イズっち

【遊んでみた商業ゲーム紹介】
 『マリオのスーパーピクロス』(SFC/PZL)

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『マリオのスーパーピクロス』(SFC/PZL) 〜2007.6.19
スーパーファミコン用/(非瞬発系)パズル
任天堂/開発: エイプ、ジュピター
1995.9.14発売
公式サイト

Wiiバーチャルコンソール用
2006.12.19配信開始/800ポイント
公式サイト
 ※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、オリジナルのスーパーファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。

 「ピクロスって何?」という人は、Touch-DSのDS版紹介ページをご覧下さい。

 言ってしまえば、パズル雑誌などによくある「イラストロジック」「お絵描きロジック」という白黒のマスを塗りつぶしていくパズルです。紙媒体では定着していたそうしたパズルを『ピクロス』と名付けて、任天堂が95年にゲームボーイ用ソフトとして発売したのが『マリオのピクロス』。そのソフトのスーパーファミコン版だから、これは『スーパーピクロス』なんですね(厳密には、この間にサテラビュー版があったそうですが)。

 なので、ゲーム業界の歴史としてはこのスーファミ版よりも前作のゲームボーイ版の方が重要だったりします。95年と言えば、プレイステーションとセガサターンが発売された直後。スーファミはまだまだ頑張っていましたが、ゲームボーイ市場は縮小していました。その縮小したゲームボーイ市場を一気に甦らせて今日まで続く「携帯ゲーム機は任天堂の独壇場」を作ったのが96年の『ポケモン』だったのは間違いないですが…Wikipediaによれば、ゲームボーイ版『ピクロス』のヒットによって「ゲームボーイ終わってないじゃん!」と安心したことで『ポケモン』発売まで漕ぎつけられたとか。

 「今の任天堂があるのは『ピクロス』のおかげ」とまでは言い切れませんが、95年のゲーム業界を振り返ってみた時―――
 「セガはバーチャファイター2を家庭用に移植した。一方、任天堂はピクロスを作った」

というのは、プレステに敗北した二陣営のスタンスの差(そして後の方向性の違い)を端的に表現した事象なんじゃないかと思っています。



 ○ DS版とスーファミ版どっちが買い?
 2007年の1月に発売した新作『ピクロスDS』と、10年以上前のスーファミ版『スーパーピクロス』―――もちろん機種を持っている方を遊べば良いとは思うのですが、どちらにも長所と短所があるような気がします。僕はこの二つを迷って、最終的に「母親がDSを使っているから」という理由でスーファミ版をバーチャルコンソールで買ったのですが……正直DS版にしておけば良かったなぁとかなり思いました。

【スーファミ版のメリット】
 ○ 安い
 ……バーチャルコンソールで800円(+クラコンかGCコンが必要)、Amazonマーケットプライスで買えば1円+送料(ただしバックアップデータはかなり不安ですが…)。一方のDS版は3000円弱。問題数は同じくらいなのでどっちにしろコストパフォーマンスは悪くないですが、1円でも安いものが良いのならばスーファミ版の方が安いです。
 ○ テレビの大画面で遊べる
 ……僕はDS版を持っていないので分かりませんが、DS版はマス数が多くなると多段階ズームで拡大縮小しながら塗らなきゃならないそうです。スーファミ版は最大のマス数でも1画面に収まりますから、テンポが損なわれない!ぶっちゃけ長所ってこれくらいな気がするぞ(笑)
 ○ マリオが出てくる…けど
 ……マリオとワリオは出てきますが、ホント「出てくるだけ」です。問題選択画面の背景に映っているのと、1レベルクリアするごとに「コングラッチュレーション」と言ってくれるだけです。しかも、どのレベルをクリアしても同じこと言うし(笑)。どうやらゲームボーイ版のマリオかワリオのゲームのキャラが解答になることもあるっぽいんだけど、僕はゲームボーイを持っていなかったので何のキャラかは分かりませんでした。
 ○ 二人協力プレイができる!
 ……どうやらDS版は出来ないみたい。スーファミ版は二つのコントローラがあれば、二人で協力して解くことが可能で、どちらがより多くマスを埋めたかが表示されるみたいです。コレはちょっと楽しそうだけど、僕の周りには『ピクロス』出来る人がいないので未体験です。

【スーファミ版のデメリット】
 × 画面が見づらい
 ……とにかくコレ。我が家がHDテレビからなのかも知れませんが、文字(3と5と8とか)や空白か×とか、とにかく見づらくて目が疲れます。特にワリオモードの灰色の画面は、問題以前に画面の見づらさから悲鳴をあげました。「ゲームは目に悪い」というのを本当に痛感しながらプレイしていました。
 × 画面の端から端が遠い
 ……DS版のタッチペンも感度について色々と言われていますが、十字キーで25×20の問題を解いているととにかくカーソル移動がメンドイ。
 × モードが少ない
 ……純粋に問題を解くゲームとしては楽しいですが、DS版のように毎日変化があったりネットに繋げて問題配信とか、自分で問題を作って友達に送ったりなんてモードはありません。なので、DSをオンラインに繋げる環境があるのならDS版の方が楽しそう。まぁ、Wiiをオンラインに繋げられなきゃバーチャルコンソール版は購入できないんですけどさ(笑)


 とにかく僕はワリオモードの見づらさに苦労させられたので、諸手を上げてスーファミ版をオススメしたりは出来ない心象です。ただ、これは僕のテレビ環境にも寄るんじゃないかとは思っていますが……
 逆にDS版は友達と一緒に購入すれば、自分で問題作ったり、ワイヤレス対戦したりと楽しそう。一人用ならスーファミ版、持っている友達がいるならばDS版ってところかな?



 ○ 「マリオモード」と「ワリオモード」
 僕は『ピクロス』をゲームで遊ぶ前に、雑誌についていた「イラストロジック」を遊んで慣れていたので―――全くルールを知らない人がいきなりこのソフトで遊べるかは、ちょっと分かりません。一応「あそびかた」の説明と、「マリオモード」「ワリオモード」に各レベルがあるので初心者から上級者まで楽しめるとは思うんですが……

 「マリオモード」はパズルゲーム的な『ピクロス』。
 制限時間30分の間に解かなくてはならず、マスを間違えて塗ると×が出て時間がマイナスされてしまいます。時間が0になるとゲームオーバーになりますが、逆に時間に余裕がある場合は「試しに塗ってみるか」と勘で塗ることができます。その他、完全に手も足も出ない状況ならば、5分マイナスすることでヒントルーレットを回すことが出来ます。
 『ピクロス』に関しては超天才の僕なのでほとんどヒントルーレットを使わずにクリア出来ましたが、ルーレットはルーレットで運の要素が入るので面白いです。「その列を教えてもらってもイミないよ!」という時もあったりで、やる人によって難易度が変わる楽しさがあります。
 極端な話、ルーレットを回す→メモる→ゲームオーバーになる→再チャレンジを繰り返せばどんな問題でもクリアできますしね(笑)。「イラストロジック」をゲームっぽくアレンジするとこうなるんだなーと感心しました。


 一方の「ワリオモード」は、従来の紙媒体の「イラストロジック」そのもの。
 間違えても教えてくれないし、ヒントルーレットもありません。終盤まで進んで「あれ?合ってないよ!」と全部やり直しになることも多いです。その分、制限時間はありませんし、「試し置き」という技が使えます。
 「試し置き」とは「この箇所を試しに塗ってみよう」と、間違っているところを塗っちゃった場合は後で矛盾するから気付くという仮定法を利用したテクニックです。これは紙媒体の場合も使うテクニックなんですが、どこが試し置きの部分か分からなくなっちゃったり、消すのが面倒だったりしました。「ワリオモード」の場合はボタン一発で確定/取り消しをしてくれますし、試し置き部分は色が変わるので見やすいです。こうした配慮は非常に嬉しかったですね。
 「ワリオモード」は純粋に頭だけで解かなくてはならないのでやり応えはありますが、終盤は1時間以上かかる問題もあったりで難易度が相当高いです。「試し置き」中にはセーブできないスーファミ版と違って、バーチャルコンソールだとどこでも中断できるのがありがたかった……「バーチャルコンソールの意味ねえな」と序盤は思っていたけど、終盤は感謝しました。


 僕が確認できたのは、二つのモード合わせて284問。
 ソフト紹介ページやレビューページ、Wikipediaにまで「収録問題数は300問」「300問以上を収録!」と書いてあるんだけど……僕が気付かない問題があったのか、JAROに相談するべきジャロなのか。まぁ、正直なところ「やっと終わってくれたぁ…」と疲労困憊だったので300問もなくて構わなかったんですけど。



 ○ 紙媒体ではなくゲームであるという意味
 近年の『脳トレ』ブーム、『えいご漬け』やら『常識力』やら『お料理ナビ』やら、『Wii Sports』もそういう批判をされることがあるんですが―――ゲームじゃなくても良くない?と言われるのって、本来ならこの『ピクロス』が初めてだったんじゃないかと思います。僕は紙媒体で「イラストロジック」を楽しんでいた立場ですから、プレイ前はそう思っていました。

 でも、もう紙には戻れませんよ。
 鉛筆を用意する必要がない、手が汚れない、完成後にアニメーションがつく絵がある、「試し置き」が便利、ヒントルーレットが楽しい……などなど、ゲームならではの利点は沢山あるんですが、紙媒体に慣れ親しんでいた僕からすればそんなことは些細なことです。本当にゲームならではの良さとは、

 
正解かどうかを教えてくれる

 この一点に尽きます。
 白黒のマスで絵を作る「イラストロジック」ですが、強引な絵も多いですし、巨大なものになると一つのミスが大きく左右します。だから、全部マスを埋めたつもりでも「本当にコレで合っているのかな?」という不安が付きまとっていたんですよ。

 ですが、ゲームの『ピクロス』はクリアと同時に絵が完成して色が付いて何の答えか教えてくれる―――雑誌だと来月号まで待たなきゃならなかったのが、自分で確認しなくてもコンピューターが教えてくれるんですよ。物凄く根本的なことですが、これは姉さん大事件ですよ。紙でスコアを記入するボウリング場から、自動でスコアを計算してくれるボウリング場に変わったくらいの凄さです。


 この「正解かどうかを教えてくれる」安心から、僕のピクロサーとしての腕は物凄く上達したと思います。今までは思いつかなかった解法やパターンを次々と編み出し、「俺に解けない問題はない!」とばかりに全問クリアまで到達しました。こう思えるゲームって実はバランス調整が絶妙なゲームなんですよね。そういう意味で、問題の順番なんかも凄くよく考えられていたのかも。



 後はまぁ……こういう言葉はあんまり使いたくないですけど、任天堂の「ブランド力」で共通の話題になりやすいというのはありますね。多くのパズル雑誌とか、パズル雑誌以外の雑誌についているパズルって、物凄く沢山の種類がありますから一つ一つはマイナーになっちゃうと思います。
 それに比べて、スーファミとかゲームボーイとかDSの「ピクロスが……」と言えば「あぁ、あれね」と分かりやすいですからね。「あの問題難しくなかった?」とか、「あの絵であの答えは酷くね?」とか、共通言語になる可能性がありますから。


 ○ 総評
 DSを持っていなくて、ピクロスに興味があって、Wiiをネットに繋いでいて、画面の見づらさが気にならない人ならば800円は安いです。画面の見づらさに関しては、HDテレビだからという可能性も高いので……この辺は、他のバーチャルコンソールゲームで文字が見づらいと思ったことがなければ大丈夫かな?

 何だかんだ不満も多かったし、とにかく目が疲れましたが、4ヶ月間もコツコツ楽しめたのは確かです。楽しかった!


 あ……最後に。僕はクラコンではなくGCコンでプレイしました。クラコンはスーファミと同じボタン配置なんですが、YボタンXボタンを間違えて押して削っちゃうことがあって…………AボタンとBボタンに特化したGCコンの方が使いやすかったです。反射神経を要しないこういうゲームならば、GCコンの十字キーでも不自由ありませんし。GCコン、オススメ。

 


自作漫画を描いています
▲ 『ちのしあわせ家族』連載中。よろしければどうぞ。


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