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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 スタッフ&キャスト |
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<スタッフ>
原作:滝本竜彦、大岩ケンヂ(「月刊少年エース」連載、角川コミックス・エース刊)
監督:山本祐介
監督補佐:園田雅裕
シリーズ構成・脚本:西園悟
キャラクターデザイン:右湊具央・吉田隆彦
総作画監督:吉田隆彦・下谷智之
音楽プロデューサー:福田正夫
音楽:パール兄弟
音響監督:塩屋翼
音響制作:オムニバスプロモーション
編集:三嶋章紀
美術:スタジオ・イースター
撮影監督:北村直樹
色彩設計:内林裕美
音楽製作:ビクターエンタテインメント
OPテーマ:『パズル』 ROUND TABLE feat. Nino
EDテーマ:『踊る赤ちゃん人間』 大槻ケンヂと橘高文彦
アニメーション制作:GONZO
製作:N.H.K.にようこそ!製作委員会
<キャスト>
佐藤達広:小泉豊
中原岬:牧野由依
山崎薫:阪口大助
柏瞳(先輩):小林沙苗
小林恵(委員長):早水リサ |
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第1話 |
「プロジェクトにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ:山本裕介
演出:園田雅裕 作画監督:吉田隆彦/下谷智之 |
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原作未読。
アニメ化の噂がされていた頃から、敢えて読まないようにしていました。原作の予備知識も「日本ひきこもり協会」の略だということくらいしか知らなかったんですが、まぁ・・・それだけ知っていたら、今週の内容分くらいは予想できてしまいましたね(笑)
キャラが増えてからの展開に期待します。
作画は良い意味でGONZOっぽく、精神世界でのグニャグニャ感や背景の描き込み、テレビやら台所の心理描写をするなどのカット割が印象的でした。技術的にはそりゃ上手いあいレベル高いんだけど、GONZO作品が平均的に苦手な僕としてはそこどまり。GONZO作品だからと言って同じ人が作ってるワケでもなかろうに、何故いつも同じような印象を受けるのか・・・不思議なもんです。
○ というか、マジメに「引きこもり」を論じる話なんですね
商品展開の華やかさから、もっとオチャラケたものを想像していたんですが―――主人公が引きこもっていく描写だったり、隣室から聴こえるアニメソングが唯一の外界との接触だったりがヤケに生々しくてビビりました(タバコ吸ってるから、外出してないワケじゃないんでしょうけどね)。自分外に要因を求めるトコや、自分に都合悪い方向だけ頭の回転が早いトコ、ラッキースケベを期待しつつガッカリしないように予防線を張るトコ、それでいて自分の行動を悔いるトコ、死ねないと知ってるのに死のうとするトコなどなど・・・切ないくらい自分にシンクロする部分があって、ひょっとしてアニメ史上最も自分に近い主人公かもなぁと思ったりもするんですが―――
“自分に近い=感情移入できる”ではないのが悩みの種。
同属嫌悪というか、自分を鏡で見る不快感というか、見てて痛々しいというか。
結局、ダメ人間ながら主人公だからそれなりのドラマが起こらないとお話にならないワケで、岬ちゃんにも出会うし、こっから先に色んな人に出会うことでしょう。でも、僕やこの主人公みたいな人間の9割は岬ちゃんには出会わないのです。岬ちゃんでエロイことを妄想するのが虚しいと描かれても、大半の人はソレすら出来ないのです(だから二次元に走る)。
このギャップは、自分に近ければ近いほどもどかしいものになるんですけど・・・まぁ、第1話はブラフとして使ってくるという可能性もありますし。その辺はまだまだ様子見でいった方が良いか。“引きこもりの主人公に突如幸運が舞い降りる”みたいな話だったら、正直観ていられないなあと思っちゃいます。
岬ちゃんの牧野由依はイメージ通り。
妄想内で牧野由依に散々エロ声を出させるのもナイスでした(笑)。空想世界でいくらグチャグチャ画面を動かしていても、現実内の岬ちゃんの髪揺れが一番ドキッとする動きだというのも深いものがありますよね。
○ 『涼宮ハルヒ』の後番という意味
他の地域ではどうなのかちょっと自信ないんですが、関東ではこの作品は『涼宮ハルヒ』の後番組な局が多いみたいです。
間違いなく深夜アニメ史上最高の売上げを記録した作品の後番組ということで、そこから流れて視聴継続している人も多いんじゃないかと睨んでるのですが―――「ひょっとしてコレ、狙ってやっている?」と思うほど、この2作品は根底が似通っています。
『ハルヒ』最終回までのネタバレも入るんで、これから視聴予定のある方は気をつけて下さい。
『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメがどういう作品だったのか、ざっくりと言ってしまえば“つまらない日常にウンザリして内にこもろうとした女のコを外に連れ出す話”でした。エキセントリックな言動や、超がつくほどの行動力に偽装されてますけど、ラス前で明かされたハルヒの根底には“自分の無力感に打ちひしがれる”キモチがありました。それって今作『NHKにようこそ』で主人公が感じてるものと一緒なんですよ。
ハルヒの場合、キョンを選び、キョンはハルヒと一緒に現実世界(と呼ぶのはちょっと語弊があるんですけど)に戻ろうと手をとって走りました。それがOPの『冒険でしょでしょ?』の歌詞の「あなたを選んだ私です」に繋がり―――あなた=あなたの望む現実世界に戻るということで、単にアニメという狭い文化圏の中でのみに消費活動を繰り返していた僕等が外に向かい、アニメという枠を飛び越え、最終的にオリコン5位だったり平野さんの『ヘイヘイヘイ』出演などに繋がったりするワケで・・・・・
もっと噛み砕いて言ってしまえば、『ハルヒ』最終回が暗に言っていたことは
「お前ら、引きこもってないで外に出ろよ。楽しいことがいっぱいあるぞ」
だったということなんですが。
その後番が「日本ひきこもり協会」なんだから・・・狙ってやってるのか、たまたま角川でそういう作品が2つ同時にヒットしたからというだけなのか。とにかく、続けて2つとも観てる人にとって、先週→今週への繋がりは意味深いものがあったんじゃないかと思います。
今週のラストで岬ちゃんは佐藤くんを「選びました」と言いました。
これがそのまま字面通りな可能性もありますが―――深読みするなら、“結局は選ばれた者達の話だった”『涼宮ハルヒ』のアンチテーゼというか、ポスト『ハルヒ』的な意味をこめてのセリフなのかも知れませんね。原作はどっちが先かは置いといて、『ハルヒ』の後に『NHKにようこそ』をアニメ化するということはそういうことなのかもなぁと思ってみたワケです・・・・・が、角川にそこまで長期的視野を持った人がいるとは思えないのも確か(笑)
とにかく・・・ほとんどのアニメ・漫画は“選ばれた者”の話なので、それに引っ掛けての今週のラストシーンで―――少年漫画とかロボットアニメなら、このままヒロインに導かれたまま主人公は戦いに巻き込まれるなんて王道パターンになるんですが。そう思わせておいてのガッカリオチになるのが普通か・・・
第1話の段階では、普通になるのか化けるのかコケるのか、イマイチ予想できない内容でした。
とりあえず2話目以降で判断をしたいと思います。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第2話 |
「クリエイターにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ:山本裕介
演出:吉田徹 作画監督:中澤勇一/根岸宏行 |
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なるほど!こういう話だったのか!
先週もチラッと書きましたが、岬ちゃんが可愛くて健気なほど主人公への感情移入はしにくくなっちゃって、岬ちゃんが可愛いからこそ起こる主人公の妄言にも共感出来ず。先週から今週の途中までかなりノリきれない時間が続いていたんですが―――山崎登場で一気に面白くなりました。それは「うるさい隣の部屋に突撃する」「実状を話せる相手が作中に出てくる」という意味でのカタルシスにもなり、同時に“当面の目標”が出来たことで視聴者的にも先への期待がしやすくなった意味合いがあったんじゃないかと。
先週が“引きこもり”という設定を見せる横の展開なら、今週はその設定でどうやってドラマを作っていくのかを提示する縦の展開と言えるでしょうか。設定が奇抜で、やっていることは独特でも、縦の軸がマトモなら安心して観れるというものです。
この辺、百合ファンタジーに偽装してやってることはスポ根な『シムーン』に通じるものがあるかも。あれもネヴィリル覚醒で「あぁ、これは根性モノなんだ」と分かってからは抜群の面白さですし。『NHK〜』は2話Bパートでそれを提示できた強みはあるかなーと。
○ 同類から見た佐藤クン像
岬ちゃんの胸や太ももにトキメけるなんて佐藤クンはまだまだ真人間だなぁ、世の中にはもっと世俗に絶望しきった引きこもりがいるけどなーなどと思っちゃいましたが。一応、佐藤クンも表面では「女なんかに興味があるワケではない」と考えている(考えようとしている)からこそ、真っ赤になっているような気がしますし、その後の自宅シーンで象徴的にグラビア雑誌が映るトコなんかもキッチリ“ダメ男”を描写しているようにも考えられます。
そうねー。その辺り、何度も言うけど岬ちゃんが僕らの前には現れないから理解できないだけなんでしょう。
その一点(ラッキースケベを期待しちゃう辺り)を除けば、彼の思考回路は“ダメ男”そのもので納得の一言。記者会見から自宅にマスコミが押し寄せて恐怖する妄想とか、するんですよねー僕も(笑)
1円の得にもならないことを延々と考え続けちゃうと、やたらドラマチックにネガティブなものを考えて、「やばい!動き出さなきゃ!」と考えることに。結果として動き出すのは同じでも、決してポジティブなスタートにはならないところがミソなんですよね。
んでもって、岬ちゃんを完全に信用はできないから契約書にはサインできないし、それでも縁を切りたくないから記者会見とか妄想して理由作って会いに行っちゃうし、でも哀れまれちゃうのも辛いし・・・と、取った策がアレコレ言い訳して先延ばしにして、「1ヵ月後には俺は変わってるはず」という逃げ道を作るだけなのもすっげー分かる。分かりすぎて泣きたいくらいです。
本当ならね、岬ちゃんの言うことを全部きいちゃって、思ってることを全部吐き出してしまいたいのに。紙くずみたいなプライドがあるので、見栄を張ろうとしてしまい・・・それを見透かした岬ちゃんの哀しそうな顔が、ものっそ心に突き刺さってくるのです。生きてるのって何なんでしょうね、どうやれば普通の人間のように自信もって笑顔で生きられるんでしょうね。
そうした佐藤クンのキャラを過去のエピソードや山崎との絡みで、キッチリ見せていられたのも上手かったなーと思います。イジメエピソードもそうだし、引きこもりのことを山崎に言えない辺りも、妙なプライドで自己を保っているのが分かって痛い・・・山崎にウソをついているトコまでは、相当に観てて痛々しかったです。感情移入できるからこそ、観るのが辛い話でした。
○ で、ここで山崎=阪口大助が活きてくる
ウッソ・エヴィン(@Vガンダム)というよりも、新八(@銀魂)そのもの。キレ演技が全く一緒じゃないですか・・・まぁ、安定して観れる面白さではあるんですが、手堅い分だけ新鮮味は薄れちゃうかな。手堅いのは悪いことではないんですけどね。
で、この山崎。
コイツも結構アレなやつなんだけど、佐藤クンから見ればまだ安全圏なカテゴリーなんですよね。『げんしけん』レベルのヲタクということで、ヲタクなりの信念と行動力があるワケで―――そこすらも突き抜けてしまった佐藤クンにとっては、こっぱずかしいタイプの人間だったりします。
「これからのゲーム業界は・・・」とか、いいセリフですよ。これで山崎の人間性が一発で分かるという(笑)
あと、学校の女のコについての発言とかも青くて熱くて眩しいものがありますね。モテない男連中で話してて「ウチの学校には碌な女がいねえもん(だからモテない)」とか言えるヤツはまだ安全圏。突き抜けた人間は、出会いとか環境とかそういう次元じゃなく、言い訳不能なほどに自分がダメなことを自覚しちゃうもんですからね。ここのラインが、佐藤クンと山崎を分けるラインになるのかと。
そうして、ムダに行動力が余ってる山崎によってゲーム制作へ。
幾ら恩人のためだからといって、この時間と労力のムダ使いっぷりが流石ヲタク:山崎。僕ら引きこもりには出来ない芸当だぜ!自分のスキルアップのためと、恩人の社会復帰のためにエロゲ制作へ!クソ熱いスポ根のノリです。全国制覇(=岬ちゃんに認められる)を誓って部員(=山崎)を集めてトーナメントを勝ち上がる(=エロゲ制作)流れです。燃えてきた―――けど、素直に燃えていいのかコレ(笑)
また・・・地味なようですが。この「後輩と一緒にエロゲ制作」というシチュエーションを作るにあたって、佐藤クンが岬ちゃんに見下されないためについた妄言がアレコレ揺れ動いた末に辿り着いたものであって、至極納得できるものになってるのがイイですね。妄言中は「あぁ・・・コイツ、痛いやっちゃなー」としか思っていなかった分、そこがキッチリとメインストーリーに繋がってくると「おぉ!」と見直してしまうものです。
しかし・・・どうなんでしょうね、素直にスポ根やってくれるとは思えないですしね。1日16時間寝ている男の行動量を舐めんなよと言いたい(笑)。僕個人としては真っ当にエロゲを作ろうとする過程も観てみたいんですけど、その辺は上手く誤魔化して省略するんでしょうか。マトモにゲームなんか作ったら、それだけで1クール終わっちゃうでしょうしねぇ。
エロゲ作るとしても・・・絵は山崎が描くとして、他はどうするんでしょう。佐藤クンはプランナーみたいなカンジでしょうか。シチュエーション作りとか。先週のシスター、今週のチカン被害に続いて、来週も牧野由依のエロい声が聞けるということか!
というワケで、1話目のガッカリ感から一気に期待値上昇。今季楽しみな1本になりました。
ただ・・・この手の作品は「面白ぇー面白ぇー」と絶賛しすぎると降下してきたりもするもんなんで、控えめに応援しております。 |
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第3話 |
「美少女にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出・作画監督:川畑えるきん |
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3週済みましたけど、未だに評価の難しい作品だなぁ・・・と思っています。評価というより「この面白さはちゃんと地に脚がついたものなのかな?」という不安と言いますか―――この作品がどこに向かっているのかが分からないまま飛行機に乗せられているというカンジです。
アニメも漫画もゲームも「目的が見える」と安心できて楽しめるものなので、セオリーで言えば最初期に“この作品のラストはこういう方向に向かっているのです!!”と言い切っちゃった方が楽なのは楽なんです。もちろん、ラストでなくても当面の目的でも良いんですけど。
「甲子園に連れてって!」とか「あのコに告白して付き合いたい!」とか「オヤジの仇を討つ!」とか、主人公に最終目標を持たせることで視聴者はキッチリと軸を持って楽しめますし、目標を持ったキャラというのはそれだけで魅力が出るというものです。少年漫画では片想いの関係が恋人同士になると好感度が一気に下がることが多々あって、それを「モテない読者のための雑誌だからな。ププッ」とかモテぶった感想を書いているサイトは死ねばいいと思うんですけど。それは単にキャラの魅力の鮮度であって、モテ・非モテとかターゲットとかとは関係ない話です。キャラに目的を持たせるということは、キャラ作りにおいてそれだけ重要な要素だってことですね。
ただ、その目的が分かりにくく、観ている人に「どうやったらなれるの?」と思わせてしまうものだとちょっと距離が空いてしまうんじゃないかってのが僕の持論です。「海賊王に俺はなる!」とだけ言われてもピンと来ないけど、「秘法を手に入れる」だと分かりやすいワケです。野球漫画も片想い漫画も推理漫画も料理漫画も、ある程度パターン化されてるからこそ読者にとって過程が分かりやすく、だからこそ受け入れられやすいんじゃないでしょうか。
で、この『NHKにようこそ』―――究極の最終目標は「ヒキコモリを脱出する」でも「社会復帰する」でもなさそうで、描き方としては「岬ちゃんと付き合う」なのかなぁと思ったんですが・・・正直、どうやりゃ佐藤クンが岬ちゃんと付き合えるかなんて想像も出来ません。だから、先週の段階で「エロゲを作りましょう!」と当面の目標が見つかって俄然テンションが上がったのです。
<野球漫画>
部員を集める→練習試合でチーム強化→1回戦突破―(略)→県大会決勝→甲子園出場!!
<この作品>
山崎と組む→エロゲの勉強、エロ画像の収集→エロゲ制作→岬ちゃんに見直される―(略)→岬ちゃんと付き合う
・・・・「略」の間に物凄く高くて険しい壁があるような気がしますが(笑)、提示された作品構造はこんな感じだとは思います。もちろん、そう見せかけて全然違う方向に進んだり、脱線しまくりだったりな面白さもあって、今週もちっともエロゲ作りが進まないところに楽しまされたんですけど。それはあくまで本筋がしっかりと視聴者に浸透しているからであって、野球漫画の脱線でサッカー始められたりすると興ざめなことも多いですからね。バランスを間違えるとまっ逆さまに大失敗しかねません。
だから、現状が面白くても、偶然なのか計算なのかイマイチ読めないという意味での「不安」なのです。
とは言え、1クールならこの勢いのまま突っ走ることも出来そうな気もするんで・・・・・・とりあえず、中だるみが起こりやすい5〜6話辺りが鍵になるかなーと。
○ 山崎のキレ方、何か元ネタありそうですが・・・
音楽の切り替わりと、『Zガンダム』の最終回みたいなオーラが出てた山崎が面白かった!
そして、エロゲ制作からのサクセスストーリーにも笑いっぱなしでした。まぁ、全部が全部本気というワケじゃなくて、ある程度は佐藤クンをその気にさせる意味合いが強かったんだと思うんですけど―――凄いと思うのは、先週の佐藤クンとのネガティブ妄想との違い。
公園に行かないと岬ちゃんがレイプされて記者会見起こされて自宅にワイドショーが押しかけてくる!とまで妄想した佐藤クンのネガティブ全開とは対照的に。エロゲを出すと徐々に人気が出て会社を起こし日本どころか世界に名を広げてモテモテ、と万事がいい方向に妄想されていくポジティブ思考にも脱帽。「徐々に人気が出て」の方法が分からないまま見切り発車なのも流石です(笑)
ここの会話での最大のポイントは、山崎のポジティブ妄想に佐藤クンは「おぉ!」とか「なるほど!」とか合いの手しか打ってないとこです。何故なら、佐藤クンみたいな人間は絶対にポジティブな妄想は作り出せないくせに、他人のポジティブな計画にはまんまと「その通りだ!」と乗せられちゃうから。だから、マルチとかインチキ宗教とかにコロッと騙されて、身包み剥がされた頃には「もう・・・誰も信じない」と更に引きこもるくせに、また甘い言葉で騙されるという・・・1話で「宗教なんて信じねーよ!」と全否定して人間不信になってたくせに、山崎の甘い言葉にはあっさり釣られる・・・その辺のリアリティが凄まじいです。山崎が(痛いけど)イイヤツで良かったですよね。フツーならここで更にどん底まで落とされますよ。
こうした描写を繰り返されることによって、同じようなイタイキャラなのに、安全圏の山崎と「もうダメだ」な佐藤クンがキッチリと対比されていくのが絶妙。エロゲ好きだと声高に叫んでても、山崎は将来へのビジョンがちゃんと見えてる分、佐藤クンのようにはならないでしょうね。今日の感想、「佐藤クン」というワードを全部「僕」に置き換えても結構ですよ(笑)
○ なるほど!ギャルゲーはこうして解くのか!
勉強になるアニメだなぁ・・・
ちょうど昨日のチャットで「僕にギャルゲーは鬼門」という話が出て、僕がギャルゲをやるとまぁ間違いなく誰ともくっ付かないエンディングで、エロゲもエロ出てこないまま終わるのがフツーですが何か?な人間だったりします。
ということで、PCゲームの中ですらモテることが許されない佐藤クンにすげー共感。でも、僕だったら「もういいや」と諦めてしまうところを、彼は山崎に攻略法を聞いて乗り切りました。そうか・・・僕の人生には山崎みたいな相棒がいなかったから物語にすらならなかったのか!まぁ、岬ちゃんも小林沙苗声の美人な先輩もデカいモニターすらいないけどね。死にたい。
で、一昼夜問わずにエロゲを満喫する佐藤クン―――途中ティッシュをとるシーンがあったけど、そういう描写の暗示なんでしょうか。だったら凄いなぁと思うのは、普通そういうことした後は冷静になるもんじゃないですか(笑)
人間の性欲には限りがありますから、1日に興奮できる量も限りあると思うんですけどねぇ・・・若いな、佐藤クンは。
しかも、その後にやってることがエロ画像集めだし・・・・・・画像ってどうやりゃギガ単位溜まるんだ!?
この人は引きこもってるくせに、引きこもりの人が大抵やってそうなことはほとんどやってないんですね。人生が楽しそうで羨ましい限りです。
ちょっと惜しいことに、実写であるはずのエロ画像と、エロゲの絵柄が似たようなものだったこと・・・・・と思ったんですが、その後に小学校だか中学校の盗撮に出かけたということは実写ではなかったのかな?小中学生のエロ画像って・・・いや、僕が知らんだけでそこらにあるのかも知れませんが、ギガ単位で集められるほどはないような気もするし。そもそもアニメにするのは問題ですし。どっちにしろその辺が上手く伝わらなかったのは残念ではあります。
個人的には、実写大人>2次元大人>2次元子ども>実写子どもの順でヤバくなってるかなぁと。佐藤クンが集めてた画像がどれだかは分かりませんが、最終的に実写子どもまで落ちたのは確かなのでヤバさMAXではありました。まぁ・・・子どもと言っても、中学生なら分からんくもないですが(オイ)
こうして・・・完全に堕ちるトコまで堕ちた佐藤クンを、見捨てるどころか「プロジェクトに最適」とまで言い張った岬ちゃん。ここまで完全に佐藤クンを落っことして、共感してる僕ら視聴者にすら「佐藤クン(=僕ら)もうダメだー」と思わせておいたからこそ驚きだったんですが・・・
逆に言わせれば、それは「最初から期待もしてない」「プロジェクトに向いているかどうかのモルモットのような存在」であるかのような感覚も受け、佐藤クンにとっては受け入れられた暖かさよりも、恐怖の方が大きかったんじゃないかと思います。正直、こんなことを言われると今後は岬ちゃんでエロ妄想なんて出来ないんじゃ・・・・・いーや、ヤツならやるね(笑)
その若さがちょっと羨ましい・・・・・・
というワケで、脱線で1話消化。これはこれで楽しかったけど、次の回次第かなぁと思います。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第4話 |
「新世界にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出:園田雅裕 作画監督:夏目真悟 |
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岬ちゃんとの約束まで、残り10日?8日?
ともかく、ちっとも進まないギャルゲー作りに業を煮やした山崎は佐藤クンを秋葉原へ。タイムリミットを設けたことで(実質全く進んでいないのに)ダラダラ感を消し、ヒロイン作りに焦点を絞ることで視聴者にも分かりやすい展開になっていました。言うなれば、「次の試合の鍵を握るのは三井と桜木だ」的なアレ。話は暴走一直線なのに、こうやって視聴者に負荷をかけさせない配慮がイイですね。
流石に後半のアキバ満喫話は脱線の末のギャグパートみたいなもんだと思うんですが、Aパートで山崎が語ったヒロインの作り方や後半の「踏襲と独自性」の話なんかは、フィクション作りの端くれとしてなかなか面白かったです。ああやって理屈で言われても、佐藤クンが面白いものを書けるワケねーだろうなと既に思わせられているキャラ造詣も凄いんですけど。
○ レッツ!ヒロイン作り!
ギャルゲーはプロットすら考えたことないんで分からないんですが、漫画なんかの場合はキャラの内面よりも設定から考えていった方が作りやすいと思いますけどねー。喩えば、変身ヒロインなら変身ヒロインという設定をまず考えて、どういう話を作っていくかで周りにどういうキャラを配置するかが決まるから、そこでようやくキャラの内面を決められるんじゃないかなーと。
いやまぁ・・・お話の作り方は人それぞれ千差万別ですが、既に佐藤クンの中ではモデルだったりプロットだったりが漠然と生まれ始めているのに。それを曝け出してカタチにするのが怖いのか、ステレオタイプなヒロインを作ろうとして「こんなんじゃない!」と騒ぎ出す始末。フィクション作り・・・特にヒロイン(少女漫画では男性キャラ)には自分の趣味やら性癖やら、普段人には言わないようなものが出てしまう恥ずかしさがありますからね。僕も他人のことはとやかく言えんなーと耳が痛かったです。
そんな中、佐藤クンの趣味を直撃するアキバに連れて行った山崎の行動は、目的と結果はともかく、佐藤クンの内面としては一歩前進したんじゃないですかね。少なくとも、山崎相手には見栄を張ることもなく、フィギュアやファングッズを漁っていけたワケですし。
そういや、ちょっと意外だったんですけど。山崎は既に“女に裏切られた”人だったんですね・・・まぁ、二股ぐらいで騒いでたらもっと酷い地獄を見るぞと忠告したいけど、僕が何かを言う前に「現実の女なんて」モードに入ってるから大丈夫か。
まともな人から見れば大差ないんでしょうが、「現実の女なんて」が言えてる内は華なんですよ。なんせ佐藤クンとか僕なんかは、現実でもセーブ&ロードが出来たらなぁと本気で思っていますから。というか、昨日の朝せっせとセーブ&ロードして好感度上げて、「現実でも使えたらこんなことにはならなかったのになぁ」とタイムリーに考えていましたし(笑)
自分が基準としているデフォルト世界が既に現実世界ではなくなってしまったら、現実に何を期待できると言うのでしょうか。
ということで、ふと冷静になって流れる人ごみを一人で見つめる佐藤クンの絵は、現実の中から取り残された佐藤クンというキャラを象徴しているようで。そんな中、小林沙苗ボイスの先輩が立ち止まって佐藤クンに声をかけるシーンは、流れの中でも立ち止まって“取り残されている”佐藤クンに手を差し伸べる人がいるんだという暗喩のようでもあって。そうして差し伸べてくれる人が先輩なのか、岬ちゃんなのか分からず、現状では山崎なんですけど(笑)。
大暴走してワハハと笑い飛ばして、「うえー、見てて痛ぇー」と苦笑できるようなコメディな回であっても。佐藤クンの中に巣食ってる“もう戻れない”絶望感と、そこに見出される一筋の光明をしっかりと描いているのが好印象でした。ヒロインのイメージに岬ちゃんや先輩を出す辺り、まだ佐藤クンは現実に戻れるはずなんですよね。
それにしても、ホントに真摯に引きこもりを描いていくつもりな作品だったんですね。この描写で相当見直しました。
○ アキバ探索の回
前回も思ったんですが・・・引きこもっていてネットには繋がっている状態なのに、どうして佐藤クンはここまで世間に無知なんでしょうか。ギャルゲーもエロ画像も同人誌もフィギュアも、家でやることなくてPCつけたら目に入ってくるものだと思ってましたが―――あ、そうか。僕は勝手に引きこもりは全員ヲタクだと誤認してましたが、ヲタクじゃない引きこもりも星の数ほどいますものね。漫画にもアニメにもゲームにも興味がなければ、その道には進まないものか・・・(原作だとエロ画像はロリ画像だったそうですし、ノーマルな人間なら手を出さない領域だったかもですね)
というワケで、子どものように新世界を満喫する佐藤クン。
『げんしけん』のアキバ探索回にも似たようなこと書いてましたが、僕は遠出してまで何かを買う気力すらないので。アキバにも行ったことがないですし、この辺の話はイマイチ分からなかったり・・・『げんしけん』では出てこなかったメイド喫茶が出てきたのは時勢かな?原作ではどうなのかは知りませんけど。
しかし・・・エロゲーのキャラのフィギュアがあったからと言って、スカートの中が見たくなるかなぁ。『げんしけん』で笹原くんが言ってた「エロゲーキャラのエロ同人誌を読みたいかなあ」は、自分なりの性癖という意味では理解できなくもないんですが(笑)。フィギュアでパンチラ眺めても・・・あぁ、でもそうか。これが二次元と三次元の差なのか。基本的に佐藤クンは二次元より三次元の方に愛着があるみたいで、ますます“まだ戻れる”段階のような・・・これからあと一歩進むと、もうどうにもなりませんからね。
今週でまたテンションアップ。小林沙苗の美人な先輩は実は結構ツボなデザインなのです。
これで来週が楽しみ。この辺の緩急のつけ方は上手いなーと。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第5話 |
「カウンセリングにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出:鏑木宏 作画監督:長沼範裕 |
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「俺も・・・やめる気はないっ!」
ゴメン。ぶっちゃけ泣いた。
このシーンまでは(正確に言うと、佐藤クンがパソコンを立ち上げるシーン)「あー、こういう方向に行っちゃったか」とガックシきていたんですが、実はそこまでの流れは全部“タメ”であって僕みたいな視聴者に負荷を与える段階で、本当に作者とスタッフが言いたかったことは佐藤クンの行動を裏っ返した後のこの台詞だったんですね。もう・・・ここまでやられれば、感動しないワケにはいかないじゃないか!
○ 依存か支えか
先週の引きから、先輩と再会して思い出に耽る佐藤クン。
えっ、佐藤クン。童貞じゃなかったの!?というショックは置いといて。先輩の言う「健全な付き合いをしていれば・・・」の辺りは、哀しくなるくらい“分かる”言葉でした。マトモな青春を送れていれば・・・もしくは、こんな歪んだ関係なんて最初からなければ、きっと佐藤クンは引きこもることもなかったんじゃないかと思うのです。
半端に期待して、全部に絶望したからこそ、世界の全てに期待が持てなくなる。
経緯は人それぞれでしょうが、心に闇を抱える僕らは多かれ少なかれみんなそうなんじゃないでしょうか。だから、先輩の台詞に締め付けられるような想いがするし、マトモなドラマなら“青春のいい思い出”ともなるシーンですら痛々しいものに感じてしまうのでしょう。あの描写があるからこそ、今の佐藤クンが生まれる理由に納得できたのです、
だから、正直。この流れで「山崎置いてけぼり→先輩のために引きこもり脱出を決意→契約書にサイン→岬ちゃんと再会」と進んでいったのには、ホントにコレでいいの?感が強かったのです。
引きこもりを脱出する方法って憧れの先輩に会うために頑張ること?可愛いコと仲良く喋ること?そんなの違うじゃん。何度も書きますけど、現実の僕らの前には岬ちゃんは現れないんです。きっと一生。誰かのために何かができるとか、誰かがいるから何かができるって、きっかけならともかく、そんなものが答えになっちゃいけないんですよ。結局は依存する対象を特定の他者に向けてるだけじゃないですか。
そう思い、岬ちゃんにセクハラ発言繰り返す佐藤クンには全く感情移入できないし、岬ちゃんの要領の悪さは「あちゃー」ってな気分で観てて辛かったのですが。でも、岬ちゃんの言ってることって結構的を射てるなーと思いました。
僕が考えていたのは引きこもりじゃなく精神的な自殺(専門家じゃないんでこういう言葉が存在するのか知りません)だったんですが・・・生きていく際に支えになるものって絶対的に重要なのは確かです。それが国によっては宗教だったり、家族だったり、趣味だったり、仕事だったり、色々あるんでしょうが―――僕も含めた多くの現代日本人は(趣味は微妙だけど)そうした支えがどんどんなくなって、「みんなと一緒のことやってりゃいいや」とか「負け組になったら終わりだ」といったよく分からん価値にしがみ付いて生きていくしかないんだと思います。
だから、佐藤クンみたいに一旦社会の枠組から外れちゃった人って、神様を信じるくらいでしか生きていけない―――100人が100人そうだって言ってるんじゃないですよ?100人中10人がそうなる可能性があるってことなんですよ。だから、精神的な自殺者は減らないし、引きこもりだって減らない。
えぇっと・・・話ズレまくりましたね。
要はアレです。こうした岬ちゃんのノート音読しただけの講義が、こっから佐藤クンを裏っ返していく伏線になっていたということが言いたかったのです。こういう描写に抜かりない作品/抜かる作品という差は、地味なようですがダイレクトに構成技術の巧拙の差を反映させますもの。
○ 手段が目的に変わったとしても
元々、この作品のラスボスは岬ちゃんだったワケです。
引きこもっていただけの生活を乱しに現れた岬ちゃんに見栄を張り、彼女を納得させるためだけにギャルゲー作りを始めた佐藤クン。見栄からのスタートで、ゴールの先に何があるかも分からないギャルゲー作りは、当然のように上手くいきません。フィクション作りって、まずは見栄を捨てるトコから始まりますもんね。
エロゲー、エロ画像収集、アキバ巡りと・・・ギャルゲー作りの勉強と称して、堕落の一途を辿るばかり。
挙句の果てに、「先輩のために」とギャルゲー制作から逃げて引きこもり脱出へと楽な道へとどんどん進み・・・引きこもり脱出への女神だと思っていた岬ちゃんは、理屈先行なのか(あれは理屈以前な話ですが)大した成果を挙げられるとも思えない有様。ラスボスだと思っていた岬ちゃんだけど、実際には彼女にそんな力はなかったのです。
自分の部屋でフィギュアのパンツ覗いているシーンが象徴するように、与えられたものをただ享受するのって楽なんですよ。岬ちゃんへの依存は、結局のとこパンツを覗いているのと一緒で、他人に任せて自分では何も行動を起こさないだけ。親(?)に反発して一人で出てきて色々と苦労しながらギャルゲ制作に燃えていた山崎と、壁越しに対比させられていたのですね。
1回目のカウンセリングが終わった後―――佐藤クンが立ち上がったのは、きっと必然的なこと。
きっかけは「岬ちゃんを見返すこと」だったかも知れない、「先輩にまた会うこと」だったかも知れない。ギャルゲ制作は、あくまでも他の目的(=岬ちゃんを見返す)の手段でしかなかったのかも知れない。でも、その手段でしかなかったギャルゲ制作に一喜一憂、必死に頑張れたことって良かったじゃないですか・・・と言っても、佐藤クンはまだ頑張ってもいないんですけど(笑)。目標を持ち、夢中になって何かをしている時って、社会への負い目も絶望も忘れられて一生懸命になれるじゃないですか。
「手段が目的に変わる」
普通、この言葉って否定的な意味合いで使われることが多いと思います。
現に佐藤クンらだって、ギャルゲーを作る意味なんてもうないことは分かっています。でも、意味がなくても、自分のためだけに何かを成し遂げた時に自分が変われるんだとしたら、賭けてみたくなるじゃないですか。
ここで岬ちゃんの講義がかかってきます。
佐藤クンには支えてくれるものが何もない。宗教も哲学も恋人も。女神だと身勝手に思い込んだ岬ちゃんも、自分を救ってはくれなさそう―――だからこそ、何かを成し遂げようとする目的が自分の支えとなるんです。それは依存ではなく、確かに自分の脚で歩き出そうとする強い意志のはず。
「一つだけ・・・岬ちゃんと会って感謝してることがある。
彼女と話している内に、俺は気付いたんだ。
喩え部屋に閉じこもっていても、何か目標をもって行動をしてる間は引きこもりじゃない・・・!」
震えまくりました。もう、ここは夏クールのハイライトになりそうなほどに震えました。
まぁ、この後にフィギュア踏んづけるオチはちょっとした照れ隠しでしょうから、もっと正面きって引きこもり脱出を感動ドラマにしても良いんじゃないかと個人的には思うんですが。それで感動できるのは佐藤クンの同志だけでしょうし、それじゃ作品になっても商品にはならないから困ったものです。
というワケで、夏アニメの中では一歩抜き出たかなぁというココ2週でした。次も楽しみにしております。
どうでも良いことですが、チラッとだけ出てきた神様は塩屋さんだったんですね。台詞あったかも覚えてないです。脇役のキャスティングは音響監督の意見が通るという話は聞いてましたが、まさか本人が出るとは。もう表舞台には出ないのかと思っていましたよ。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第6話 |
「クラスルームにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ:園田雅裕 演出:熊澤祐嗣 作画監督:村井孝司 |
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あぁ・・・なんか・・・コメントに困るような切ない回だった・・・
懲りずに女にダマされようとしてる山崎も(これはダマされじゃないと思うけど。ひょっとして二股も単なる勘違いなのか?)、そんな山崎に疑心暗鬼になって尾行始める佐藤クンも観てて居たたまれなかったです。女のコの陰口は多少マンガちっくに「とほほ・・・」なオチにしてあったとは思いますが、基本的に鬱ばかりが溜まってカタルシスを感じる余裕もなく、「それでも一歩前進だよ」と岬ちゃんに締めさせて次回へ。このスッキリしない感じが“引きこもりライフ”を描く作品らしいと思うので、そこも含めて楽しんではいますが・・・山崎のように報われない経験をしたことのあるヲタや引きこもりの人も多いでしょうし、そういう人にとっては心が痛い回だったんじゃないかと。とりあえず僕は今すぐ消えてしまいたいです。
よし、やはり女のコは二次元に限る!と再確認する日々。
○ 他人を見下すことで自信を持ちましょう
牧野由依のノート読み演技がイイですね。淡々と酷いことを言ってるのも、ちょっと抜けたコなのだと見れば可愛かったです。セクハラ発言に「童貞でしょ」と切り返すのは残酷ですが、まぁ佐藤クンもセクハラしてんだから他人のことは言えませんね。彼女いない人間に「彼女いないでしょ」と吐き捨てるのは、更に引きこもらせかねないリスキーな手段だとは思いますが・・・もし佐藤クンがあの晩に直接山崎に訊いていたとしたら、山崎は勘違いのノロケを始めて、佐藤クンは今まで以上に心を閉ざしたでしょうし。
とは言え・・・岬ちゃんのレポートの意味は分からなくはないし、それがその後の“専門学校に潜入”という展開に繋がってくる構成も見事でした。緊張して喋れなくなるかは置いといて、引きこもりとかヲタクな人間って基本的に周りを気にする人が多いんじゃないかと思います。良く言えば繊細、悪く言えばナーバス。だから、他人にどう思われているかを気にしてしまう・・・
岬ちゃんの真意はよく分かりませんが、岬ちゃんの言ってるように“他人を見下して自己を保つ”人なんてごまんといますし。勝ち組/負け組に2分割して「負け組になりたくないなら勝ち組を目指しな」という政権が支持されている現状なんだから、単純に考えて国の過半数以上は“他人を見下して自己を保つ”人であって。そうした社会の枠組みに入れなかった人が、佐藤クンのように引きこもっていくんですよね。
だから、「オマエは俺のことを見下しているのか」という台詞で分かりにくくなっているんですが。このシーンでは、佐藤クンは岬ちゃんの発言を認めていないんです。一歩踏み込んだ言い方をするのなら、“他人を見下して社会に適合できるサイドの岬ちゃん/引きこもりサイドの自分”と、岬ちゃんは壁の向こう側の人として描かれていて―――その岬ちゃんが、“同類だと思っていた”山崎にも彼女がいてこちら側の人間なんだよと言うことによって、佐藤クンは孤独に追い込まれて山崎を「オマエは本当にアチラ側の人間なのか」と尾行するんです。
この辺りの・・・性格とカテゴリ分けを上手く活かして(一部ギミックのように使って)、キャラを動かしていく脚本は凄まじいものがあります。
尾行の流れで、ゲーム企画の授業を受けさせられる羽目になって一悶着。
ここで凄いなぁと思うのは、「エロゲー作り」と「岬ちゃんのカウンセリング」という二本の柱が相互に補い合ってストーリーになっているということ。今週で言えば佐藤クンは女のコの台詞が書けずに悪戦苦闘していたんですけど、岬ちゃんのカウンセリングの結果として専門学校の授業を受けて、奇しくもゲーム制作を目指す人々と接触するワケです。接触したことでマトモに成長したように見えないが流石なんですけど(笑)、ゲーム制作について長い目で見ればこの経験は重要なポイントになるんじゃないかなぁ。
これ、結構僕も思うんですけど・・・キャラに喋らすのって抵抗あるもんなんですよ。だって、自分の中から自分以外の言葉で喋らせなきゃいけないんですよ?その台詞が“可愛い女のコ”の台詞という設定だったら尚更アイタタ感は強くなったりで・・・特にエロゲの自主制作なんかだったら、モロに自分の趣味趣向が出ちゃいますし。佐藤クンが「オマエ今俺のこと馬鹿にしただろう!」とキョドるのも分かるくらい、そういう努力を馬鹿にする人達というのは世に沢山いるというのも確か。
でも、先生の言うとおり。最初は批判されるのが当たり前で(批判と馬鹿にされることは根本的に違うと僕は思うのだけど)、そこから何を得てどう成長できるのかが重要なのであって。批判されるのを怖がるのは、佐藤クン自身が他者を全部見下しているからなんじゃないかとの指摘。あぁ・・・正論だけど、ここまで的確に佐藤クンを追い詰めちゃうと・・・
岬ちゃんは「他人を見下せば自信が持てる」と言った。でも、佐藤クンはそんな人間になりたくないから引きこもっていた・・・少なくとも、そうした大義名分があったからこそ、社会から阻害される自分をギリギリで保てていられていたのに。でも、自分はとっくの昔に他人を見下していて、自分だけが成功すればいいやと思っていて、山崎に彼女が出来たらイヤだと思っていて―――と、専門学校に行くことで、かつてちゃんと大学生という社会の枠組の中にいた自分を思い出すことによって。どんどん追い詰められていって。よし!悪いのは全部陰謀だ!!ということで、ダッシュで逃げるのでした。
・・・・この辺の描写。同じように脱落組の僕にとって痛すぎ。
せめて、この苦悩を次週以降エロゲ制作に活かしてもらえれば、痛みを伴った甲斐もあるんですけどね・・・
この描写の後。山崎の勘違いぶりを知った佐藤クンは、山崎に同情&見下すことでちょっとだけ自信を持つことになるのがまた。岬ちゃんの台詞から考えるに「他人を見下すのがイイ」とも「他人を見下すのが悪い」とも言ってるワケじゃなくて、何でも良いからキッカケを持って自分に自信を持っていこうということなのかなぁとは思いました。
何はともあれ・・・自分にとってイタ過ぎて、内容を把握するどころじゃなかった・・・・・・
○ 男友達に彼女出来たのを歓迎できるヤツとは話合わねえな
まぁ・・・なんでしょうね。マトモな人間なら、「彼女できたの?じゃあ、彼女つてで女友達を紹介してよ」的なことを言えるのかも知れませんが。そこは真性引きこもりの僕ら。自分が幸せになれる未来なんてありえないことを知っていますから、とりあえず他人は不幸なままでいてくれと思うだけです。
結局は勘違いオチでしたけど、山崎に彼女が出来たと聞いてキョドる佐藤クンの描写は凄まじかったし。問いただすことも出来ない彼のダメっぷり、ネガティブ妄想っぷりに共感しまくりでした。あのダメさ加減・・・男友達でも、彼女がいるだけで別次元だと思えてしまうダメさ加減が最高。
まぁ・・・ちょっと冷静になると佐藤クンだって立派に青春してるのだから、感情移入はあんまし出来ないんですけどね。あと、声優科の女のコの声がぷるるんちゃんと同じ声だったのに笑いました。山崎・・・まさか、声に惚れたんじゃなかろうな。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第7話 |
「モラトリアムにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出・作画監督:祝浩司 |
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原作はどうなのかは知りませんし、アニメの感想を書いている間は情報を入れないようにしているんですが(こう書かないと原作のネタバレ情報をめがっさ送ってくる人がいるので・・・送ってこられても書ける感想がなくなるだけですから、送ってこないで下さいね)。アニメの構成として、非常にキレイに計算されているなぁと思った1話でした。いや、今までもそうだったんですけどね・・・非常に手堅いアニメになっているなぁと感心させられました。
母親(に準じるキャラ)にウソをついてしまったことで、ヒロイン候補の女のコに彼女役を演じさせる・・・という至極ありふれたベタベタな王道展開も、この作品のメンツならば新鮮に楽しめそうですし。エロゲ制作がどうしたとか、引きこもり脱出がどうしたという縦軸な話が続いたところに(パッと見は脱線っぽいんですけどね)、主人公の設定紹介を踏まえて話の横軸を広げてくるのも見事。
また・・・コレは後で詳しく書いているんですけど、“母親に岬ちゃんを紹介”という話を通じて、単にそれだけじゃなく“岬ちゃんというキャラを掘り下げ”て佐藤くんが岬ちゃんを知る機会となりそうなのも楽しみです。ヒロインの謎をちょっとずつ明らかにして、キャラ同士の関係を微妙に変化させていく・・・7〜8話目ということを考えても、視聴者のキモチを上手くコントロールしているタイミングだなぁと思います。抜け目ねえ・・・
○ 先輩に見える男の影
まぁ・・・別に考えなかったワケじゃないですし、ブラフなのかも知れませんが。
この事実をいずれ佐藤くんが知って、「先輩のためにヒキコモリを脱出しよう!」と意気込んでいた彼が挫折する伏線だろうとは思います。これは結構キツイものがある・・・昔そういう関係だった人に再会しても、男の方には「今からでも何とかなるんじゃ・・・?」と思わせるくせに、女の方は思わせぶりなことを言いつつ新しい男がフツーに出来てたりするもんですからね。というかね、僕らみたいな社会非適合者からすると、世の中の恋愛サイクルって早すぎ。数ヶ月単位で新しい男と付き合えるのがフツーなんて、考えられないっすよ。こちとら世界の9割9分は自分を騙して貶めようとしている人間だと思っているのだから、そんなにポンポン新しい人を信じられませんよ。死にたいっすよ。
とまぁ・・・僕の戯言は置いといて。
この作品って、“主人公達の目的(目標)”と“脚本家(原作者)の目的”が微妙にズレているのが面白いですね。喩えば、佐藤くんにとって現在の目標は「先輩のためにヒキコモリを脱出しよう!」だったワケなんですが、上述の通り、どうやらコレはすんなりとはいきそうにありません。脚本家サイドの意図としては、主人公の佐藤くんにそう思わせておいて、実はその手段にしか見えないエロゲ制作や岬ちゃんとのカウンセリングを通じて佐藤くんが成長することに重きを置いて描いているんじゃないかと思うのです。
先週は“山崎に彼女がいるか確かめる”を佐藤くんにやらせつつ、“佐藤くんにクリエイター志望の学生・先生と出会わせる”が意図されていたワケですし。今回は“母親に対してウソを貫き通す”をやらせながら、“佐藤くんが岬ちゃんの真意に触れる”を描くんじゃないかと思うワケですし。どうでもいい話のようで、キッチリとキャラや人間関係が変化しているというのがイイですね。
僕はこの「母親(に準じるキャラ)にウソをついてしまったことで、ヒロイン候補の女のコに彼女役を演じさせる」という王道パターンが実はあんまり好きじゃなくて、元々ウソをつくのもつかれるのも好きじゃないこともあって、「正直に言っちゃえば良いのでは?」と感情移入できないんですが(自分の漫画ではウソついてばっかなのに・・・)。
この作品の場合、佐藤くんは第2話から虚言癖が炸裂していましたし、視聴者の感情移入とか無視でキャラの新しい魅力を出すことには成功していますし。この展開を描くことに説得力と期待感をしっかりと持たせていることは高く評価したいです。佐藤くんにスルーされまくりな岬ちゃんが可愛かった・・・山崎の女装ネタは岬ちゃんだけが想像していた方が、より岬ちゃんのキャラは引き立ったとは思うんですが。
○ なんか、岬ちゃんって色々と謎な人ですよね。
基本、いつも同じ服ですし・・・佐藤くんと会うと決めている時だけ、あの服なんでしょうか?
ミステリアスというのとはちょっと違う。セクハラに真っ赤になったり、「童貞でしょ?」と神経逆撫でさせたり、今週は佐藤くんにスルーされまくりだったり。完璧に謎な人でも、遠い存在でもなく、なんかどこか身近な匂いを感じるように描かれているんですよ。
先週の「相手を見下すことがコツですが、私は相手には言いません」とか、今週の「二人なら大丈夫だよ」を考えると、岬ちゃんも引きこもり経験者なのかなーと思わせられるんですが。天然くさいところは、そういう心の闇を感じさせないのも確かですし・・・どういう人間なのかは、今では分かりませんし、分からないように描いていると考えるのが妥当なトコかな?
年齢は確か高校生くらいの年だと言っていたのに、平日からデートしているのを考慮すると・・・
学校には行かず、独学というか個人教授か何かで心理学を勉強しているとか考えることは出来そうですが。そこにも、それだけのことをする理由がキッチリとありそうで。なのに、自己紹介の設定を自分でしっかり作っている辺り、佐藤くんと共通する部分はあるかも・・・とか推測はしてみました。合ってるかどうかは、正直どうでもいい。妄想させられるだけの題材を提供してくれる作品がイイなぁって話です。
一方の佐藤くん、冒頭の妄想劇は「誉められ方」「裏切られ方」ともに真に迫っていて面白かったです。1話の頃はまだ半信半疑で楽しめませんでしたが、今は佐藤くんのキャラが分かっているので素直に楽しめます。あ、コイツ俺と同じだと。リアル、僕もこういう夢ばっか見ます。そして、地盤が崩れて目が覚めて一日が始まります。そんなんでマトモな人間生活が送れるわけねー。生きてる人間、全部が自分を嘲笑っているようにしか思えねー。
この佐藤くんの堕ちっぷりは、前回あれだけ正論をぶつけられた結果だったんですが・・・母親の上京と岬ちゃんの電話でなし崩し的に脱引きこもり出来ちゃったのは、ちょっと拍子抜け。もちろん、この作品のソツのなさから考えると、先週の描写がしっかりとどこかで活きてくるとは思うんですけど・・・
というワケ、久々に来週に続くパターンでした。
とりあえず佐藤くんはラッキースケベすぎだと思います。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第8話 |
「中華街にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出・作画監督:奥野浩行 |
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うーむ・・・感想の書きやすさ/書きにくさはともかく、この作品らしく先週の描写をキッチリ活かしての後編でした。
その手堅さは時として「面白味に欠ける」と受け止められがちで、僕も今週なんかは「あれ?今週はやたら密度薄かったような」とか思ってしまったんですが。逆に言えば、こうした“抑えるトコ抑える”脚本は安心して観ていられるとも言えて。観始めるのがちょっと憂鬱な“何が起こるか分からない”ジェットコースターアニメよりは落ち着いて観れるというのも確か。
つまり。安定して面白かったけど、別に感想書くことねーな。ってことです(笑)
○ 先週の後編
どうやってまとめてくるのかなーと思っていましたが、佐藤くんのウソは母親には見破られていて、それでいてそれを言わない母の優しさに佐藤くんも岬ちゃんも触れる―――という締め方でした。佐藤くんがそれに気付くかはともかく、母親がウソを見抜くというのは王道中の王道。それ単体では何の面白味もない“よくある話”ですが、こうしたベタな話をキャラがどう受け止めて成長できるかってとこが焦点かと思われます。
いわゆる『ドラえもん』的1話完結話で言えば、自分の見栄のためにウソをつく主人公は最後に罰を受けるものなんですが・・・さすがに佐藤くんが哀れだと思ったのか、むしろご褒美を与えての終了でした。ちっ・・・世の中いつもそうだ、正直者よりもウソをついたヤツが得をするようにできてるんだ(100%僻みです)
マジメな話、この作品って「チャンチャン♪」ってオチにはならないんですよね。そりゃ『ドラえもん』と違って1話ごとにリセット効かない世界なんだから当然なんですが、山崎の彼女の話ですら悲壮感タップリなラストで重みを残して次週へと繋げていました。そう考えると、今週の「ウソをついたこと」「それがバレていたこと」「本当のことを言えなかったこと」がちゃんと来週以降の佐藤くんに繋がるんじゃないかと思われます。専門学校でヘコまされていた彼を、前向きにさせるにはもってこいのイベントだったと思いますし。
岬ちゃんは、思ったよりも進展しなかった印象。
もちろん、彼女の描写から過去を推察できる材料は出てきたんですが・・・肝腎の佐藤くんは一切気付いていないので、メインストーリーに絡んでくるのはもうちょっと先かな。会うまでは佐藤ママに怯えていたことと、会ってからは妙に懐いていたことを考えると、実母にトラウマがあるとかそういうことなのかな。岬ちゃんも引きこもりだったんじゃないかとか先週は思っていましたが、引きこもりというより対人恐怖症的なソレかも。佐藤くんは見下しているから喋れるけど、その他の人と喋ってるとこって出てきませんものね・・・あれ、彼女ってバイトしていたような。
どっちにしろ。単に謎なコではなく、彼女の天然臭さや怖さも、彼女の中の闇から生まれているのだとしたら・・・俄然、好きになれそうです。えぇ、歪んだおにゃのこが大好きですもの僕。
で、オチはいつだって山崎。
カップルスポットで着メロが鳴り響くのは恥ズイ・・・とか書くと、如何に僕がそういうとこに縁遠い人間なのかということがバレるとともに、そうした非モテな人間の感情をよく分かっているシナリオだなあと感心させられるのです。
○ そもそも、語られている本筋は何だった?
この作品の場合、一番押し出されているメインの話(アキバ探索、山崎の彼女話、母親来襲etc...)とは別個に脚本意図されたストーリーがあって。横道に逸れている話のようで、しっかりと主人公達が前進していたり、人間関係が構築されたりしているものです。今週で言えば、佐藤くん−岬ちゃんの真っ当な恋愛話のようでありました。もち、ある程度はマジで、ある程度はブラフなんでしょうけど・・・
ギャルゲというかエロゲでも、ラブコメと称した少年誌の色気漫画なんかではよく使われる手なんですが。こうやってシチュエーションでヒロインとの関係を進展させて、「おっ、この二人くっつくのか?」と思わせておいて、フラグと数値が上がっただけで次の日になると全然繋がっていないという描き方があります。まぁ、『いちご100%』のことなんですけどね(笑)
こうした作品の場合、ヒロインと抱き合っても、裸で風呂に入っても、ロッカー内で密着しておっぱい触ったとしても。来週にはキャラ達はコロッと忘れることができます。こうやって好き放題サービスシーンが描けるんですよね。現実だったら「オマエ、あの時あれだけ期待させるようなことしておいて!」と訴訟起こされることもあるんですが、そうした作品の場合どのキャラも記憶力が弱いので無問題です。
で、この作品。
そうしたベタなお色気漫画のパターンを利用して(パロって)、今週は甘酸っぱい物語に仕立ててきました。それでいて「今日1日だけ彼女になってあげる」という約束なので、視聴者としても“岬ちゃんは本気じゃないんだ、ここで惚れると後で痛い目見るぞ、可愛さに騙されちゃダメだ佐藤くん”と思いながら見つつ、男ってバカだからそれでも期待しちゃう様が手に取るように分かるのです(笑)
お色気漫画のリセット手法を上手く逆手にとったなぁと思い、萌えりゃ良いのか、萌えちゃいけないかの間でウダウダさせてもらいました。でも、個人的には携帯鳴った瞬間のデフォルメ顔が岬ちゃんは一番可愛いと思いました。もうダメだ、俺。
部屋の片付けとエロ本の件は、さり気にフィギュアが捨てられていたことの伏線?
フィギュアがストーリーにそれほど関わってくるとは想像つきませんが・・・女のコに部屋掃除されるのなんて男の夢だよなぁ。フィクション世界では「大事な○○捨てやがった!」とか男主人公が怒るのが定番ですけど、捨てられて困るものなんてない僕には理解できない・・・イイじゃん、カワイイコになら何捨てられたって。流石にデスクトップPC捨てられたら、この女イカレてると思っちゃうけど。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第9話 |
「夏の日にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ:福田道生
演出:加藤顕 作画監督:三浦かおる |
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えぇええええ!!何、この展開!?
この作品ってこういうお話だったの?
先週はまだ岬ちゃんの「今日一日だけ」という台詞があったから、「これはまやかしなんだ、幻覚なんだ、露へと消える一日限りの夢なんだ」と思うことが出来たんですが・・・いや、これでもまだブラフというか、しっぺ返し“の前”なんだとは思うんですけど。今週の描き方はちょっと、色んな意味でショックでした。
この作品だけは・・・この作品だけは僕らの味方だと思っていたのに。
○ 「しかし」や「But」の後に重要なセンテンスが来る
現代文や英語の大学受験をした方ならご存知かも知れませんが、長ったらしい文章の中で“筆者が言いたいこと”を探すテクニックとして、こういうものがあります。「そんなの受験でしか役立たない話だろ?」と思うことなかれ。漫画だってアニメだって、人間が観るものである限り同じような構造なのです。「漫画やアニメを観るのに役立つ」がどれだけ意味あるかは知りませんが・・・
お話というのは、基本的に“逆転”を繰り返して成り立っているものです(もちろん例外もありますけど)。
“スネオが親に買ってもらったラジコンをのび太に自慢する→悔しい思いをしたのび太は、ドラえもんに頼んで凄いアイテムを出してもらう→スネオを見返したのび太は調子に乗り、私利私欲にアイテムを使おうとして大失敗”という『ドラえもん』の王道パターンなんかまさにそうですよね。
視聴者が「スネオ腹立つなぁ」と思ってるトコを、ドラえもんの秘密アイテムで逆転してカタルシス。その道具をのび太が好き勝手使うのを見て視聴者が「どうなんだろう」と思ってるトコを制裁してカタルシス。15分の話の中に、2度逆転が入っているのです。
長編でも基本はそうですね。もちろんコレを逆手にとって追い込みっ放しな話もありますが、“タメてタメて裏っ返してカタルシス”というのは一つのパターンです。ジャンプの漫画なんかずっと逆転に次ぐ逆転ばっかで、どんどんインフレしていくものですし。このパターンって、見ていて分かりやすいしキモチイイんですよね。
で・・・問題は、その“タメ”に使われた描写。悟空が戦うフリーザの強さを際立たせるために、カマセ犬になるのがベジータですから。基本的に“タメ”の描写ってネガティブな描写なんですよ。「私はずっと独りだ」と言っていたバトルヒロインが、最終的に「私にはみんながいたんだ!」と逆転した場合―――「私はずっと独りだ」の台詞は間違っていたことになりますよね。悪い言葉で言えば、“ダシに使われた”ことになります。
今週の『NHK〜』。真相だったり、本当はブラフなのかという疑いだったり、夢であってくれという願いだったりを無視してしまえば。“タメ”は山崎の「滅び去れ、女ども!!」や「恋愛など資本主義を拡大させるための〜以下略〜」や「我々はがっぽり儲ける側に―――!」という台詞であって、これらを裏っ返して全否定した上での、好きなコと二人で花火を見上げるラストシーンだったワケです。
でも、どうよ?
僕もそうだし、この作品を楽しみに観ている大半の人って、仮面ライダーのチラシ被って「恋愛なんてクソ喰らえだ!」と叫んでいる側の人間なんじゃないの?
それを作中で完全否定なんかされちゃった日には、何かもう来週の放送前に首吊ってしまいたい気分ですよ。
いやまぁ、今のは極端だとしても。この夏も、花火の音を一人っきりの部屋で聴きながら、幸せな人達を妬みながら過ごした人達が観ているアニメなんじゃないの?そうでない人は、別に僕の感想なんか読まんで良いですよ。この感想の98%はモテてるヤツへの呪いと僻みで出来てるだけですから(笑)
・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・ちょっと感想に私情を持ち込み過ぎました。反省してます。
確かに、浴衣姿で上目遣いな岬ちゃんは可愛かったです。このまま岬ちゃんとラブラブな展開になんてならないだろうとも思います。でも、この後の展開でどんなに佐藤くんが悲惨なしっぺ返しを喰らったとしても、「浴衣姿の美少女と手を繋ぎながら花火を観たことのあるヤツになんか感情移入出来ねえ」ですよ。この代償はデカい・・・・・・!
○ ちょっとはマジメな感想も書かなきゃ
えっと・・・先週が岬ちゃん掘り下げ回だったので、今週は山崎の掘り下げ回だったワケです。
ここに着実に恋に落ちてる佐藤くんの描写を絡める辺りは上手いし、すっかり忘れてた“山崎はイジめられっこだった”設定もいいタイミングで使ってくれたと思います。酔った勢いでとは言え、いい感じにエロゲ制作に目的とタイムリミットをつけてくれたと思うし。全体の中の1話と考えれば悪くはないかなーと見ることも出来ました。
初恋の描写は・・・正直、山崎というキャラの薄っぺらさを露呈しただけという気が(笑)
辛いっちゃ辛いけど、あの程度で「女なんて」と言えるのは山崎の問題でもあると思います。フツーは「女なんて」と一般化せず、「あの女は最悪だった」と個人に恨みをぶつけるものですもの。それで補えなくなるほどの悲劇の後に、「女なんて」となるんですが・・・そんな説明はどうでもいいか。
無事に女のコと花火見れて、山崎もトラウマ克服でよかったよかった。コイツは佐藤くんと違って“安全圏”の人間だから、元々感情移入出来るキャラじゃなかったですが。うん、勝手に幸せになってくれ。多分、ムリだと思うけど。
というワケで今週、あんまり書けることがない。
いや、内容がなかったワケじゃなくて、リアル恋愛とエロゲー作りのシンクロ具合なんかも掘り下げていくと面白そうなんですが。正直、今週のオチを見せられるとマジメに何かを書く気が失せたというだけです。黙って来週を待ちます・・・はぁ。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第10話 |
「ダークサイドにようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ:鏑木宏
演出:藤本ジ朗 作画監督:矢上孝一 |
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先週は流石にハッチャけ過ぎたと反省しています。本当にすみませんでした。
いやね・・・喩えばスポーツ漫画でも、サッカー選手が空飛んだり、テニス選手が分身したり、野球選手が風を操って外野フライをホームランにしたり、全部一つの雑誌の話なんだけど(笑)、そういうスポーツ漫画だってアリな訳で。この作品が引きこもりを題材にしてるからと言って、世の引きこもりをリアルに描かなければ駄作ということではないんですものね。佐藤くんというキャラがいて、設定として“引きこもり経験がある”というだけで、全ての引きこもりを総括して描いたのが佐藤くんである必要はないんですものね。
なので、今後はもうちょっと生暖かく見守っていこうと思います。
まぁ、とは言え。
青春まっしぐらな今週の内容を見せられて、どんどん視聴意欲は失せていってはいるんですが・・・
○ そうは言いつつ、真人間が観れば面白いアニメなんだろうなーとは思う
キャラの人数が少ないおかげというのもあるんですが、キャラの動かし方・心理描写に無駄がなく、とかくシナリオ技術の高さを感じさせられる作品です。
岬ちゃん、佐藤くん共に「脱・引きこもり」を目指して最善の策を考えて行動しているはずなんですが・・・ポジティブ要素(岬ちゃん)とポジティブ要素(佐藤くん)を足して、本来こちらもポジティブ要素になるのが普通な“佐藤くん→岬ちゃん”な感情を混ぜるだけで、二人が別離しなければならない今週ラストに繋がるという組み立てが秀逸でした。戦争アニメで、キャラがそれぞれ平和への道を模索しているだけなのに、いつの間にか衝突しなければならなくなる展開のような見事な脚本でした。
一応、そこまでに辿りつく理由として―――「岬ちゃんが佐藤くんのことを知っていた」「佐藤くんには岬ちゃんの情報は教えられない」「佐藤くんの妄想癖」「実際、岬ちゃん宅からアパートが覗けるっぽい」などのコレまでの描写が上手く伏線となっていたのに加え。“もし岬ちゃんに裏切られてしまったら”のシミュレートの結果として、佐藤くんと視聴者に“ボロボロになった山崎”を見せておくという周到さも凄いです。佐藤くんも岬ちゃんに裏切られたら、あんな風になっちゃうんですよーってことですね。
・・・・・・まぁ、山崎自身のことは被害妄想+誇大妄想だと思いますし、それほど山崎が悲惨に見えなかったのは残念ではあるんですが。描写をムダにせず、本筋に絡めて意味を強めてくるというのはテクニックだなぁと。
そう考えると、猫にエサやるシーンなんかも意味深。
「必要なものを与えている間は忘れられない」を岬ちゃん→佐藤くんに置き換えると、岬ちゃんとのカウンセリングや接触によって佐藤くんはちょっとずつ真人間になっていっているけど、完全に引きこもりから脱すれば岬ちゃんのことなんか忘れちゃうってこと?
それは結構的を射ているかも・・・先週までの佐藤くんにとって岬ちゃんは絶対的な存在であって、佐藤くんが引きこもりである限りは絶対に裏切らない。モテ男よりも非モテ男の方が一途だって話(?)。だから、世の女どもが「男はみんな浮気するんだよ」とかほざいているのは、そういうモテ男にばっか群がる自業自得な結果でしかないと僕は声を大にして言いたい!(阪口大助の声を想像して読んで下さい)
・・・
・・・・・・・
うーん・・・やっぱり、岬ちゃんも結構病んでいるコっぽいですね。少なくとも、青春を謳歌しているタイプのコじゃないですね。
○ 信じなければ裏切られないの論理
この辺は結構心がイタイ話ではあります・・・
引きこもっているはずの佐藤くんが何故に今更気付いたのよと思いましたが、これはあくまで妄想の中であって、ずっと前に気付いていたことが頭の奥底から出てきたみたいな意味だったのだと思われ。
山崎が女絡みで傷ついた後に、「だから現実の女なんて・・・」とぼやくのと基本的には一緒ですね(山崎は口だけですけど)
引きこもりだったり、対人恐怖だったり、人間不信だったり。ほとんどの人が遠からずこういう道を辿っての現状だと思うので、佐藤くんにもこの道を辿らせるというのは結構な覚悟で“引きこもり”を描いているんだなぁと思う反面。安易にコレを裏っ返して、「どうだい!人を信じるのって素晴らしいだろう!?」みたいな結論になっちゃったらイヤだなあと思いました。何度も人を信じようとして、それでも裏切られ続けてきたような人が引きこもっているワケなんですから、薄っぺらく取ってつけたようなメデタシメデタシだけは勘弁してもらいたいです。
ただまぁ・・・実際問題、引きこもり脱出だったり、そもそも人生を生きるための秘訣として“他人との関係に価値を見出す”というのも一つの手ですし。大半の人はこうやって友達だったり仲間だったり恋人だったり家族だったりと関係を構築して、支えあうことで生きてるワケですから。そこを否定したら、脱・引きこもりの話なんて書けないというのも確か。
そこはやっぱり自己を佐藤くんに重ねて見るんじゃなくて、一歩引いてみて、佐藤くんが他人を信じられるようになるのを見守るというのが正しい見方ではあるんでしょうね。それで、観ている人が「そうだよね。人生そんな捨てたもんじゃないよね」とか感動とかされちゃうのは虫唾が走るんですけど。何度も言うけど、僕らの前には岬ちゃんは生涯現れませんから、岬ちゃんがイイコだから引きこもり脱出できましたって言われても「あっそ」としか思えませんからね。
うん、まぁ・・・何というか。うん・・・文句言わずに頑張ります。人生なんて、何一つイイコトはないけど。
佐藤くんの結婚妄想から、秘密工作員への妄想には笑いました。佐藤くん、引きこもりのくせにポジティブな妄想するなー、これも恋の力なんかーと感心したらコレだ(笑)
この作品に限っては、妄想岬ちゃんの演技が淡々としてるのがイイカンジですね。ここで『ひぐらし』みたいに演技派声優さん方に、完璧な二面性を演じきられても困りますし。 |
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第11話 |
「陰謀にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出:祝浩司 作画監督:海老原雅夫 |
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先輩の彼氏登場。
中の人は飛田さんで、まんまアシュレイ(@ソルティレイ)なのが笑ってしまった・・・“美形だけど、キレさせると怖い”を演じさせれば天下一品の声優さんですが、流石にブチギレて世界滅ぼそうとかしだすキャラではなかろうな。先輩の様子からすると、「キレる」ことすらない人っぽいですし。いやでも、それをミスリードにして・・・・(以下、永遠にループ)
で・・・本編。
御見それしました。
いやね、ただ単に先週までのストロ〜ベリ〜なお話が一区切り付いたからってだけなのかも知れませんけど、今週の展開は佐藤くん・先輩それぞれの考えと悩みと、ストーリー上こういう展開にならなければならない必然性がしっかりと感じられたので楽しめました。人によってはこれも「何だか、幸せそうな悩みで良かったな!!」とウンザリしているんじゃないかとも思いますが・・・岬ちゃんとの関係と違って、この先にロクな未来がなさそうだから、僕は安心して観れました(酷)
○ このタイミングで先輩を掘り下げなければならないワケ
今まで佐藤くんにしか見えなかった全身タイツのひきこもり星人が、実は先輩にも見えているということが判明。そもそも佐藤くんに陰謀の話を植え付けたのは先輩ですし、当然というか、物凄く自然に受け入れて観ていました。先週までで岬ちゃん−佐藤くんの関係は小康状態に入ったので、ここで新キャラ投入して話の横軸を広げるタイミングだったんで、先輩を“実は(視聴者が散々見てきた)佐藤くんに近い人間”と掘り下げてきたのは上手い展開だったと思いました。
同じように心の傷を抱える二人が支え合えば、引きこもりも脱出できるし、幸せになれるはずだ―――!!と、佐藤くんは意気込んでますが、人生はそんなに甘くない。このタイミングで“佐藤くんに似ている”先輩を描いてきたのには、もっと違うちゃんとした理由があるんじゃないかと僕は観ています。簡単に言えば、先輩って「こうなった自分もあったかも知れない」という佐藤くんのもう一つの可能性なんじゃないかと。
これまでの10話で描かれてきたキャラは、佐藤くん、岬ちゃん、山崎・・・・・・と、どうやら社会に適合できていないサイドの人間でした(山崎は学生だけど、クラスで浮いている)。青春を謳歌してるとは言え、佐藤くんは作中では最“社会不適合者”である引きこもりですからね。
そういう人に対して安易に言われたり、また自分でも立ち直るためにシミュレーションしたりすることなんですが―――「とにかく外に出ろ」とか「とにかく働け」とか「とにかく就職しろ」とか「とにかく彼女でも作れば?ぷぷっ」とか、“とにかく○○すれば人間は変わる”みたいな勝手なイメージで対処法を言われても・・・そんなものは精神論でしかなくて、実際の問題ってそんな簡単じゃねえぞってシミュレーションが先輩であるワケです。
まぁ・・・佐藤くんと先輩では素材が全然違うのはあるんですが。公務員としてちゃんと働いていて、仕事も一生懸命で、彼氏がいて、彼氏は優しくてお金も持っていて、美人で、モテモテで、傍から見たら何不自由なく生きているように見られている彼女であっても。闇を抱え、佐藤くんと同じように引きこもり星人の妄想をしちゃうという―――むしろ、せっせとエロゲを焼いてる佐藤くんや山崎の方が充実してるように見えるんですよね。
結局、佐藤くんだって単に就職したり、単に彼女作ったりしだけじゃ何も変わらないんですよ。ある日突然大学に行けなくなったみたいに、また会社に行けなくなってしまう日が来るかも知れません。来ないかも知れませんが、先輩と同じようにずっと闇を抱え込むことになるでしょう。問題は根本から解決しなければなりません、佐藤くんも先輩も僕も。楽な道なんてないんですよ。問題を解決するためには一歩一歩進む必要があるんですよ・・・
ということで、佐藤くんは来週イタイしっぺ返しを喰うでしょうから、先輩とイチャイチャしてるのも今週はムカつきませんでした。えぇ、心の狭いヤツだと自分でも分かってますよ(笑)
しかし・・・ラストの岬ちゃんが追いかけてくるシーンにはちょっと笑ってもうた。ああいう演出って“これまで佐藤くんが築き上げてきたものを捨てて新しい世界に飛び出す”ことをネガティブに描く時によく使われると思うんですけど、新しい世界ってオフ会ですからね(笑)。どんなオフ会なのか、先輩の様子から察するに生易しいものじゃないんじゃないかと今から楽しみにしています。
○ 人生の分岐点
あとまぁ・・・こっちはあながち佐藤くんも間違っていないかなーとも思うトコがあるんですが。
こういう生き方をしていると、「真っ当な人生を歩めたはずの自分もいるんじゃないか」と思うことがあるんですよ。で―――どこで道を踏み外したんだろうと考えて、「あの時ああしておけば!」って思うんです。
でも、大抵の場合はコンティニューして再チャレンジなんか出来ません。佐藤くんは「これは二度目のチャンスだ!」とワクテカしてましたけど、先輩にとって佐藤くんって“最後の最後の最後の最後にすがりたくなる便利な男”ってだけでしたから、それほどチャンスではないような気がして不憫に・・・
そもそも・・・・・・高2の文化祭で先輩を抱きしめていれば引きこもらなくて済んだかというのも、また違う話だと思いますしね。いや、アニメの中でどういう結論を付けるのかは分かりませんが・・・・・・恋愛なんて、そんな簡単に人を救うもんではないと思いますよ。それこそあっさり破局することもありますし、繋がっていても共依存のような関係で闇を抱えるだけかも知れませんし。
とは言え・・・理屈ではなく、実際にテンパると佐藤くんのように無駄なポジティブ思考になる気持ちも分からなくはないです。というか、ポジティブな期待をして幻滅するからネガティブに陥るんだと、佐藤くん自身が先週言ってたんですけどね。
どっちにしろ、佐藤くんの過去と現在の横幅を広げて物語を面白くしてくれそうな展開で、来週が素直に楽しみです。
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| ■ 『N・H・Kにようこそ!』 第12話 |
「オフ会にようこそ!」
脚本:西園悟 絵コンテ・演出:園田雅裕 作画監督:村松尚雄/片岡英之 |
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沢城みゆきたん、どの人ー?
携帯ゲームやってた少年かなあと思うのだけど、台詞自体がほとんどなかったのでよく分からんかったです。しかし、あの少年は何て面白くなさそうなゲームをやっているんだろう(笑)
まぁ、『マリオカートDS』とかやられてても、「人生楽しそうじゃん」とか思っちゃうんですが。
○ 二面展開で見事に情報を見せる構成
今週やっばい・・・もう、途中からニヤニヤさせられっ放しな1話でした。岬ちゃんとのイチャイチャで落ちるトコまで落ちた僕のテンションが、見事なまでに上がってきました。これでもかってほどに構成技術の高さを見せ付けられましたが、これはどうやって収拾つけるんだろう。
今週の目玉は、「これを機に自分は生まれ変わろう」と決心した佐藤くんと、「死に場所にやってきた」他の4人のギャップで―――もちろん4人はオフ会の意味を知っているのだけれど、佐藤くんは知らない。だけれでも、佐藤くんと同じ情報量しかなかった視聴者に“だけ”徐々にオフ会の意味に気付かせることによって、4人と佐藤くんのギャップを視聴者に気付かせるという難しい演出にチャレンジしていました。
こういうのって、最初から気付かれてしまえば「バレバレなのに寒いことやってるなー」と思われかねませんし、最後の瞬間まで気付かせられなければ佐藤くんの空気読まなさっぷりを楽しませることが出来ません。中には「オフ会?そうか、集団自殺オフ会だな!」と勘のよすぎる人も居たでしょうが、そういう人は頑張って生きて下さい。僕は先輩が携帯を捨てた時の台詞でようやく気付けたので、その後の佐藤くんのハシャギっぷりに大笑いすることが出来ました。その辺のバランスは絶妙だったなーと。
これって推理小説が「100人中100人が犯人を当てられる」小説でも、「100人中100人が犯人を当てられない」小説でも娯楽としてはイマイチなのと似ているかも知れません。少しずつ、少しずつ視聴者に違和感を覚えさせて気付かせる加減が必要であって―――まぁ、その辺に気付くタイミングというのは個人差とひねくれ方が影響するので万人が万人満足できるものなどないでしょうが、今週のコレはかなり広い範囲の人(このアニメを観ている層の中で)をカバーしていたんじゃないかと・・・
ヒント1.先週の先輩の態度
ヒント2.オフ会なのにちっとも楽しそうじゃない
ヒント3.「クルーザーがウソだったら・・・」辺りの会話
ヒント4.彼と連絡を取りたがっていた先輩が携帯を捨てて「もう必要ない」
ヒント5.飛田メガネ(名前忘れた)が見つけた本に「心中」の文字
ヒント6.とにかく音楽が暗い(笑)
ヒント7.アイキャッチで岬ちゃんが「ダメ!ゼッタイ!」
少ないヒントで気付いた人は高得点で勝ち抜け。
個人的には、佐藤くんと4人の間に、視聴者と同じような情報しか持たないメガネの彼を動かすことによって、オフ会の現場と後を追うメガネの二面展開で“視聴者が”真実に近づけていくという手法が面白かったです。ルパンと銭型が別行動で真実に近づいていくパターンで、これはかなりの王道燃えパターン。まぁ、辿り着いた真実が集団自殺という辺りがアレですけど(笑)
○ レボリューション佐藤
前述の通り、佐藤くんがオフ会仲間とコミュニケーション取ろうとしていた辺りでは、僕はオフ会の目的に気付いていたので―――「今日を人生最後の日に」と考えている人に向かって、「今日から俺は変わるんだ!」とムダに声かけている佐藤くんに笑いっぱなしでした。
また、その行動が哀しくなるくらい「分かる」んですよねー。僕もそうだし、佐藤くんもきっとそうなんでしょうが、こういう人種は「自分が大嫌い」な人間が多いので、ある日突然「今日から俺は別の人間だ!」と急に張り切りだすんですよ。だからと言って金髪のツンツンヘアーに髪型を変えるのではなくて、他人とのコミュニケーションをまずは取ろうと考えるのが流石。「他人とコミュニケーションを取れない」自分がずっとイヤだったことの裏返しですからね・・・しかも、最初に狙うのは自分より弱そうな少年という辺りが、すげー分かる(笑)
そうしてニュー佐藤として空回った自分から、かつて自分が斜に構えて見ていた委員長のことを思い出す・・・
ああやって何にも夢中になれなかった当時があったから、自分は引きこもってしまったのかも知れない・・・何かに一生懸命になって、何かに熱くなれていれば・・・と、キャンプファイアーの流木を集めていく作業に、オフ会メンバーが次々と集まっていく作業は感動しました。引きこもりという、ある意味では人生の終着点に来てしまった佐藤くんが過去を見つめ直し、今日から変わるんだという彼の意思によって、死のうと思っていたオフ会メンバーですら救えるかも知れないという―――と、うるうるきてたら、3人とも清々しい顔で死ぬ気満々だった(笑)
ということで、次週、ストップ・ザ・集団自殺。
佐藤くんが気付いていなければコメディで出来たかも知れない題材を、佐藤くんに気付かせたということは正面きって描かなければならなくなったということ。この作品はホント妥協しないなーと思うけど、下手したら作品自体が大失敗に繋がりかねないテーマなので。とりあえずは来週に注目したいと思います。
そうそう。委員長はどうやら“5人目”のキャラみたいなんで、今週の描写は今後に彼女が再登場した時の伏線になるっぽいですね。一生懸命生きていた彼女が、その後どんな人生を歩んで、再び佐藤くんと会う際にはどうなっているのか―――こうやって次の話が気になるように仕込んでいく辺りも上手いなぁと思ってしまいます。
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