【漫画版『舞-乙HiME』感想 3】
 第33話「記憶の扉」
 第34話「ガルデローベ強襲」
 第35話「炎の記憶」 
 第36話「オトメとして」
 第37話「復活の時」 
 第38話「マテリアライズ!」
 第39話「HiMEvs乙HiME」
 第40話「甦る記憶」
 第41話「真白なる貴石」
 第42話「真実」 
 第43話「漆黒の絶望」 
 最終話「ようこそガルデローベへ」  




■ 『舞-乙HiME』 第33話 〜「記憶の扉」

 4月になったので、新しいページにしました。
 これで再来週辺りに最終回になっちゃってたら笑ってやって下さいな。




 ○ ダインが役に立った―――!!
 アニメ版、漫画版ともに全く役に立ってなかったダインが、地面に穴開けて脱出口を作るという初めての活躍を見せました!良かった・・・ダテに“4人衆随一のパワー”という設定じゃなかったんですね。

 物凄くベタな逃げ方だってのはまぁ置いといて。戦っていた場所の時点で「地下奥深く」だったと思うんですが、そこから更に地下の下水道に逃げ込んだってことは・・・・・・ヴィントの工事技術はなかなかのものがあると思われます。これだけの技術があるんだったら、ちゃんと各国のインフラを整えてあげようとすれば、ちゃんと雇用も出来るのに・・・この辺りに、格差拡大による恐怖政治を狙うセルゲイの意図かなんかが見え隠れさせるんだって言うなら凄いですよね。いや、多分アニメの設定を使いまわしてるだけだと思いますが。



 エルスはミミの案内でマシロくんたちをかくまう役でした―――
 てゆうか、あのコはミミだったんだ!久行さんデザインのキャラを佐藤先生が独自にデザインし直して自分のものにするっていうのはいつものことなんですが、デザインだけじゃなくてキャラ自体が全然違うような。「パンをくれたら・・・」のコと同一人物かどうかもアレなんですが、もし同一人物だとしたらアニメの方でミミが出てくるよりもずっと前のことですし。デザインもキャラ付けも、漫画版独自でやっちゃった―――と考えることは出来るんですが、果たして。



 ミドリの説明で、「複数のオトメと契約したマスターは、オトメが全員死なない限り消滅することはない」ことが判明。
 何気にコレ・・・凄く重要な設定だと思うんですが、何故今まで出てこなかったんでしょうか。僕は「複数のオトメと契約しちゃうと一人やられると全員死んじゃうもんな」とか平然と書いてましたが、間違ってたみたいです。訂正してお詫びします。
 しかし、そうなると3人ものオトメを抱えていたくせに3人とも一斉にやられちゃって消滅したスケール公なんか、何てついていない人なんだと可哀想な気になってきます。いや、ごめんウソ。ぶっちゃけどうでもキャラです。



 ○ 真白姫の入浴シーンに萌えられるかが勝負!
 残念ながら僕は直前に『ハヤテのごとく』を読んでいたばっかりに萌えることが出来ませんでした。何故だ・・・露出も画力もエロス成分も本来なら『舞-乙HiME』の方が断然上だと思うのに、どうしてか『ハヤテ』の方がエロく見えてしまうのは。
 これはやっぱ真っ赤になりながら描いている畑健二郎と、もはや裸を描くのがこなれてきてしまった佐藤健悦の差なのかもなぁ・・・そう言えば、ちょうど一年前の遥の人間椅子妄想なんかはムチャクチャエロく感じられたワケですし。単なる読み手サイドの慣れなんですかねぇ。


 えっと・・・裸はともかく。
 真白サイドは、MAIを使って周辺戦力を撃破。各国首脳陣が逃げられない状況にして、ガルデローベ制圧にかかります。ガルデローベ制圧は技術確保とかレナの身柄とか、色々あるんだろうって分かるんですが・・・・・・各国首脳陣も抹殺してしまうなら、ナギを罠にハメる必要なんてなかったんじゃ・・・・・・?
 各国首脳陣の協力でナギを追い詰めたら、ナギの血でMAIを復活させて後は皆殺しだ!的な計画かなーと思ったんですが。実際にタクミなんかは“あの部屋に入る前に”ナギを暗殺しようとしたのですし、サエコに身柄確保されたら“あの部屋までは連れてこれなかった”でしょうし・・・・セルゲイ自身「なんて運がいいんだ!」と言っていた通り、かなり運任せな計画だったような。


 それにしても、今作でのタクミとMAIの関係は何もないんでしょうか・・・
 今週見せたマシロくんとアリカのシーンなんか、まんま前作での舞衣と巧海のシーンを対比させていたように思えたんですけどねぇ。その辺うまく姉弟ネタ絡みで描けたら、前作からのファンをうならすことが出来ると思うんですが・・・




 ○ 戻った記憶、そして弟は戦場へ―――
 とまぁ、重箱のスミを捜せばツッコミどころもあったんですが・・・・・・

 カグツチによって村を消された恐怖を思い出して錯乱してしまうアリカと、
 その姿を見て幼き日々の記憶を取り戻し、「今度は僕が守る番だ」と姉を残して戦場に向かうマシロくんと、
 扉をはさんでその様子を見守るニナ

 演出、作画ともに物凄いクオリティで、脚本的にも今まで引っ張ってきた“アリカ−マシロくん”の姉弟としての絆を上手く昇華させて、最終決戦に向かうマシロくんの心情を美しく描いてきました。もう、これをやってくれただけで今週は満足です。マシロくんが記憶喪失だと判明した時は「そんな御都合主義な・・・」と思ったんですが、それを上手くひっくり返して感動的な“最終決戦への出撃”にしてきたと思います。この辺り、やはりノリがサンライズですねー。燃えさせどころを、よく把握しています。


 こうなるとマシロくんとニナがとりあえずガルデローベに向かって戦い、マシロくん=弟だと気付いたアリカが後から駆けつけるというパターンかな。そこに、レナを含めた他のキャラをどう絡められるのか次第ですかね。ローブ封印で溜められたストレスをローブ解放で一気に解消するように、前作からのキャラも一気に活躍させてほしいところです。



 というワケで、打ち切りとかそういうことではなくて、いよいよラストが近くなってきたみたいです。
 少なくとも、次にアリカが目覚めた時が最終決戦でしょうね。でもまぁ今週みたいなクオリティを見せてもらえれば、何の文句もない。有終の美を飾るため、ラストまで突っ走ってもらいたいです。





 





■ 『舞-乙HiME』 第34話 〜「ガルデローベ強襲」

 前作漫画版もアニメ終了後の4月くらいから一気に面白くなったんですが、今作漫画版もアニメの後発というタイミングを上手に活かしたドラマの展開になっています。まぁ、そもそもセルゲイのキャラやMAIなんかもアニメ版とのギャップがあってこその衝撃だったワケなんですが、ローブ封印→ガルデローベ強襲→大ピンチに、新たな真祖を生み出すという・・・・・・アニメ版と同じようなシチュエーションなのに、細かい状況やキャラの差で全く違った選択になるのが面白いです。でも、それもこれもキャラが一貫して立っているからこその結果なんですけどね。



 ○ 久々に学園が描かれたと思ったら
 大ピンチで焦っているだけの絵(笑)
 トモミーがしっかり重なっていたり、トリアス組が美麗だったりで、要点抑えた作画はホント大変そう・・・・・・どこまで本人が描いて、どこからがアシ任せなのか非常に気になります。これだけキャラ多い漫画をクオリティ落とさずに週刊で、というのは尊敬と共にお体が心配ですよ。潰されなきゃ良いんですけど・・・・・・

 それにしても、学園側の描写にナオがいなかったのは伏線ですかね?
 前作漫画版とかアニメ版『舞-乙HiME』なんかを見れば分かるように、ナオはジョーカーのポジションなんで、ここぞというところで活躍させてくれると燃える(萌える)んですが―――これだけキャラ多いと出番ないかもなぁ。既に数ヶ月前にニナの背中を押したりしてて、見せ場は終わってるとも思えるし。


 ミドリ達シュバルツ組も、マシロくんとの関係構築が終わっちゃったんで―――もう見せ場終了か、次に出てくる時は「俺の屍を超えていけ!」状態かも知れんですね。最終回、王様になったマシロくんを眺めながら「フッ・・・もう私達が戦う必要もなくなったな」と去っていくとか。ベタな収め方はそれしか思いつかないけど、それだとホンモノの真白姫はどうすりゃ良いんだ・・・・・・?



 ○ アニメではネガティブに描かれたオリジナル真祖様が・・・
 絶体絶命の状況に追い込まれたオトメ達に残された唯一の逆転の鍵、
 それは今ここにいる5人のうちの誰かが新たな真祖になるということ!
 これは燃える!正直、もうガルデローベ教師陣には見せ場がないのかと思っていただけに、彼女らの決断がマシロくん達を救い、最終的に世界を救うことになるのだと考えると燃えざるをえません。


 アニメ版を観ていないと「えっ?真祖って誰でもなれるの?」と焦ってしまうリスクはありましたが、アニメ版を観ている人にとってはソレを逆転の鍵に使ってくることなど予想もしていなかったでしょうから、ハイリスクハイリターンな選択だったかな。思えば『舞-HiME』シリーズっていつもそうだ。
 もちろんアニメ版とは微妙に設定が違うみたいですけどね。アニメ版の真祖は“子どもを産んだ元オトメの死体がGEMを生む”という設定でしたが、流石にこの場で誰かを子作りさせるワケにもいかないですし(笑)、新たにGEMを生むというよりは今封じられているローブの封印を解くために―――ってことでしょうから。核みたいなものに封印されるってだけなのかな?



 んで、誰が真祖になるかと想像してみると―――
 ナツキ ←責任感から本人は立候補しそうですが、そうするとシズルが止めるでしょうし。ムリかな。
 シズル ←ナツキを救うためには何でもする人なんで可能性ありますけど、そうなるとナツキが止めそう。
 アキラ ←カルデアとの国際問題になるからムリ。でも、アキラを失ったタクミがMAIに会う姿は見てみたい・・・
 ユカリコ ←今作の中で言えば、全くキャラが立ってないからなー。
 マリア ←最有力候補なんでしょうが・・・個人的には現役最高齢のオトメとして肉弾戦で暴れまわってもらいたい・・・

 普通に考えるとミス・マリアになると思うんですけど、アニメ版に比べて漫画版は彼女の怖いトコも厳しいトコもイマイチ描けていなかったんで、彼女が身を張って真祖になっても感動は薄れちゃうかなー。脚本が緻密すぎている分、“タメ”と爆発力に長けていた前作の脚本に比べてインパクトは弱まってしまったのかも。




 ○ その弊害はこちらにも・・・
 何の策もなく突撃するマシロくんら一行のピンチに颯爽と現れるハルカ&ユキノ!
 第1話でのやり取りから考えると、このクライマックスで彼女らが助けにきてくれるというのはコレ以上ないほど燃えるシチュエーションなんですが・・・マシロくん−ハルカの関係性は26話「力の意味」で描ききってしまった分、意外性はなかったし。真白姫が復活してヴィント軍が暴れまわっている姿を、遠巻きに見ているだけのハルカという絵も先週か先々週に描かれていたので―――イマイチ、“タメ”きれていなかったかなぁと。

 コレは別に「どうすれば良かった」ということではなく、“ここでこうして○○と××の関係を描いておいて”“ここに伏線を張っておいて”―――といったように、計算され尽くした脚本と。前作のキムラノボルのインパクト重視な脚本の違いが出てきたかなぁと思います。どっちの方が優れているというワケでなくて、どちらも違う持ち味があるんだってことですね。同じキャラ、同じ作画家だからどうしても比較して観ちゃうんですが。




 どうやら真白姫の方にもまだ隠し球があるみたいなんですが・・・コレ以上何が?

 唯一戦闘できるミユは、第13独立機動部隊と交戦中。独立部隊というのは13番目以外は出てこないんですね(笑)
 ミユと同じくロストテクノロジーを駆使した部隊なんですが、これはセルゲイの軍拡によってエアリーズその他から輸入した兵器なんかな。地球資源が最も残っているのはエアリーズだって話もありましたし・・・・・・

 この部隊を倒すのが復活したガルデローベチームなんだろうけど、それだとイマイチ見せ場として弱いような。ナツキは最後までヘタレなんでしょうか・・・・・・そもそもローブすら着れてねえもんなぁ。


 でも、一番心配なのはダントツでエルス。
 ガルデローベチームがローブ復活させれば活躍間違いなしのニナと、遅れてやってきて良いトコどりのアリカ、本物との対峙で“正義”を明示してくれそうなマシロくんは良いんですが―――エルスの役割がホント分からないです。格好良くなっていくマシロくんにときめいてるだけとか、ギャグ担当とか、エロ担当とか、そういうことなんかなー。
 どうにか見せ場を与えて欲しいけど、主人公チームの覚醒のために真っ先に殺されたりしたらどうしよう。




 うーん。でも、面白くなっているのは間違いないです。
 後はクライマックスをどう処理するかですよね。後、やっぱりアオイちゃんは最初の1コマ以外の出番はないのかが不安です(笑)



 







■ 『舞-乙HiME』 第35話 〜「炎の記憶」

 巷では『舞乙』終了後の佐藤先生の新連載なんかが噂されていますが、それが真であれ偽であれ、アニメの続編はOVAということで―――漫画の続編の可能性は薄く、あっても読みきりとかになるのかなぁと予想されます。つまりは佐藤健悦版『舞-HiME』シリーズはこの最終決戦が連載としては最後で、そこに向けてシリーズ集大成とも言うべき盛り上がりを見せているということなんじゃないでしょうか。
 それにしても、連載始まってからまだ1年半なのか・・・本当に楽しい想い出をくれた作品でした。


 どうしようもない絶望感、託される一縷の希望のために身を張る仲間達―――
 このシリーズが忘れていない“王道燃えパターン”を見せてくれて嬉しかったです。また、前作の「お前達は先に行け!」(あ、あの台詞も晶だったな・・・)に比べて、こちらはローブすら使えないので溜め込まれる絶体絶命っぷりは倍化されています。この状況を打破する唯一の希望は新たな真祖を作ること―――いざ、最後の戦いへ!




 ○ 学園の人達
 アカネちゃんのハチマキ姿を霞ませるほど、シホのドリル姿が輝きすぎ!!
 そういや、ドリルネタって漫画版オリジナル? アニメ版はうずまきですもんね・・・・・・こんなにシホのことが大好きなのに、今の今まで違いに気がつかなかったのは一体。キャラが立ちすぎていて、うずまきとかドリルとかの付加要素を食っちゃっているということなんでしょうか。


 アカネちゃんはともかく、チエやシホは初期の頃にアリカを貶めようとしていた人達なんで―――二人がマシロくん組を助けるか、マシロくん組が二人を助けるかの相互理解イベントを入れて欲しいトコなんですが。この状況じゃ流石にムリかなぁ。出番があるだけアオイちゃんよりはマシだってことで。


 ナオは傍観。この台詞から考えると、こっそり抜け出しそうな感じはあるんですが・・・
 レナは未だ目覚めず。彼女の使い方次第なんですよねぇ・・・・・・他の感想サイトさんで真祖様になるんじゃ?というのを読んで、なるほどと思ったんですが。それだとアリカ・マシロくんの出生の謎が明らかにならない気もするんですよね・・・・・・でも、娘達のために身を張って真祖になるというのが一番美しいカタチではあります。



 ○ オレの屍を超えていけ!
 ナツキを守るためにシズルが身を張り、捕らわれたシズルを助けるために光黙天VIとともにハルカ参上!!
 これに燃えない(萌えない)『舞-HiME』ファンが存在するのでしょうか。
 漫画版『舞-乙HiME』ではシズルとハルカの絡みはほとんどなかったので、ここでもやり取りは淡白なものに抑えてはいるんですが・・・前作の最終決戦で、静留は遥達の戦いを見守ることしか出来なかったということを考えると。シズルの絶体絶命のピンチにハルカが駆けつけるというのは、この戦いが『舞-HiME』シリーズの全てを集大していると言っても過言ではないほどムチャクチャ燃えまくり状態。先週のハルカ→マシロくんの描写に僕があんまり燃えられなかったのは、やっぱりハルカの相手はシズルだって思っているからしょうか。


 また、最初に身を張って皆を守ったのがユカリコというのも、前作アニメ版から考えると深いものがあるかも。
 こちらではミス・マリアは出番なしなのか・・・・・これはまぁ、彼女の伏線は漫画版ではほとんど張られてないから無難な形ではあるかなぁ。



 というワケで、ローブ復活のための希望を携えて、ナツキ、マシロくん、ニナ、エルスがフミ像の下へ。
 エルス・・・・・・ここまで辿り着いちゃったのが逆に不安なんだけど、妙なことにならなきゃ良いのですが。



 ○ 決断するナツキ・・・そして・・・!
 ニナやエルスが背景化するほどに、ナツキが半端なくカッコ良すぎ。
 そういやアニメ版では途中からすっかり学園長ではなくなっちゃったんですが、こちらではちゃんと最後までマシロくんの保護者であり、彼を導く存在でありました。頼もしくもあり、寂しいような。

 その気持ちは大切だが、気持ちだけでは何も救えない―――

 前作のなつき覚醒シーンを思い出させる台詞。アニメ版もそうだったんですが、前作からのキャラは『舞-HiME』での成長を踏まえた上でのキャラクターになっているんですよね。前作でボロボロ涙流した身としては、あの経験が今のナツキにも根付いているようで嬉しい限り。と、思ったら・・・・・・・・・・




 真の美少女:なつきが降臨!!

 えぇ―――!!?
 これは流石に予想外だった。なつきというよりはNATSUKIといったところでしょうか?
 前作で舞衣が宇宙三大美少女に選ばれた時に「私の方が美少女に決まっている」と怒っていたなつきだけど、こんな形で夢がかなうとは。「夢を持たなきゃ何も始まらないよ!」がテーマの『舞-乙HiME』らしいと言えばらしいんですが(笑)


 デュラン黒化して携えていますが、黒カグツチに比べるとス凄みは薄れてしまうのは確か。
 この最終決戦のクライマックスでヘタレvsへタレをやるのか!!?




 それにしても・・・・・・僕は以前から『舞-HiMEvs舞-乙HiME』のゲームがやりたい!と夢みたいなことを言っていたんですが、そんな夢みたいなコラボをまさかオフィシャルな漫画版で実現させてくるとは。恐るべし吉野弘幸・・・・・・というよりは、アニメスタッフの首脳陣、小原監督とか古里Pとかも含めた全員の戦略だったんだろうなあ。これぞメディアミックスのお手本。



 ○ そして、アリカは再び戦地へ
 
「だめだよ!!『どーせ』なんて言うと―――!!」
 「知ってるよ・・・・・・夢が、逃げていくっていうんだろ?」
 
「そう!!だから信じなきゃ、『きっと』って!!あたし馬鹿だから成績悪いし・・・オトメハートもまだ一個しか持ってないけど・・・
 でも!あたしは皆を守りたいの!!それが私の夢なの!!きっと―――マイスター乙HiMEになってみせる!!」


 この会話から始まったアリカとマシロくんの物語。
 ただ前向きに夢を追い続けていたアリカの原点には、幼き日のマシロくんが語った『きっと』という言葉が―――その夢を、その約束を守るために戦っている弟のため。アリカは全てに気付き、戦地へと向かう。



 第1話から繋がる二人の物語が、生い立ちから設定から最終決戦時の二人の立ち位置まで全て一本のラインに。
 誰かを苦しめたワケでも、誰かを追い詰めたワケでもないのに、今まで積み上げてきた全ての要素を活かして裏っ返し、大きなカタルシスを生んでいるのです。また、今週の話を読んだ後に第1話を読むと泣ける泣ける。アリカはずっと死んだ(と思っていた)弟の代わりに、いつか夢は叶うと信じて頑張ってきたんだもんなぁ。


 凄まじかった。やはり、このスタッフ陣を舐めちゃいけなかったです。
 もう、言葉にならないほど感動し、またもやボロボロボロボロ涙を流してしまいました・・・・・・この衝撃は、前作のなつき覚醒に匹敵するほど。よくもまぁ、第1話からコツコツコツコツと伏線を積んできたもんです。僕としては漫画版は絶対に前作の感動を超えられないと思っていたんですが、ひょっとしたらひょっとするかも知れません。



 あとは、サブキャラをどう活かすかだよなぁ。



<ぴーえす>
 そう言えば、コミックス3巻には「4巻の表紙はコンビ枠だから私達(ハルカ&ユキノ)に決まりね!」というハルカたんのおまけページがあったんですが・・・・・・『舞-HiME』4巻の収録話数を考えると(RED出張版が入らなければ)ちょうど今週分までっぽいんですよね。ハルカ&ユキノもあながち「絶対ない」とは言えないと思うんですけど。
 でも、やっぱナツキ&シズルかな〜。先週までは怪しかったけど、今週の内容を考えればその二人で何ら問題はないかと。前作4巻は真白&アリッサだったので、今作でも敵キャラが片方入るという可能性もあるかも知れんのですが・・・・・・ナツキとMAIだったら面白そうですが、本編で絡んでない二人ですからねぇ。










■ 『舞-乙HiME』 第36話 〜「オトメとして」

 
うわあああああああ!!エルス!!

 前作でもこうやって次々に仲間が倒れていくという描写があったけど、あの当時既に「どうせ全員生き残るんだろう」と思わせてしまったところがあって―――それはアニメ版・漫画版ともに『舞-HiME』が抱えていた脆さだったと思うんですが。今作ではそうした前作の反省を乗り越える意味もあって、(ゲストキャラとは言え)次々とキャラが死んでいく展開がこれまでに描かれてました。ということは、今回ばっかしは・・・



 とは言え。ここでエルスが死んでしまっていれば哀しいのは確かなんですが、ここでこうして描いておいて「あっさり生きてましたよ!」とやるんだとしたら・・・見せ方を間違えると、過去最大級のガッカリ感にもなりかねません。ここまでエルスの心情をちゃんと描こうとしたんだから、死んでいるにしても、生きているにしても、やっつけ仕事では済ませて欲しくないです。頼みますよ、吉野さん・・・




 ○ デュラン弱ぇええええ!!
 伝説のHiMEの名に相応しい通り、鬼みたいな強さが全開だったカグツチに対して。
 生身の人間といい勝負のデュラン・・・・・・・流石、なつきだ!ここに来てヘタレ要素を全部持ってってしまうとは。エルスの巨乳っぷりにムカついている小者くささ(一応、舞衣とかけているんでしょうけど)も溜まりません。今更だけど、『舞-HiME』のなつきと『舞-乙HiME』のナツキではちゃんと年齢が違って見えるというのも何気に凄いことですよね。


 ナツキはなつきの足止めのために身を張り。


 エルスはマシロくんとニナのため、追ってきたデュランと共に自爆。
 マシロくんの「何も出来ない」想いと併せて、エルスのコンプレックスから―――「忘れないで下さいね。あなたのことが好きなオトメがいたことを」という独白での特攻は切なさ全開でした。彼女の性格を序盤からずっと見続けていた読者としては、ここで泣かずにどこで泣くんだという凄まじいシーンだったんですが・・・
 敢えて、厳しいことを言うならば。エルスには“マイスターに選ばれなかったゆえの戦い方”をしてもらいたかったなぁというところです。エルスはずっと自分が選ばれなかったことにコンプレックスを抱いていたのですから・・・・・・爆弾持って特攻だなんて、脚本が行き詰った時の最後の手段じゃないですか。「エルスの見せ場ないから、ここで爆弾持って特攻させんべ」という意図すら感じてしまいます。せめて爆弾に関する伏線でも張ってあったら・・・てゆうか、どこから持ってきたんだろ、アレ。

 決意までは完璧な脚本だっただけに、最後に荒さが見えたのが・・・少し残念だったかなぁ。
 作画・演出は文句なし。佐藤先生は、これだけ詰め込まれた脚本を見事に消化できるんだから、全ての枷を外して好き放題に作画をさせたならどうなってしまうんでしょうか・・・・・




 ○ やはり、最後の見せ場はチューでした
 ローブ復活のため、コアになることを決意するニナ。
 「命令して下さい」と頼むニナに、そんな命令をするくらいならとマシロくんは契約を解除すらしようとする。
 そんなマシロくんだからこそ―――ニナは人としての生を捨ててでも守りたいと思った


 エルス特攻に関しては8割感動:2割不安という心境だったんですが―――ニナの心理描写は文句なんか浮かばないくらいに涙腺直撃しました。これまでのニナ→マシロくんの描写が全てここに集約されていると言っても過言ではないほどに・・・・



 と思ったら、その直後にニナが瞬殺されてた。


 
ええええええ!!?
 さっきまであんなに感動させていたのに、あっさりやられている!? ここまでずっとニナは優等生だったのに、一気にヘタレ臭が・・・結局コアの問題はどうするんでしょう。冷静になってみれば、ニナがコアになったままアリカがオトメになってエンディングなんてラストは考えられないワケで―――考えられる展開としては

 1.コアなしでもローブを使う方法がある
 2.ニナ以外の者がコアになる(ここまで来たら一人しかいない気もするけど・・・)
 3.ニナがコアになって敵を倒した後、元に戻る方法がある
 4.いっそのことローブなしで戦う


 今週のラストでアリカがカグツチふっ飛ばしてましたけど・・・アレは一体?
 実は立ち読み感想なんで、気になって見返したくても見返せない状況なんですが・・・・・・ローブ封じられていて、認証なしなんだから、シュヴァルツの技術を使ったものと考えるのが普通かなぁ。顎天王アリカバージョンとか(そういやREMっぽいものもあったような記憶も)。でも、その割にはデザインが顎天王ではなかった気がするし・・・・・誰か、コンビニまで走ってってチャンピオン買ってきて下さい。



 他の見せ場が多すぎて大変だけど、アリカが駆けつけてくる時の台詞がちゃんと第1話の台詞を踏襲していたり、ここも見せ場十分。あとはここからどうやってどんでん返しさせるのか。



 とにかくまぁ、最終決戦なんで否応なく盛り上がっているのは確かです。
 そういやアニメ本で吉野弘幸は「生き返らせてあげたかったけど、今回はさすがにムリでした」みたいな発言をしていましたね・・・んで、今週のエルスやニナを見る限りは、生きているのがムリなレベルではないんですよね。ということは、生きている可能性がグンと高くなっちゃったか。そこはまぁ目をつぶるけど、あとはどうやって「生きてましたよ!」を見せてくるかですよ。そこ次第で、作品の評価も180度変わってしまいそうな不安が・・・


 







■ 『舞-乙HiME』 第37話 〜「復活の時」

 アニメや漫画などにおける優れた構成・脚本というのは、1週1週では先が予想できないのに、後から振り返ってみると「これしかない」という展開をしていたものだと思います。伏線の張り方からキャラの配置、動かし方などを考えると・・・ミドリがマシロくん達にREMを託すことも、ナオがニナを助けることも、レナがコアになってローブを復活させることも、今から思えば「これ以外の展開はありえない」のにソレを予想させなかったのは凄いなぁと。

 いや、レナがコアになることを予想していた人も多かったみたいですが(アニメの展開もありましたしね)、僕はソレは難しいだろうと思っていたんですよ。つまりは―――マシロくん達に、マシロくんと真白姫の出生の秘密(何故二人が似ているのか)をちゃんと明かしておかなきゃならなかったワケで。それはきっと最終決戦のクライマックスまで取っておくだろうと思っていたので・・・
 ですが、ここでアリカが舞衣(と、そのトラウマ)を乗り越えている間に、マシロくんだけに教えておけたため、これでマシロくん自身の口で最終決戦時に語ることが出来るようになりました。しかも、読者としてはアリカと舞衣のバトルの方に目を向けさせられているので、伏線の張り方もさり気なく、それでいてクライマックスに向けて着々と準備をしていられるというワケですね。恐るべき脚本です。

 個人的には、マシロくんの出生の秘密と第1話では言えなかった本当の名前を明かすことによって、マシロくんと真白姫の為政者としてのスタンスを対比させてくれると文句ないんですけどねー。今週の伏線回収力を見る限りは、期待して良さそう。



 ○ アリカvs舞衣
 今作ヒロインvs前作ヒロイン(多分)対決。
 絶望の淵に追い詰められたマシロくんを立ち上がらせたのがアリカの「きっと」という言葉なのも第1話の出会いを踏襲していてグッとくるし、その言葉はかつてマシロくんがアリカを勇気付けた言葉だということも読者は分かっているのでムチャクチャに涙腺揺さぶられます。この辺の台詞回しの丁寧さは読んでてゾクゾクしっぱなし。

 一方、立ち上がったマシロくんに楯祐一の影を見る舞衣。腕に傷があるので、アニメ版ではなく漫画版の楯ですね。
 前作ヒロインが前作主人公を「さんざん弄んだ」と言うのはショックでしたが、よくよく考えてみると前作は二股エンドとも取れるラストでしたし、作品的な扱いはなつきの方が断然上だったので・・・舞衣がそういうのもムリはない気もします。まぁ、とにもかくにもコレで楯祐一=セルゲイではないことが作中で証明されましたね。
 いや・・・吉野さんや久行さんは「別人」とアニメブックで明言していましたが、作品の中で語ったのは初めてでしたからね。アニメ感想にも書きましたが、僕はセルゲイが祐一だと前作の感動が台無しになるからちゃんと作中で否定して欲しかったんです。ウィキペディアの『舞-乙HiME』のページなんかでも、セルゲイは楯のスターシステムのキャラだとか書かれていたりして、随分と肩身狭い思いをしていたワケで・・・


 にしても―――
 「何度立ち上がっても世界は滅んでしまうのよ」の台詞は、何度も立ち上がって世界を救った前作を観ていた立場からすると「ちょっと待てよ」と言いたくなってしまいます。その台詞だと、あの最終回以降に世界は滅んだと暗に言っているみたいじゃないですか(本当なら、その後にちゃんと惑星移民をしなきゃならないので、前作『舞-HiME』キャラが生きているような時代には世界は滅ばないと思うんですけどね・・・・)



 そんなワケで、相変わらずイマイチ同情できない舞衣を、マシロくんとともに蒼天の青玉の真なる力を解放したアリカが撃破。ミコトが連れて帰ったということは、最終回で平穏無事に暮らしている彼女が描かれるってことかな?もうカグツチは出せないでしょうしねー。

 となると、残りの敵は真白姫、フミさん、セルゲイくらい。味方は全世界中のオトメ。
 あとは真白姫を救済してエンディングかな?




 ○ レナがマシロくんに託したもの
 ナオさま、流石!!!
 いやー、やっぱり『舞-HiME』シリーズのジョーカーはナオでしたね。レナを逃がすために抜け道を案内し、カグツチによって消滅されかけていたニナを颯爽と助けていました。ステキすぎ。やっぱり佐藤先生の描くナオたんは美しすぎるのです。一体どうやってニナを助けたのかは、考えるのも野暮です。きっとバスターバロンでも召還したんですよ(宇宙にだって飛んでいきます)。

 しかし・・・・ニナが助かったということは、エルスは?
 ニナは恐らく最終決戦で戦わなきゃならないからココで見せておいて、エルスは後日譚かなんかで実はナツキに助けられていたと明かすとか?幾らなんでもエルスだけ助かりませんでしたって見せ方はないと思う。



 で、ジョーカー:ナオが連れてきたレナによってローブ復活。
 真なる王とオトメになった娘達に全てを託してコアになるというのは、カルデア編と同じような展開になるなーと危惧していたんですが。どうやら肝はそこではなく、マシロくんの出生の秘密にあったみたいです。
 アリカとマシロくんは互いに記憶を取り戻したんですが、どちらも相手が記憶を取り戻したことを知らないので―――マシロくんはアリカに聴こえないようにしか「お姉ちゃん」としか言ってないし、アリカは「マシロちゃん」と呼んでいました(流石に本名を知らないということはないでしょう)。そんな二人がそうしたことも忘れて「お母さん!」と叫ぶのを聞き、レナは微笑んでマシロくんに告げる―――


 マシロくんのことを「マシロ様・・・」と呼んでいたのはよく分からないんですが、敬語だということは、やはりマシロくんはアリカの弟ではなく真白姫の血縁――王家の血を引いているということっぽいですね。アリカなりエルスなりによって、「本物かニセモノかなんて関係ない!」と無化しておいたので、ここで真相が明らかになっても「結局は血が重要なんじゃん」とは思わないように計算されたタイミングでした。うーむ・・・やはりキャラの根幹に関わることだけあって、丁寧に構成されていましたねぇ。
 では、黒い谷で会った時に「アリカ」と間違えて呼んだのは・・・?マシロという名は“真白なる金剛石”から付けられたという設定だと思うので、真白姫は最初から真白という名で、名前入れ替えもないと思うんで―――単に姉と弟の名前を間違えて呼んじゃったということかな? 真白姫とマシロくんが似ているという設定があったので、深読みしすぎちゃっただけか。

 なので―――恐らくは、王のオトメだったレナが、王の子どもである真白姫とマシロくん(本名は不明)の内マシロくんだけを引き取って、自分の娘=アリカと一緒に育てたってとこかな。目的は王位継承者を分散して暗殺防止のため。
 セルゲイがそこを逆手にとって、自分の思い通りに動かせる真白姫の地盤を固めるため、血を引くマシロくんとソレを知るレナを暗殺しようとカグツチの実験に使おうとした―――ってことなのかと思ったんですが、それだとセルゲイがマシロくんを影武者として確保していた理由がなくなるか。
 実験その他は偶発的なことで、たまたまマシロくんを見つけたセルゲイは「いつか影武者として利用できるかも」と確保していたということかな。でも、結局最終的に謎が行き着くのは「ガルデローベに保護を求めた理由がない」ことなんですよね。城の中で何も考えられないようにしておけば良かったのに・・・・


 どっちにしろ、真白姫は単なる悪ではなく、彼女は彼女で救済の余地があるように描かれているので―――もう、残りのメンバーはハッピーエンドとして終わるのかなぁと。アオイちゃんは結局出てこなかったなぁ・・・・


 とにかく、残り数話を楽しみにしておきます。


 







■ 『舞-乙HiME』 第38話 〜「マテリアライズ!」

 いよいよ持ってスーパーロボット大戦みたいになってきたな・・・
 別に面白いから文句はないんですが、『舞-乙HiME』の基本ラインであったはずの“前作を知らなくても楽しめる”が揺らいでいってしまっているような気も。前作を知っている人はそれはそれで、顔のギャップが辛くて観れたもんじゃないトコもあるんですが(笑) こっちの奈緒たん(NAO?)、可愛くないなぁ・・・・・・



 ○ エルスティン、普通に生きてましたよ
 まぁ、99%死んでないとは思ってましたし、ガックシ度合いで言えばもっと酷いのを何度も味わっているので大したことではないんですが・・・せめて、読者はエルス生存を知っていたとしても、マシロくん達にはバラさずに話進めても良かったんじゃないでしょうか。じゃなければ、あそこでドラマを盛り上げるためだけに、殺す気もないくせに死んだように演出しただけという気がしてしまいます。
 エルスの遺志を背負ったマシロくんと何も背負っていない真白姫を対比させるとか、やり方は幾らでもあったろうに・・・
 別に、“死んだように描いたキャラが生きていた”を全否定するつもりはないんですよ。前作漫画版『舞-HiME』のような、最終回にオチをつけるための描き方ならアレはアレでありだと思うんです。ただ、今週みたいに何の意味もなく、何の工夫もなく、“死んだように描いたキャラが生きていた”と描かれてしまうと、この作品における命って何なんだって思ってしまいます。壮絶な死を遂げていったラドやナギの存在そのものが空虚に感じてしまいます。

 まぁ・・・こんなに僕が熱弁を振るっても、ほとんどの人は“死んだように描いたキャラが生きていた”にそれほど拒否反応を覚えないみたいですし、むしろ好きなキャラが生き残るかどうかで漫画・アニメの価値が決まるそうなんで・・・いつの時代でも理解されない少数派の戯言だと読み捨てて下さい。


 一応、人気キャラであるエルスの顔を傷だらけにしたところは評価したいと思います。ナノマシンで即行治りますけど(笑)





 というワケで、玖我なつきvsナツキ・クルーガー。
 氷づけはマズい・・・氷づけは9割の確率で助かるのが漫画のセオリーだって言うんだ。そもそも、『舞-HiME』ですら氷づけは遥戦くらいにギャグ風味で描かれただけだったような。そんな技で我らが学園長を倒そうなんて甘いですよ。
 ようやく氷雪の銀水晶のローブを着て逆転をしたナツキですが、アニメ版でアレだけカッコ良かったロードシルバーカートリッジが、実質パンチと大して変わらない効果しかなかったのが残念。これからの展開でもいいので、長距離砲ならではの面白さを期待したいところです。

 ここでも、単なるハッタリバトルの中に“吹っ飛ぶパット”というワケの分からない小ネタを入れている辺りにプロ根性を感じます。てゆうか、どうして漫画版のなつきは胸ネタが多いんでしょうね。メンバーの中では決して小さい方じゃないと思うんですが・・・



 ○ 対峙する両陣営
 というワケで、ここからが最終決戦です。
 アニメ版は一致団結して敵と立ち向かうシーンまでが完璧だったんですが、あの時点でもうマトモな敵が残ってなかったために拍子抜けの部分もありまして。満を持して出てきたはずのオリジナルスレイブもザコ化しちゃったし・・・そういう意味で、HiMEのキャラを全員出してでも盛り上げようとするこちらの手法は、バカバカしくても、期待が膨らみます。



 オトメチームの中に、さり気に“あの御方”が(笑)
 アニメ観ていない人には「誰これ?」と思わせておいて、来週以降にビックリさせる戦法でしょうか。僕としては彼女の戦いをジックリと観てみたかったんで、この展開は期待がイイですね。他のキャラが全員喰われてしまうような危険もありますけど・・・・シホですら背景化してしまった。


 HiMEチームは前作との顔の違いにビックリ。
 しかも、何か意図して顔を変えているというよりは、純粋に時間が足りなくての劣化という印象を受けてしまいます。そりゃ、これだけキャラがいっぱい出てくれば仕方ないんですけどさ。誰が一番酷いって、まぁ・・・紫子ですかね。何気にオトメチームのユカリコは初ローブだと思うので直接対決も期待したいんですが、HiMEチームの紫子がこの顔じゃ(笑)
 来週からは直ってるとイイなぁ〜。


 オトメキャラvsHiMEキャラの直接対決だったら、オトメの方が人数多いんですよね。
 どう振り分けていくのかが見ものですが・・・・・・考えてみりゃ、パールオトメはマトモなエレメント持ってないんですよね。それでチャイルドに立ち向かわなきゃいけないっていうと・・・まぁ、生身のハルカ&ユキノコンビに比べりゃマシですけど(笑)



 あれ?手元には雑誌がないんで確認できないんですが、紗江子はいませんでしたよね? アリッサは? 静留はいなかったような・・・となると、チャイルドは漫画版がベースなのかな。その場合、一番の強敵はアリッサか遥かな。命はミロク出していたので、晶くんはアニメ版のチャイルド出せるんでしょうか?じゃないと、この中で一番のザコになってしまう・・・


 







■ 『舞-乙HiME』 第39話 〜「HiMEvs乙HiME」

 
デュランスプラッシュスター!!

 やりやがった!
 いやはや、マックスハートの時点で「何それ?プリキュア?」とか言われていましたが、それを逆手にとってくるとは・・・もちろんマックスハートが意図していたものかは分かりませんが、上手く利用してきたなぁと。
 『舞-乙HiME』にはデュランが出てこないだろうと思ってたけどフツーに出してきたし、出てきてもパワーアップはさせられないだろうと思ってたけど奈緒との合体技でパワーアップしたし。なつき一人だけ抜け駆けしてナツキと直接対決したのも、後にパワーアップさせるための布石だったのか・・・恐るべし。


 短期的な視点では「どうかなー」と思うような描写も、後から考えると様々な役割をしていることも多く、一つのシーンに色んな要素を詰めてくる吉野さんっぽい見事な脚本ですよね。なんつ−か、自分の1年間の行動全部を否定しかねない発言ですが、少なくとも漫画版『舞-乙HiME』は週間単位で評価を下す作品ではなかったのかも。39話目にしてようやく気付いた・・・・・・




 ○ これぞ本当のifの世界
 ・受け攻めが逆な遥・雪之
 ・淫乱なあかねちゃん
 ・あんまし変わってない詩帆(しいて言えば、妹属性が強くなったことくらい?)
 ・なつきラブな奈緒
 ・男漁りをしている紫子

 いやぁ・・・御見事。もー死ぬほど笑ったわ。
 読者を緊張させなきゃならない最終決戦を、こうやってギャグで落とすのはアレなのかも知れませんが・・・これはあくまで前哨戦だから、真白姫のトコだけちゃんとマジメに描いてくれれば良いか!。でも、正直なとこ、真白姫もセルゲイも旧キャラのインパクトに喰われちゃってますよね。彼女らの不安要素(主人公達にとっての逆転要素)が伏線として出てきましたが、すっかり印象にない・・・


 遥・雪之は何とかして皆さん、雪之の声を能登麻美子に脳内変換して読みましょう(笑)
 旧キャラ・新キャラ入り乱れての4人の乱交エロ漫画とか、同人誌で描かれそうですね。さり気なく、ヤられている遥にシズルが萌えていたんだけど、シズルは女のコの裸なら誰のでも見たいの? 遥のことなんて眼中にないのかと思っていましたが。
 まぁ、とにかくシズルvs遥&雪之。旧キャラの中ではかなりの強敵のはずの二人ですが(遥がバカだったからそんな印象は薄かっただけで)、シズルの方も新キャラの中では最強の部類に入るんで、白熱した勝負になりそう。今週の様子だと、マトモな勝負すら描くかどうか怪しいけど。

 あかねちゃんは、もうちょっと時間に余裕がある時の佐藤先生の絵で見たかった・・・顔つきは、まぁ描き分ける意図があるのかも知れないんで置いておくとして。体つきが、いつものような滲み出るようなフェチズムを感じられなかったかなぁと。
 詩帆はよう分からん・・・前作のチャイルドは触手とか、寄生操作だったと思うんですが。流石にそれを披露する尺はなさそう。チエ×詩帆は、なんか妙なカップリングなようですが。漫画版にはアオイちゃんがほとんど出てこないんで、チエは邪悪なほど攻め一辺倒なキャラでしたからね。詩帆の方は『舞乙』になってからはいじられ役なんで、このカプは無難な分、あんまり新鮮味はないような気も。もっと正統派な可愛いコにしても良かったのに―――と思ったら。


 奈緒が真っ当な美少女になってて狂喜乱舞。うっひゃー!うっひゃー!
 奈緒となつきのスール(擬似姉妹)はアニメ観ていないとイマイチ分からんような気もしますが、基本ラインは“憎まれ口を叩き合いながらも似たもの同士”ってトコでしょうか。個人的な趣味で言えば、静留×なつきよりも奈緒×なつきの方が萌えます。えぇ、なつき総受けは確定です(笑)
 というワケで、受け攻めどころか属性まで変わった二人同士の対決。ナオはパールローブだけど、アニメ版のマイスターローブよりは全然可愛いからコレで良いような気も。

 しかし・・・奈緒は受けでも、それはそれで萌えるんですね。あとは攻めがしっかりしていれば・・・



 紫子はもはや別人・・・


 今週出ていなかったのは、アキラと晶、ミドリと碧の二組・・・あと、先週マテリアライズしていたあの御方くらい?
 ミドリはチャイルドでもスレイブでも大した差がないと思っていたので、直接対決は不安半分・期待半分。




 ○ そういや、ミユだけは前作のキャラという設定があったっけ
 すっかり忘れてました・・・・
 あの伏線が張られた当時は、カグツチなどのチャイルドはともかく、全HiME揃い踏みだなんて想像もしていなかったんで。前作と今作の繋がりを示す唯一のキャラなんじゃないかと推測していたんですが・・・もはや、前作と繋がっていないキャラの方が少なくなってしまったからな(笑) 双子の妹とかいう台詞があったけど、ちゃんと納得いく説明がつくんでしょうか? まぁ、勢いで押し切れれば、それが一番美しい形だとも思いますが。


 というワケで、ミユが二人のアリッサの間でまさかの板ばさみ。
 まぁ、他のキャラの例を見る限りは、『舞-HiME』バージョンのアリッサは別人格だろうから、黒いキャラなのかも知れませんが・・・思わぬところで、前作→今作に繋がるスターシステムの根幹にある“僕らがキャラを愛することってどういうことなんだろう”を具現化してくれるのかも知れませんね。
 だってさ、スターシステムってよくよく考えれば不思議ですよ。キャラの魅力を出すことが第一という昨今に、キャラを役者と見立てて、作品ごとに人格が違っていたりするんですから。今とは作品の受け止め方が全然違うとは言え、キャラ漫画として人気絶頂だった『幽遊白書』を終わらせた直後、冨樫先生が“幽遊白書のキャラは全然違う性格の役者が演じていただけ”という同人誌を出して愕然とされたことがありましたけど―――キャラの魅力に読者を依存させることと、スターシステムって、元々はそんなに食い合わせの良いものではなかったと思うんですよ。『舞-HiME』『舞-乙HiME』だって、アニメ版のイメージを損なわせないために漫画版は観ないって人も多いですからね。


 でも、僕は『舞-HiME』の奈緒も『舞-乙HiME』のナオも好きなワケで、きっと『舞-乙HiME』好きな人にはそういう人は多いはず。それは、『舞-HiME』でアリッサを愛した深優が同じように『舞-乙HiME』のアリッサも愛したということに繋がるのかも、なんて思ったワケなのです。




 今週は最終決戦に向けての繋ぎだったのだけど、小ネタやら何やらで、やたら豪華だった印象。
 前作を上回れるかどうかは、ここから次第かな・・・・・


 







■ 『舞-乙HiME』 第40話 〜「甦る記憶」

 何で、この期に及んで夢オチフェイクなんだ・・・
 九分九厘フェイクだとは思いますが、もしガチで「収拾つかなかったら夢オチにしちゃったよぉ〜」と来週最終回だったら、その足でコミックス全巻売りにいきます。何十巻と続いている長寿漫画の場合は1冊1冊の重みが分散されるから大した痛手にもならないんでしょうから、大御所と呼ばれる漫画家がガッカリオチを使って煙に巻くのも仕方ないかなとは思います(とは言え、その人の漫画は二度と読まなくなるけど)。
 でも、1本作って売るのに莫大な時間と人件費が必要だってことを知っているアニメ作家の場合、この辺を自覚して作っているはず。そう信じたいです―――あれ?でも、前作アニメ版の最終回って・・・あれも一歩間違えればDVD全巻売り飛ばされかねないオチだったような気も。だ、大丈夫だよね・・・多分。




 ○ 黒シズルに大爆笑
 Q.どうしてシズルだけ黒バージョンが出てこないんですか?
 → A1.前作漫画版では静留はHiMEではなかったから(模範的な解答、50点)
 → A2.前作から既に黒かったから(正答ではないけど100点)

 腹黒くなくなったシズルも見たかったような気がしますが、なつきLOVEではない静留なんて想像できませんし、なつきを愛する限り静留は腹黒くなるんでしょう。ぶっ壊れた前作アニメ版を裏っ返して“強い女”に変えると、元々の今作のシズルになるという気もしますし。
 しかし・・・シズルの想像する黒い静留には爆笑しました。「そのままだよ!シズル、それ、そのままだよ!」と2度ツッコんでしまうほどに。清姫と血に塗れた薙刀だけで誰だか分かるんだから、この作品のキャラ立ちがどれだけ素晴らしかったということですよね。


 しかしこれ・・・前作漫画版どころか、前作アニメ版も知っていないと楽しめないネタだったりで。一作品として考えると、評価に困る描写ですよねぇ。今作から入った読者も多いでしょうし・・・アニメ版を追いかけるには、色々とハードル高いでしょうしねぇ(バンダイチャンネルはまだまだ未完成だと思っている僕)。




 ギャルっぽい晶くん登場。
 佐藤先生はホント、こういうフェミニンな服を描くのが上手いですよね。なんだかいいにおいがしてきそうです。

 碧ちゃんは外道でした。
 これ、台詞として読まれれば一番面白かったろうけど―――如何せんビジュアルのインパクトが薄いんで、受け攻め逆転の遥・雪之とか、性格が逆になった奈緒やあかねちゃんに比べると目立たないのが可哀想。

 「一件落着だよ、雪之ちゃん」の台詞も、能登麻美子・柚木涼香のコンビに言ってもらえたら更に面白かったでしょうしね。このネタ、ドラマCDかOVAで使うって手もあったろうに・・・・・・そういや、遥の言い間違えネタって漫画版で出てきたことありましたっけ? 文字にしても分かりにくいから漫画版では使わないのかと思っていましたが。




 ○ やはり、前作→今作の鍵を握ったミユ
 二人のアリッサに挟まれて苦悩するミユに『舞-乙HiME』のアリッサが手を伸ばしてミユ自身の意志で立ち上がるトコや、アリカ達と戦った時に知った“根性”で『舞-HiME』のアリッサが知っていた以上の力を出すトコなんか―――2〜3巻のエアリーズ編を知っていると、一つ一つのシーンに重みを感じられるのがイイですね。あの頃の感動がムダではなく、今に繋がっているというのが分かって。
 トドメのシーンがアッサリしていた気もしますが、まぁこの二人でエグイシーンを描かれてもヘコみますし、これはこれで良いのかも。カズ君はアカネちゃんにしっかりやられていたのにね(笑)

 『舞-HiME』バージョンのアリッサは若干黒かったけど、あくまで前作と同一人物で、“操られてる”的な力が働いていたってことでしょうか? 個人的には、あかねちゃんや奈緒の変貌っぷりは“操られている”ではなくて、それぞれの意志であって欲しかったですけど。



 で、アリッサ撃退で記憶を取り戻したミユがマシロくんの元に。
 その頃、マシロくんはトラウマ真っ最中でした。イジメシーンはいい意味でも悪い意味でもチャンピオンらしく、読んでて鬱になるほど陰湿なものでした。幻覚ネタは前作でもありましたけど、紫子はガルデローベ攻撃中だったはずなんで、これは彼女の能力じゃなさそうですね。とすると、水晶宮自体の能力?どっちにしろこのタイミングでコレが描かれたということは、マシロくんに過去を乗り越えさせようという意図と、『舞-乙HiME』の根幹にある水晶宮の秘密を明らかにする目的があるんじゃないかと思います。


 しかし・・・ゆったりしている暇あるのか?7月にはRED移籍が噂されている(確定情報ですっけ?)ので、6月中には終わらなきゃならないんだと思っていましたが・・・最悪の場合、佐藤先生は休みなく新連載が始まることになっちゃいますが。体はもつのか? いちファンとしては、それが一番の心配です。


 







■ 『舞-乙HiME』 第41話 〜「真白なる貴石」

 
「効かねェよ、誰でもないやつの拳なんて」

 うわああああ、もうちくしょおおおおお!!
 完全にやられた。僕の負けです。立ち読みしながら涙こらえるのがつらかったつらかった。最後の最後に大化けしやがいましたよ・・・エルスの件とか、前作読んでないと理解できないんじゃとか、そういったネガティブ要素を全て吹っ飛ばすほどのカタルシス。この感動は、作品全体のハイライトになることはもちろん、、『舞-HiME』プロジェクト全体でも屈指の出来だったんじゃないでしょうか。まさか、ここにこんな隠し球を持ってくるとは・・・

 マシロくんが過去を乗り越える話だというのは先週段階で予想はしていましたが、まさか楯祐一がここに出てくるとは思わなかったし。それに絡めて舞衣→祐一とアリカ&ニナ→マシロくんの感情を対比させ、アリカとマシロくんの関係を上手く消化させて(これが帰結点ではないと信じていますが)、マシロくんサイドの切り札“真白なる金剛石”を登場させるという密度の濃さ。
 どれか一つでも十分にクライマックスとしての格を持つのに、ここまで色んな伏線を一気にひっくり返してくるんだから、盛り上がらないワケがない―――という理にかなった計算によるクライマックスでした。ここまで計算高い脚本には嫌悪感抱く人もいるのでしょうけど、僕としては「よくぞここまでやって下さいました」と、ただただ感涙。凄まじかったー。



 ○ 前作主人公から託される逆転の切り札
 シルエットが出るまで考えもしませんでした。竹刀の絵だけで気付いた人もいたのかな?
 楯祐一、登場。
 感想サイトなんかでは連載開始当初から“マシロくん=前作での楯の役割”という説が出ていて、アルタイ編以降はまさにそんな感じでしたが。実は作中でもしっかりと描写されていて、何度でも立ち上がるマシロくんを見て舞衣は祐一を思い出していたんですよね。


 前作が大好きだった立場として「こんなに舞衣が泣いているのに祐一は何をしてるんだ!」とずっと思っていましたし、今週でも舞衣の「人を好きにならなければ」みたいな台詞の直後にセルゲイの絵が入っていたりでセルゲイ=祐一を思わせる描写があったり。意図して、前作からの読者にフラストレーションを溜めこむような描き方をしていたんですよね。
 なので、祐一がマシロくんを導いてくれるという今週の展開は、前作からの読者だけが味わえたカタルシス。今作から入った人もいるだろうからその辺はどうなんだろうなーと思うキモチもあるんですが・・・祐一と舞衣の描写はあくまでオマケみたいなものに留め、焦点はマシロくんの覚醒に合わせているんだから、これは認めてあげたいような。商業的なことを考えれば、この描写で気になった人だけ前作全5巻を集めれば良いんですし、作品に広告としての価値を付加させるという意味ではアニメ脚本家らしいっちゃらしい。



 マシロくん復活の鍵は「これまで築いてきた絆のためにも、これまでの自分を否定するな」というものでした。クドイくらい色んなキャラによって繰り返された「本物でもニセモノでもマシロくんはマシロくん」という台詞があるので多少胃がもたれた感はあるものの、積み上げられたものをキチッと活かした見事な落としどころだったかなぁと思いました。
 また、そこから一歩踏み出すために“名前”を使ってきたのも、ここまで封印してきただけあってグッとくるものがありました。いっそのことココで本名を叫ばせても良かったんじゃないかと思うんですけど・・・ここで叫ばせなかったということは、アリカとの関係を昇華させるために使うのか、最後まで本名を出さないで読者には“マシロくん”のままで終わらせるのかのどっちかかな? 個人的には、前者を希望。これならば、クライマックス一歩手前の今週に「言えよ、お前の名前は」を入れておいた意味も大きくなりそうですし。



 舞衣の変貌っぷりは「偽りの記憶を埋め込まれたから」?
 で、祐一は舞衣の欠片である“真白なる金剛石”をマシロくんに託す―――このくだり、オトメがヒメの乙式コピーだという話から考えるとなかなか意味深いものがあります。ひょっとして、全てのGEMはHiMEから生まれたという設定だったりします? まぁ、舞衣と真白なる金剛石は特別な存在なので、これだけが例外なのかも知れませんが・・・

 ちなみに、フミさんが舞衣を召還した時に使ったのが“漆黒の金剛石”。
 アニメ版では最初のオトメ・フミさんのGEMが“真白なる金剛石”で、人の黒い心を吸いすぎて“漆黒の金剛石”になったという台詞がありましたね。最終的にマシロくんと真白姫がこの二つの貴石で戦うというのは、アニメ版の描写を活かした見事なメディアミックス展開。


 しかし・・・最後の武器はやはり剣なのか。前作の祐一は剣道やっていたから分かるけど、果たしてマシロくんに使いこなせるのだろうか。




 ○ 舞-HiME→舞-乙HiMEの意味
 どうやら舞衣は「偽りの記憶を埋め込まれた」そうで、他の全部のヒメが暴走しているのもそのせいっぽいんですが・・・この辺り、実は作り手からの『舞-HiME』と『舞-乙HiME』に対するスタンスの違いが見えてくるかなぁと。少なくとも、今作のアリカやニナに「偽りの記憶を埋め込んで」も、こんな風に暴走はしないような気がします。


 というのも、アニメ版・漫画版ともに、『舞-HiME』というのは「人を想う気持ちの怖さ」を描いていた作品だと思うのです。もちろんソレを最終的に裏っ返す/返さないの着地点はあるんですが、基本的にはキャラ達が愛に悩み愛に苦しむ姿が描かれてきました。恋愛だけでなく、舞衣→巧海のような姉弟愛や、なつき→紗江子のような母子愛なんかもそうでした。
 で、『舞-乙HiME』はというと・・・アニメでは一部キャラは大変なことになっていましたし、漫画でもニナは黒化しかけていましたが。基本的にみんなポジティブで、「あの人への想いがあるから強くなれる」というスタンスで描かれていると思うのです。ニナが「マシロ様を愛している」と言えば、アリカも笑顔で「私も」と言えるのがこの作品。前作の舞衣と詩帆じゃこうはいきませんでしたものね。アニメ版でのアリカとセルゲイの着地点なんかも、『舞-乙HiME』だから出来たことだと思いますし(まぁ、『舞-HiME』でアレをやられると話自体が始まらないんですけど)



 鬱展開で多くの人が脱落し、例のアレでコアなファンの評価すら下げてしまったアニメ版『舞-HiME』―――アニメ版『舞-乙HiME』はその良さを引き継ぎ、悪いところを直していった“前作を超える続編”を目指した作品だったと思います。成功していたかは、観た人によって違う印象でしょうけどね。
 では、漫画版はというと・・・漫画版『舞-HiME』はスタートこそ出遅れたものの、尻上がりに調子をあげて、最終回時にはキレイにまとまった見事な作品になっていました。インパクトはともかく、まとまりという点では不満がほとんどなかったので・・・果たして続編を作る意味があるのかとすら思っていました。



 なので、今週の描写から見えた―――『舞-HiME』で「愛ゆえの憎悪」に堕ちてしまったキャラを、『舞-乙HiME』のキャラによって救済しようとする意気込みは、この作品の存在意義を生み出すほどだとすら思えました。。当時は気になりませんでしたが、前作漫画版の舞衣はイマイチ救われた感がなくて、「媛星がなくなったからメデタシメデタシ」で締めてしまったところもあるので―――作り手としても、それを乗り越えようとする意図があるのかも。もし乗り越えられたなら、真の意味で今作が前作を超えた瞬間ということになるのかも知れませんね。


 まぁ、シナリオは別の人が書いているんで、乗り越えられたら木村暢の立場はないですけど・・・(笑)


 







■ 『舞-乙HiME』 第42話 〜「真実」

 うわぁ・・・・もう、真白姫報われねえ・・・
 最後にマシロくんに涙を流されたとは言え、それで救われたとも思えませんしねぇ。この辺、「生きていればそれで幸せじゃん」という描き方しか出来なかった『舞-HiME』よりもシビアに一歩踏み込んだとも言えますけど。スタンスの優劣というよりは、現代劇とSFの差というだけかな? スターシステムのおかげで、容赦なくキャラを殺せるからというのもあるか・・・
 モノ描きとしての個人的な信念を言わせてもらえば、「生きてるだけ」よりも「どんな形であれキャラに救いを与える」ことこそがハッピーエンドだと思うので、今作の描写には満足です。ラドにしても、ナギにしても、彼らの信念を描ききっての死だったワケですし・・・真白姫にも最後のエピソードで何らかの救済は入るかな? ベタだけど、あの世から両親と一緒にマシロくんを見つめてる絵が入るとか、マシロくんが真白姫の墓に手を合わせるとか・・・



 ○ 「そなたも父上や母上のような瞳で妾を見るか・・・!」
 というワケで、真白姫&マシロくんの両親が判明。今週の段階まで予想もしていなかったんですが、舞衣が消滅前に真白姫を見つめる絵でピンと来て、次のシルエットで確信に変わって震えまくったんですが、1枚めくっただけで写真が出てきちゃったんで逆に恥ずかしくなってしまいました(笑) あの辺は匂わせるだけの描写で良かったと思うんですが、それだと『舞-乙HiME』のキャラとHiMEがごっちゃになって分かりにくかったかも知れませんし。一長一短だったかなぁと。

 そもそもスターシステム自体がムチャなんだから、『スパロボ』くらい「設定なんか気にするな!」という姿勢で楽しむので良いと思うんですが・・・敢えて、推測するなら。HiMEと『舞-乙HiME』キャラとの繋がりは転生とか遠い子孫とかそんな感じで、HiME達の魂はエアルのどっかに眠っていて。でも、かつてのHiMEたる舞衣の姿が死んだ母に瓜二つだったことから、母に愛されたい一心で真白姫はHiMEを目覚めさせようとした・・・・とか?
 そう考えると、真白姫って可哀想ですよねぇ。
 1つ2つ疑問はありますが、「父と母に愛されなかった(と思っている)」コンプレックスと「嬉々としてMAIに破壊を命じる」無邪気さという真白の相反する側面が、実は同じところから根付いていたというのは見事。また、両親の方も決して真白を愛していなかったワケではないことが今週のセルゲイのセリフからも分かるし、消滅直前の舞衣の表情からも“それでも真白を救えなかった”娘への後ろめたさが見えたりで、一コマ一コマからちゃんと推測できる適度な情報量がイイです。

 これは『舞-HiME』シリーズのコンセプトなのか、シナリオ担当がアニメ脚本家だからなのか・・・大多数の漫画の場合、こうした描写を“説明セリフ”のような文章で見せたり、“過去の絵をそのまま描写”ということに走りがちですよね。それらが必ずしも悪いワケじゃないんですが、やっぱりドラマは舞台上の役者の演技で見せるべきだと思うんですよ。そういう意味で、現在の真白姫の描写によって彼女の生きてきた年月を描いたのは見事な脚本だと思いますし、そうしたキャラの内面まで描ききれる佐藤先生の画力には脱帽するばかりです。
 フミさんが真白を串刺しにするシーンと、その後の死に際の表情は、不謹慎ながら美麗の一言。



 ○ ラスボスはフミさんなのかー
 フミさんっていつも戦闘シーンをカットされてるので、イマイチ強いイメージがないんですけど・・・

 真白姫が実はフミさんのチャイルドだったというのは前作アニメ版の設定を使っているだけとは言え、前作ではそれが二人の絆となっていたのを、今作では裏っ返して突き放すという残酷なまでに見事な使い方でした。まさか、こうして真白が消滅する絵を見せられるとは・・・今から考えてみれば、4巻の復活直前の真白が前作の媛星に似ていたのも伏線だったのかも。
 でも、フミさんのチャイルドだったらわざわざ鎌でぶっ刺す必要はないよね(笑)


 真白姫とマシロくんの関係についてはレナが出てきた辺りから噂されていたことなので、マシロくんに「それを知ったからといって何も変わりません」と一蹴してもらえたのは良かった。読者が分かりきっている設定を作中でやたらテンション高く驚かれてもシラケるだけなんでね・・・
 全然関係ないけど、僕がTVのバラエティ番組を観れないのはこのせい。自分がちっとも笑えない会話にやたらとギャハハと笑い声を付け足されるのは興ざめだし、僕が笑ったところに限ってシーンとしてるのも寂しくなってしまう。まぁ、コレは僕のツボがテレビを観ているマジョリティの方々とはズレているだけのことなんですが、作り手と受け手の感覚の差というのは重要なことで。『舞-HiME』シリーズは、ちゃんと読者(視聴者)が今どこまで状況を理解しているのかをキッチリ読みきって話を作っているのが凄いなぁと。



 で、これで晴れてアリカとマシロくんに血の繋がりがないことに。そもそも似てなかったもんなぁとか言い出すと、デザイン的にはアリカが舞衣の妹分になるようにデザインしたと久行さんは仰っていたので、舞衣の娘は真白ではなくアリカでなきゃならなくなってしまうんですが。
 でもでも、これでマシロくん-アリカEDでもアリになってしまったとは言え、実際問題“血の繋がり”よりも“小さい頃から一緒に育っている”方が恋愛関係になりにくいんじゃないかな?『恋風』の例を出すまでもなく・・・あ、そうか。だから、マシロくんの記憶を吹っ飛ばして他人としてアリカと出会わせたのか。“たまたま好きになった人はお姉ちゃんでした、と思ったらそうでありませんでした”みたいな。何周も回って単なる幼なじみというスタート地点に戻ってきたという・・・・まぁ、落としどころとしては分かりやすかったんじゃないかと。

 いや・・・僕としては別にアリカEDでもニナEDでもなくて、ハーレムEDだと思ってますけどね(笑)
 羨ましいなんて思ってはいけません。手を出したらオトメの能力を失うだけじゃなく、一人を選んでお嫁さんにすることすら出来ません。ガッデム!こうなったら法を改正して一夫多妻制にするしかねえ!→マシロくんの支持率ガタ落ち




 そういや、ミコトは何者だったんだ・・・?REM使ってスレイブ呼んでいたからHiMEではないんだろうし、女王だった舞衣に仕えていた女官とかなのかな。真白姫復活前から出ていたということは、ほかのキャラとは違うはず・・・なのに一緒に消滅してるわ、猫になるわで色々と謎なまま終わってしまいました。まぁ、それでこそミコトという気もしますが。



 ではでは。あと2〜3回で終わらなければ、佐藤先生は週刊と月刊を掛け持ちすることになってしまうんですが・・・ちなみに前作は全44話だったので、今作も同じだとすると、来週決着・再来週にエピローグ? どっちにしろREDのエロ漫画はコミックスに入りきらん!当然と言えば当然ですが、結構伏線とか入ってたのにね・・・真白姫が霊能力者だとか。


 







■ 『舞-乙HiME』 第43話 〜「漆黒の絶望」

 ラス前。
 今週ですんなり決着させて、来週1話まるまるかけてエピローグなのかなぁと思いきや。ここに来て色んな隠し球や設定公開が出てきたり、新たな謎が出てきたり。最終回の前でも落ち着かない漫画だったんですが、それでこそこの漫画なんだなぁと思ったりしました。1年弱、色々書いてきましたが、毎週毎週が凄く楽しかったです。こんな風に毎週何かの漫画を楽しみにすることはもうないでしょうから、本当に夢のような時間でした。ありがとうございました。


 ・・・とか書いて、来週で全部台無しにするようなオチが来たらどうしましょうね。
 何たって、吉野さんには前例があるし・・・(笑)




 ○ 移民星という設定時代がウソだったんだよ!!
 あんだって―――!!

 ま、移民がどうのなんて話があったワケでもないので、別にショックでもないんですが(笑)
 アニメ版では“真白なる金剛石”が闇を吸って“漆黒の金剛石”になったという設定だったので、二つの金剛石は媛星の欠片という漫画版の設定とは違いますね。ということは、移民が捏造だという設定も漫画版独自のもので、アニメ版では移民の設定は生きているということなんでしょうか。じゃないと、移民星という設定が被らないように四苦八苦していた『ソルティレイ』が可哀想です・・・・・


 移民うんぬんの歴史が捏造されたのは、一度地球が滅んでしまったがために、文明をやり直さねばならなかったから・・・ということらしいんですが、それって別に理由にもなっていないような。滅びの歴史を繰り返さないように作られたのがオトメシステムだというのなら納得できるというか、どう考えても『ターンエーガンダム』なんですが、そもそも世界が滅んだのは二つの金剛石のせいだとかセルゲイが言ってましたし、世界が滅んだ時点でオトメシステムはあったということ?まぁ、人の歴史って理屈じゃなくて「何でこんなことしたの?」ってことがあるもんですし、そこはツッコむべきじゃないか。
 この辺りの設定、『ワンピース』だったらここから3ヶ月かけてじっくり種明かししてくれるんでしょうが、『舞-乙HiME』に残された尺はあと1話しかないので・・・この辺は上手く推測してくれよってことでしょうかね。セルゲイの言っていた「かつてその謎に迫った者がいた・・・」の種明かしくらいはして欲しいですけど。舞衣の「何度立ち上がっても世界は滅ぶのよ」というセリフから考えると、『舞-HiME』メンバーの誰かか?



 という訳で、マシロくんから“真白なる金剛石”を奪ったセルゲイは、二つの金剛石から媛星を復活させてラスボス化―――過程は違えど、最終的にここに落ち着くのは前作と一緒か。マシロくんが死んだみたいな扱いされてますが、マスター死んだらオトメも消滅するはずなので、ちっとも死んだとは思えない・・・まぁ、最終決戦で負けるワケないんだから、緊張感なくても仕方ないんですけどさ。




 ○ エルスのローブはブラフじゃなかったのか・・・
 というワケで、コミックス4巻の表紙は単なるネタバレでしたよと。

 尺が足りなかったからか、元々こういう予定だったのか―――契約も認証もないまま、エルスがマイスターオトメになって戻ってきました。アニメ版での扱いを考えれば、この待遇は素直に嬉しいし可愛かったのだけど。このカラクリだけは来週にきっちり種明かししてくれるんですよね? エルスがマシロくん以外と契約することはないと思いますし、マシロくんは最前線でバトル中だったんだから・・・そもそも、貴石はどっから持ってきたんだって話も残ってますし。


 しかし、セルゲイの「この世界に信じられるものなど一つもないだろ?」を否定する役割を、アリカでもニナでもなくエルスにさせたのは何というか・・・この作品の底力を感じましたよ。マシロくんの終着点は先週の水晶宮を突破した時に、アリカの終着点はニナにマシロくんを託して守ろうとした時に、ニナは・・・真祖になろうと特攻した時かな?
 それぞれの物語は(一応)決着が着いちゃっているんで、この三人にセルゲイを否定させたら繰り返しになっちゃうワケで・・・ここのためにエルスを温存させておいた、というよりはここのシーンのためにこれまでのエルスが報われていなかったということなんでしょう。おかげで僕は「エルスが空気」「エルスが背景化」「単なる巨乳要員」と言い続けてきたんですが、それも全部スタッフの思惑通りで、ここでひっくり返すための策略だったと・・・・・・

 確かに見事な構成ではあるんですが・・・この時点ではどうしてエルスがローブを着ているのかが分からないので、まだまだ戸惑い中だったりもします。今週の真価は全て来週のエンディングにかかっているんじゃないかと思うのです。さて、残り1話でどこまで詰め込んでくるのか・・・個人的には、エピローグはしっかり入れて欲しいです。平和になった彼・彼女らの笑顔が見れて、初めてハッピーエンドだと思いますから。



 どうでも良いことですが、パールローブでもアカネちゃんにはネコミミついているんですね。気付かなかった・・・


 







■ 『舞-乙HiME』 最終話 〜「ようこそガルデローベへ」

 最終話。
 これは『舞-HiME』『舞-乙HiME』アニメ版・漫画版ともに言えることなんですが、このシリーズのラストバトルはED中のイベントバトルのようなもので。「どっちが勝つんだろう・・・ワクワク」という期待よりも、主人公達の正義が通って主人公が勝つということは決まっているのでその過程を楽しむのが吉かと思われます。『舞-乙HiME』は2作目なんで、1作目と同じようにヒロイン達とともに主人公が剣を持って敵に向かっていくという構図まで、初期からずっと予想されていたことですし。そういう“抑えるべきところは抑える”のがこのシリーズの魅力なんですし。


 しかし・・・・・・やはりこのキャラとネタの数々では、44話という尺は短すぎましたね。
 サブキャラの活躍は諦めるしかなかったとは言え、幾つか解決していない謎な部分が残ってしまったのが残念です。アニメ版観てないと分からないネタもありますし・・・ヘビーなほど『舞-乙HiME』を愛してる人々(僕含む)は楽しめたとしても、『舞-HiME』シリーズを全く知らない友人にオススメはしにくくなりますからねぇ。勿体ない・・・



 ○ えっ?そこをスルーなの!?という部分
 ミス・マリアがフツーに若返ったままでした・・・作中で話題にもならなかった・・・
 もちろんアニメを観ていた人はこのネタを知っていますし、全オトメが揃ってのマテリアライズのシーンでこっそり若返っていたのに気付いていたと思うんですが・・・それならば、どっかで活躍する機会を与えられると期待するもんじゃないですか!アニメ版を観ていた人は「出番ないんだ・・・」とガックシして、観ていなかった人は「えっ?なんで若返ってんの?」と唖然としてしまうようなネタだったんじゃないかと・・・

 まぁ・・・この話数で彼女の活躍まではとても入れられなかったんでしょうし、全オトメがマテリアライズして彼女だけしないというのは妙な話ではあるんですけど。



 で、こちらはスルーが逆に想像を膨らませてくれて面白かったという部分。
 レナさん人形が激しく可愛かった件について―――
 真祖様が人形になって携帯できるという話は、アカネちゃんの回で「そんなのアリなのかよ!」と思わされていたので・・・そのこと自体はむしろ「おー、よくぞその設定を使ってきたなぁ」という感想なんですが。
 え?レナさん人形には、レナさんの人格が入ってるの?新祖様の像もレナのキャラっぽかったし・・・とすると、フミが真祖だった時も、アレはアレで彼女の人格だったんでしょうか。考え出すと、前作のフミさんと今作における真祖フミと先週戦ったフミさんがごっちゃになってよう分からんくなってしまいます。“今作における真祖フミ=先週戦ったフミさん”で、本来なら前作同様に明るいキャラなんですが、先週戦ったフミさんはセルゲイに操られていたから無口だったということかな?



 それに関してなのか、エルスのマイスターローブについて―――
 仮契約・マイスターになった・マシロくん以外のマスターという情報は出ているので、ミス・マリアや五柱(漫画版ではこの設定ないんだっけ)と同じように新祖様がマスターってことかな?とするなら、ミス・マリアがレナ人形を連れてきたことから、ミス・マリアが隠し持っていたGEMを使ってレナが契約したという可能性もあるのか。何気にミス・マリアが役立ったということなのかも知れませんが、だったらぶっちゃけエルス連れてくるよりもミス・マリアがセルゲイを瞬殺すれば良かったんじゃね?
 それだと・・・確かなもの=マシロくんへの気持ちというテーマがどっかに行っちゃいますが・・・漫画版のミス・マリアがそんな回りくどいこと(=戦力にならないエルスを連れてくる)をする意図も分かりませんし。イマイチ使い切れなかったキャラの一人だったかなーと。



 ○ マシロくんvsセルゲイ
 何かよう分からんけど、真白なる金剛石の力で「諦めなきゃ」死なないというマシロくん。これまたよく分からんけど、全オトメの想いを載せた一撃をマシロくんがセルゲイに喰らわす!!って、全然別人じゃないか!!誰なんだ、このキャラは!
 この後、裸地獄に鼻血出したりしていつものマシロくんに戻ったから「やる時はやる」レベルではあるんでしょうし・・・これまでにも何度か凛々しいマシロくんは描かれ、それが最終的には楯の鉄拳で目覚めたというのも物凄く熱いと思うんですが。何か、マシロくんが格好よく成長するのは寂しいものもあるんですよねぇ・・・理屈や理論ではなく、妙なトコでキャラに人気が出るという現象を目の当たりにした感じです。この1年間で、読んでる側も随分と毒されたもんだ・・・

 レナ→アリカへの継承や、楯&舞衣→マシロくんへの継承が描かれたんで。ここは入れておかなきゃマズいだろーと思っていた、真白姫→マシロくんへの継承もキッチリ入れてきました。フミさんまで喋っていたのは謎ですが、真白姫にも救われた絵が描かれなきゃあんまりなんで、これには満足。
 あぁ・・・でも、そうか。フミさんは初代オトメだから“真白なる金剛石”について知っていたのか。え?となると、あそこで喋っていたのはマシロくんの妹な真白姫ではなくて、フミさんが現役だった頃のマスターである女王様(仮)ってこと? うーん・・・その可能性はあったとしても、真白姫が可哀想だから考えないようにしておこう。



 マシロくんとセルゲイの違いは、「誰かを愛しているか」という結論。
 結果的に、ハーレム漫画やギャルゲーの“みんなを愛している”外道な主人公が最強だということになってしまい、非モテ組としては泣き出したい気分です。しかも、というかこっちの方が重要なんですが・・・セルゲイのキャラは“顔が怖い”以外ほとんど掘り下げられてなかったんで「アナタは誰も愛さなかった!」とか言われても、読者としては疑問が残りますよね。まぁ、落としどころとしては無難ではあると思いますし、納得できないほどのレベルではないんですが―――あと2〜3話あればなぁ、と考えずにはいられません。

 で、皆から愛されているマシロくんが全オトメの全裸を背負ってセルゲイに突撃。
 前作の楯は舞衣となつきとともに突撃したんで、今作ではアリカとニナとなんだろうなーと漠然と考えていまして。そこにエルスが一緒になってるコマで「おぉっ、エルスは昇格したなー」と嬉しくなったんですが、ページをめくったら他の全員も揃ってました(笑)



 ○ 後日譚
 新祖レナにより、マイスターになった3人もガルデローベに戻ることに―――
 まぁ、前作の「風華学園にようこそ」を踏襲するための措置と考えるべきだと思うんですが。個人的には、永遠に学園生活が続くような『舞-HiME』と違って、『舞-乙HiME』は学園を巣立って大人になっていく話だと思っていたんで。無理して学園に戻すこともなかったんじゃないかなーという気持ちもアリ。でも、それじゃアニメ版と同じような最後になっちゃうか・・・

 ハルカ・ユキノとシュヴァルツは難民と一緒に何か笑顔・・・引越しでもしてるんでしょうか?
 タケダ(多分)はその雑用に使われてるみたい・・・

 ミコトは猫モードのまま戻ってきたみたいですが、もう人間にはなれないっぽいですね。

 マシロくん・アリカ・ニナ・エルスの四角関係は、まぁ予想通り「みんなが好き」で決着でした。
 というか・・・ここに関しては、前作のなつきの「お前が誰を好きでいようと構わない」というセリフが表すように。この作品においても男キャラと女キャラが1対1に決着していくことにこだわってはいなかったというか―――先週、エルスが「確かなものはあるわ!」と言った時点でこの四角関係は完成していたんですよね。言っちゃえば4Pがデフォルト。それでいて、二ナのデレ化だったり、エルスの「契約して下さい!」だったり、抑えるトコを抑えてはいるんですが。





 というワケで・・・最終回なのに(最終回だからこそ)、いつも通りの詰め込みネームでした。
 この一年間のこの作品を象徴しているような24ページでしたよ。圧倒的な画力と演出力で魅せつつ、細かいネタや想像力を掻き立てられるような話題でヲタ層を刺激し、最後は裸で占める(笑)。
 まぁ・・・僕は露出が多ければ多いほど萎えちゃう変態なので、裸描くならネタや謎のフォローをしてくれないかなーという想いもあるんですが。青年向け少年漫画誌という微妙なポジションの雑誌においては、最大公約数に受け入れられるよう心配りがされていた作品だったと思います。その割には掲載順位が低かったけど。



 一年間、感想を書き続けてきて―――時には厳しいことも書きましたが、それは偏にこの作品を愛していたからですし、期待が大きかったからです。実は連載開始当初は、前作が好き過ぎたせいもあって冷めた目で見ていた部分もありました。感想も書いてませんでしたし、批判することもなかった・・・ですが、アルタイ編でのマシロくん覚醒→ニナのマイスターローブ辺りから激ハマりして、それ以後は期待をどんどん広げ、感想でも厳しいことを書くことが多くなりました。

 そして、その期待をことごとく上回ってきたというのも事実。
 エアリーズ編はミユとアリッサに泣かされ、カルデア編では身が震えるほどの緊張感にゾクソクさせられ、ヴィントブルーム編ではアリカとマシロくんの内的成長に痺れっ放しでした。真白姫のカラクリ、全HiME集結というインパクト、楯の鉄拳で立ち上がるマシロくん・・・後から考えれば「コレしかない」という話なのに、当時は想像も出来なかった怒涛の展開も良かった。構成・脚本・作画・演出の全ての点において、単なるメディアミックス作品ではない凄まじい完成度を誇っていたと思います。難を言えば、アニメよりも巨乳率が高くなっていたことなんですが・・・まぁ、それは個人的な趣味ですし、佐藤先生の魅力は胸よりも太ももにこそあるとも言えますし(笑)




 面白かった。一年間、ノンストップで楽しませてもらいました。
 佐藤先生には実質2年間走り続けてもらったワケで、ゆっくりと休んでもらいたいのですが・・・REDで連載がすぐに始まる上に、秋からはまたチャンピオンに戻ってくるそうで・・・OVAとの兼ね合いっぽいですが、OVAだって集中的に発売するワケじゃないでしょうし、どういったカタチの掲載になるんでしょうかね・・・連載2つ掛け持ちなんかして、倒れなきゃイイんですけど。


 ではでは、佐藤先生、樋口先生、吉野先生―――その他の、この作品に関わった全てのスタッフに「お疲れ様」と「ありがとうございます」。次回作も期待をして待っていますよ。それでは。


 





自作漫画を描いています
▲ 『ちのしあわせ家族』連載中。よろしければどうぞ。


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