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| ■ 『ストロベリー・パニック』 スタッフ&キャスト |
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<スタッフ>
監督:迫井政行
シリーズ構成:浦畑達彦
脚本:浦畑達彦、高屋敷英夫、ふでやすかずゆき
キャラクターデザイン原案:真木ちとせ / たくみなむち
キャラクターデザイン:坂井久太
美術監督:岡本有香
色彩設定:上村修司
アニメーション制作:マッドハウス
音響監督:高桑 一
製作:いちご舎
原作:公野櫻子
イラスト&コミック:たくみなむち
<キャスト>
蒼井渚砂:中原麻衣
花園静馬:生天目仁美
涼水玉青:清水愛
月館千代:斎藤千和
此花光莉:松来未祐
鳳天音:甲斐田裕子
南都夜々:桑谷夏子
奥若蕾:野川さくら
日向絆奈:清水愛
源千華留:中島沙樹
夏目檸檬:宮崎羽衣
白壇籠女:福井裕佳梨 |
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第14話 |
「親友以上」
脚本:浦畑達彦 絵コンテ:森田浩光
演出:布川真英 作画監督:LEE MIN BAE/JANG MIN HO |
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ラテ欄で今週のサブタイトル「親友以上」を読んだ時、いよいよもってと胸が躍りまくったワケなんですが―――
本編が始まる前に新しいオープニング映像に大笑いしてしまいました。
なんで裸なの!?なんでみんなエロイ顔なの!?
1クールごとにオープニング・エンディングの絵を変更するのって作画スケジュールが本当に厳しいのだから、普通は「おー頑張ってるな」と感心するもんなんですが。あまりに狙いすぎな絵に唖然とさせられた上に、やたら止め絵が多かったことで、それほどの凄みを感じられなかったのが残念です。いやホント、変更すること自体が凄いことなんですけどね・・・・・・
そんな中から今後の展開に関わりそうなトコを幾つかピックアップ
・スピカ生徒会3人が映ってる
・ル・リム3人娘は相変わらず扱いが小さい
・蕾1ショットがある(見る相手は光莉ではなく夜々)
・夜々がなんか教祖様みたいな動きをしてる
2クール目は蕾にもスポットあたるのかなと興奮した次の瞬間、夜々がスターウォーズかフィフス・エレメントに出てきそうな動きで唄っていたのに吹いてしまいました。通常、オープニングの映像変更は今後の展開を示唆(orミスリード)する役割があると思うんですが、この夜々だけは全く読めない!カリスマ歌姫として組織を率いて学園を攻撃したりするんでしょうか?
剣城先輩と桃実先輩は、十分活躍したんでもう出てこんでもイイと思っていたんですが・・・うーむ、再登場するのか。大好きなキャラですが、剣城先輩が喋ってると面白すぎてストーリーに集中できないのが心配です。
・・・と、ここまでネタアニメみたいな書き方をしていますが。
このアニメ、ネタぷりはあくまで偽装で本質はものすごくテクニカルなことをしていると思うのです。
○ リカバリーの上手さにこそ脚本の腕が見えてくる
先週・先々週と衝撃的な展開で面白かったことは確かなんですが、数ヶ月かけて張っていた伏線を爆発させてるんだからインパクトは大きいのは当たり前で、その二週分だけで「面白くなってきた」と絶賛はしにくいなーと思ってました。インパクトを出すだけならそれなりに誰にでも出来ることで、本当の実力が見えるのはその後。
先週・先々週の“引き”は素晴らしく、「オイオイ、この後どうなっちゃうんだよ!」と期待値は上がっていたんですが―――ここで肩透かしを喰わされる作品も少なくないんですよ。特に週刊漫画なんかはそんなのばっか。これは“とにかく次回も読んでもらわなきゃならない”媒体だから仕方ないんですけど・・・そのパターンを多く見てると、引きがどんなに衝撃的であっても「どうせ有耶無耶なまま次が始まるんでしょ・・・?」と冷めた目になってしまいます。
で・・・今週。脚本が浦畑さんだということからも、スタッフがこの回を重要に考えていることが分かりました。
登場人物を絞ることで各キャラの心情を丁寧に描くことに成功し、また、これまで単なる背景キャラだった千早&水島を使うことによって渚砂&玉青と光莉&夜々―――先週・先々週に壊れかけてしまった2つの関係を修復することに成功しました。
どっちか片方を描くだけでなく、第3のカプを使うことで同時に描いてくるとは・・・この作品のようにキャラの多い群像劇の場合、「こんな風にキャラを使うのか!」と驚かさせるものなんですが。玉青の孤独を際立たせた千代の使い方といい、夜々を焚き付けた剣城先輩の使い方といい、今週の千早&水島も素晴らしかった。
3話だったか4話だったか、初期のころに千早&水島は「夫婦みたいだね?」と渚砂や玉青の今後となるように対比されて描かれていました。アニメの脚本がどのくらいのペースで出来るものかは分からないんですが、この二人がアニメオリジナルの存在だということを考えると、登場当初から千早と水島は渚砂と玉青と対比させるために考えられていたとみるのが妥当かと。
と言いますか・・・そんな理屈とか抜きに、純粋に千早と水島のやり取りが可愛くて仕方なかったです。しかも何ですか、そのケンカの原因のオチは。萌えろと言わんばかりのあざとさじゃないですか。萌えますよ、えぇ萌えますよ。真相に気付いた千早のニヤニヤと、真っ赤になる水島さんが溜まらなかったです。
・・・で、でも。今後はこの二人、ほとんど出番ないんだろうなと考えるとフクザツだ。
好きになった頃には見せ場が終わってるなんて!!ちくしょう!
○ 関係を壊すのも直すのも、一緒に過ごした時間の重み
今思えば、初期の時点で千早と水島が昔からの仲と説明しておいたのはファインプレーだったんですね。
「ケンカしても、いつもいつの間にか仲直りしてるものです」と玉青が言っていたように、二人の過ごした時間が二人の仲を取り持ってくれました。
「1年前は背が伸びてたことに気付いてくれたのに、今年は気付いてくれなかった・・・」って何だよ、その萌え兵器は!まぁ、それはともかく・・・「胸当てが引っかかる」のセリフを聞いた時は、「胸が大きくなったのに千早は気付いてくれなかったから拗ねている」のかと勝手に想像して悶えていました。んだよ、背かよ(笑)
というワケで、この二人のやり取りが暗示するように、渚砂と玉青、光莉と夜々の関係も過ごした時間が解決。
・渚砂は玉青からもらったリボンを探し出して
・光莉は夜々と初めて出会った場所を思い出して
出会った頃から押し倒したみたいなマウントポジション取って互いに真っ赤になってたり、初対面から十分にレズカップルみたいなんですけど・・・まさかの光莉「いつまでも親友でいてね」発言!ぎゃあ―――!!
光莉、それは酷いよ・・・それを言われた方は、その後ずっと生殺しの憂き目に合うんだから。女同士の恋愛だからなんだか誤魔化されてますけど、これ、男女の関係だったら光莉は総スカンですよね。まぁ、展開上それしかありえなかったんでしょうが。夜々が不憫で仕方ありませんや・・・
しかし、そんな夜々以上に不憫なのが蕾。
これ以上ないほどのツンデレっぷりを堪能させてくれた今週でしたが、光莉と夜々が抱き合うシーンでは一人蚊帳の外・・・・このコがスポットライトを浴びる日は来るんでしょうか。夜々や玉青の生殺しを見る限り、浴びない方が幸せな気もしますけど・・・
とにかく、作り手側の技術を如何なく見せ付けられたここ数週でした。
あとはル・リムの出番があれば・・・
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第15話 |
「ヒロイン」
脚本:高屋敷英夫 絵コンテ:高橋丈夫
演出:谷田部勝義 作画監督:赤尾良太郎 |
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体育祭を飛び越えて文化祭の季節に。すっかり冬服に戻っていましたね。
個人的には、このタイミングで文化祭まで季節を進めてきたのは上手いなぁと思いました。体育祭はサービス以上のものが描けそうにないですし、ドロドロした策謀うずまく文化祭なら“エトワール選”“3校の勢力図”“中等部と高等部”というこの作品独自の設定を活かして広げることが出来ますし。前回までで三角関係×2は一時休戦に入ったのだから、ここで息抜きと伏線を兼ねた回を入れてきたのは成功かと思います。
文化祭の配役に絡んで群像劇が出来るのも、ここまでの14週でちゃんとキャラを立たせてこれたという証拠でもありますし。本当に侮れない作品として、今週は特に堪能しました。面白かったー。
○ 未だ見えないエトワール選に翻弄されるキャラ達
初期の頃から「このキャラ配置はエトワール選をハイライトに持ってくるしかない」と言い続けてきた僕ですが、半分越えても設定がイマイチ見えてこないんでちょっと自信なくなってきました・・・そもそも(イカれた剣城先輩以外の)登場人物の大半が、誰もエトワールになることを望んでいませんからね。エトワールを争って戦う絵が想像できません・・・
ただ、ストーリーラインに沿ってみると天音や千華留といった“次期エトワール候補”にスポットが当たっているというのも確かなので、方向としてはソッチに向かっているんでしょうけど・・・そう考えると、ミアトルから演劇の主要キャラが“現エトワール”の静馬しか出ていないというのも伏線っぽいですね。天音や千華留と同格のキャラがミアトルにはいないので、ここからどうやってミアトルの候補が上がってくるのか・・・・・
とりあえず各キャラの思惑を整理―――
・スピカからは天音をエトワール選に出したいよ派
派閥というか冬森会長しかいないんですが(笑)
会長からするとスピカを繁栄させたくて、そのために他の2校の候補に勝ってエトワールになれるのは天音しかいないと判断。天音をしつこく勧誘するだけじゃなく、世論を動かして天音を出馬へと進めようと画策・・・というほど、策を練れているワケじゃなくて、むしろコメディタッチでオデコ光らせたりしてるんですよね。悪い人じゃないんでしょう・・・ワイロがクッキーとかだし(笑)
とりあえず天音に現エトワールの相手役をやらせることで、エトワールとしての格を見せ付けようとしていましたが―――3番手の役に回され、念願はかないませんでした。
天音はエトワール選への出馬を断固拒否をして、演劇もやる気を起こせないのですが・・・もしエトワール選の展開になるのなら、彼女がエトワールに意欲を見せねばならないので、どこで彼女のギアを変えてくるのかに注目です。
・要は美しい。だから、スピカからは剣城要以外ありえないんだよ派
派閥というか剣城先輩と桃実先輩しかいないんですが(笑)
断固として天音を推す冬森会長に反発し、天音を蹴落とそうとあの手この手を使って妨害―――というか、基本的にはレイプ未遂を繰り返す犯罪集団。視聴者的にはケツも胸も曝け出してガチレズってくれる、嬉しいんだか嬉しくないんだか賛否が分かれる存在ですね。自分的には剣城さんが存在するだけで笑っちゃうんで、裸はどうでもいいや。
配役に関して冬森会長に反論したものの、ル・リムの千華留が引いたことで空回り。天音と静馬のコンビでなくなったのは彼女らにとっては勝利でしたが、一緒に舞台に立つということで(しかも天音の方が重要な役)「蹴落としてやる」気満々・・・
天音がエトワール選に出るためには、コイツらが悪役にならないとならんので・・・実は重要人物っぽい?
・喧嘩両成敗だよ派
派閥というか深雪しかい(以下略)
結局、スピカ生徒会の思惑としての中庸を取って「3人とも入れる」を選んだ深雪。この洞察力は流石ですし、一応のメンツは3校に取らせるバランス感覚も凄いと思うんですが・・・これが悲劇の始まりにならねば良いんですけど。
それはそうと、玉青の脚本を読んだ直後の深雪の「ホント・・・ちゃんと見てるわね」というセリフから考えるに、カルメン役の千華留と相手役の静馬というのは脚本の段階でイメージされていたということなんでしょうか。千華留はともかく、静馬をずっと横で見てきた深雪がそのセリフを言う意味とは・・・・?
○ 配役から見える今後の展開とバックボーン
どうやらいちご舎の中でも高等部、中等部に分かれての演目らしい・・・
あれだけ高等部の配役で大騒ぎしてたのに中等部は蚊帳の外だったのか。3年生である夜々が仕切って中等部の演目は『ロミオとジュリエット』に決まり、配役は指相撲トーナメントで決定。こういう時、賑やかし要員の絆奈や、ツンツンな蕾は貴重な存在ですね。千代にイジワルしてる蕾がかあいかったです。
そう言えば・・・このシーンよりも前の絆奈と檸檬の指相撲は伏線だったみたいですが、呼吸のようにチューをしてたことにドギマギしてそれどころじゃなかったですよ。檸檬も普通に受け入れてるし・・・ひょっとして、この爽やかチューが、後半のガチレズカップルのディープキスとの対比だったりします?
中等部の配役は・・・
ロミオ=籠女
ジュリエット=蕾
夜々は指相撲に敗れて意気消沈、千代を始めとするミアトル組は裏方。
意外にも指相撲最強だった籠女だけど、「ロミオ・・・貴方はなぜロミオなの」とジュリエットのセリフを言っててすげー不安です(笑)パーシバルが自動操縦になってることには、誰もツッコまないのか!籠女にしても絆奈にしても檸檬にしても、オイシイキャラを掘り下げてこなかったので、ここらで上手く使ってもらいたいものです。
高等部の『カルメン』は・・・
魔性の女:カルメン=千華留
翻弄される男:ドン・ホセ=静馬
ドン・ホセの上司:竜騎兵隊隊長=剣城
ドン・ホセの許婚:エラ?(ミカエラ)=桃実
カルメンの恋人の闘牛士:エスカミーリョ=天音
『カルメン』、どういう話か読んだことも観たこともないんですが。ネットで調べたところ、ホセの許婚の名前はミカエラ。略してエラということなのかな。ストーリー的にはエスカミーリョの方が重要キャラらしいですが、ミカエラが作品唯一の良心として描かれているらしいです。よりによって桃実先輩が・・・(笑)
上述した深雪の「ちゃんと見てるわね」のセリフ・・・単に千華留の演技力を見抜いていただけの話なのかも知れませんが、個人的にはそこから一歩先踏み込んだ意味があるんじゃないかと思います。というか、キャラのイメージと配役のイメージって正反対だったりしますよね。マジメに決めた高等部が正反対なので、中等部の方はギャグで落としてこちらも正反対な配役で誤魔化していますが―――高等部の方はしっかり意味があるんじゃないかと。
『カルメン』の話を聞いた時、カルメンのイメージにピッタリなのは静馬だと視聴者も作中のモブも思ったことでしょう。言っちゃなんですが、男をとっかえひっかえのカルメンと、美少女をとっかえひっかえの静馬は似ていますもの。ですが、玉青と深雪は静馬にカルメンではなくホセの役を任せました。―――翻弄する魔性の女ではなく、翻弄されるウブな男の役です。
数週前、静馬もまた当時のエトワールに手を出されていたことが描かれていました。
純粋だった当時の静馬が翻弄され、未だに翻弄され続けての女遊びだとしたら(全然作中では描かれないんですけどね)・・・深雪はそれを知っていたのでしょうし、勘のいい玉青は気付いていたのかも知れません。“静馬はカルメンではなくホセ”だと。言われてみれば、玉青が静馬を語る時ってどうもスッキリしないものがあったような気もします・・・ずっと以前から、彼女は静馬の本質に気付いていたのかも知れませんね。
メインどころは5〜6年生が持ってってしまったので、渚砂や光莉はサポートに。
演技派の中原麻衣がダイコン役者を演じるのは面白かったけど、王道展開を考えれば、練習相手をしていたことが代役に繋がったりするもんだと思うのですが―――それが渚砂なのか光莉なのか、誰に代わるのか。ここで渚砂が舞台に立つことになれば、いよいよ持ってエトワール選で3校が戦う話へと向かうと思うのですが、どうでしょう。
ここまで書いておいて、エトワール選が全スルーだったらどうしましょうね・・・(笑)
とにかく、キャラが立ってきて、それぞれの思惑が錯綜して―――非常に面白くなってきました。
ル・リムのキャラも出番がありましたしね!さくにゃんもね!
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第16話 |
「舞台裏」
脚本:高屋敷英夫 絵コンテ:高橋丈夫
演出:まつもとよしひさ 作画監督:沼田誠也 |
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引き続き文化祭の話。
先週・今週を前編・後編と考えるなら、前編に張った伏線をキレイに消化して次に繋げていった今週だったと思います。これを「バレバレの展開」とみるか、「抑えるトコ抑えている」ととるかで評価は真っ二つなんじゃないでしょうか。個人的には、「もうちょっと予想を裏切るようなことをしてくれても」とも思うんですが、非常に丁寧な構成なので基本的には大満足です。奇抜な展開だけでは、ドラマは盛り上がりませんからね。
○ ダメじゃん、ガチレズコンビ・・・
剣城先輩&桃実先輩の暗躍は不発。
というか、この人達って地球温暖化の話に象徴されるように、作戦を考える能力が欠けてるんですよね。正確に言うと、その作戦の結果どうなるのかを想像する力がないと言うか・・・今回も天音の靴に細工をしたみたいですが、舞台中に(千華留じゃなくて天音が)脚をくじいたとしても、天音の人気って落ちることもないと思うんですけど・・・むしろ「傷だらけで舞台に立つなんてカッコいいわ!」と下級生に思われるだけな気がします。やるんなら、舞台に上がる前に怪我させなきゃ―――
エトワール選が(多分)人気投票ならば、この二人の行動って全くプラスになってないと思うんですよ。
レイプ未遂だって光莉が泣き寝入らなかったら、タイーホはともかく学園の噂にもなりかねませんし。今回の渚砂への仕打ちも評判を落とすだけだと思います(演出へのダメ出しは正論でしたが)。そもそも、セットが壊れたのってどう考えても桃実先輩のせいですよね(笑)
もちろん、こうしたことが原因で『ストロベリー・パニック』がつまらないんだということはではなくて。むしろこの二人がアホなことをやればやるほど面白く思えるのも確か。剣城先輩の地球温暖化論なんてソコら中で話題になってましたし、僕はもう剣城先輩が出てくるだけで面白くて仕方ないんですが・・・・・・
欲を言えば、桃実先輩も同じような位置に落ちちゃったのは残念だったなぁと。剣城先輩が野心家なら、桃実先輩はそれを操る策謀家なんじゃないかと初期は期待していたのに・・・・・・二人とも単なるアホなコでキャラ被ってるのが勿体ないです。千華留さんも真っ当にイイコだったし、腹黒キャラが一人は欲しかった。
というワケで、こうした桃実先輩の暴挙によってセットが壊れてしまいスタッフ&キャストが一致団結。序盤のバラバラな状況を見せられていた分、本番の一体感には素直に感動しました。上述通り、桃実先輩の行動はちょっと御都合主義っぽいと思っちゃいましたが、他に適役なキャラがいないのだから仕方ないか・・・
あと、細かいことですが。この時点で桃実先輩に「今からじゃ代役も立てられないでしょうけどね」と言わせておくのも、「あ、伏線だ」とバレてしまう一方で、視聴者に「(普通なら)この時点で代役とか立てられないんだ」と手堅く情報提供する意味があるんですよね。つまり、後の渚砂代役シーンを強めていると・・・この辺の構成も、ホント手堅い。
○ 単に主人公を活躍させる話でもないのだと思われ
もう、毎週書いているような気がしますが・・・(汗)
エトワール選へと向かう展開を描くつもりなら、どうにかして渚砂を表舞台に引きずり出さねばなりませんでした。エトワール選への出馬が1校1人と仮定するなら、キャラ配置と学年から考えて―――スピカから天音、ル・リムから千華留が出てくると思います。ミアトルの5年にはそれらしい格のキャラがいないので4年の渚砂を大抜擢するんじゃないかなーと思いつつ、乗馬部のエース:天音と現生徒会長の千華留とは知名度も人気も段違いです。渚砂をエトワール選に出るほどの格にしたいのなら、この文化祭での演劇は格好の舞台だったんですよね。
というワケで、この“渚砂をどうやって舞台に立たせるのか”がここ2週の脚本の見せ所だったのですが―――配役から、千華留が怪我をしてしまうという状況作り、みんなが一致団結してるから断れない状況で、静馬の練習相手をしていたことで代役が出来たと、実に丁寧に説得力を持ってココまで持ってきました。一つ文句をつけるなら、先週段階で玉青が渚砂&静馬の練習を見ているカットを入れて欲しかったんですが―――渚砂の演技の豹変っぷりにちゃんと静馬が驚いていたりとか、他の細かい部分はキッチリ描かれていたので良しとしますか。
しかし、静馬・・・渚砂の演技に驚くくらいなら、何故ご指名で抜擢させたんだ。先週のダイコン演技のままだったらどうするつもりだったんでしょう・・・
静馬と同じ舞台に立った渚砂を歓迎できなかった玉青―――
この辺り、サマースクールの回で千代が似たようなことを言っていたはず。正確なセリフは覚えていませんが「渚砂お姉さまは静馬さまと一緒に遠くなってしまう」「それでも私は渚砂お姉さまをお慕いしていいですか」みたいなセリフだったような。
静馬と同じ位置に立つということは、単純に“好きな人が他の人と結ばれる”というだけではなく、自分とは違う高さへと昇るということ(この辺りはスピカの生徒会の方が仰ってましたものね)。遠くに行ってしまう渚砂を予感して千代は寂しさを口にしたけど、玉青は口にすることも見守ることも出来ず、ただその場を立ち去っていました・・・・・・
それでも。それが分かっていても、代役に渚砂をと後押ししたのは玉青だったんだから・・・その心中たるは。
しかも、それがカルメン役で静馬に殺されるポジションなんだから・・・・
と言った具合で、単に華やかなだけの話ではなく。「エトワール選に向けて」「渚砂と玉青の間に生まれた距離」と、今後に向けて重要な要素を示唆して次に繋げた2週でした。やっぱり侮れない作品なんですよねー。構成だけじゃなく、ホセを演じた静馬の表情作画なんかも良かった!
なのに、画面に夜々が映ると「何だ!あの帽子は!」と目を奪われてソレどころじゃなかったりもするんですけど(笑) そういうとこもこの作品らしいっちゃらしいですね。それと、森永たまちの感想読んで「ん?」と思って見返してみると、牛の中の人が意外な人物で驚いたり。こういう遊び心は好きです。キャラが上手く回ってるなーという印象で、盛り上がってきましたよ。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第17話 |
「秘密」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ:森田浩光
演出:岡嶋国敏 作画監督:吉田秀之 |
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念願かなって、ようやくエトワール選への道筋が見えてきました。
良かった・・・アレだけエトワール選への展開を前提とした感想を書いていたので、完全スルーされたら感想書きとして立ち直れないところでした。まぁ、“幾多の試練を乗り越える”に一抹の不安を感じはするんですが・・・一時期少年漫画でムダに流行ったハンター試験みたいのだったらどうしよう。
しかも、微妙な引きだったり、「えっ?右車線走るの?」という驚きもあったりで、気になって感想どころじゃなかったりします。ひょっとしてこの作品の舞台って日本じゃなかったりするんでしょうか・・・車もやけにクラシックなデザインでしたし。
静馬のパートナーについては、あんまり引っ張りすぎるのも視聴者の期待を上げすぎちゃってどうかなーと思うんですけどね。1週引っ張った分、それなりのサプライズがないと納得できなくなっちゃうんじゃないでしょうか。そうした自信があってこその1週引き伸ばしなのかも知れませんが―――
○ エトワール選のカラクリ
なるほど。初期の頃から言われていた「天音がエトワール選に出るためには光莉のプレゼントを受け取る必要がある」の意味がようやく判明されました。女生徒の会話から考えるに、あくまでメインは一人だけどペアが必要ってことなのかな?単体では萌えないけどカップリングに萌えるみたいなもんでしょうか。
この展開によって、エトワール選で出番がなくなるんじゃないかと危惧された下級生にも光明が。
いやまぁ・・・各校1組ずつだと相変わらず余るキャラだらけなんですが。喩えば天音と光莉、千華留と籠女のような組ならムダキャラは最小限に抑えられるかと。それでも千代や蕾はかなりレッドゾーンではあるか・・・ションボリ。
思えば、元々この作品の読者参加企画時代も、「ベストカップルにエトワールの称号を捧げる」という企画だったらしいですし(ウィキペディア参照)。この仕組みに気付いていた人も多かったのかも知れませんね。
で、各校から出る候補と言えば―――
ル・リムからは誰も出たがらないだろうと予想され、ミアトルは静馬の存在が大きすぎて後釜不在、スピカからの候補が絶対的に有利だろうという前評判らしいです。なので、剣城先輩が「天音を蹴落とす=エトワールになる=ウッハウハ」という思考をするのもそれほど破綻はしてなくて、冬森会長の方が「天音さんじゃなければ」と慎重になりすぎているの模様。
しかし、冬森会長は自分が四面楚歌なことにようやく気付いたのでしょうか・・・3人中2人がガチレズってる空間にいたのに。もしくは二人の本性を知ってるからこそ、天音を候補にすることに意固地になってるのか。うーん、最近この人はギャグキャラだから、冴えてる描写が想像つかないのが・・・
一方の剣城先輩は斗貴子さんの特等席みたいなところに座ってました。なんちゃらと煙は高いトコが好きと言いますが・・・
ル・リムは候補なしのままですが、千華留は色々と思うところがありそう。そうなるとパートナーはやっぱり籠女なのかなぁと思いつつ、元々のル・リムの主人公は絆奈なんですよね。千華留と籠女がパートナーだと、ますます絆奈には出番が・・・
ミアトルはどっちにしろ玉青と渚砂のカップルかな?玉青が候補に挙がる理由は後述しますが、渚砂は先週の舞台で一気に注目を浴びているはず(多分・・・)なので、格は十分にあるかと。問題はその気が本人にないことですかね。エトワール選に出るということは静馬以外の誰かと組むということになりますから、そこまでの道筋をどう描くかに注目したいと思います。それでも渚砂と千代のコンビは可能性薄いんじゃないかなぁ・・・・
○ 静馬のパートナー
というワケで、これまで巧妙に張られていた“エトワール選はペアで出る”という伏線と、静馬に関する伏線がガシッと組み合わさりました。この辺は上手い・・・上手いんですけど、うーむ。来週の展開次第でどうかなぁというのが正直なところです。
えっと・・・もう外れたっぽいんで、僕が今週まで思っていた予想を書いちゃいますが。僕は静馬のパートナーは玉青だったのだと予想していました。パートナーというか“プレゼントを受け取る/受け取らない”の辺りで、静馬にも慕ってくれた特定の下級生がいたはずだと考えていて、それが2週前のカルメンの配役で確信に変わったと言いますか・・・・
玉青って、どうしてか静馬に他人行儀で客観的な意見ばかりで。本来なら静馬の過去を知っているはずなのに、渚砂には絶対に言いませんでしたし。エトワール選がペアなことも“秘密”にしていましたし。新OPで玉青らしきシルエットが静馬を見つめる絵なんかもありましたし・・・
静馬の方も、「その言葉、そっくり返しますわ」とか「私の渚砂ちゃんに何か用ですか!」と玉青に失礼なこと言われてもブチギレもしませんでしたし。深雪も以前から玉青のことを知っていて認めていたようなフシがありましたし。下級生の間でも玉青がエトワール選の候補に挙がるということは、それなりの知名度を築く機会があったという気もしますし・・・今週のAパートまでは8割くらい確信していたんですが。
Bパートのお風呂シーンで、深雪があっさり「あのコがなくなって・・・」と言っていたので“亡くなった”ことは確定とみて良さそう。ショボーン。今週の玉青・深雪・静馬のやり取りからすると、死んだというパートナーは玉青に近い人物(同室とか姉妹とか)で、渚砂にどこか似ていたからこそ玉青も静馬も渚砂に惹かれていった、と考えるのが一番まとまっている関係かなぁと思うのですが。
うーん・・・でも、どうなんでしょう。
僕は、単に自分の予想が外れていたからションボリしているだけじゃなくて。ようやく明かされる静馬の過去が、唐突に出てきた新キャラの情報でしかも既に死んでますよってのはどうなんだろうと思うのです。それなら(玉青じゃなくても)既キャラを使ってくれた方が、群像劇としてはキレイな形なんじゃないんでしょうか。
以前から「静馬がプレイガールという設定なら、その被害者をちゃんと描くべき」と書いてきましたが・・・既に死んじゃったキャラなら、「死人に口なし」で捨てられた想いすら語られないんですよ。今現在、判明してる静馬の女性遍歴は・・・深雪は恋愛関係ではなかったでしょうから・・・
・彼女に性を教え込んだ当時のエトワール→卒業済み
・一緒にエトワール選に出たパートナー→死亡?
・渚砂
ということで、全員表舞台からは去っているんですよね。これにはちょっと拍子抜け。しかも、中高生の時代に3人だったらプレイガールと呼ばれてるのも変な話ですし。ちょっと、静馬の内面を綺麗にしすぎた(ドロドロな部分を描けなかった)弊害が出てきたかも。
僕がイマイチ渚砂-静馬の話にノリきれないのは、そうしたドロドロな部分を描かずに進めてきたからなんですよ。もちろん技術的に出来ないワケじゃなくて、玉青とか夜々のカゲの部分はキッチリ描いているのだから・・・心情として、玉青や夜々の方を応援したくなるのはどうしたって仕方ないのです。
というワケで、期待と同時に不安を抱えたまま次週へ。
でも、期待でも不安でも「早く来週を!」と思わせるんだから週刊アニメとしては狙い通りなのかも知れませんね。とにかく、次週が早く観たいです。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第18話 |
「愛の嵐」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ:鈴木幸雄
演出:布川真英 作画監督:LEE SI MIN/大塚美登里 |
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途中までは、先週の悪い予感が当たって「この作品の悪いトコが出ちゃったかなぁ」というキモチで観ていたんですが。ここでキッチリ渚砂と静馬を別離させておくために、2話をまるまる使ってきたのだと分かり、ある程度は納得しました。渚砂が静馬を拒絶するのは(そして恐らく玉青の方に流れるのは)、作品全体におけるハイライト的な“タメ”なので。妥協なく二人の心理描写に取り組んだ姿勢は素直に拍手を送りたいと思います。
しかし・・・・・・一度玉青になびいてしまえば、静馬エンドの可能性はグンと高くなるような。
似たようなことを『いちご100%』の感想で書いて、見事なまでに外した経歴がある僕が何を言っても説得力はないですけど(笑)
だってさー、セオリーで言えば選ばれなかった方を最後に選んでカタルシスじゃないですか。
○ 広大な土地を所有してるのに、どうしてわざわざ崖の上に建てたんでしょう
別荘へのお出掛け、荒らしの中で外泊・・・と、逆に新鮮なほどベタな展開は流石。
落ち葉の中を歩くシーンは、影もなければ、踏まれて落ち葉が折れることも跡がつくワケもなくて・・・何だか渚砂が宙を浮いているような印象を受けました。もちろん歩くたびに地面(落ち葉)を変化させるなんて、週刊アニメに出来るワケない面倒な作業なんですが。そんなの現場の人が一番分かってるんでしょうから、絵コンテ段階で「足元は描かない」とかしておけば良かったのに・・・ちょっと見通し甘かったんじゃないかと。
絵に描いたような別荘描写は、むしろコレが良いくらいだと思うんですが・・・今週は演出に対して「?」なところも多かったです。あと、やたらと渚砂の胸がムチムチしてたのも気になりました。何、海外原画だから?
それならば、雨に濡れた服の透け具合なんかに尽力してくれよ!
・・・とまぁ、変態性カミングアウトは置いといて。
先週の段階で、視聴者としては「静馬にパートナーがいたこと」「そのパートナーが既に亡くなっていること」は分かっていたはずです。なので、今週出てきた新情報は「本名」と「年齢」くらいなもので。その本名も、実は既に作中に出てきた名前だとか、既キャラとの関係性が見えるような名前でない限りは「ふーん」で終わりますよね。
「桜木花織よ!」 ピカッ!ゴロゴロゴロゴロ・・・・とか言われても、「へ・・・へぇ・・・わりかしフツーな名前だね」くらいにしか思えません。
写真も、桜木さんの顔だけを隠していた意図は何なんでしょう・・・基本的に、隠していたものを最後のシーンで出すということは「おぉっ!この顔は!」と思わせなきゃならないと思うんですが。「うーん・・・よーく見れば渚砂に似てるよね」とか「玉青に髪色が似てる・・・か?」くらいの微妙な驚きしかなくて、イマイチ消化不良のままでした。恐らくは、静馬が渚砂に桜木さんの面影を見てしまうシーンで視聴者を驚かせようと隠していたんだと思うんですが、分かりにくさとチグハグさばかりが目立つ今週だったかと。
この辺・・・どっちが上かということでなく、方向性が違うという意味で。死んだ彼女の顔も名前も第2話で出してきた『僕等がいた』とは対照的だなあと。一つの作品では「これで視聴者を驚かせてやろう」という要素を、もう一つの作品では「これを前提にドラマを作ろう」という要素だという。この辺り、ターゲット層の違いを感じさせられますね。
○ とは言え、静馬の心理描写は良かった!
僕としては「静馬のパートナーの正体は?」というところに注目していたんで、その部分では肩透かしだったんですが。先週〜今週で描こうとしていたことは、「静馬が恋人の死を乗り越えられるのか」というところにあったみたいです。
ちっとも描写がないんで本当はブラフなんじゃないかと思うんですが、静馬はプレイガールで学園の美少女をとっかえひっかえだったそうです。でも、実はその行動は“恋人を失った反動”であって、真に大切な人を失ったからこそ、そこそこの関係を数多く築くことで慰めるしかなかった・・・そうした灰色な生き方を否定し、「このコとなら」ともう一度思えるような相手:渚砂が現れたワケです。だから彼女に全てを告白して彼女を大切に思えるようにと決意した矢先、渚砂の中に桜木さんの姿を見てしまい、渚砂を絶望させることしかできなかった・・・と。
渚砂の方は渚砂で、静馬が自分を見てくれているということに嬉しさと自負があったのでしょうが。自分を見ていたのではなくて、自分を投影させて死んだ人を見ていただけなんだと分かって逃げ出すことに―――
実は、渚砂が静馬に惹かれる理由も、静馬が渚砂に惹かれる理由も僕には分かりませんでした。だから、このままくっ付かれてもリアクションのしようがないなーと思っていたのです。恐らくはソレも作り手サイドの計算で、ここで二人を別離させることで「渚砂が静馬に惹かれる理由」と「静馬が渚砂に惹かれる理由」を描き直すという意図なんでしょう。こうした構成の上手さはこれまでにも垣間見えましたしね。
思えば、静馬のパートナーの伏線は、第3話だかの“いちご舎探索”の回が最初でした。誰もいない部屋を見つけた渚砂が、その部屋の窓から静馬のいそうな場所を思いつくというもの。あの部屋が桜木さんの部屋なんだとしたら。あの時点で既に「渚砂が桜木さんを乗り越える」、また「桜木さんが渚砂と静馬を繋げる」という展開が示唆されていたワケですよね。
あの回の感想では、僕は「意味不明な描写」と斬り捨てた気がするんですが(笑)。こうしてちゃんと繋げてきたのなら、あの描写の意味もあったことになるんじゃないかと。
というワケで、不安だらけだった今週・・・演出的には謎な部分も多かったですが、全体の構成から考えると興味深い重要な回だったようです。面白かったかと言われるとアレですが―――この描写がラストに向けて絶対に活かされるはずなので、こうした回も大切なのです。と、自分に言い聞かして・・・
これでしがらみなくエトワール選の話になるのかな?別離したことで、渚砂は静馬以外とパートナー組めるようになりましたしね。僕としては千華留さんがどう出るのかに注目しています。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第19話 |
「リフレイン」
脚本:浦畑達彦 絵コンテ:岡崎幸男
演出:永村伸二 作画監督:中本尚子/内田孝行 |
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一人いちご舎に帰ってきた渚砂に、深雪の過去語り。
本来は静馬と桜木さんがメインの話なんですが、深雪視点でお話が進むのでむしろ深雪が主人公の回でした。髪が今より長い深雪は内面もちょっと若く、静馬を想う気持ちが表に出て可愛かったです。深雪だけじゃなく、つかみ所のない桜木さんや、今より落ち着きのない静馬なんかも新鮮な一面でした。特に、3年前の静馬、2年前の静馬、現在の静馬をしっかりと演じ分けていたなばっちに感服。この1話の演出と演技で、静馬の印象が随分と変わりましたもの。
○ 過去編の意義
これは別にアニメに限ったことではないんですが。時間軸を歪めてでも1話まるまる過去編にするのなら、それなりの覚悟と視聴者への驚きがなくてはなりません。ただ単に「過去で起きたこと」を説明するなら、台詞で済みますからね。
“過去編をすることで、視聴者に新情報を与える”ことができるなら、過去編の意味も大きいと思います。初期『ワンピース』の過去編なんかは、これが上手いですよね。現在の話ではイマイチ設定が分からなかったことが、過去編を読むことで判明して、判明したことによって現在の話も理解できるようになる・・・過去編をやるのならば、これくらいは考えねばなりません。
で、今週の『ストパニ』過去編―――正直、ほとんどが既に視聴者が知っていることだったので、それほど驚きはなかったかなぁという印象でした。上述した通り、深雪と静馬の若い頃は新鮮で、深雪が生徒会長になった理由にキュンとしたりしてたんですが・・・これは台詞でも説明できることですからねぇ。桜木さんのキャラとか青姦には確かに驚きましたが、既に故人となっている人を掘り下げても現在には繋がらないジレンマがありますし・・・
ただ。僕なりに最近考えていることに、“過去の描写が現在に繋がって伏線となっていく”なら過去編をやる意味もあるんじゃないかってことがあります。これも初期『ワンピース』が上手いんですけど(笑)、いがみ合っていると思われていたナミと村人が、過去編を通して実はナミは村人を救おうとしていたからと判明して、それが現在に繋がっていて村人の方もナミを救おうとしていた―――と、過去編の情報を上手に使って、2回裏っ返しているんですよね。こうして、過去と現在の時間軸を自由に描くことで、一つの大きな流れを作っていく手法ならばソレはソレで凄いことなんじゃないかと思うのです。構成は想像以上にムチャクチャ難しいですしね(だから、下手に真似すると駄作になっちゃうんですが)
で、今週の『ストパニ』はと言うと・・・ここの流れは結構上手かったと思います。お部屋番という設定や、夏の流星群(確かあの回、静馬だけは流星を見ないように歩き出していたはず)、空き部屋の伏線、深夜のお茶会などで現在の“渚砂と玉青を中心とした『ストパニ』”と繋げていて。何より、渚砂にエトワールとなる重みをしっかりと伝えたことによって、今後の展開で渚砂がエトワール選をどう捉えるのかが変わっていくだろうことも収穫かと。これで彼女がエトワール選に出てもおかしくない地盤は出来上がったかな?
何より、過去話から現代に時間軸を戻す演出が・・・お御堂を眺める窓から、深雪の背中にしがみつく渚砂の泣き声から入るという美しい流れでやられました。中原麻衣の泣き演技も素晴らしかったですし、今週は演出と演技の勝利という回で。過去編自体は特筆すべきものでもなかったとしても、作品として十二分に意味があったんじゃないかと思います。
○ ・・・深雪視点だから仕方ないのかな?
ただ、どうせ過去編をやるのなら他のキャラも描いて欲しかったかも。
もちろんこの作品は“○○視点”という考えがあるので、光莉視点では哀しいくらい蕾が出てこなかったりして。深雪視点で他のキャラが出ないのもムリはないんですけど―――本来桜木さんと同い年な玉青ですら描かれないというのは一体・・・何故か夜々だけはチラッと出てきたのに(笑)
玉青視点の過去編は別個で用意されてるのかも知れませんが、それだと二度手間ですから使いどころが難しくなっちゃうような・・・うーん、どうするんでしょう?これまでの描写からして、玉青の過去に何もないワケがないと思うんですけどねー。
個人的には・・・この作品の初期に、千華留さんが「いちご舎には暮らしてきたコ達の歴史がある」と仰っていたように。桜木さんの話も、桜木さんと静馬と深雪の3人の話に留めずに、いちご舎の話として描いて欲しかったかなーと。本来あそこには玉青もいるし、千華留もいるし、天音もいるはずじゃないですか。そうして人が生きて暮らしてきた歴史を描くために、深雪視点ではなくていちご舎視点で良かったんじゃないかと思うのです。
でも、“3人の物語”として描くためには、他のキャラはモブ程度に抑えるしかなかったというのも確かなんですけどね・・・・モブでもなんでも、この世界にキャラ達が生きているということをキッチリ描くために、どっかに入れて欲しかったなーというのが正直な僕の
気持ちです。
まぁ、ともかく。
これで時間軸が現在に戻り、主人公が渚砂に戻ることで話は大きく動くのかと。エトワール選は冬だそうですが・・・エトワール選以前に、深雪の後の生徒会長を決めなくて良いんでしょうか?この作品とミアトル、深雪のおかげでギリギリ成り立っているようなものじゃないですか。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第20話 |
「告白」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ・演出:しのだよしの 作画監督:加納みずほ |
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いよいよ20話・・・最初の数話ではどうやって2クールももたすんだろうと思ったこの作品ですが、しっかりきっちりと20話を越えて終盤戦に突入しました。
先週・先々週の過去編は、正直この作品の手堅さ・堅実さが悪い方向に出ちゃい、「予定調和」「意外性の欠片もない」という印象だったんですが。今週は逆にそうした堅実さが素晴らしい方向に進んで、「キチッとまとめている」「キャラを無駄なく動かしている」と感じました。どっちもほとんど一緒のことなんですが・・・。ハデさもインパクトもないけれど、無駄なく丁寧にキャラを動かすのがこの作品の魅力なんですものね。
それにしても、中原麻衣の空元気→鬱モードの演技は観てて切なかった。
『舞-HiME』に比べれば、渚砂は恵まれまくってるコだとは頭では分かるんですが・・・演技と演出の力だろうなぁ。
○ 下級生の役割
千代はサマーキャンプで渚砂と玉青のキモチを浮き彫りにする役目がありましたが、それ以外のコはお飾りみたいなもんでした。絆奈なんかゲームでは主人公の一人なのに、アニメでは賑やかししか出番がない状況・・・やはり渚砂視点のお話だと、これは仕方ないかなぁと思っていました(蕾は夜々絡みでまだ出番ありそうですが)。
なので、今週の描写―落ち込む渚砂を元気付けて、前を向かせる役に下級生5人が配置されていたのは素直に凄いと感じたのです。これは別に場当たり的な展開じゃなくて・・・初期の頃から千代を救ったり、籠女を救ったり、渚砂が下級生達を明るくさせていたことからも、しっかりと考えて配置されていたことが分かります。
また・・・渚砂に会えて皆が楽しかったことを、本人達だけではなく、玉青の言葉で感じさせるのも上手い・・・「皆が待ってる」という言葉とともに、玉青のキモチもしっかりと描くテクニカルな脚本だったと思います。
そしてまぁ・・・これが一番重要だと思うんですが。これまで賑やかし要員だった彼女らが、メインの回で渚砂を元気付けようとしてるのも同じように賑やかしだってのもイイですね。ここで必要以上にキャラの新しい一面を出されるよりも、今までの20話をしっかりと踏襲した上でキャラに動いてもらえた方が、20週楽しんできた視聴者にとっては嬉しいですし。
アレコレ考えた結果「私たちに作れそうなのはクッキーくらい」とクッキーにしたところも、このコらっぽいなぁと和みました。またね、彼女らにアドバイスをする千華留さんもいい味出してるし(テキトーそうで的確なアドバイス)、だからといって千華留さんに頼らずに自分たちで頑張って作ろうとするのもイイですね。青春です。比較的ドロドロな百合アニメなこの作品でしたが、単にこうして女のコがワイワイガヤガヤしてるのも爽やかでいいものです。
そうして、顔を上げた渚砂。
静馬の笑顔を取り戻すことは出来なかったけど・・・・・・渚砂は死んだ人の代わりにはなれなかったけど・・・・・・
渚砂には渚砂の魅力があって、その笑顔を見るだけで皆は元気になれたんだ―――もう、目頭が熱かった。百合アニメだと思えないくらい熱い回でしたよ。
こうして、よかったよかった・・・と次週に行くのかと思いきや、とうとう玉青が渚砂の寝込みを襲いやがった!
いや・・・単に覆いかぶさっただけかも知れませんけど(笑)。「あの女(静馬)のことなんて忘れさせてあげるわ!」って意味ならわざわざ寝ている時にやらんでしょうから、あくまで身を引くつもりで、でも好きだという気持ちは抑えきれなくて・・・ってトコでしょうか。そう考えると、玉青が桜木さんのことを内緒にしていた理由も分からなくない。
とすると・・・この作品の肝となるのは、渚砂に玉青の気持ちが通じた(バレた)時なのかも。
○ その裏で相変わらずなスピカ組
このメンツだと、蕾が物凄く健全でイイコに思える(笑)
エトワール選に向けて、会長に追い込みをかける剣城先輩。一体この人の自信はどこから来るんだと思うんですけど、ル・リムとミアトルには碌なメンバーがいないからスピカの候補になれたなら勝てると踏んでいるのでしょう。ですが、会長さんは「エトワールにはエトワールに相応しい品格が」とあくまで天音推しに。ひょっとして、この人は剣城さんが地球温暖化うんぬんなアレな人だと勘付いているんでしょうか・・・
すっかりスピカの未来を背負わされている天音と光莉を他所に、なんか鳩に餌付けしてる夜々(笑)
OPの絵といい、このコは何になろうとしているのでしょうか。また・・・フランスパンをまるまる食べようという精神状態も不安ですよ。光莉と一緒にカフェに行きたかったのに、光莉がいないならフランスパンでも齧るわーってことなのか。それなら蕾を誘ってイチャイチャすれば良いのに!
その光莉。「お友達でいようね」以降は碌な描写がないと思ったら、やっぱりトラウマになってるんですね・・・近づくことすら許されない夜々が哀れ過ぎる。なんか、夜々と光莉は玉青と渚砂の対比となりそうで、(玉青が何とかなりそうな分)夜々が報われる展開が既に想像できません。
いやまぁ・・・何だろう。光莉だって天音が好きなんだからちょっと違うとは分かっているんですが、ガチレズなコが思い切ってノーマルなコに告白して気まずくなった後みたいな感じなんでしょうか。百合が常識な世界ならば、ここまで避けなくたっていいじゃないかと思ってしまいます。セオリーならこれを裏っ返すんでしょうが、状況が状況なので全く予想できないですね。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第21話 |
「花のように」
脚本:浦畑達彦 絵コンテ:玉井公子
演出:川尻祥大/横山広実 作画監督:LEE SI MIN/吉開順子 |
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先週は渚砂が下級生達の励ましによって立ち上がる回。
今週は静馬が立ち上がる回だったんですが、誰が静馬の顔を上げさせたかと言うと・・・花織からの手紙と、ずっと傍で静馬を支え続けてきた深雪によってでした。このことは非常に手堅いこの作品らしく、僕なんかは大好きなんですけど。「期待は裏切らないが、予想も裏切らない」と思う人もいるでしょうし、インパクトに乏しいと思われても仕方ないかなぁ。
ただ、今週の脚本の肝はソコだけじゃなく。“静馬のエトワール返還”という一つのイベントに、“静馬が花織の死を乗り越える”、“深雪―静馬物語の決着”、“次のエトワール選に向けてエトワールとは何かを視聴者に投げかける”、“エトワール選の幕開け”と、色んな要素を詰め込んでいたことだと思います。これまでの構成の勝利でもあるんですが、これだけ詰め込んだ内容でありながら胃もたれが起きないように配慮されているのも凄いかと。改めて、浦畑さんの底力を見せ付けられました。
○ 天音―静馬ラインのテーマ
「次はアナタの番よ」と、静馬直々に天音を後押しし始めたので・・・「えっ!ひょっとして、エトワール選は省略されるんじゃ?」と焦ったのですが。その後の三生徒会長が別々の方向に歩き出すシーンから推測するに、来週から三校がエトワールをめぐって争う展開になるんじゃないかと思います。候補がどの学校も絞れていないとこが不安要素でもあり、期待でもあります。
しかし・・・分かりやすく天音が傘のエピソードを思い出させてくれたように、天音と静馬って初期の頃から結構接触あるんですよね。公務もあり、傘貸したり、「私の渚砂に手を出さないで!」だったり。そうした積み重ねがあったからこそ、エトワール選に出馬する意味も理由も良く分からない天音に、エトワールになることの意味を静馬が教えてあげるというのが熱かったです。いや、分かったのは視聴者だけで、天音はイマイチ分かっていなかったみたいですが(笑)
また、静馬が出した答えも、エトワールという超越者ポジションからのお告げではなく。悩んで、自分でも分からない中、花織と深雪という大切な二人の想いに触れてこそようやく気付いた答えだというのも熱かったです。こうした背景があって、聖歌隊の歌と、生徒会面々の思惑の中に静馬がエトワールを返還する絵にはゾクゾクしました。
剣城先輩の出方次第ですけど・・・天音は花織のことを知ってるはずなので、静馬と彼女の関係のように、自分と光莉がなれるのか/なっちゃいけないのかが今後の焦点になりそう。この作品の先輩・後輩関係って色んな形がありましたが、先輩から後輩へ引き継ぐという意味では、静馬と天音のそれが一番“らしい”関係だったのかも。
何のための描写だったか分からない二人の関係が、ストーリーの根底で繋がった構成は美しかったと素直に言いたいです。
○ 深雪―静馬物語の終焉
決着と言い切っちゃうのは、まだ早いかも知れませんが・・・
想い続けた人に対して「アナタは大切な親友よ」と言っちゃって、今でもギクシャクしている二人が居ましたけど・・・あの二人の涙と、この二人の涙はちょっと意味合いが違うような気もします。この辺は、どれだけ視聴者に情報提示出来ていたかという初期の功績のおかげでもあるんでしょうけどね。
七不思議の回、花織と出会う前の過去編・・・と、深雪はずっと静馬を支え続けることを誓っていました。生徒会長を目指したのも、静馬がエトワールになった時に支えられるため。静馬がエトワールになるためにはもう一人パートナーが必要ですから、自分以外の誰かを静馬が求める未来も受け入れての決意だったワケです。だから、静馬が花織と結ばれようとしていたことも黙って受け止めていました。
そして、そうした深雪の気持ちにも花織は気付いていたようです。
花織の死後、やさぐれる静馬を深雪は救うことが出来ませんでした。自分は支える役であり、救う役ではない。静馬と、花織とともに過ごした自分では慰め合うことにしかならず(更に個人的な解釈ですけど、深雪は静馬を好きだったのと同じくらい花織にも惹かれていたんじゃないかと、僕は考えます)。渚砂にその役を託そうとしたのでしょう。
だから、「アナタは誰も愛したことがない」という静馬の罵倒と、慰め合うだけのキスに涙をしたのでしょう。「私が静馬を支える」と決意した頃よりも幼かった、泣き虫だった頃の自分に戻って。
誰も愛さなかったワケじゃない・・・ただ、静馬を支えるために、気丈であり続ければならなかったから。
だから、花織の手紙に再び泣き崩れ―――静馬はそんな深雪の気持ちに気付いたからこそ、深雪と慰め合うのではなく、泣き虫を卒業して自分を支え続けてくれた気丈な生徒会長:六条深雪に戻って欲しいと言ったんじゃないかと思います。なので、何となく有耶無耶にして誤魔化した光莉ー夜々ラインよりも一歩踏み込んだ「親友でいよう」という印象を受けました。
そして―――こうして深雪の気持ちを静馬に気付かせるアイテムが、花織の手紙というのも熱いです。また、彼女は起こりうる未来を信じて「渚砂との出会い」も大切にしてと言っているんですよね。温室のエピソード、この回のサブタイなんかも相俟って、非常に美しく心に残るシーンでした。
これで次週以降、晴れてエトワール選かな?
一週で終わったらどうしよう・・・・(笑)
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第22話 |
「決闘」
脚本:ふでやすかずゆき
絵コンテ・演出:まつもとよしひさ 作画監督:奈良岡光 |
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冒頭、いきなり剣城先輩が光莉を襲っていたので、アバンを見逃したのかと思って巻き戻してしまいました。
恐らくは尺の問題でカットされただけで、確かに本編も削りようがないほどギシギシ詰め込まれてはいたんですが・・・“光莉が剣城先輩に襲い掛かられている”というのが、過程を削っても「またか」と思える日常なんだから凄いですよね。しかも、言ってることは「赤ずきんは狼に食べられる運命なんだよ」だし(笑)
その後の狼がどうなったかを知らんのか?
というワケで、今週はスピカメインの回。
天音・光莉、剣城先輩・桃実先輩のエトワール選に向けた展開と。光莉と夜々の展開が一応の決着を迎えました。夜々物語はコレで終了かな?終始報われることのなかった彼女に乾杯・・・蕾辺りの残り物とくっ付けられそうな恐れはあるけど、個人的には、蕾は千代とのカプの方が萌えます。
○ 「笑止!」
あれだけ策を練って、悪巧みを繰り返していた彼女が、冒頭の光莉の言葉で一気に改心!
そして、辿り着いた結論が「天音!私と決闘しろ!」だとは・・・
少年ジャンプに出てくる敵キャラですか?
そして、改心した途端にイイコト言ってるし・・・彼女の一人語りで、ずっとコンプレックスを抱いてきたこと、実はずっと天音を観ていたこと、だからこそ光莉を襲ったことなんか明らかになり。そうした心情を吐露していくのは、なかなかに熱いものがあったのですが。皆さん、忘れちゃいけませんよ。この人はレイプ未遂2回の犯罪者予備軍ですからね。光莉が然るべき手段を取れば、それなりの法的措置を受ける人なんですよ。改心したからって、過去の罪が消えるワケじゃないんですよ。ちゃんと贖罪してこその“善人化”なので、しっかりとそうしたイベントを踏んでもらいたいものです。もう出番ないかもですけど。
・・・・と、剣城先輩のことを書くとつい熱くなってしまい、何だか「バカにしてるみたい」な文章になってしまうのですが。総じて今週は感動しました。そりゃ、光莉の台詞一つで考え曲げんなよとは思いましたけど、エトワール出馬を渋っていた天音の背中を剣城先輩が押すという展開は興奮しましたし、そういった計算を元にしたキャラ配置も見事だと思いました。天音の心情描写としても、先週の静馬を受けて、最後の一押しをするのは剣城先輩以外いませんでしたものね(個人的には夜々を使ってくるのかと思ってましたが、夜々は光莉の担当でした)。
で、すっかりテニスの王子様対決で「どこが女子校アニメ?」というカンジで決着がついたワケでですが。その後の桃実先輩の表情が素晴らしかった・・・この二人、色々と企んでいたけど、根底にあるのは互いのことであって。ビンタの意味も「エトワール辞退」に対してではなく、「実は天音をずっと見ていた」剣城先輩の胸の内に対してなワケでしょうから。複雑なキモチをビンタでしか表現出来なかった桃実先輩に胸キュン。
だから、テニスシーンの古臭さは一先ず置いておこう。そもそもテニスでの決闘の意味が分からないし・・・
○ 私はアンタと付き合えないけど、アンタの歌は聴きたいから唄い続けなさい
誰か、光莉をブン殴ってくんねえかな・・・
でもまぁ、ある意味でリアルに「女ってこういうこと言うんだよな」と思わせるシーンではありました。「オマエなんかとはキモくて付き合えないけど、不幸そうな顔をされるのも夢見が悪いから、私とは関係ないところで幸せになって下さい。その際に友達関係が断絶されるのもこちとら不便になるので、友達には戻りましょう。でも、オマエとどうにかなることは絶対にないから期待はするなよ。あと、とりあえず会計はオマエ持ちな」とか言ってくるものですもんね、女性って。なんか・・・『NHKにようこそ』の感想みたくなってきた(笑)
というワケで、報われない上に、体よく利用されてるに過ぎない夜々が不憫すぎて、佐藤くん以上に感情移入しやすかったです。騙されるなー、背中押してあげるなーとか思いましたが、、夜々は光莉のことなんかさっさと忘れて新しい恋を見つけた方が幸せになれますよね。
とか書くと、僕は光莉がキライなのかと思われそうですが・・・こうした残酷行為を天然でできる光莉は(フィクションの中では)キライじゃないですよ。自分が天音にやられたことを、夜々にして励ますなんて並大抵の精神力じゃできねー。でも、上手い演出だと思いました。
天音の背中を最後に押したのが剣城先輩であると同時に、光莉の背中を押したのが夜々というのにも感動。「歌が唄えなくなった」なんて、前フリもなく言われても、9月からずっと気まずかったのに今更?とか思いましたが・・・ラストの独唱シーンは確かに美しかったです。オープニングで『フィフス・エレメント』みたいになっているのも納得。
というワケで、スピカ組の候補は決定。
ミアトルは深雪の選考で(勝手に)玉青と渚砂になりそうだけど・・・・・・?
いよいよ持って、ラストスパート。個人的にはル・リム組をどう使ってくるのかに注目しています。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第23話 |
「迷路」
脚本:高屋敷英夫
絵コンテ:鈴木幸雄 演出・作画監督:岡嶋国敏 |
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天音さまの落馬シーンには不覚にも笑ってしまった。
いや、だって・・・死亡フラグをぷんぷん匂わせていて(死んでないけど)、やたら左足を何度も映すから「足を滑らせて落ちるのかな?」と思っていたのに。足滑らせた途端、跳ね上がって飛んでいきましたもの(笑)
普通、落下という現象は座っている(立っている)高さよりも下がっていくものだと思うんですが、座っていた高さよりも高く“横に”飛んでいきましたもの。怪我がどうのとか、エトワール選とか全部そっちのけで度肝抜かれてしまいました・・・・
よく分からんセンスだなぁ。温室のシーンで、渚砂がグルッと回って階段昇って静馬の横に向かうトコなんか素晴らしい演出だと思ったんですが。同じ回で、こうも違う印象を与えるとは・・・ひょっとして、スピカ組は“変な演出で統一しよう”という意図でもあったんでしょうか。そう考えると、温暖化なんかも納得できなくも・・・・なくはなくはない。
○ エトワール選への流れ
スピカは一先ず天音−光莉ペアで決まっていたんですが、あんなに苦労して決まったペアがいきなり落馬で大怪我(多分)。補欠として温暖化ペアが仲直りして出馬というのも熱いですが、20話近くかけて決めたスピカの候補を簡単に二転三転させるのもどうかと思いますし・・・・・・
ここは天音さま、怪我を押して覚悟の出馬という展開でしょうか。
一応、天音は(渚砂から見て)ライバルポジションなのに、何故こうも枷を付けたがるんでしょう・・・
ミアトルからは深雪のゴリ押しで、玉青&渚砂ペアに。
深雪の言い分としては「伝統あるミアトルから不出馬の記録を作りたくない」とのことですが、エトワール選に渚砂を出すことで渚砂と玉青の結束を強くさせて、渚砂と静馬が別々になっても生きていけるようにしてあげたかったということなんじゃないかと。ひょっとしたら、渚砂は玉青とくっ付けて、余った静馬を頂いちゃおうって魂胆かも知れませんが(笑)。静馬と深雪は親友エンドで決着したと思うんで、その可能性はないかな・・・
個人的にはずっと「渚砂がエトワール選に出馬」という展開が作品ハイライトになると思っていたので。文化祭の舞台だったり、深雪が渚砂を信頼していく様だったり、サマースクール時の千代の台詞だったりで、渚砂がエトワール選に出る足場は出来ていたと思うんですが・・・渚砂からすれば、突然「アナタならみんな納得するわ」とか言われても、「はい〜〜?」って気分でしょうね。来週辺り、一般生徒による渚砂の話題でも描いてもらいたいです。あの文化祭を受けて、彼女がどういう評判なのか分かるチャンスですし・・・てゆうか、静馬との関係はみんなにバレていないんでしょうか(初期の頃、あれだけキス未遂があったのに)
問題は、静馬ラブだった渚砂がどうやってエトワール選に出てくるかということでしたが。
静馬からキッパリと「忘れなさい」と言われ、千華留に慰められ、前を向くためにエトワール選に出る決意をしました。静馬との関係はまだ最後に逆転が残っていそうですけど、今週の描写は文句なしに美しかったです!見上げるだけだった関係から、遠回りしてでも対等の関係になれたことを暗喩するかのように上がってくる渚砂の絵と。鍵をガッチリ握って放さない描写と、その後に走り去られた後、静馬がポトリと鍵を落とすシーンなんかも(ベタっちゃベタだけど)上手かった!
しかし・・・その後、ブチギレて部屋をボロボロにする辺り(枕、脆っ!)。もう静馬を救えるのは渚砂しかいないってことで、渚砂-静馬エンドしかなくないか?それはそれで文句ないけど、玉青は一体どうなるんだろう・・・
で、何か勝手に「ル・リムは不出馬だって話だし」と決め付けられてるル・リム。
千華留はエトワール選に向けてもっと直接的な台詞を言うのかと思いましたが、まだ思いあぐねている様子ですね。そもそも、初期からこの人は超越者っぽかったので、スタッフとしても使い方に困っているとも見えるんですが・・・個人的に一番好きなキャラは彼女なんで、最後くらいは見せ場を期待したいです。
というワケで、残り3話かな。
爆発力はなかったけど、ここまでソツなく安定した脚本と演出を見せてもらいました。後は、ラストでどこまで魅せてくれるのか―――期待したいと思います。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第24話 |
「運命の輪」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ:森田浩光
演出:布施康之 作画監督:大塚美登理・小堺能夫 |
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残り3話だと言うのに、結構ノンビリと進んでいますね・・・
ひょっとしてエトワール選自体は全カットとか、「さあ!私たちの本当の戦い(エトワール選)はこれからよ!」→立ち昇る朝日に向かって全員で走り出すラストとか、そんな感じでエトワール選は描かれないのでしょうか。まぁ、確かに観ていて楽しくて仕方ないってものではない地味な作業っぽいですし、それでも構わないんですが・・・セオリーで言えば、今週特訓していたダンスの成果くらいは描かないとならんのですよね。
○ ノリが80年代みたいなスピカ組のドラマ
光莉の涙で瀕死の王子様が目覚めるトコや、怪我→記憶喪失という黄金の流れとか、ここは一体二十何世紀なんだと言いたくなるような懐かしい描写が続いて照れくさいです。まぁ、記憶喪失というよりは、一時的なショックで記憶が混乱しているというだけなんでしょうけど・・・夜々とか剣城先輩とか桃実先輩とか、今まで色んな人が苦労して積み上げて、ようやく実を結びそうだった天音のエトワール選出馬がこんな簡単にパァになってしまうのは驚きです。
大ヒット作家になる前のリリー・フランキーが対談で仰っているのを読んでナルホドーと思ったことがあるんですけど、記憶喪失のキャラが出てきちゃうだけでもう感情移入できなくなっちゃうんですよね。だって、自分の周りに記憶喪失の人なんて見たことないですし(もっと重い障害ならあるけど、都合よく記憶だけなくなるというのは・・・)。そういうキャラが出てきただけで絵空事だと冷めてしまいます。毎朝起こしにやってきてくれる幼なじみの美少女とか、「私、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる」とか中学生になっても言ってる可愛い妹くらいファンタジーな存在です。
でも・・・それ言い出すと。この作品自体が美少女だらけの百合アニメなんだから、ファンタジーで全然構わないんですよね。温暖化先輩のインパクトが強すぎて、あの人だけが変人だと思われがちですけど、周りも相当変な人が揃っているのですから・・・その辺は優しい目で見守ってあげるのが良いのかと。
フィクションの世界で記憶喪失を治す方法と言えば、「同じショックを与える」か「失う前の記憶を再現」のどちらかだと思うので。これまでに積み上げられてきた光莉とのイチャイチャイベントをもう1回焼き直すって展開かな?
よし、じゃあココで温暖化先輩にもう1回光莉を押し倒してもらわないと!(ソコかよ)
にしても、渚砂に続いて光莉までも千華留のトリコに・・・この人がやっぱ最強なんじゃ。
それとも彼女の胸には飛び込みたくなるような何かがあるんでしょうか。光莉なんか、今週ドサクサに紛れてスリスリしてましたし。おのれ、羨ましいじゃないか!
何だか歯の浮くような台詞を並べてくださった千華留お姉さまですけど、七不思議の回とか渚砂と初めて会った回とかを思い出すに、元々かなりのロマンチストなんですよね。いいキャラだわぁ・・・千華留の後押しで、光莉も天音を信じて待つように・・・千華留自身は結局エトワール選に出なくて良いんでしょうか。もう尺が・・・
○ ミアトル組は深雪の思惑通り
静馬とのことが気になってエトワール選に集中できない渚砂。
渚砂が玉青と組んでエトワール選に出ることで、自暴自棄になってしまった静馬。
こんな状況で、静馬に渚砂達のコーチを頼むなんて、深雪はどうかしてんじゃないのかと思いたくなるシーンではあるんですが。「そっと見守るべき」と言った玉青と違い、深雪は二人がしっかりと前を向けるようにハッパをかけている状況なのかも。深雪は数ヶ月でみんなと離れ離れになる身な上、何も出来なかった香織との過去を抱えている一人なのですから。
結果として、支えあうエトワールの意味を知った渚砂と玉青の会話を聞き、静馬は二人を後押しすることを決意。また、その静馬の決意を受けて、渚砂もエトワール選へ向けて迷いを捨てることに―――スピカ組のドラマが驚くほどベタに進むのに対して、ミアトルは一人一人の考えが入り乱れて、その集大成として一つの方向に進んでいくという見事な脚本でした。このアニメが始まった頃は好きになれなくて困っていた静馬のキャラが、こんなに地に脚ついてイキイキとしてくるとは・・・半年で一番成長したのは、ひょっとしたら彼女なのかもですね。
その様子を眺めながら、深雪がそっと笑みをこぼす辺りが―――あぁ、もうステキ過ぎる!
というワケで、主人公そっちのけで色んなキャラがそれぞれ頑張って活躍していたような回でした。
蕾のツンデレが久々に見れたのが嬉しかったー。下級生組は観てて和むわぁ・・・このコらがメインの、ドロドロしない『ストパニ』というのもソレはソレで面白そうでしたね。残り2話―――何だかんだ、このキャラ達とお別れするのは寂しいですわ。観ている人がみんなスッキリ笑顔になれるようなラストを期待しています。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第25話 |
「円舞曲」
脚本:高屋敷英夫 絵コンテ:高橋丈夫
演出:長村伸治 作画監督:中本尚子/岡田武士 |
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ラス前。エトワール選に向けてのミアトル、スピカ両陣営の動向を丁寧に描いていました。
スピカ組の物語は今週で完結したと思われるので、スピカはエントリーしなくても話はキレイにまとまるんじゃないかと思いましたが・・・・・ル・リムがどうやら不参加っぽいので、渚砂・玉青・静馬の話に決着をつけさせるための“当て馬”としてスピカが出てくるってことなのかも。
個人的には、スピカ組が「エトワール選より大切なものを見つけたよ」と辞退して、突如エントリーしてきたル・リムとミアトルの対決になるのだと期待していたんですが(笑)。残念無念、千華留さんの見せ場は渚砂と光莉におっぱいを貸した前回までで終わりっぽい。流石に残り1話で千華留さんの真意を掘り下げるよりは、渚砂・玉青・静馬の物語をしっかりと完結させるべきでしょうしね・・・仕方ないか。
○ スピカ組の物語は実質完結
テニスの回で、夜々は光莉と友達に戻ることを決め、剣城先輩は天音に惹かれていたことを告白し、天音はエトワール選への出馬を決意し、桃実先輩は剣城先輩と別離することに―――それまで続いていた関係性が一挙に崩れ、話が大きく動き出したのは良かったんですが、ところどころに拾えていなかった部分もあって。
喩えば、冬森会長が何故天音にこだわっていたのかとか、天音自身は何故光莉を選んだのかとか、夜々は本当に光莉と友達に戻れるのかとか、桃実先輩が可哀想じゃない?とか・・・気にはなるけど、アニメの場合は尺もあるから描かれなくてもしょうがないなーって部分だったんですが。今週はそういう部分をキッチリ拾って描いていたのが印象的でした。
ホント・・・丁寧な脚本でした。こういう細かい気配りを忘れない作品は、爆発的なヒット作にはなりにくいとは思うんですが・・・破天荒でとにかく勢いに任せた作品とは違う、また別の魅力がこの作品の脚本にはあったと思います。それを再確認することができたラス前の1話でした。
1.冬森会長は何故天音にこだわっていたのか
→ スピカからエトワールを出すために、エトワールになれそうな天音を推すのだと言い続けていた冬森会長ですが。どうやら自分もかつてエトワール選に出馬したらしく、恐らくは静馬&花織ペアに敗れたんじゃないかと思われます。自分の適わなかった夢のため、今度こそは適えてくれと後輩にソレを託したかった―――愛校精神なんかよりも、よっぽど個人的な理由で、人間臭くて好感の持てる理由でした。
だからこそ、自分のエゴのせいで(直接は関係ないんだけどね)天音を怪我させてしまったことで、エトワール選なんかそっちのけで天音のことを心配し続けた・・・これまで口を開けば「エトワール選に」「エトワール選に」と言っていた彼女だからこそ、今週の裏っ返しは感動的でした。
2.天音自身は何故光莉を選んだのか
→ 記憶喪失からの復活は、これまでのイベントの焼き直しだろうと思っていました。第4話同様に光莉の歌によって天音が引き戻されていく演出は美しかったです。
正直・・・当時はあんましこの作品が好きじゃなかったので、覚えていない部分ではあるんですが(汗) あの回は光莉視点で天音への届かない想いを描いた回だったと記憶しているので、それを天音視点の記憶でもう一度描いたというのも熱かったです。その後の裸のシーンには度肝抜かれましたけど(笑)
何故この作品のキャラ達は外でするのが好きなんかなぁ。
3.夜々は本当に光莉と友達に戻れるのか
→ あれだけのことがあったんですから、歌を唄ったくらいで「私たち、友達だよね」とか言われてもなぁと思ってました。でも、今週の夜々は“友達として”初めて光莉を心配してたんですよね。光莉の身を案じるのと同じくらい、天音の記憶のことも心配していて、記憶が戻ったことも素直に喜べるようになった―――このコも成長したなぁ、ホント光莉という魔性の天然女のおかげで・・・
4.桃実先輩が可哀想じゃない?
→ 破格の待遇で、スタッフの愛を感じました。下ろした髪型が可愛かった!
まぁ・・・今考えてみると桃実も剣城先輩もどっちもどっちだったと思うんですが。温暖化発言だったり外でのレイプ未遂だったり、ムチャなことばかり繰り返す剣城先輩に対して、桃実先輩は計算高く搦め手でねちっこく攻撃してきていました。二人で絡み合うシーンも、どちらかというと桃実先輩が誘ったり、誘い受けだったりで・・・ダメな男を上手くコントロールする、頭のキレる女性ってイメージが僕の中にはありました(百合アニメとして、それがイイかは置いといて・・・)
だから、実は剣城先輩が天音に惹かれているのを知って、桃実先輩がビンタで去っていったのを観たのは複雑な気分でした。自分が賭けていた男が、実は自分以外の女性にホレていた―――みたいな話でしたからね。ちょっと、桃実先輩が可哀想だなーと。
んで、今週。天音を心配しつつ、彼女が帰ってきたらそっとその場を離れるツンデレな剣城先輩。それを見つめていた桃実先輩。こんなことが贖罪になるワケじゃないけど(なんせレイプ未遂2回だしな)、こうすることによって天音と光莉の背中を押し、未練を断ち切る。だから、もう一度やり直そう―――と。この着地点も非常に上手い。ちゃんと各キャラに救いと決着を描く丁寧さに感心しました。
これでスピカ組のドラマは終わりかな?
蕾は・・・うーん、下級生達にはコレからもこの学園での生活があるのですから。ムリしてお話をまとめなくても良いんじゃないかと思います。クッキーの回など、彼女らの見せ場は一応ありましたしね。
○ ミアトルはドロ沼
「ムリしてるみたい」って深雪さん、アンタが企んだことじゃないのかよ!
静馬も渚砂も、互いに互いを大切に思うのに―――思うからこそ互いの幸せを祈り、離れていくことを認めなくてはならず、そういう意味をこめてダンスを踊っていたんだけど・・・また独りに戻された静馬は、孤独にさいなまれるってことでしょうか。
何か、玉青が一番可哀想だなーって思っちゃいますよ。好きな人が、他の誰かへの想いを大切にしながら自分の傍に居続けるんだから・・・そういう幸せも手段としてはあるんでしょうが、どうにも可哀想。EDのパターンとしては「玉青が離れて、渚砂と静馬がくっつく」か「静馬が渚砂以外にすがる相手を見つけて、渚砂と玉青がくっつく」だと思うんですが、正直後者の展開は想像しにくいですねぇ・・・
それはともかく、深雪が一緒にいるのに静馬が裸だったのには驚きました。
えっ?この二人はいつの間にこんな関係に!?と思いましたが・・・様子を見る限り、静馬はいつも裸で寝ているから深雪も裸は見慣れたとかそんなカンジでしょうか。
この作品のキャラって、好きな人相手でも裸見せ合うのに抵抗ないみたいでしたし(例:夜々と光莉)。この辺の感覚が男の僕にはよく分からんのだよなぁ・・・・
とにかく、順調に伏線を消化して残り1話。
ここまでの脚本を観てきたので不安はありません。丁寧な最終回が観られるのだと期待していますよ。
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| ■ 『ストロベリー・パニック』 第26話 |
「はじまり」
脚本:浦畑達彦 絵コンテ・演出:迫井政行
作画監督:坂井久太/LEE SI MIN |
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最終回。
何よりも、天音さんのお姫様だっこに驚かされました。「オマエはどこの新郎新婦なんだ」という誓いの言葉に、キャーキャー言う女子学生と・・・“みんなの代表を決める選挙”というよりは、魅力のある人間=みんなを導く能力のある人という貴族主義を根底にした人気投票だったんだなーと、良いイミでこの作品の突き抜けたファンタジーを再確認できました。
天音がハッチャけてくれた分、その後の静馬なんかはわりかし常識人に見えましたし(笑)
(シスター以外)誰一人キャラを忘れられることなく、それぞれの魅力と結末を描いた良い最終回だったと思います。この手堅さが何よりもこの作品の強みだったんだなーと。
○ 「べ・・・別にっ、夜々先輩を心配してるワケじゃないんだからねっ!」
から揚げ吹いた。
教科書通りのツンデレ台詞で蕾−夜々エンドになりました。初期から匂わされていたとは言え、余りものカップルみたく描かれたらイヤだなーと思っていたんですが。蕾が可愛すぎたんで許すよ!(笑)
リボンのくだりから、蕾が夜々を気遣っているのが分かるのが良かった。言われてみれば、光莉の友達宣言の時だって傍に居たのだし、ずっと前から二人のことは気付いていたのかも知れませんよね。
千代は相変わらず1年組の中では別格の扱いで、最終回でも作品の結末を匂わせる発言を・・・
「エトワール選が終われば、みんな友達に戻るのです」は、この後の渚砂と玉青の決着を知った上で見直すと深いものがあります。きっとラストシーンのドア越しの「おかえりなさい」には、そういう意味があったんだろうなーと思うのです。出番は決して多くなかったし、狙いすぎさにどうなんだろうと思うことも多々ありましたが、流星の回に見られるように彼女の存在は大きかった・・・!
ル・リム組。千華留さんは出馬しないんかなーとウダウダ言っていた僕だけど、「一番乗り部よ!」と楽しそうな彼女を見たら、これで良かったんだと納得しました。防寒服が可愛かったしね。何気に素晴らしいチームだったなぁ、ル・リム組は・・・出番も少なかったけど。彼女らメインでも1クールくらいはアニメが作れそうなほど、僕はル・リムが好きでした。籠女が何気に万能戦士なのも面白かった(だからこそ、もっと掘り下げて欲しかったなぁ・・・)
○ 静馬のあまりな乙女っぷりにはちょっと萌えた・・・
初期の僕の感想を読んだ人なら分かると思うんですが、僕は番組開始当初は静馬が好きになれなくて仕方ありませんでした。いやまぁ、「この人に見つめられると動けなくなっちゃう!」とかほざいている渚砂も込みでイヤだったんですが・・・
超越者のように上から目線で、キャーキャー言われてて、独善的で、プレイガールで―――と、結局そのプレイガールの設定自体どこに行ったんだというほど、設定が説明台詞以上のものにならない描写に疑問を感じていました。どこが人気ある理由なのか、どの程度「かわいいコは全部私のものよ」と思って、どの程度行動に移しているのか・・・描かなければならないことを何一つ描かず、台詞一つで済ませてしまう強引さに閉口していました。
もちろん、それらが改善されたワケじゃなくて、どちらかというと“軌道修正”されたと考えるのが妥当っぽいんですが・・・渚砂ラブになり始めた頃から、徐々に静馬は感情を取り戻し、観ている僕サイドからも彼女がどういう人間なのか掴めるようになってきました。作品が進むに連れてギアが上がってきて、静馬の渚砂ラブ度が上がってきて、それに比例して僕の静馬好感度が上がってきたという良い循環があったと思います。
やはり―――ミステリアスなキャラというのは、その中身が垣間見えたら強いんですよね。
先週の天音→光莉の描写同様、かつて渚砂視点で描かれた二人のドラマを静馬視点で描き直し、止められない静馬の衝動に説得力を持たせたことにより。今の時代にこれをやるか?というほどベタベタな連れ去り劇でも、「これはこれでアリかも」と納得できるものにしてきたんだと思います。間違いなく、26話の中で最も成長したのは静馬というキャラだったのでしょう。
逃げる・・・と言いつつ、夜には戻ってきてたみたいですが。その辺りの温度も、非常にこの作品らしい冷静さだったなぁと・・・千代の台詞通り、次の日にはまた友達として日常が戻ってくる―――これが「はじまり」であって、「おわり」ではないラストとして締めくくっているんですよね。
○ 26話を終えて
第1話を見た時は「このアニメを26話も続けて大丈夫なのか・・・」と思ってしまうほど、脚本も演出も、話の広がりすらも感じなかったこの作品でしたが(すげー失礼なこと書いているとは承知しています)。意外や意外、むしろ期待していたル・リム組の出番が作れなかったくらい充実していた半年間でした。
爆発力はほとんどなく、花織の過去編に代表されるように“こちらの感情を揺さぶる”ほどの意外性もインパクトもありませんでしたが。期待を裏切ることも、こちらも失望させることもなく、しっかりとムダキャラを作らずに全キャラに(一応の)見せ場を作って動かすという脚本には力を感じました。僕的には相合傘の回や、流星の回なんかが印象に残っています。千代というキャラの使い方には、最終回まで唸らされていました。
思えば、読者参加企画から始まったこの作品。アニメ化にあたってはキャラの多さと、話を動かしていく際に必要なキャラがいなかったりなど、非常に難しい作品だったと思います。それを上手くバランス調整して、きっちりと群像劇に仕立て上げてきたのは評価に値すると思います。スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。半年間、楽しませていただきました。
あと、森永たまちのツッコミブログにも楽しませてもらいました(コレを書いてる時点では、まだ最終話分はアップされてませんが)。お疲れ様でした。
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▲ 『ちのしあわせ家族』連載中。よろしければどうぞ。
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