマイチなような・・・・・・・




 ○ しかし、手堅い作品というのは感想が書きにくいなぁ
 アルルゥの可愛さは反則だろ・・・・・・
 登場シーンの3分の1が目こすってるトコなんかもポイント高いし、「お姉ちゃんみたいには出来ないの・・・」と憧れとコンプレックスを内包したような発言をしているトコも萌え。つーか、このコは喋れたんだな。一言ずつしか喋れないキャラなのかと思っていました。喋った時の方が更にかあいい・・・・・・さすが、沢城みゆき。


 で、同じく妹キャラのユズハですが、こちらは病床から起き上がれず・・・
 RPG的なノリだったら「あの山に生えている薬草さえあれば治るんじゃが・・・」ってな展開になると思っていたら、なんか怪しげな石さえいれば延命は出来るという話に・・・・・・延命だけで治らないのか。中原麻衣だし、病床に着いたまま終わってしまうようなことはないと思うんですが・・・・・


 そんなこんなで、どうしようも出来ないもどかしさを抱えたまま、村に妙なお偉方がやってきました。
 まぁ、年貢を取り返しちゃったワケですし・・・オボロ達の存在が村を危機に追い込むって展開になっちゃうんでしょうかね。なんか、どんどん情けないキャラに落ちていってしまいそうで萌えが止まらないんですが。イマイチ好きになれなかったハクオロだけど、オボロとの絡みでちょっとずつイイカンジになってきたかなぁと。これもオボロ効果か? てゆうか、僕は結局のところオボロが好きだってことしか書いていない気がするぞ。


 








■ 『うたわれるもの』 第4話 「戻れぬ道」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:矢野博之 演出:鎌倉由実 作画監督:小山知洋

 絶対的指導者だった老人の死、新たに指導者として村人達から期待される主人公、捕らわれになった仲間のためにとうとう反旗を翻す村人達、戦いの果てに全てを包んでくれたヒロイン・・・・・・と、一つ一つはよくある展開だし、ものすごくベタなものなんだけれど。それらの一つ一つの展開にちゃんと説得力を持たせる描き方をしているので、各キャラの行動や展開に突飛な印象は全く受けません。全員が全員、それぞれのキャラのすべきことをしているだけなのに、話がちゃんと動き出しているという・・・
 この手堅さと計算高さ、本当に『舞-HiME』みたいだ。そう考えると、オボロは玖我なつきのポジションなのか。ツンデレへタレヒロイン、単独行動の結果、敵に捕まったりして迷惑極まりないキャラ(笑)




 ○ トゥスクル死亡によって、動き出すストーリー
 3話に渡ってトゥスクルを絶対的に頼れるキャラとして描いておけたおかげで、彼女がアルルゥを守って死んでしまうことも、笑顔で死んでいけたことも、彼女の死によって村人が一致団結することも、全てが納得いくように仕込まれていました。また、彼女がカリスマとして村人をまとめていたため、その後継者として主人公が選ばれたことも、重い責任感を背負わされていることをちゃんと描いていて。主人公の決断によって、朝廷を敵に回してしまったことを悔いている―――また、それをヒロインが受け止める。と、ホント丁寧に各キャラを動かしていました。爆発力はまだ感じられないけれど、一つ一つのシーンを無駄にしない構成力はなかなかのもの。

 「つい最近やってきた他所者に村長を任せるのかよ!」という気もするんだけど、神殺しによって村人を救ったり、農業に革命をもたらしたり、これまでの展開で一応の納得ができるように伏線は張られていました。地味なようだけど、こういう積み重ねがあるかないかで、御都合主義と感じてしまうかが決まってしまいますからね。

 オボロについてもそう。あそこで主人公が助けに行かねばユズハが残されてしまうことが彼には分かっていたワケですし、視聴者としてはオボロが村のために屋敷を襲っていたことが分かっていたので―――ムチャなことだと言われても、彼らのとった行動に説得力を感じることが出来ました。オボロが主人公を認めていく過程も、早足だけど着実に描かれてますし。本当に丁寧に構成されたアニメですねぇ。



 ということで、今はどういう意図があって描かれているか分からないシーンも、ちゃんと伏線になって今後にかかってくることが期待できるワケです。



 ○ 順調に仕込まれる伏線
 ・ベナウィとオボロ
 原作がどうかは分からんのですが、ゲーム→アニメと再構築する際に取捨選択をするのなら、二度に渡って描かれた二人の対峙を一つにしてもおかしくないですよね。敢えて二度描いたということは、やはり二度に渡ってベナウィがオボロに何かを感じる必要があったということですね。結局、オボロを助けた理由は推察するしかないんですが、「目が死んでなかったから」とかそんなの?
 とにかく、オボロの方にはベナウィに“借り”が二つ出来たワケですし(そういやハクオロにも借りが出来てたんで、コイツ借りだらけだな)、ベナウィの方には「他の敵キャラとは違うんだな」と視聴者に思わせる伏線がありました。このキャラと今後もう一度対峙した時、敵であれ味方であれ、彼ゆえの理由でそこに対峙することが描かれそうで楽しみ。


 ・堕ちていくヌワンギ
 期待はしていたけど、ちゃんとここまで描いてくれるとは。
 悪ぶってたとは言え、アルルゥに切りかかる兵士を止めようとしたり、トゥスクルのことを心配したり―――心底からの悪人ではなかったヌワンギ。彼の行動も強い自尊心と、自信のなさが表れていたワケで。主人公の登場で全てを失ったからには、彼を恨むのも当然だと言えます。主人公がヒロインとイチャイチャしてれば、ちゃんとその裏に涙を飲んでいる人がいるのですから。涙を飲んでいる人がいるのですから!(魂の叫び)
 というワケで、どん底まで堕ちた彼ももう一回どこかで再会することでしょう。『バガボンド』でいう又八とか、『MONSTER』でいうエヴァのポジションか。どん底のままなのか、這い上がっているのかは分かりませんけど。


 ・ハッタリバトルとは言え、兵力の差は重要
 農民が武器持っただけで兵士と互角だったり(兵士はどれだけ鍛錬をサボっていたんだ・・・)、鉄扇で弓矢が無効化されたり(足とかには当たりそうなんだけど)、グルグル回ったりしてる間に敵がバッタバッタと倒れていくんだけど。一応それはバトルものの演出みたいで、実際には兵士の数がモノ言う世界観だとベナウィの台詞にて説明されました。
 これによって、朝廷が軍を送ってきた場合、幾ら主人公が超人的に強くても数には勝てないということで、緊張感がしっかり出てくると思います。原作はS・RPGなので、ファイアーエムブレムくらいのバランスと考えれば良いのかな?幾らオグマでも10vs1はキツいレベル。喩えが古ぃーよ。




 というワケで、地味ゆえに感想書くのはなかなか難しいんですが。きっちりと構成されたストーリーには安心感があります。『涼宮ハルヒ』とか『ひぐらし』とか爆発力に秀でたアニメが話題の今期、これだけ地に足ついた作品は貴重な存在。これまでの4話には不満がほとんどないので―――あとは、後半ちゃんと覚醒するのかどうかかな。


 









■ 『うたわれるもの』 第5話 「森の娘」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:サトウシンジ 演出・作画監督:田中基樹

 
ちょっ・・・・・虎大きくなるの早すぎ。
 これまでは全くと言っていいほどツッコミどころのない丁寧な脚本だったのに、いきなりデカくなってて笑ってしまいました。でもまぁ、今週ラストのヌワンギの出世や、「ちっとも攻めてこねえじゃん」という村人の台詞から考えるに、先週→今週の間にちょっとした時間の間隔があったのかも知れないですね。1年や2年は長すぎでも、1ヶ月や2ヶ月くらいの間隔はありそう。まぁ、生物が1ヶ月であんなにデカくなるかは置いといて・・・・


 と、珍しくツッコミどころがあった今週なんですが、それ以外はホント丁寧で隙のない構成でビビります。
 ベナウィの迷いにしてもそうですし、虎が戦いに出てきた理由もそうですし、こうした積み重ねは絶対に終盤に活きてくるはず。上江州さんのサイトによると来週からは違う脚本家が担当するそうですが、クオリティを落とさないで頑張ってもらいたい!



 ○ アルルゥは戦闘要員でした
 僕は原作をプレイしていませんし、アニメが終わるまでは原作がどんなゲームだったかもチェックするのは辞めようと思っているんですが―――S・RPGということで『ファイアーエムブレム』的なものを想像すれば、各キャラはどんな役目なんだろうと考えていました。エルルゥは薬師なんだから回復要員(シスターとか僧侶とか白魔道士みたいな)だとして、アルルゥやユズハは一体・・・?

 まぁ、虎がデカくなることはオープニングで分かっていたので虎に乗って戦うのかなぁと思ってましたが、まさか味方チームで一番強いとは(笑) まぁ、ベナウィ達は森の守り神だから攻撃できなかっただけとも思えるんですが。
 それにしても、虎が一緒に戦ってくれるという話も、ちゃんと主人公と関係構築話を丁寧に描いてくれるんですよね。痒くなる前にちゃんと手が届いているのは素直に凄いと思いますし、こうした手堅さが終盤に化けそうな匂いを出しているのも容赦ないです。ハデさは哀しくなるほどないけれど、2クール終わった時に勝ち組になっているのはこの作品かもしれないですね。


 また、ハクオロと虎の関係構築をぬるく描く一方で、ちゃんと虎や妹を叱るエルルゥを描いておいて、それが萌え要素を補完しているというのも手堅いです。胸を吸われたのも、貧乳ネタも可愛かったですが(でも、和服の世界だったら貧乳の方が似合うから重宝されそうですけどねー)―――その後、食料を食べちゃった虎を睨んで一蹴する顔が凄まじかった。単なるイイコちゃんではない魅力が出てきましたね。姉妹話としても、実はかなりポイント高いアニメですしね。
 んでもって、エルルゥとオボロ・ユズハ兄妹との出会いが挿入。これまで主人公(とトゥスクル様)を中心とした関係性ばかりだったこの作品でしたが、各キャラ同士の横糸が繋がってきて楽しみが倍加してきましたよ。ホント抜け目ねえ・・・・・・





 ○ 気を抜いた村人と容赦ない攻撃
 先週あれだけ苦労して、嫌な敵の大将を倒したというのに・・・色違いキャラが出てきた(笑)
 ベナウィはもちろん、ヌワンギだって同情できる部分が往々にしてあるというのに、この面白ヒゲは感情移入できるスペースが1ミリもありません。恐らくは、こんな人に仕えなきゃならないベナウィの中間管理職っぷりを描くために、どこまでもイヤ〜なヤツにしているんでしょうが・・・・

 そうなると、ベナウィが裏切った後の敵キャラとしては弱いような・・・コイツはあっさり倒して、国単位よりももっとデカい話になるんでしょうか?


 というワケで、冒頭の迷いやその後の対峙なんかを見る限り、ベナウィは仲間になるのかなーと思います。
 これまでの数週間で「単なる敵とは違う」と思わせてこれたので、今週、村を焼き払う面白ヒゲに内心反発しているのも納得いくようになっていました。これまではオボロとの関わりのみでしたが、ようやっと主人公と対比して描かれるように。また、ベナウィの台詞によって、味方側(ハクオロとオボロ)の考えの違いを浮き彫りにしていくのも上手いです。こうやって1つのシーンで幾つもの要素を入れていく手法は、ホント『舞-HiME』みたいな計算高さだなぁ・・・と。



 彼らの残虐性を際立たせる意味でも、今はまだ攻撃されていない村人たちが訓練にダレてくる様子なんかもちゃんと描かれていて。駆け足であるはずなのに、ちゃんと地に足がついている安心感があります。うーむ・・・御見事。今週はバトル描写も面白かったですし(てゆうか、あの鉄扇じゃ槍には勝てないだろ・笑)、ケチのつけどころがなくなってきました。あとは、爆発力ですよね・・・・・




 そういや、今週の「森の娘」というサブタイトル、結局アルルゥのことだったんでしょうか?
 何かそう言えば、アルルゥだけが虎の言葉が分かるというのも、何故かみんな納得してるな・・・なんでだ?


 









■ 『うたわれるもの』 第6話 「集う力」
脚本:福嶋幸典 絵コンテ:サトウシンジ 演出:宮原秀 作画監督:徳田夢之介

 何かもう、構成にはケチのつけどころがないな・・・・・・
 実はベナウィと繋がりのあった商人がハクオロ達の砦にやってくるというのも、それだけなら普通のよくある展開なんですが。色んな商品を出してくることで外の世界観を描写して、これまで視聴者=主人公視点だったとこに外部からの視点を取り込むことによってハクオロ達の“甘さ”を容赦なく描いておいて、なおかつ今後のベナウィ達の行く末を握る伏線ともなり、ベナウィとクロウの距離感を示し、んでもってエルルゥにセクハラさせるという―――一つのシーンで色んなものを説明できる技術は流石。サービスシーンも忘れないですしね。

 エルルゥとハクオロの関係も然り。単に寂しがっているエルルゥを描くんじゃなく、(目の見えない)ユズハの前で涙だけを流すということによって、彼女の「弱いところは見せられない」と「でも弱い部分だってあるんだ」というギリギリのラインを描いてきました。原作プレイ済み派の感想サイトさんを見る限り、こうした二人の距離感はアニメオリジナルらしいんで・・・アニメスタッフとしても、原作再構築してでも描きたいものがあるんだと感じ取れ、期待が更に膨らみます。


 ただ、教科書通りというのは逆に言えば“読みやすい”ということでもあるので、序盤はよくても中盤辺りで飽きがきてしまいがち。どこでどうギアチェンジをするのかが、このアニメが真に化けるかどうかを決めるのかも知れないですね。とにかく、まだ飽きが来ていないので、ここらの展開は文句なし。まだオープニングに出てくるキャラですら全員出ていないですからね。




 ○ 集落vs朝廷の関係に新たな局面
 セオリーから考えて、ここらでどちらのサイドにも属さない第3の勢力を出してくるかなと予想していました。
 勢力というよりは、二つの勢力の戦いを一歩引いたところから見る客観視点と言いますか・・・旅人みたいなキャラですかね。『舞-乙HiME』で言うミユのようなキャラ。それまで一つの舞台の中だけで描かれていた物語を、主人公視点からブラさずに、一気に世界観を広げることが出来る上手い手法ですね。最初に考えた人はエラい。ちなみに『舞乙』で言えば、ミユが出てきたのが8話。こちらは序盤に駆け足だった分、今が6話ですね。とは言え、緩急の付け方やギアチェンジのタイミングには共通するものがあるように思えます。

 で、この商人のキャラ。
 ベナウィに情報を渡していたので、彼に言われてハクオロらを探っていたかのように思ったんですが・・・考えてみれば、ベナウィにはハクオロ達を攻撃する意志はなかった上、あっさり捕まっちゃったので、これは全然関係ない伏線かも知れないですね。今の集落vs朝廷のエピソードが終わった後の展開に向けての伏線とか・・・だとしたら、用意周到すぎて怖くなってきます。



 エルルゥへのセクハラは後述するとして、アルルゥは玩具で遊んでて、ドリィとグラァが宝石みたいのをつけていたんですが・・・・・えっ?ドリィとグラァっておんなのこなの?? 声優さんは女性だけど、少年キャラだと思ってた。

 ちなみにドリィとグラァの声優さんは渡辺明乃さんなんですが・・・この人、『第2次スパロボアルファ』でアイビスやっていた人らしい。僕はアイビスルートで感動していたはずなのに、イマイチ声を覚えていない。別に感動も何もしなかったくせに、未だに耳に残っている『スパロボアルファ』の高橋美佳子とは対照的・・・




 ○ 砦の攻防戦
 週間ペースで作らなきゃならない作品の場合、多数vs多数のバトルは作画がものっそい大変ですから「どうやって誤魔化すか」に焦点があると思います。この作品の場合、“動き”自体はそれほど凄くないので、第4話のようにクルクル回ったら敵がバタバタ倒れるような演出にするしかないんだろうなと思っていたんですが―――
 今回の砦(ていうか関所か)攻略は、壁破り、壁越しによる槍での攻撃、壁を乗り越えて槍部隊を攻撃・・・と、なるほど原作がシミュレーションゲームだというのが分かるような凝りっぷり。元来素人であったはずの農民が、1対多数で攻撃したり(まぁ台詞で表現しているだけなんですが)、逆方向からの奇襲を使って何とか倒すといったり、非常に説得力のある描写を幾つも積み上げて表現していたと思います。もちろん、あっさり乗り越えられるような高さの壁には疑問だったりするんですが、些細なことには目を瞑りたいくらい工夫して多数vs多数のバトルを描ききっていたと思います。週間のアニメに出来ること、出来ないことを熟知した見事な選択だったと思います。

 また、最終的な決め手となったのが、ベナウィが見逃した侵入者(関所を抜けようとした者)というのも皮肉でしたね。



 ただ・・・「おぉっ!ここでベナウィとの決戦なのか!」と期待しまくっていた僕としては、この幕引きは拍子抜けのトコも。
 こういう展開になったら、もうベナウィ助けて味方化くらいしかなさそうなんで・・・強い敵が味方になるというのは燃えシチュエーションではあるんですが、せっかくこれまで周囲から神聖視されまくっているハクオロと対比して描けそうな貴重なキャラなんだから、互いの信条と力をぶつけ合った結果での味方化が見たかったなぁ・・・というところです。


 それはともかく、ベナウィの副官のクロウは萌え萌えですね。ベナウィのお人よしに呆れるトコなんて可愛くて仕方ない。
 先週に引き続き、クロウvsオボロという夢の萌えキャラ対決も色んな意味で楽しかったです。


 しかし・・・次々と出てくる萌えキャラが、ことごとく汗臭いヤローどもというのが何とも(笑)
 女性陣は影薄いですね。エルルゥ一人で奮闘していますが、中原麻衣も雪野五月もいるんだかいないんだか・・・中原麻衣=ユズハには今後活躍しそうな予感もあるけど、雪野五月に関しちゃ双子の妹でも出てこない限り見せ場はなさそう・・・



 ○ 女性キャラ萌え要素を一手に引き受けるエルルゥ
 先週の虎に引き続き、今週もセクハラされていました。
 精力剤に真っ赤になるところなんか、薬師だからそういう知識は一応あるんだろうけど、実際に人前でそういう話をされると恥ずかしくなってしまう初々しさなんかが感じ取れてエロかったです。まぁ、コレだけだったらあざといキャラだなぁで済ませたと思うんですが、先週の睨みがありましたからね。お姉ちゃんでありながら子どもっぽさもあったりして、そうしたギャップが素晴らしいのです。


 しかし・・・6話の時点で、“戦場に出て行くハクオロ”と“待つことしか出来ないエルルゥ”を描くということは。これ、どうやって決着つけるんでしょうね。手っ取り早いのは「ハクオロさん、私も戦います!」なんですけど、戦闘描写のバランスが絶妙な今、それをやるのは自殺行為だと思いますし・・・戦闘以外のシーンにて溝を埋めていくしかないのかな?


 









■ 『うたわれるもの』 第7話 「皇都侵攻」
脚本:福嶋幸典 絵コンテ:矢野博之 演出:渡辺正彦 作画監督:吉野真一

 ヌワンギの敗退→解放、皇都侵攻、ベナウィの復帰&決戦、インカラ死亡によって、別の国が動き出す・・・と、これまで以上に詰め込まれた内容に加え。戦闘シーンはワラワラ動くモブをCGで動かしたり、止め絵やアップを効果的に使ったり、キャラ一人一人の個性が出てたり(じいさんが倒れた兵士をボコボコやってたのには笑った)、技術を存分なく見せ付けて、迫力十分な内容でした。
 自分的にはテンポも戦闘シーンも自分好みで大満足なんですが、2クールのアニメでまだ7話だというのに、今からこんな状態で終盤息切れしちゃうんじゃないかと心配になってきます。一応、今後に向けた伏線も張ってありますが、インカラ倒して一息ついた来週以降次第ですかね。やっとキャラも出揃いそうですし。



 ○ ヌワンギの三週間天下
 堕ちるの早っ!

 もうちょっと“可哀想な敵”として主人公達を苦しめる位置のキャラなのかなぁと思ってましたが、考えてみりゃ別にヌワンギに戦の実力なんかないんでしょうし、彼の性格からすれば部下に慕われることもなかったろうし。全てを失っての早々の敗北というのも、彼にとって最も相応しい負けっぷりだったのかも。
 こうやって、持っていたものを一つ一つ失わせて逃げ場のない状況まで追い込むというパターン、谷口悟朗的な計算高さを感じます。谷口悟朗作品で言えば、『プラネテス』でも『舞-HiME』でも『ソルティレイ』でも“追い詰められるのは主人公格”のキャラだったので、主人公に感情移入して観ていた人には非常にストレスをかけてしまうという(作品としてというよりは商品としての)デメリットがあったんですが。こちらは、あくまで敵役であって、主人公格のエルルゥがヌワンギの救いとなるということで、視聴者に負荷をかけずに済んでいるんですね。

 しかし、ハクオロはちょっとズルいよなぁ・・・あの状況だったら、エルルゥが見捨てることなんて出来ないって分かりきっているじゃないですか。視聴者的にはヌワンギに同情できる部分が多々見えていた分、もうちょっと作中キャラがヌワンギに対して毒々しい感情を持っているところを見せておいて欲しかったかも。そうしておいて初めて、エルルゥがヌワンギを助けたことの意味が大きくなると思うんで。



 逃げ場を完全に失って、エルルゥによって命だけは助けられたヌワンギ・・・これまでの構成なんかを見る限りは、一旦退場しておいて、肝腎なところで主人公達を助けてくれるポジションにつくのかなぁと思うんですが。7話の時点でヌワンギの“悪いヤツ”描写が終わってしまうと、ちょっとタメとしては弱いかも・・・
 この作品に出てくる人ってみんなスナオでいい人ばっかなんですよね。オボロにしてもベナウィにしてもクロウにしても。インカラとササンテは記号的なダメ敵だったので論外として。もうちょっとねちっこくイヤ〜な敵キャラを出してくれた方が話としては面白いかも。ヌワンギにそれを期待していた分、新展開に期待です。あの商人なんか、最有力候補かな?



 ちょっと関係ない話ですが―――ヌワンギ戦の直前に、エルルゥがハクオロをユズハのところに連れてきたシーンはどういう意図なんでしょう?公式サイトのあらすじにもしっかり描かれているから、単に尺を埋めるシーンとは思えないんですけど。
 ギャルゲー的に言えば、ユズハの好感度上げる代わりにエルルゥの好感度を下げてしまうイベントってところでしょうか? わざわざ尺を割いてまで、エルルゥの寂しさを表現しておくってことだったら・・・可哀想だけど、うん、萌えれる!(最低)




 ○ vsベナウィ・最終幕
 先週時点でもうベナウィとは戦わないんだろうなーと思っていた分、屋敷内で対峙するシーンにはゾクゾクして興奮しっ放しだったんですが。なんか、その後はグダグダなまま仲間化しちゃいそうで、ちょっと残念だったかな・・・

 オボロ-ベナウィの因縁、クロウ→ベナウィの信頼、ベナウィを認めているハクオロの微妙な心境、ベナウィなりの国への忠義と責任感・・・と、一応要所要所は押さえていますし、伏線もちゃんと昇華させてくれたと思うんですけど。ハクオロとベナウィは別に信念をぶつけあったワケでもないので、このまますんなり仲間化するほどの必然性が感じられないんですよね。

 ストーリーとしてとか、人気キャラだとか、そういう理由ではなく。キャラクターがそれぞれの人生を生きた結果での仲間化を期待していた分(そして、ベナウィはそれくらい濃密に描いていい重要キャラだと思っていたので)、僕としてはこのまま流れに任せての仲間入りは望んではいないかなぁ。もう、ここまで来ると「お前の守る国はなくなったんだから一緒に戦おう」とか「共通の敵がいるなら共に戦おう」みたいな、それ結果論じゃんみたいな仲間化以外には描きようがないと思うんですが―――それでも、それでもこのスタッフなら何とかしてくれるはずだ!




 インカラとベナウィの落としどころは・・・国に対するベナウィの忠義と、これまでストレスをかけられていた分のカタルシスがしっかりと描かれていて、見事だったと思います。その分、ハクオロとベナウィの関係が消化不良気味ではありましたが・・・





 というワケで、新しい国の名前はトゥスクル。何ともまぁ美しい構成ではあるんですが、「オマエラ、どれだけトゥスクル様を神聖視してたんだ」と言いたくもなります(笑) ですが、所詮は寄せ集めの集団で作った国なんで、色々と面倒は起こりそうではあるんですが。とりあえず、他の国(?)から新キャラ登場。

 最後に声だけ出ていた方が釘宮さんかな? 釘宮さん、実は神楽しか聞いたことないんで・・・
 まぁ、ようやっとキャストが出揃いそうな予感です。


 









■ 『うたわれるもの』 第8話 「調停者」
脚本:名田ユタカ 絵コンテ:樫山聡之 演出:深沢幸司 作画監督:中田正彦

 “ちょうてい”という言葉は何度か出ていたと思うんですが、“朝廷”ではなく“調停”という意味でしたか。
 国同士の関係を円滑に進めるための役割を一国の王女が行うというのは、近代の政治の常識から見ると「どうなんだろう?」とは思うんですが、戦争をなるたけ起こさないためにはこう出来たら理想ではありますね。王女が人格的に優れていてワイロを受け取らないことが条件なんで、あくまでファンタジーの世界の話ですが。この王女達だってフツーに馴れ合っちゃっていますしね(笑)

 しかし、こうやってバランスを取っている“理想的な国”同士の関係がどうやって崩れるのか―――ということを前提に見ると、今週の日常話を箸休めにして、ここから一気に落とすということを考えているみたいですね。この緩急の使い方、ホント『舞-HiME』みたい・・・観ていて飽きないのは良いんだけど、現場は大変でしょうね。視聴者的には落ち着いて観れる回と言っても、作る方はキャラを可愛く描かなきゃならん訳で―――



 業界のことをほとんど知らない僕が、知ったかぶって話しているというレベルで読んでもらいたいんですが・・・週刊のアニメの場合、作画が一番大変なので、作画監督は必ずローテーションで回すもんですよね。その中でも、キャラデザとか総作画監督クラスの人というのは、もっとも責任あるポジションなんで、もっとも重要な回の作画監督をすることが多いです。喩えば、『舞-乙HiME』で言えば1話・17話・26話を久行さんが作監をやってる、みたいな。
 で、『うたわれるもの』の場合、キャラデザの中田さんが作監をやっているのは1話と今週なんですよ。ストーリー的な盛り上がりは先週の方が重要そうだし、今週は箸休めみたいな回だというのに。これって、この作品が抱えている「バトル」と「キャラ萌え」の二つの特性を上手く表しているような。キャラデザはあくまでキャラ萌えを担当し、それが作品の軸であることは間違いないんだけど、そのキャラの魅力を引き出すためにバトルが存在するという・・・この両輪がキチッとハマっているからこそ、ここまでノーミスで面白いという。これが2クール持続できれば文句ありませんが、今からこんなんで最後まで持つのか・・・・?




 ○ 今週はキャラ整理話でした―――
 ベナウィが何のイベントもなく(強いて言えば、自害を止めたことくらい?)、仲間になっちゃったのは拍子抜けではあるんですが・・・「堅物のベナウィの目を盗んで、ハクオロが仕事をサボる」といったように、今までのキャラでは出来ないような動かし方をしていて。確かに、ベナウィもハクオロも二人合わさってキャラが立ってきましたし、これはこれで面白かったです。
 詳しくは後述しますが、新キャラが味方に入ることで、元からいたキャラの新たな一面を描くというのがホント上手い・・・原作からこうなのか、それとも原作をアレンジしてキャラ配置してこうなったのか分かりませんが。マジで隙のない構成にビビります。



 という訳で、おやっさんと雪野五月が故郷に帰りました。雪野五月、名前すら覚えないまま退場されてしまった・・・・
 でも、正直この二人には感情移入できなかったんで、退場してもらった方が面白くはなりそう。というのも、どうにもこの二人ステレオタイプなキャラだったかなぁと。おやっさんは「ガハハ」と笑う豪快で、でも頼りになる親父で。雪野五月はそんな親父を支え、エルルゥやアルルゥの姉代わりにもなってくれるキャラ―――どこにでもいる、だからこそ観ていて安心できる二人だったかなぁと思うのです。
 思うに、初期はハクオロ・エルルゥ・アルルゥ・トゥスクル様・オボロあたりを中心に描かなきゃならず、エルルゥはまぁ正統派なヒロインですが、他は結構特殊な組み合わせではありますもんね。世界観からして異質なワケで、視聴者を混乱させずに楽しませるためには、彼らを優先して描き、おやっさんや雪野五月を“よく見るキャラ”として時間をかけなかったのは正解だったかと。

 もちろん、退場させなくても、ここから二人がメインの話を描くことで感情移入させることは出来ます。多分、ほとんどのアニメはそっちの道を選ぶと思うんですが―――この作品はただでさえキャラが多く、更にここから増えるのですから、思い切って退場させたのは今後のためだったかなぁと思います。現に、今週なんかはほぼ全キャラが効果的に動いていた回でしたしね・・・

 そして、十中八九、主人公達が苦しい時に再登場してくれるのでしょう。おやっさんが駆けつけてくれるのか、主人公達がおやっさんを頼りに逃げてくるのかは分かりませんが――――――ヌワンギといい、おやっさん達といい、終盤に向けて着実に楔を打ち込んできています。こうした伏線がキレイに張れているかどうかで終盤の爆発力が別物になるので、否応なく期待が高まってきます。楽しみ!




 ○ 新キャラ登場で、既キャラを掘り下げ直す回
 ウルトリィとカミュ登場。釘宮さんの声を聞くと「アニメ観てるわー」って気になりますね(笑)
 カミュが「姉様」と呼んでハクオロが「妹君も・・・」と言っていたけど、実の姉妹なんですかね。何か、全然似ていないどころか。共通しているところの方が少ないんじゃないでしょうか・・・エルルゥとアルルゥは「姉妹だ!」って感じですからねぇ。こっちはどうなんでしょう。

 単純に新キャラとしてハクオロのベッドで寝ていたりしていたのは最初だけ。初めてエロゲらしいシチュエーションになった!と驚いたんですが、すぐに終わりました。僕的にはこの方がありがたいですが、「添い寝くらいしろよ!」と嘆いている人もいるかもですね。

 実はあんましエロゲ詳しくないんで、これまた知ったかなとこはあるんですが―――
 エロゲもギャルゲもそうだと思いますが、基本的には主人公を中心とした関係で繋がっていることが多いですよね。それはもちろん主人公=プレイヤーとして感情移入させて楽しませるには、“登場人物全員が主人公のことが好き”というシチュエーションにしたり、それを発展・変形させていった関係性を作ったりするのが「最も売れる」形だと思うんで、そこに不満があるワケじゃなくて。
 逆に、アニメや映画やドラマという媒体は客観視点を描くのに向いているメディアだと思います。『涼宮ハルヒ』のような例外もあるんですが、一人称視点のアニメというのは絶対数が少ないんじゃないですかね。つまり、色んなキャラの視点を頻繁に切り替えることによって、群像劇を描くことができるというか―――


 このアニメ、エロゲ原作とは言え、S・RPGがメインということもあって。決して、主人公を中心にした人間関係ではないんですよね。オボロはハクオロのことが大好きだけど(笑)、クロウともベナウィとも関係性があって、彼には彼なりの人生があることをしっかり描いている。非常に“アニメ単体として”優れていて、大成功なメディアミックスの一例となったんじゃないですかね。


 そういう意味で。新キャラ、ウルトリィとカミュそれだけよりも、ウルトリィを通じてエルルゥを描いたり、カミュを通じてアルルゥを描いたりといった面白さが見れたのが嬉しかったです。僕的には男女のカプには全然興味ないので、女のコ同士でイチャイチャしてくれとも思うし(笑)
 エルルゥは、バトルがメインになってもヒロインらしさを全く失ってないのがイイですね。「妹みたいなもんです」にガックシきてるのが可愛かった。でも、姫様の案内を任されてる辺り、誰よりもハクオロに信頼されているという自信は持っても良いのにね。話が逸れますが、子どもが羽根をむしる件は、1話でエルルゥが尻尾を触られたシーンと絡めてある? そういや、尻尾についてはフォローなしだったな・・・(このアニメにしてはフォローのない描写が珍しいので、何かあるのかな)
 アルルゥは何より、字が書けたということにビックリ(笑) あと、いつの間にかユズハと仲良くなっていたんですね。カミュと仲良く遊びまわっていく過程は和やかであり、微笑ましかったです。だって、その前に描かれた一人で遊んでいるシーンが全然楽しくなさそうなんですもん!





 というワケで、非常に爽やかな1話でした。
 最後にハクオロさんが「こんな時間が出来るだけ長く続けば・・・」とか言ったせいで、来週にもぶち壊されてしまうのが確定しちゃいましたけどね。


 









■ 『うたわれるもの』 第9話 「禁忌」
脚本:名田ユタカ 絵コンテ:難波日登志 演出:青柳宏宣 作画監督:小山知洋

 日記にも書いたんですが、TVKではW杯の影響で今週は2話放送。それを知らずにいつも通り毎週録画をセットしていた僕は、録画が終わったのを見て大リーグ観ようとテレビつけて。そこで初めて2話放送だってことを知り、慌てて録画をした・・・・ということで、アバンタイトルはまるまる録り逃しました。まぁ、1話全部見逃しちゃった人も多いでしょうし、アバンだけで済んだ僕はマシなんだと思います。何だかんだ、TVKには物凄くお世話になっているんで、文句を言ってはいけないんだと自粛。


 アバンを見逃したからというワケじゃないと思うんですが、平和だった前話から急転直下で戦争になっていてビックリしました。ウリトリィ達の国とは別の、大きな国が従属を求めてきたってことですかね。他の国にも助けを求められないどころか、油断すれば他の国にすら攻め込まれそうな状況―――あの面白髭が統治していた時代にどうやって守っていたんだとも思いますが、民衆を搾取した分、軍備は充実していたのかも知れませんね。
 王が変わるだけの反乱と、社会体制を変えてしまう革命は似て非なるものだとは思いますが。状況的にはフランス革命後の諸外国の対応のようなものか。果たしてハクオロはナポレオンになれるのか、なってしまうのか・・・・・




 ○ 今度は砦を守る戦いです
 前々回ほどではないとは言え、今週も人が動く動く。作画家さん達は2クール終わるまで生きているんでしょうか・・・

 先々週までは砦を破る方の戦いでしたが、今度は守る方の戦い。しかも、毎回戦力の差が圧倒的・・・。
 こちらに地図がないんで詳しい状況は分かりませんでしたが、兵力を一つに集めて敵を懐に誘い込み、自分達の城を乗っ取って油断しているところに奇襲をかけて食料を爆破―――兵糧のなくなった彼らは敗走するしかないという作戦だった模様。圧倒的戦力差を跳ね返すために、視聴者にも納得できるレベルの搦め手で、なおかつ非道な手段を取らざるをえないハクオロの心境を見事に描いていました(この辺は後述します)


 また、砦を守る方の準備として、弓矢で壁にはりつかせない→はりつかれたら岩を落としてハシゴを防ぐ、扉を突破されたら歩兵で食い止める―――というギリギリの攻防が面白かったです。しかし、クロウは予想以上に強かった。敵のエース格3人と、一時までは互角だったのですから・・・オボロもクロウと互角だったからこんくらい強くて、ベナウィはもっと強くて、でも一番強いのはムックル(笑)

 あと、地味だけど、双子のおかげで二人の見張りを同時に仕留められる―――などなど。ちゃんと適材適所しているのが凄いです。ハクオロさまが、ではなくて、脚本が。男性キャラも女性キャラも、萌えどころとバトル要員としての役割をちゃんと最大限発揮しているという。キャラ配置にはぬかりないなぁ・・・
 と思ったけど、この商人はいつの間に再会したんですかね? ベナウィと繋がっていた伏線はどうしちゃったのでしょうか―――実は商人というのは仮の顔で、本当はこの惑星を牛耳っている絶対的支配者だったりはしないんですか? ベナウィがクロウにも内緒にしていたり、結構重要な伏線だと思っていたんですが。



 ハクオロ様の切り札は、禁忌の薬品を使ってでの爆破でした。
 そうか・・・・・ひょっとして、この時代までは爆薬を戦闘に用いるという概念がなかったかのも知れませんね。日本史は中学までしかやっていない僕が偉そうに言うのもアレなんですが、日本で爆薬を戦闘に使ったのって元寇以降だったような。だとすると、この作品の世界観では・・・少なくとも、この国で爆薬を戦闘目的で使った人はいなかったと考えても良いかも。
 ゲームという分野の場合、こういった科学技術のレベルの設定があやふやなことが多いと思いますし、そういうったハッチャけた部分がゲームの魅力だと思うんですが・・・原作からしてこういった部分を押さえていたとするのなら。この作品ってホント、アニメ向けな題材だったんだなぁと思いますよ。世界観からキャラから脚本から、何まで。


 しかし、ハクオロはどうして禁忌の爆薬の使い方を知っていたんでしょうね。記憶が戻る/戻らない以前に、エルルゥ達に出会う前、こういったものを使っていたということなんでしょうか・・・そういや、ハクオロさまの正体については初期にきっちり伏線張っていたんですよね。神についての考え方や、農地改革とか。忘れないようにしなければ。



 ○ ハクオロの迷いとエルルゥの決断
 戦場に向かう主人公と、その帰りを待つヒロイン―――よくある題材のようでですが、実は凄くバランスの難しいんですよね。トンデモバトルものでは、ヒロインをバトル要員にしたりして誤魔化したり。スポーツモノではヒロインそっちのけで盛り上がらせちゃって、開き直っちゃったり。

 でも、この作品ではどちらの道も選びませんでした。戦場に出て行くハクオロよりも、むしろ帰りを待つエルルゥの方に重点を置いて描いていたようにすら思えます。そうした前段階を描いておいたからこそ、今週、ようやくハクオロの元へ走り出す彼女の気持ちが痛いほど伝わってくるのでしょう。アルルゥについてはよう分からんけど。
 また、ハクオロの方にも、トゥスクル様の仇討ち以降、ずっと「これで良かったのか」と一人で抱え込む描写が繰り返されました。僕はそれをベナウィとの戦いで消化(昇華)させてくるのかと思っていた分、ずっと消化不良だったんですが―――ここで、エルルゥがハクオロの救いになるというシーンのため、今まで有耶無耶のまま進めてきたんですね。そりゃそうですよね、ベナウィ戦で消化されてたなら、ヒロインがベナウィということになってしまいますもの(笑)。これまでの積み重ねが活かされた、見事な構成だったと思います。




 しかし、そんなカタルシスを味わう暇もなく、衝撃のアルベルト登場。秋元羊介の声だったら東方不敗の方がメジャーか。この人がガハハハと笑えば、物理法則無視して炎の中から現れても納得してしまう何かがあるのが凄いです。
 満を持して登場しただけあって、非常にアクの強い厄介なボスキャラとして活躍してくれそうなキャラですね。この作品に欠けていた唯一のピースが“人間として描かれている悪役”だと思っていたので(インカラやササンテは記号化された悪)、このタイミングで投入されたのは絶妙。いや、ホント・・・視聴者の心理を読みきって緩急をつけてくるのが上手いなあ。





 シリーズ構成をやっている上江洲誠さんの公式サイトに、DVDボックスについてのコメントと、元々はここまで合戦をさせるつもりはなかったとの話が書かれていました。物語のために容赦ない合戦を描かなきゃならず、その結果作画の人達が死に掛けているとの話・・・でも、大袈裟じゃなく、それくらいの覚悟がなければあんな絵は描けませんよ。魂こもってるアニメって、こういうことを言うんだなぁと痛感しました。


 









■ 『うたわれるもの』 第10話 「傭兵」
脚本:福嶋幸典 絵コンテ:サトウシンジ 演出・作画監督:中村和久

 TVKでは3週間ぶりの放送。話としては一区切りついていたから問題ないのだけど、細かい用語とかキャラ名とかがイマイチよく分からなかったりで・・・初出の言葉だったからか、単に僕が3週間の間に忘れてしまっていたからなのかもよく分からず。W杯を堪能している僕が言うのもアレなんですが、やっぱりこのスケジュールはキツイもんがあったかなーと。

 内容のほうも、1話としてなら申し分なく楽しめたんですが、全体の流れの中では今までの回ほどの完成度は感じなかったかなぁ・・・これまでの新キャラって、国を作る→隣の国から視察のためにウルトリィが来るとか、支配者を倒す→主人公達を脅威に感じてベナウィ&クロウが立ちふさがる、と言ったように登場にちゃんと必然性があったんですけど。カルラはイレギュラーに“突然流れ着いた”だけなので、これまでと比較して御都合っぽく思えてしまって(もちろん、他のアニメでは頻繁にあるから気にもしないことなんですが)。
 カルラを通して、エルルゥ、クロウ、オボロ、アルルゥ、ベナウィ、ウルトリィ・・・と順番にキャラと絡めていって双方を掘り下げるのも見事ではあるんですが。2話前のウルトリィ&カミュの時も同じようなことをやっていた分、新鮮味は感じなかったかなぁと。その結果、どうしたって「繋ぎの回」と思えてしまいました。

 これがカルラのいた国や故郷に関する伏線になると良いんですが、前回出てきた衝撃のアルベルトの国との揉め事もありますしねぇ。しかし、ホントに僕はキャラ名も国名も覚えていないんだな・・・(笑) 公式サイトの登場人物紹介がちゃんと更新してくれれば、名称があやふやな僕も安心するというのに・・・



 ○ 新しいヒロインが出てきても主人公とはちっとも絡まないんですよね
 何だか新キャラ出るたびに書いている気がするんですが・・・原作がエロゲということで、登場キャラは基本的に(男女共に)主人公に好意を抱いているんですけど、決して主人公中心の関係性ではないんですよね。今回のカルラも、2話前のカミュの時も、ハクオロとの絡みはほとんどないんですもの。群像劇をやるならコレで大正解だと思います。

 ということで、新キャラのカルラにすら逆セクハラを受けるエルルゥ。
 「あんなヤツをかくまって良いのか!?」とオボロが焦るのも納得なくらい、ハクオロもエルルゥも無警戒すぎるような・・・まぁ、それがカルラの心を動かす要因になったんでしょうから結果オーライなんですけどね。この二人の会話で、もうちょっと二人の立ち位置を対比させれば面白くなったんじゃないかなーと思ったり。色んな国の人が集まるなら、異文化コミュニケーションを描く絶好の機会じゃないですか。

 ただ、エルルゥが本妻として落ち着いてきたのは、前回の葛藤消化による心境の変化をちゃんと表していて良かった。あと、カルラと一緒にいるとエルルゥの貧乳っぷりが際立って良かった!(笑) てゆうか、和服には貧乳の方が絶対似合うと思うんですけどね・・・そう言いつつ、貧乳コンプレックスを持ってもらえた方が萌えるから、エルルゥの描き方に文句がある訳ではないんですが。



 カルラに対するオボロ・クロウの似たものコンビの意見がズレるのは面白かったし(オボロはユズハやハクオロの身が心配だからあんなことを言うんでしょうし、クロウは逆にベナウィと信用してるからあんなこと言うんでしょうね)、クロウが掘り下げられるのは萌えるんですけど。怪力キャラとしてキャラ被っているクロウの今後が心配です・・・・・・・馬鹿でかい剣を持てなかったシーンが象徴するように、ギャグキャラとして落ち着くしかないのか?てゆうか、あそこまで剣を運んだ商人が一番凄くね?

 また、カルラの強さを測る相手がオボロでもクロウでもなく、ベナウィ立候補というのも地味に上手いです。オボロかクロウだったら選ばれなかった方が不満でしょうし、ベナウィだったら「ベナウィが負けたことにより」二人ともカルラの強さを認めるでしょうし。視聴者的にも味方チーム最強のベナウィを尺度にしてくれた方が分かりやすいですし。最近、ベナウィの影が薄くなってたトコですし(笑)




 ○ たった2話で戻ってきたウルトリィとカミュ
 地味にじいさんも一緒なのが嬉しかった。

 用語がよく分からなかったんですが、公式サイトのあらすじによると「ある任を受けて・・・」と書いてあったので、トゥスクル国内で起こった事件などを自国に報告したりする役ということなのかなぁと想像してみました。その割には、トゥスクル国内の軍備について一緒に話し合ったりしてるので・・・相談役とかご意見番みたいなもの?

 カミュを見た時のカルラの後姿が思わせぶりに描かれていましたが、カルラとウルトリィは顔見知りみたい?
 単に故郷が一緒とかだとエルルゥに隠した必要もなかったと思うし、ウルトリィの方が驚きもしていなかったので、幼なじみとかというよりは最近まで親交があった知り合いと見るべきかなぁ。でも、一緒に酒を飲むシーンは、再会を喜び合うみたいなシーンともとれるんで・・・この辺は、ウルトリィの過去と一緒にいつか明らかになるということか―――


 とりあえずメインキャラはこれで揃ったのかな?
 そろそろ何かの事件でも起こして、キャラ同士の関係性を揺れ動かしておきたいところ。


 









■ 『うたわれるもの』 第11話 「永遠の約束」
脚本:名田ユタカ 絵コンテ:矢野博之 演出:渡辺正彦 作画監督:吉野真一

 え?え・・・・え?
 ええええええぇええ!!?

 
まさかのおやっさん死亡!!

 いやもう・・・冒頭の会話や途中の暗雲、「疲れたから眠るわ」などなど、キッチリ伏線張ってあったから「まさか」とは思ってたんですが。雪野五月がシルエットで出てくるとこで、「どうせ誰かが傷を回復させてあげるんだろうな」と油断していました。そしたら、その雪野五月まで死んでいたとは・・・

 ここ数週というより、今週も10分くらいまでは平和なノホホンとした話が続き・・・衝撃のアルベルトが登場した回ですら味方側に死者が出なかったことで、「ちょっとヌルいかなぁ」と思っていたのも確か。それを逆手に取られ、緩急の差で一気にまっ逆さまに落っことされる辺り、(多分原作の)構成の巧みさに唸らされる・・・
 まぁ、正直な気持ちを言うと、おやっさんのキャラはステレオタイプな“どの作品にも出てきそうなキャラ”だったのでそれほど喪失感もなくて。その意味では、「死なせると決まっているキャラだからこそキャラ立てをしっかりさせる」という『舞-HiME』シリーズの方が、喪失感は大きくて僕好みではあるんですが―――観ている人が鬱になりすぎて「続きが観れない」となるよりは、『うたわれるもの』におけるおやっさん死亡の使い方の方が最大公約数には受け入れられるんじゃないかと。

 しかし・・・僕は単純に、終盤のピンチにおやっさんが助けに駆けつけてくれるのだと思っていただけに、こういう使い方をしてくるとは予想もしていませんでした。予想を裏切り、期待を裏切らないとはまさにこのことか。しかも、僕のヌルい予想なんかよりも、よっぽど残酷でシビアな使い方をしてるんですよね・・・恐るべし。



 ○ 冒頭の平和部分が、また今から思い返すと切ないんだ・・・
 ちょっと、後半の展開がキツすぎて冒頭の平和な描写など吹っ飛んじゃったんですが―――それが一応、後半の鬱展開にひっくり返すことを暗示していたりもするので、出来る限り思い出してみます。

 アバンの村の描写。ハクオロの残したものを彼らは引継ぎ、彼らはハクオロを信頼していることをしっかりと描いてきました。これが後に出てくる“ハクオロを憎んでいる人々”にひっくり返されるのとともに、「今頃みんなで楽しくやっているんだろうな」のセリフで今後の運命を暗示していました。
 てゆうかおやっさん、そのセリフはマズい。そのセリフは漫画・アニメの世界では不幸なことが起こる前兆ですから(笑) まぁ、もちろんその時点では不幸なことがハクオロ達に起こるのか、おやっさん達に起こるのかは分からないんで、おやっさんがやられるにしてもその過程をしっかりと描いてくると思っていましたけど。結果的に村が滅びるシーンを全カットしたことでハクオロ達の無念さが出ているんだから、構成の上手さですよねー。やり方次第では手抜きとも受け取られないのに、そう思わせないんですもの。


 次に、各国との同盟を結ぶことについて。「戦がないと退屈だぜ」と言うクロウに、「民のこと考えれば戦がない方が良いだろ!」と突っかかるオボロのやり取り。これだけなら単に萌え萌えなだけの会話なんですが、こんな会話をしているということはこの国(と視聴者)が如何に戦争と離れているのかを表しているんですよね。前々回に攻め込まれたとは言え、上手く策を練って最小限の被害で撃退したので危機感がなかったのも確か。4−0から1点返されても痛くもねーぜ、てな感じでしょうか。


 んでもって、前回描かれなかったカミュ・アルルゥ・ユズハの会話。
 ベッドに寝そべって足をパタパタさせてるアルルゥが反則的に可愛い!!しかし、これも後半に彼女を哀しませるために、ここで楽しげな表情をしっかりと描いて落差を出したのですから・・・・上手く脚本家の思惑に乗せられているような気がしてますよ。
 そういや、これは今週では消化されなかったんですが、ユズハに海を教えたというのも何かの伏線なんでしょうか。前回海から(多分)カルラを拾ってきたことから考えると、海はそれほど遠くはないんじゃないかと思うんですが・・・そういやユズハの病気を治す云々という石はどうなったんですっけ?




 ○ 報復に報復で返す・・・21世紀の合戦アニメの葛藤
 僕は原作は未プレイなのでどこまでストーリーが一緒なのかは分からないんですが、とりあえず今回のおやっさん死亡→報復のために出撃という流れは原作通りだったみたいですね。で、調べてみると原作の発売は2002年の4月。シナリオ的な完成を考えると、それよりも前だというのは想像がつくんで―――少なくともこの話、2001年の9.11よりも前に作られた話なんですよね。

 それがどうしたと思う人もいるでしょうが、漫画・アニメにおける戦争観も9.11以降のものと以前のものとではガラリと変わっていると考えられるんじゃないかと。日本は幸か不幸か太平洋戦争以降は戦争を体験してこなかったので、SFにおける戦争描写はどこかファンタジーでキレイ事であっても許されていたはず。
 それが9.11以降、戦争は“テロとの戦争”になり他人事ではなくなってしまい、戦争を絵空事のように捉えていた多数の日本人であってもイラク戦争の是非を考えるようになりました。『ガンダムSEED』『SEED DESTINY』なんかは顕著な例だと思いますが、そこに踏み込んで“憎しみに憎しみで返して良いのか”というテーマに踏み込んだ作品は増えたと思います。その内容の評価をここで述べる気はありませんけど、少なくとも21世紀において戦争を描くならキレイ事だけでは済まなくなったというのは確かだと思います。



 ここまでの話で、村の人々が笑顔で必死に生きていたことやおやっさんの人柄、その村を如何にハクオロやエルルゥ達が大切に思っていたかをしっかりと描いてきた分―――村を焼かれ、村人を殺されたことにより、ハクオロの中に抑えきれない憎悪が生まれるのも仕方ないと説得力を持たされていました。
 また、ハクオロが国を作らなければ、ハクオロが村を出なければ、ハクオロが村にやって来なければ・・・きっと村は滅ぼされなかったんだろうってことを考えると、やりきれないものがありますよね。

 更にもどかしいことに、どうして国が攻め込まれているのかもハッキリせず―――覚えのない憎しみを敵兵から吐き出されるばかりなのも。まさに、憎しみに憎しみで返すしかない状況。単に仲間が殺されただけの鬱ではなく、それによって登場人物が言い表せないような感情に取り付かれ、運命に翻弄されていくのが辛い・・・いや、こうやってちゃんと心情を描写した末での辛さなら大歓迎ではあるんですけどね。


 もちろん、このハクオロの「報復」という選択は作中で全肯定されているワケでなく、アルルゥは「今のお父さんはイヤだ」と言ってたし、ウルトリィもエルルゥも出撃が決まった時には複雑な表情をしていましたもんね。このドロ沼な戦争に、どうやって落としどころをつけるのか―――原作がどうなのかも気になるんですが、時勢を考えてアニメオリジナルのテーマを仕込むのもアリだと思います。どっちにしろ、ここの決着次第では戦争アニメの転換点になる可能性すらあるんじゃないかと。期待しています。



 そういや、まだ新キャラ出てきましたね・・・オープニングにも映ってる人なので仲間になったりするんでしょうか?
 他のキャラが大苦戦中に、カルラが颯爽とハクオロを守ったのは燃え(萌え)た!大剣キャラは絵にすると構図次第では無茶苦茶カッコ良いんですね・・・


 でも、今回一番の萌えキャラはクロウでしたよ。間違いなく。
 オボロとケンカするとこももちろん、ハクオロやエルルゥに気遣って村のことを話せなかったり、死に掛けの兵士に肩をかしてハッパかけたり。戦闘シーンではイマイチ活躍しそうにない彼ですが、本当にいい味を出しているキャラです。自分の感想を振り返ってみると、クロウの登場辺りから誉め始めている気がしますし(笑)


 









■ 『うたわれるもの』 第12話 「動揺」
脚本:上江洲誠 絵コンテ:矢野博之 演出:宮原秀二 作画監督:徳田夢之助

 脚本に上江洲さんが帰還。
 脚本家をローテで回すアニメをそれほど観たことがない(注目したことがない)んでよく分からないのですが、やっぱりストーリー的に重要な回にメインの脚本家が戻ってきたりするもんなんでしょうか。となると、ここでのハクオロ・エルルゥの心理描写はストーリーラインとしても重要だということなのかな? なんかもう、終盤のフンイキなんですけどまだ半分なんですよね・・・このアニメがどう決着をつけるのか、今の段階では想像もつきません・・・



 ○ ハクオロさんって元々仮面をつけてたんだ・・・
 ハクオロさんのなくなった記憶と同じくらい、僕としては「この人はどうして仮面を付けているんだろう・・・」と思っていたんで、仮面が外せなくなったことと記憶がなくなったことは関係しているんじゃないかと邪推していたんですが。別に記憶がなくなる前から仮面を愛用していたらしいです。どんなセンスなんだ。

 ま、まぁ・・・あの過去シーン自体がイメージ映像みたいなもんで、大したヒントがあるワケじゃないのかも知れんのですが。
 もしくはあの仮面自体が呪われていて、付けた途端に狂い出して妻と子どもを殺しちゃったとか。「俺は人間を辞めるぞー!!オリカカーン!!」みたいな。でも、それだと今の段階で正気を取り戻している理由が分からないんで・・・・やっぱりセオリー通り、仮面をミスリードにして、ハクオロさんとその男は別人だとかそういうことでしょうか。重要なのはハクオロや周囲の心理描写なので、真実はどうだったとしても面白くなりそうなんですけどね。



 ハクオロさんとオリカカンの髪型が同じなのは兄弟だからなのかと思いましたが、義弟だから血の繋がりはないんですよね。そもそも血が繋がっていたとしても同じ髪型にする必要はないのだけど(髪質とかは似ますけどね)・・・・・・
 ハクオロが殺した(と言われてる)奥さんがオリカカンの妹か、オリカカンの嫁さんがハクオロの姉貴のどっちかだってことですよね。前者ならばまさにアスハム・ブーン(@キンゲ)。ただ、アスハムと違ってオリカカンは悪人顔なので、黒幕か小者かのどっちかに落ち着いてしまいそうです。アスハムはあの美形顔で小者だったからギャップが面白かったのに・・・


 覚えのない罪を追及されたハクオロに対して、どうフォローしていいか戸惑う他のキャラの行動がとても素晴らしかった。特にアルルゥには泣きそうでしたよ!ハクオロさんとの出会いで成長していったキャラが、こうやってハクオロさんを救うというのが溜まりません。今週はアル・エルのイチャイチャもあったし、眼福。

 エルルゥもハクオロを励ますために精一杯気遣ってるのが、もう・・・あざといくらい理想のお嫁さんで・・・
 ラストシーン、妹がこっそり見ているところなんかから考えると、どう考えてもこの後って感じなんですが(外道)。バッサリぶった斬ってEDに入っちゃいました・・・この後の1週間、「え?何?ヤったの?ヤらなかったの?」と『いちご100%』みたいなことで悶々としておくべきなんでしょうか。正直、エルルゥは報われてない姿が可愛かったんで・・・22話くらいまで寸止めで構わないんですけど。




 ○ 「感情に身を任せた報いか・・・!」
 ということで、復讐に復讐を重ねることの虚しさはセリフ一つで済まされました。

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 ま、まぁ今後に描かれるのかも知れませんし、今はキャラの心理描写を主に描かなくてはならない時なのでクドクドと戦争観を押し付けられるのも迷惑っちゃ迷惑ですしね・・・とかフォローしておかないと、先週の感想で「日本人の戦争観を変えてくれるかも知れないアニメ」とまで評した僕の責任が宙ぶらりんに(笑)




 敵の騎馬隊の機動力と、トウカの実力に苦戦する味方サイド。
 ベナウィ、秋元羊介に続いてトウカにも瞬殺されるオボロ・・・ひょっとしてこの人、作中で名前のあるキャラには一度も勝っていないんじゃないでしょうか。これが「今後成長していく伏線」なのか、「単なるカマセ犬」なのか―――トウカの「不浄な剣など効かない」というセリフから考えると、ハクオロの過去に戸惑っているからオボロは負けたとも解釈できるんですが。そう演出するなら、ここまでにオボロの強さを視聴者に見せておかなきゃなりませんし。単にカマセ犬だったっぽいなぁ・・・

 騎馬隊とトウカの組み合わせというのは、非常にS・RPG的で原作ゲームを是非やってみたくなる魅力がありますね。どんなゲームシステムなのかも知りませんが。
 惜しむべくは、トウカの強さがイマイチよく分からないところ。セリフだけで説明されても伝わってこないし、誰相手でも負けるオボロに勝たれたところで「フツー」だとしか思えないし、カルラ戦では「何だ・・・カルラの方が強いじゃん?」と思ってしまいました。恐らくはカルラがずば抜けて強いというだけなんだと思うんですけどね・・・この辺、数値によるパラメーターで強さを表現できるゲームとは違いますもんね。


 カルラ>トウカ>ベナウィ>>>ハクオロ>クロウ=オボロ>名もなき兵士

 単純な戦闘能力だったらこんな感じ?
 アニメ的には難しいんでしょうが、味方サイドにも単純な強さ以外のものをもっと見せてもらいたいとこです。喩えば、騎兵と歩兵じゃ使い方が違いますし、こないだみたくオボロにはもっと敵城に潜入とかをさせると面白いんじゃないでしょうか。キャラが多いのだから、そうやってキャラに肉付けしていった方が差異も生まれると思うんですけどねー。



 まぁ・・・シリアスな人間ドラマに、萌えとバトルを加えるのが如何に難しいのかってことですよね。
 ようやく半分まで来たので、来週から新ページに移行します。もう・・・ページが重くて重くて。


 

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自作漫画を描いています
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