| 『大乱闘スマッシュブラザーズX』(Wii/ACT) |
〜2008.3.23 |
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Wii用/2Dアクション
任天堂/HAL研究所/ソラ
2008.1.31発売/6800円(税込み)
公式サイト
Wii.comの紹介ページ
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結果論なら誰だって言えます。
・NINTENDO64・ゲームキューブで絶大な人気を誇り、「このソフトのためだけにハードを買ってもイイ」とまで言われた人気シリーズ『スマッシュブラザーズ』。
・任天堂Wi-Fiコネクションにより、待望のネット対戦に対応。
・岩田社長直々の要請で、ディレクターはもちろん天才:桜井政博。
・このソフトの開発のためだけに東京にオフィスを設置するという大プロジェクトを、任天堂が完全バックアップ。
・作者たっての希望により『メタルギア』シリーズからスネークが参戦。
・公式サイトにて毎日発表される情報に、世界中が大興奮。
恐ろしいまでの期待を背負い、このソフトの発売までにWii本体も国内500万台を達成、延期に延期を重ねた発売日を皆が首を長くして待ち望みました。そして、発売日当日……期待通りの大ヒットで品切れだらけのお祭り騒ぎ、Wiiソフトとしては最速の2週目ミリオン、そのままの勢いで前作『スマブラDX』の売上げを追い抜いたと言われています。
売上げ的には、「狙い通り」の大成功でした。
しかし一方で、予想だにしなかった「現実」も突きつけられました。
「ディスクの読み取り不可とWii本体の無償クリーニング対応」―――
僕が語るのは結果論でしかありません。
ですが、この「売上げとしては大成功」「不具合発生」の二つは、Wiiにおける『大乱闘スマッシュブラザーズX』というソフトを象徴する出来事だったのだと思うのです。ゲーム業界のパワーバランスを変えてしまうほどの人気になってしまったシリーズだからこそ、この結果は必然だったのかも知れません。 |
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○ 痒いところに手が届く!からこそ、引っかき傷が広がりすぎたのか……?
64もゲームキューブも持っていなかった自分としては、このシリーズ自体1回もプレイしたことがありませんでした。何せ発売3ヶ月くらい前になってようやく「あ、これって2Dのゲームなんだ?」と驚いたくらいですから………
だからこそ、対戦型アクションゲームが「Wii最大のキラーソフト」と呼ばれていたことが信じられませんでした。
プレイステーション&プレイステーション2が天下を獲った最大の要因は、『ファイナルファンタジー』『ドラゴンクエスト』の二大RPGを引き入れたことだと言われています。日本のゲームファンはRPGを求めていて、日本のゲーム機シェア争いで脚光を浴びてきたのは常にRPGだと思っていました。現にXbox360は『ブルードラゴン』『ロストオデッセイ』を日本向けキラータイトルとして、プレイステーション3は『ファイナルファンタジー13』をキラータイトルとして用意していますからね。
それなのに、Wiiはキラータイトルがアクションゲームなんだ……と思いました。
それも(任天堂が天下を握っていた時代に人気だった)『マリオ』でも『マリオカート』でも『ゼルダ』でもない、色んなソフトのキャラクターが集まったお祭り的なソフトなんだ……と思いました。アクションゲームはどうしたって反射神経が必要なので、RPGほど万人受けしないんじゃない?というのが2006年のE3が開かれた春頃の僕の考えだったのです。
そして、ソフトが発売された2008年―――
触ってみた第一印象は「このゲームはファイナルファンタジーに似ている」という予想外なものでした。
僕が『ファイナルファンタジー』シリーズで一番凄いなと思う部分は、美麗なグラフィックでも重厚なストーリーでもありません。痒いところに手が届く親切仕様こそがシリーズの魅力だと思うのです。「そろそろ休憩したいなー」というところにはセーブポイントが必ずあり、複雑そうに思えるキャラカスタマイズも使ってくる内に慣れてくるように考えられていて(『8』はちょっと分かりにくかったですけど)、誰でも頑張ればなんとかなる適度な難易度で、脇道に逸れて人々の話を聞く面白さなんかもありつつ、盛り上げるところはしっかり盛り上げるストーリー展開……。
売れるのには理由があるのです。最先端の技術を集結させた『ファイナルファンタジー』シリーズは、どんなゲームよりも親切なシリーズだと思うのです(僕が最後にプレイしたのは『10』なので、それ以降は分かりませんが……)。
僕が『スマブラX』で印象的だったのは、それに似た親切な仕様でした。
喩えば、使用できるコントローラー。4種のコントローラーに対応しているだけでなく、メニュー画面で操作したいコントローラーで操作すれば自動で切り替わってくれるのがありがたかったです。ご飯を食べながら「大観戦」している時はWiiリモコンで、そのまま「大乱闘」したくなったらGCコンで操作すればGCコンが使えるという……こういう心遣いが、売れるゲームの凄いところだと僕は思うのです。
コントローラのボタン変更をプレイヤーごとに記憶してくれて、それが個人成績として残る辺りも流石ですよね。
多彩なモードがあるけれど、それぞれに目的が違い、どれからでも遊ぶことが可能なのも間口が広いですね。
隠しキャラクターを出すにしても複数の条件が用意されていて、ほとんどのキャラは「大乱闘」「シンプル」「アドベンチャーモード」のどれかをプレイしていれば仲間にすることが出来る=嫌いなモードはプレイしなくても楽しめる仕様になっているのです。
(※ よく「隠しキャラを出すためにアドベンチャーモードをクリアしなければならないのが面倒」という批判を見かけますが、実際にはアドベンチャーモードをプレイしなくても「大乱闘」モードを続けていれば全ての隠しキャラは出現します)
クリアゲッターも、「全ての窓を開けて欲しい」というよりは「色んなモードに目標を設定してあげたい」ということなんでしょう。
まだ僕も全部の条件を見てはいませんが、達成できなさそうな目標も含めて、こういう方向性は悪くないと思います。「色んな遊び方をして下さいね」という作り手の意図を感じました。
しかし、だからこそ不満が出てくるのも確か。
これだけ色んな要素を詰め込んで、細部に気を使ったがゆえに、Wii初の2層ディスクとなってしまい“読み込み不可の本体が出てくる”という異常事態が起こりました。もしコレが『スマブラX』でなければ、更に発売を延期して対処をした可能性もありますが、流石にもう延期の限界ということで強行発売となりました。誰が悪いというワケではありませんが、運命に翻弄されて非常に惜しい事態となってしまったんですね。
不具合が起こらなかった本体であっても、これだけ詰め込んだソフトだけあってローディングの長さだけはどうしようもありません。その前の任天堂ソフトである『マリオギャラクシー』『Wii
Fit』などは(最初の読み込みを除けば)ローディングを感じさせないソフトだっただけに、『スマブラX』のロードは頻繁に待たされるという印象でした。
個人的には「大乱闘」前のロードは“試合前に集中を高めている”感覚なので嫌いではないのですが……何度もやり直すイベント戦のようなモードで、失敗→再チャレンジの度にローディングが入るのにはイライラさせられました。他のモードはスタートボタンでリトライ出来るのに、どうしてイベント戦はわざわざメニューまで戻される仕様にしたんでしょう。
一つのモードを集中して作ったゲームと比べると、色んなモードがある分「作りこみに不満が…」という点もあります。
「大乱闘」「シンプル」「アドベンチャーモード」などで手に入れたコインは、コインシューターで使ってフィギュアやシールの獲得が出来るだけじゃなく「シンプル」「オールスター」のコンティニューにも使われるのですが―――それならば、「シンプル」「オールスター」を遊ぶ前にコインが幾つ残っているか分かるようにして欲しかったです。コインの残量を調べるためにはコインシューターを開かなければならず、面倒なので確認を怠っていたら「シンプル」でコンティニュー不可になってしまったことがあります。
あと、アイテム取ろうとしたら(アイテムを拾える領域が狭くて)スマートボムをブン殴って爆発させちゃうとか。センサー爆弾がスクリューアタック改と見分けられないとか、製作者の意図とは違うであろうイライラを感じてしまうところも多かったです。
しかし、それ以上に問題なのは、これだけモードがあると気に食わないモードが必ず出てきてしまうということです。誰だって好き嫌いがありますからね。ちなみに僕は「ボスバトル」「オールスター」などのダメージ継続のゲームモードは好きではありませんでした。それでも「クリアゲッターあるからクリアしなきゃ…」とイライラしながらプレイする日々。
「ターゲットを壊せ」や「アドベンチャーモード」は(アクションゲームなんだから仕方がないのですが)イライラさせるステージ構成になっていますし、ボス戦は基本的に“ボスの行動パターンを覚えて攻撃を喰らわないようにする”覚えゲーです。アドリブ重視のアクションゲームとして高い人気を誇るスマブラシリーズなんですから、それが好きじゃない人も多いんじゃないかなーと思います。
人間の記憶というのは、「良かったもの」よりも「悪かったもの」の方が残るものです。
僕の場合も、ムチャクチャ楽しかった「大乱闘」モードの記憶よりも、イライラさせられた「オールスター」モードの記憶の方が残っています。様々なモードを用意したからこそ、逆に万人に不満が残ってしまい、批判記事が目立つようになったのかなーと複雑な気分になりました。
良い部分、楽しかった部分は本当に素晴らしいんですけど……心の底から「最高のゲームだった!」と言えないのも、このゲームらしいと言えばらしいか。
○ 「挽回可能」と「ランダム要素」
とは言え、メインのモードである「大乱闘」モードの面白さは別格です。
このゲームの面白さの魅力は、“ミスをしても挽回可能”だということだと思います。乱闘開始直後に連続で落下などをして−2を喰らったとしても、対戦相手3人を全て自分で落とせば「+3−2でスコアは+1」になりますからね。やり方次第で逆転が可能ですし、勝ち抜け・負け抜けのゲームと違い「さっさとやられてしまったので暇だ」という時間もありません。
僕がこのゲームを始めた頃、フォックスでコンピューター3人と大乱闘をしていたのですが……残り10数秒でスコア−1のところから、スマッシュボールを獲ってランドマスターで3人のコンピューターをまとめて吹っ飛ばし、トータル+2で逆転優勝したことがありました。
最後の10数秒でも一気に逆転可能―――裏を返せば、最後の10数秒でも全く油断が出来ないゲームなんです。なるほど、これは大人気シリーズなだけあるなーと思いました。
「全く油断が出来ない」ゲームなのはルールだけではなく、35名ものキャラクターと41ものステージという点からも分かります。条件が複雑であればあるほど、「覚えたこと」よりも「アドリブの反応」が重要になってきますからね。数多いアイテムや、不確定要素の多い必殺技など、何が起こるか分からないランダム要素が多く―――それでもやはり、経験則によって“勝つ可能性”が上がっていくスルメ的な魅力がしっかりあるのが凄いところです。
そういう意味では、各地で大不評の「転倒システム」も“ランダム要素”の一つとして分からなくはないです。
不満があるとすれば……アイテムスイッチやランダムステージスイッチ、細かいルール指定が出来るのに「転倒」はオフに出来ないことと、「オールスター」や「ボスバトル」のような“挽回不能”“1ミスでゲームオーバーorコンティニュー”なモードでも「転倒」することです。転倒が原因でゲームオーバーになった時は、「俺のせいじゃねえよ!」「何だよ、このゲーム!」と思ってしまいます。ホント、こういうのが勿体ないですよね………
僕が前作・前々作をプレイしていないこともあるんでしょうが……キャラクターやステージの多彩さは本当に素晴らしいですね。大満足。似たようなキャラにも微妙な差があったり、共通の技があったり(マルスとアイクのカウンター、ネスとリュカのPKサンダーなど)するのも楽しいです。ステージの中には苦手なステージもあるんですが、それも含めたランダム要素を楽しんでいます。
逆に言うと、格闘ゲームやレースゲームのようなストイックな楽しみ方というのは難しいのかなと思います。『マリオカート』で言うならば0.01秒を競うタイムアタックよりも、アイテムありのハチャメチャレースが好きな人向けと言うべきか。
○ 総評
色々書いてきましたが……個人的には半端なく楽しんでいるゲームではあります。それこそ、こんなに夢中になって遊んだアクションゲームは何年ぶりだろうというくらいに。万人受けするゲームではないとは僕は思うのですが、友達が来た際に「ちょっとやってみない?」と声をかけたくなるゲームなのは確か。ルール指定やハンデとか、色んな遊び方も出来ますしね。
作りこみも、ターゲット層も全然違うのですが………色んな要素や色んなモードを搭載して、初心者でも楽しめるようにランダム要素を多くしたことで批判をされている現状を見ると。5つの種目を入れたことで一つ一つの作りこみは甘くなり、シンプルな操作をウリにしたことで不満を聞くことも多かった『Wii
Sports』を思い出しました。
日本人は減点法で物事を評価するという典型的な例を見たかなーと。もちろん、欠点のないソフトを求めることは悪いことではありませんし、そのために批判するというコトもユーザーの立派な権利だと思いますけどね。『スマブラX』は『Wii Sports』に似ているのかもなぁなんて、トンでもないことを思ってみたということです。
あ……そうそう。Wi-Fiについては記事で全く触れていませんでした。
僕がゲームをプレイする時間が午前3時とかなこともあって、フレンド登録してもらった方々と対戦する機会があまりなくて……おきらく対戦をするならば、コンピューターと対戦した方がクリアゲッター開くからと、ネット対戦は数えるほどしかしていません。ですが、「大観戦」は「このキャラにはこういう使い方があるのか!」という勉強にもなりますし、毎日送られてくる写真・リプレイ・エディットステージも楽しいです。
ネット対戦をするからにはボイスチャットくらいはないと意味がないと僕は思うのですけど、Wiiの仕様でそれがムリならば、こういう形で「ネット対戦以外の使い方」を利用していくのもアリなのかなと思います。物足りなさが全くないワケではありませんが、これが今後出てくるWiiソフトに良い影響を与えることを願っています。
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