【漫画版『舞-HiME』感想】
 
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 漫画もアニメも観終わって―――僕にとって『舞-HiME』とは何だったのか? 





舞-HiME 1巻
キムラノボル/佐藤健悦
監修:谷口悟朗
構成協力:吉野弘幸
秋田書店・チャンピオンコミックス
2004年11月11日・発売
超能力バトル・学園・萌え
※ この記事は2005年の9月に前サイトでアップされたものに追記したものです

 最終巻発売が近いので、ようやく『舞-HiME』を読み始めました。新作が既に始まっているのにね・・・・・・まぁ、それはそれとして楽しんでいきましょう。

 アニメ版は未見なので、アニメとそうとう設定が違うことで怒っているファンも多かったらしいですね。アニメには「鍵」が出てこない? 漫画版から入った人にとっては、それでどうやって話を作ったんだろうと不思議ではありますが・・・・・・



 実は本誌連載の頃、1話を読んで見限って〜3巻辺りの内容までスルーしていたんですよ。「メディアミックスに踊らされた単なる萌え漫画だろう」って甘く見ていまして。その主な原因は“設定が分かりにくいこと”でした。1話を見ても、誰が敵か味方か分からず、エレメントとかHiMEとかチャイルドとか、専門用語がわんさか出てくる割に説明も禄にされてないし・・・・・で。そもそも何で学園なんだよとか、能力に説明なしかよってツッコミどころが多くて。


 今回1話から読み直してみてもその印象は変わらなかったんで、超能力バトル漫画としては―――それほど誉められたものではないんでしょうが。そういう設定を無視できるくらいハッチャけた漫画読みの人には、非常に読みやすいテンポで進んでいたことが分かりました。

 というのも、メディアミックス主導により、これだけ多くの女性キャラがいるのに―――さほど混乱させずに順序よく登場させられているなぁという印象を受けたからです。最初は祐一と舞衣、なつきという狭い世界から始まり(3人)、真白を通して対オーファン部隊を登場させ、それに対抗させる勢力として生徒会執行部率いる部隊が登場―――という順序。
 徐々に規模を上げることで、“個人の知り合い”から“クラス”、“学校全体”へと広げていっているのが心地良いです。いわゆる“転校生モノ”の王道路線をしっかり押さえているんですよね。徐々に設定が出始め、なかなかに面白くなってきたところで次巻―――


<以下、ポイント感想>
 ○ 実質初登場の回で脱がされるあかねちゃん
 服だけ溶かすオーファンというだけでもナイスなのに、靴は残っているというのがポイント高いです。ゴムが切れて髪型が変わるのも、服を脱がす以上にエロイと思いました。舞衣と被っていたけど。
 あかねちゃん可愛いです。せっせと編み物してるトコとか。カズくんの描かれてるコマに必ず隅っこで赤くなってるトコとか。

 ○ 珠洲城遥のニーソがエロい
 ニーソって太ももをエロく見せるためだけに存在してると思う。
 まぁ、そんなことはどうでも良いんですが。やっぱり学園モノにはこういうキャラが必要ですよね。今の段階では勢力関係が見えませんが・・・・楽観主義の理事長(真白)率いる対オーファン部隊と、生徒会主導のオリHiME隊に別れてて。その生徒会の中でも、影で暗躍する生徒会長(静留)と行動派の執行部長(遥)がとりあえず共闘してるってトコですか。

 僕はこの“生徒会”という要素が相当好きなんで、彼女らにスポット当たるのは嬉しい限り。同じ学園内の生徒同士で暗躍したり、共謀したり、陰で対立していたり・・・・そういう未成年ながらの政治パート(というかコネクションの奪い合い)が描ける生徒会って、すっごく燃えるシチュエーションだと思うんですよねー。

 ○ 脱ぎかけのパンツはもっとエロイ
 何か・・・エロにしか言及していない気がするが(笑)
 奈緒、初登場でパンツ脱いで尻全開。よく見たらコイツもニーソじゃないか。ニーソでパンツだけ脱いで、跨がれるって・・・・凄い絵だな。まぁ、このままスンナリいく訳がないとは誰もが思うでしょうけど・・・・・・

 関係ないけど、胸のサイズだけで言ったら奈緒くらいが一番タイプです(だから何だ)



※ 追記:アニメ版を観終わって以後の感想
 細かいことなんですが・・・アニメに出てきた舞台、プールとか裏山なんかがちゃんと同じデザインで出てくるのはファンにとっては嬉しい心配りですね。
 作画の方は・・・まだまだこなれていない感じで、目とか鼻のバランスがイマイチ悪いのが目立つんですが。なつきだけはやけに丁寧に描き込まれているなぁという印象。

 何度読んでも設定説明を疎かにしててとっつきにくいなぁと思うんですが、それを全て吹き飛ばす珠洲城遥のキャラがさすがです。漫画版はこのコの登場と存在から全てが始まっていると言っても過言でないくらい。








舞-HiME 2巻 
キムラノボル/佐藤健悦
監修:谷口悟朗
構成協力:吉野弘幸
秋田書店・チャンピオンコミックス
2005年2月8日・発売
超能力バトル・学園・萌え
※ この記事は2005年の9月に前サイトでアップされたものに追記したものです

 理事長vs生徒会長の代理戦争となった、対オーファン部隊vsオリHiME隊の対決を収録。
 この辺り、チラホラとチャンピオンで読んだ時は「ゴチャゴチャしてよく分からん」という感想しか持ってませんでした。今回読み直しても同じような感想でした(笑) 超巨大なチャイルドを描写できるようなページ数がなかったためなのか、互いの距離感が分からないままゴリ押しと説明台詞で済ませてしまうバトル描写はちょっとヤバめ・・・・・

 ただ。この段階では、主人公チームの掘り下げをしてるだけなんですよね。
 奈緒戦で舞衣の、晶戦でミコトの、三姉妹戦であかねちゃんの堀り下げをして―――最後の決戦となった遥vs舞衣にて、割り込んだなつきとのチームワークを描くことによって主人公チームの結束を描写。この構成は“来るべき急展開への準備段階”なので、ここの展開自体にケチをつけるのは違かったなーと(心理描写とか、エロシーンにダメ出しするなら理解できますが)


 ○ 結城奈緒&レイプ魔 vs 鴇羽舞衣&楯祐一
 逆レイプ失敗のまま、体育倉庫ぶち壊すわ、レイプ魔と抱き合ってチャイルド召還するわ、ノーパン・ニーソ・ミニスカで飛び回るわ。結城奈緒、暴れまくり。因縁や背負ってる者の重みは祐一vsレイプ魔の方が大きいだろうに、それを消し飛ばすような女の戦いが熱かった!

 一方のヒロイン:舞衣もしっかりとポイントを抑えた縛られ方でグッド。僕は巨乳属性ではないんでどうも思わなかったですけど、ちゃんと胸の上下を縛ったり、太もものムチムチ感を出したり―――あぁ、分かってるなあというエロ作画。

 おかげでバトル描写が尻切れトンボなんですが―――舞衣→祐一の信頼描写が熱く、感動的だったから万事OK。「好きな飲み物も知らない・・・」を、ここに絡めてきたのは流石だなぁ。こういう細かい台詞を、大筋のドラマに絡められるのがキムラノボルのシナリオなのです。あっつい。


 ○ 晶 vs 美袋命
 名前すら出てきてないな、晶・・・・・・あれ?後々に「女だったのか!?」って台詞があったと思うけど、フツーに「謎のくノ一!」って名乗ってるね。てゆうか、自分で“謎の”って名乗るなよ。自分の事情くらい知っとけ(笑)

 チャイルドが出てこないおかげなのか、この二人のバトルは観やすくて迫力あって楽しかった。いつものほほんとしてるミコトが実は「対オーファン部隊最強」というのも熱いし、その台詞とともにミロクの力を解放していく作画も抜群。その上、晶を助けるミコトを描くことで、ミコトと舞衣の絆まで描く心配り。


 その裏で、執行部長の思惑が徐々に出てきました。
 ドロドロした権力争いと、純粋に仲間を想うミコト(と、後のなつき)の対比になってるのも上手い。


 ○ 目盛三姉妹 vs 日暮あかね
 あかねちゃんで1話。
 当時の感想サイトをまわってみたら、どうやらアニメとのタイアップでこのタイミングに入れてきた1話だったみたいで。まぁ、違和感は拭えないんですが・・・・「あたしには何もなかった」というあかねちゃんを、カズくんが「違う!あかねちゃんはいいところをいっぱい持ってる!!」と裏っ返して肯定するのが熱かったです。ていうか、考えると『舞-HiME』のシナリオって“タメてタメて裏っ返してカタルシス”ってパターンを繰り返してるだけなんだな・・・・・


 
「あたしには何もなかった・・・・自慢できることが何もなかった・・・
 玖我さんみたいに美人じゃない・・・舞衣ちゃんみたいに胸も大きくない・・・ミコトちゃんみたいに強くもない」


 なんてこった。舞衣の存在意義って巨乳だけなんだ・・・・・(笑)


 ○ 珠洲城遥&菊川雪之 vs 鴇羽舞衣&楯祐一&玖我なつき
 上で述べたように、大ゴマを使えない短期連載のウィークポイント(=デカいチャイルドの動きが分かりにくい)が出てしまったバトル描写なんですが。
 理事長と生徒会長の腹の探りあい、執行部長の下克上とキャラ立ち、刺客を退けて一丸となっていった対オーファン部隊の絆、二重チャイルドによる多面攻撃の脅威と、最後の最後で駆けつけるなつき―――と、シナリオ面では「これで盛り上がらなきゃどこで盛り上がる!?」ってほどに詰め込んできています。

 リフレクタービット展開!!
 これは『ZZ』好きの僕としては燃える攻撃ですよ。プルツーのサイコMK-IIがクソ強かったんだ、これが。なつきもブライト口調で「デュラン!!てエ!!」と叫んでるし、ノリはすっかりスパロボのそれですね。これもサンライズだから許される業なのか。



 ○ 杉浦碧登場!!
 真白の真意を知った静留は、対オーファン部隊とオリHiME隊の合併を承諾。
 この段階では真白の真意は読者には知らされてないので「なんじゃそりゃー」なんですが、後々から読み返してみると「ナルホド」という展開。その後のゼーレっぽい人達(何故ぬいぐるみ??)の会話も、単なるエヴァ劣化パロみたいな感じかと思いきや、後々の重要な伏線になってるのか・・・でも、これってオンタイムの読者はやきもきしたでしょうね。

 そんな中、碧さん登場。これで味方チームは全員出揃いましたね。
 敵味方に分かれて全員掘り下げ終わったところでのVIP待遇での登場か・・・と、歌が流れた際には最初にJASRAC表記を探してしまう僕は、ページをめくったら必殺技名になっていて爆笑してしまいました。


 伏線詰め込んで、味方チーム掘り下げ終わって次巻へ。
 ちょっと詰め込みすぎな気もしますが、個人的にはこのくらいのテンポは好みです。



※ 追記:アニメ版を観終わって以後の感想
 1巻はオーファン戦がメインでイマイチだったんですが、2巻は対人戦がメインなので燃えてきます。アニメ版では敢えて対人戦を終盤まで描かずに進めていたんですが、漫画版では初期の段階で対人戦に移行していたワケで・・・尺の違いなんかも理由の一つなんでしょうが、少年漫画としてのキャラ掘り下げ方を理解しつつの、切り口の違いがなかなか面白いです。

 まだまだ覚醒前とは言え、舞衣vs奈緒は熱い。「何も知らない」の裏っ返し方なんか流石だなぁ・・・と。あと、これをモニターしていた雪之のエレメント、アニメ版のダイアナに酷似してるなぁと思っていたんですが―――アニメの公式サイトを見る限り、モニターはエレメントが行っていて、撮影と迷彩がチャイルドでやっていたみたい。
 この時期はまだアニメが始まった直後でしょうから、もちろん雪之がHiMEであることは明かされてないんですが・・・後々アニメで雪之がダイアナ呼んだときに、「あ!漫画版と同じデザインだ!」と思えるようにしてあったということか・・・単に別個にデザインする余裕がなかったのかも知れませんが(笑)

 命・遥・碧には必殺技名が出てきました。アニメ版と違って少年漫画のノリにしようという試みだったんでしょうが、コレが『舞-乙HiME』の美力発動→ウソ解説に繋がるんだから何がどうなるか分からんもんです。

 それと―――アニメではHiMEでない遥、漫画版ではHiMEの痣がどこにあるのかと思ったら・・・オデコなんですね。女のコとして可哀想な気が・・・全くしないのが、さすが珠洲城遥といったところか。遥のエレメントにチューする雪之といい、執行部コンビが漫画を席巻していますね。









舞-HiME 3巻
キムラノボル/佐藤健悦
監修:谷口悟朗
構成協力:吉野弘幸
秋田書店・チャンピオンコミックス
2005年3月8日・発売
超能力バトル・学園・萌え
※ この記事は2005年の10月に前サイトでアップされたものに追記したものです

 表紙はミコト。裏表紙に舞衣。
 これまでカラー絵に不安のあった佐藤健悦ですが、この辺りから“画伯”になりつつあったような。書店でこの表紙を見た時は「化けてきたなぁ」と思ったもんです。最近のチャンピオンについていた『舞-乙HiME』ポスターなんか、アニメの絵の路線とまた別方向で美しく出来ていたし、白黒原稿もカラー原稿も、『舞-HiME』連載中の1年で劇的に進化したことの証明になっていると思います。

 本編の漫画の方も、シアーズ連中が登場した辺りから線がスマートになった印象。それまで「よく分からんなぁ」という絵が多かったのだけど、「見せ方」に遊びが出てきたというか、深優が凪をぶった斬るシーンとかムチャクチャ格好良かったもんなぁ。


 キムラノボル氏曰く、「2巻が執行部編なら3巻はバラエティ編」との通り。ゴチャゴチャ話が行ったり来たりで、2巻までの猛烈なスピードは損なわれている印象。これはアニメとの兼ね合いや差別化などの複雑な事情があってのことだろうけど、そういう回にも実はなつきの微妙な心理の変化が描かれてたり、伏線が張られていたり、4巻の“覚醒”までの下地をキチッと作ってあったことを確認しました。

 なるほどなぁ・・・・・「抜いているような回」でも、ちゃんとこうやって構成の一部にさせることが出来るんだなぁ。勉強になります。


 ○ リーダー碧とメンバーの関係描きなおしの回(18話・19話)
 2巻のラストで登場してその強さを見せ付けたリーダー。
 今度はその心情描写と、周囲との関係性を読者に提示する回―――と思いきや、いきなり女性陣5人が全裸(笑) 乳首券のムダ使いだ!

 まぁ・・・・どうなんでしょう。僕は流石にこの年齢なんで「乳首が描かれてる」ことに悦びも幻滅もしないんですが、女のコとかは嫌がるもんなんでしょうか。特に『舞-HiME』アニメは女のコも観てたって言うし・・・・・・

 それはそうと。なつき&奈緒が脱いだら意外に貧乳じゃなかったんでガッカリしました(笑)
 胸とかお尻よりも、ロングヘアーのコがお風呂入るときに髪まとめる姿と、それで見えるうなじが僕はとっても好きです。



 このエピソード、リーダーと奈緒に焦点が当たっているべきなんでしょうが・・・・一番印象に残っているのは珠洲城遥でした。でも、ちゃんとこの場にいる6人のそれぞれの関係性を描けているのは凄いですね。その分、この場面にいないミコトなんかは蚊帳の外なんですが・・・・



 ○ ミコトと晶の話(20話)
 かつて敵として戦った二人の共闘、晶の目的、祐一に凪のことを話してしまうなつき、オーファンに自分を重ねてしまうミコトの心理、チャイルドの攻撃が効かない凪―――と、なんだか情報過多な回だなぁ。
 でも、バトルとかオーファンのこととかよりも、この回で描かれているのはミコト・晶の関係と、なつき・祐一の関係の深化ですよね。だから、何だか話が進んでいないように思えるんですが、実はこの描写が後々重要になってくるという・・・・・・


 そう言えば、ミコト役の清水愛さんのインタビューあり。
 
「(ミコトは)私と似ているかもしれません。大きい胸も好きです。ちっちゃくてもいいんですけど(笑)」とのこと。なんでか、むっさ興奮しました。



 ○ 舞衣と祐一のラブラブ話(21話・22話)
 前回を踏まえて、対オーファンから一歩離脱するミコト。
 祐一の誕生日に向けてエロ妄想するなつき。
 そうか・・・・この「オレ巨乳派だから」の夢を見て僕は「なつきは貧乳コンプレックス」と思ったのですが、貧乳どうのというよりは“舞衣と比べて”のコンプレックスな気がしますね。でも、マジメな話。ああゆう紐系の衣装は巨乳だと下品にしかならないので、貧乳っこ向けだと思いますよ(今回の感想、胸のことしか書いてねーな・汗)


 舞衣と離れ離れでめそめそしているミコトを、真白がなでなでしているコマが萌えました。



 ○ PRINCESS登場
 とまぁ・・・珠洲城遥戦以降はゆったりした展開が続いていたんですが、ここに来て一気に加速。ようやく舞衣と祐一がくっ付けるかと思いきや、満を持しての詩帆の登場で暗転。これまで唯一の悪だった凪を撃破―――そして、そのまま真白が拘束され学園が混乱したまま新体制に移っていくという急展開が続きます。この頃、どんどん作画が洗練されていったのも注目ポイントですね。

 特に24話「ナッキーパンチ」と25話「おわりとはじまり」の密度は凄まじいです。
 メイドなつきとか、反則的なツンデレ具合とか、真白の真意を探るトコとか―――これまでのなつきの描写を踏襲し、その上で舞衣と祐一のことを知ってしまったなつきはデュランを出せなくなるという。ミコトに続いてなつきも離脱したことで、対オーファン部隊は次々と戦力を失ってしまいます。
 それはそうと、何気に奈緒がリーダーの言うことを聞いているってのが可愛いですね。その後、レイプ男に「あんたとは終わった」と言っているのは、まさか碧×奈緒ってことなのか!?


 それにしても、凪の首チョンパは他の少年誌ではかなり際どい描写ですよね。ちゃんと切断面の骨まで描かれていますし。それでも、鮮血具合や、本がバラバラになってページが舞う様とか、深優のおみ足とか、ホントこの見開きは「美麗」の一言。
 乳首は別にどうでも良いですが、ある程度の“グロ”は殺し合い漫画には必要なんですよ。じゃないと迫力出ないですし、「それを規制してもカッコ良い絵が描けなきゃダメ」というと、マンガ家はどんどん可能性を奪われていくんじゃないでしょうか。



 さてさて。シアーズ猛攻後の展開は、というと。
 珠洲城遥の生徒会選挙ネタも面白かったし、この後の奈緒vs深優も迫力十分で、いよいよノってきた感じですね。これまで“攻め”一辺倒だった奈緒が半裸に剥かれていたのはエロかったです(笑)


 それにしても・・・・・チャンピオン掲載時には「チャイルドが死んだら鍵も一緒に死んじゃう」だった台詞が、何故だか「鍵も一緒に死んじゃう」に省略されたのは一体。この台詞、舞衣と祐一を離別させる重要な台詞だったのに・・・・・・これでは意味が伝わりにくくないかなぁ。

 それでも3元中継を負荷なく読ませるネームの構成はお見事。


 
追記:どうやら版数が進んだ巻では、183ページの半裸の奈緒の横のコマ――ジュリアが深優にぶった斬られているコマに詩帆の台詞「そのチャイルドが死ぬと・・・」が挿入されているらしいです。(確認が取れたのは4版)
 情報提供サンクスです!



※ 更に追記:アニメ版を観終わって以後の感想
 4巻の覚醒に向けて、繋ぎの巻みたいな位置づけではあるんですが・・・作画が急激に成長してきたのに合わせ、アニメに先行させてのアリッサ、深優、詩帆、紫子の登場―――と、漫画版が独自路線に突っ走ってきました。
 これはアニメ版にも言えることなんですが、深優が飛びぬけて脅威になっているのが、作品全体にグッと緊張感増してくるので―――『舞-HiME』のスタートはここからと言ってもいいくらい。

 そういや・・・『舞-乙HiME』のネットラジオで菊地美香が「私・・・(なつき役の千葉)紗子さんのマネができるよ」と言ったのを聞くまで気付いてなかったんですが、漫画版のなつき母である玖我紗江子という名前の元ネタは千葉紗子だったのですね。アニメ版ではずっと「ドクター玖我」だったもんな。

 あ、あと。1コマだけ迫水が出てますね。






舞-HiME 4巻
キムラノボル/佐藤健悦
監修:谷口悟朗
構成協力:吉野弘幸
秋田書店・チャンピオンコミックス
2005年7月8日・発売
超能力バトル・学園・萌え
※ この記事は2005年の10月に前サイトでアップされたものに追記したものです

 反撃の始まり!!
 フラストレーション溜まりまくりだった3巻の展開も、全てこの巻のためだったと言えるほどに―――否、1巻から続く全ての展開・謎・伏線はこの巻のためにあったとも言えるほどに凝縮されたムチャクチャに熱い巻。コレを読まずして漫画界の2005年を語るんじゃねえって言いたいほどです。チャンピオン連載時、何十回と立ち読みしたあのシーン―――今回読み直した際にも、また泣きました。


 表紙は真白とアリッサの百合チックなゴスロリ少女2人。裏表紙は奈緒。
 舞衣・なつき・ミコト・・・・と来たから真白ってことなんでしょうが、この巻で最も重要な真白vsアリッサ戦にちゃんと着目した上での表紙になっています。制作側も分かっています、この漫画が何を描いていたのか・・・・・・・



 ○ 楯祐一の帰還
 オーファンと戦わなくなったミコト、なつきのデュラン消滅、真白と二三の失踪、奈緒の敗北、舞衣と祐一の離別・・・・・・と、対オーファン部隊は実質的に消滅したも同然。残ってるのはリーダーと、珠洲城遥と、あかねちゃん組だけか。

 その上、深優のムテキっぷりと、PRINCESSを増やして対オーファン部隊を骨抜きにしていくなつき母(紗江子)の策略がハマリ・・・・・・読者としても辛い展開が続いてきたところに、真白から祐一に電話が。リーダーでもなく、舞衣でもなく、なつきでもなく、最初に連絡をとったのが祐一というのが熱い。
 
「鴇羽さんや玖我さんは関係ありません!!―――あなたはどうしたいのですか?
 真実から目をそらし、耳をふさぎ、かつての仲間や友人を忘れて、頭のいい生き方をするのですか? もう一度聞きます ―――あなたはどうしたいのですか?」


 実は・・・・漫画版『舞-HiME』第1話を読んだ時、僕は「この鍵って設定はあざといなぁ」と思ったのです。戦うのは女のコ達とスタンドなのに、そのスタンドを出現させるためだけに男キャラが存在する―――こんなのハーレム状態を作りたいだけじゃないか、単なる萌え漫画じゃないか・・・と思って見限っていたのです。
 だけど、この設定のあざとさすら裏っ返したのが、この祐一帰還のシーンでした。つまり、「単に守られるだけのお姫様」でしかなかった“鍵”=祐一が自らの意思で学園に戻り、シアーズの暴走を止めようとするという。もはや設定上の主人公でも、記号だけのキャラでもなく、楯祐一という一人の人物が動き出した瞬間です。これには痺れた・・・・・・思えば、僕が1週間の漫画で『舞-HiME』が一番楽しみだと公言し始めたのがこの頃。こっから、この漫画の覚醒が始まるのです。


 それと―――1巻から読み返してみて気付きました。真白の「頭のいい生き方をするのですか?」という台詞は、1話で祐一が舞衣とカグツチを初めて召還した際の台詞だったんですね。こういう繋げ方も本当に僕のストライクゾーンを貫いてきます。あぁ、ちくしょう。何故にこうも僕好みな構成を続けてくるのでしょう。


 ○ 家族
 チャンピオン連載時には何とも思わなかったんですが―――コミックスで読み返してみると、舞衣と祐一の離別や真白の復活なんかは“タメ”がちょっと短すぎたかも知れんですねー。その分、裏返された際の爽快感は少なめ。シアーズが学園を占拠してから、もう1〜2イベントを挟んでも良かったかも(まぁ、アニメとの尺の兼ね合いがあったんでしょうが)

 さてさて、そんなこんなで対オーファン部隊の反撃開始。
 この回のサブタイトルが「家族」で、トビラが舞衣・なつき・祐一・ミコトという「擬似家族」―――本編の方は「家族ごっこ」に反発してなつきが母に反抗し、妹から攻撃を受けるという展開。こちらも尺の問題で、舞衣達4人の「擬似家族」っぷりがあんまし描かれていなかったのが残念ですが・・・・・・深優がなつきを圧倒するシーンや、アリッサがブチぎれるシーンなんか迫力十分。なつきのピンチに全員で駆けつけるシーンもカッチョいい。あかねちゃんはいつまで猫耳つけてんだ?



 しかし・・・・・オーファン戦から一歩引いていたミコトも普通に戦ってんのな。
 オーファン相手じゃなきゃ構わないってこと? 別にこのシーンにミコトがいなくても話は成立するし、ミコト視点でその後の展開を考えると・・・・“黒曜の君”戦で、自らの意思で戦線復帰っていうのが一番良かったんじゃないかなぁ。



 ○ ミコトvs舞衣&祐一
 ミコトが対オーファン部隊で最強という設定と、ミコトと舞衣の関係性、また学園を守ろうとする祐一を守るために舞衣が“詩帆から突きつけられた言葉”をようやく乗り越える―――というムチャクチャに凝縮された一戦。カグツチの攻撃は大技でイマイチ画面で楽しめないんですが、各キャラの心理描写に焦点をあてて読むとネームの凄さが分かります。


 その後の詩帆vs舞衣&祐一は、グロいチャイルド描写とぷに萌えが同居していて、作画的にもそのギャップで楽しんでいるような―――これはもう、第1話から飛躍的に成長していった佐藤先生の画力があってこそですよねぇ。
 祐一と詩帆の微妙な関係を一歩引いて理解してあげようとする舞衣の表情が可愛かった。



 ○ 紫子vs珠洲城遥
 あかねちゃん組がシアーズ戦から離脱していたのは、ここで遥を絶賛するためだったのか・・・・乳首券使いまくりなエロ妄想も、静留を人間椅子にしてるトコもまぁエロいっちゃエロイんですが―――その前の、三つ指ついて後ろ髪まとめて首輪つけられている静留が激エロいです。ぶっちゃけ、裸を描かれるよりも、普通の服に首輪つけてる方が数倍エロイと思います(笑)

 しかし・・・・言ってることもやってることもムチャクチャなんだけど、力尽きて倒れる瞬間まで「正義の鉄槌を・・・・」と雪之を支えている彼女はやっぱ憎めないなぁ。ギャグ要員だと思われがちだし、まぁほとんどそんな感じなんだけど、制作サイド(それが監修レベルかシナリオレベルか作画レベルかは知りませんが)は珠洲城遥の“熱さ”とか“正義”もキチッと描くように心がけているんでしょう―――ホント、大好き。このコを抜きにして『舞-HiME』はありえなかったほど。



 ○ 深優vs奈緒&舞衣
 アリッサ敗北にブチキレる深優と、それを倒しに戻ってきた結城奈緒!!
 こんなに熱いシーンなのに、登場からしてパンチラしてる辺りが流石だ。3つも年上の武田先輩の股間を触ってジュリア復活(笑) 「目の前に現れた瑞々しい肉体の魔力には・・・」という武田先輩の台詞が生々しいなぁ。なつきの親衛隊なんかやっていたら生身の女性には触れる機会もなかったろうし、パッと見可愛い後輩から言い寄られたら食いついちゃうよなぁ。

 それはそうと・・・・舞衣に助けられて「感謝はしないよ」とちょっと照れてる奈緒が可愛いです。奈緒関連の話としては男関係のハデさとか素行の悪さばかり目立っているんですが、奈緒→舞衣の微妙な感情の変化とか、奈緒→碧の信頼とか―――結構可愛いトコあるんですよね。こういうのもツンデレって言うのか??



 ○ 漫画史に残る三元同時中継
 3巻のラストも3箇所のやりとりを同時に読ませる展開を見せ、ネーム構成の上手さに舌を巻いたのですが―――それを作品クライマックスたるココでも見せ付けてくれます。「深優vs奈緒&舞衣」、「アリッサvs真白&二三」、「紗江子vsなつき&祐一」を同時に描きつつ、それを横軸で絡めてデュラン復活を単なる復活ではなく、“鍵”の意味として繋げるという物凄い演出。

 アリッサの「どうして私たちの邪魔をするの・・・・」から始まる4コマ―――
 1.アリッサの背後からの視点でロング
 2.真白 顔アップ
 3.アリッサ 更に顔アップ
 4.真白 更にカメラを近づけ―――後ろの二三さんを映すことで“鍵”の意味を暗示

 これはホント、ゾクゾクする構図だなぁ。読者の緊張感をカメラの距離で操り、更にはこれからの台詞を印象付ける意味合いがあるワケです。


 この巻の始めで真白が舞衣やなつきでなく、祐一に電話をかけたのはこういうことなんでしょう。彼女が最初からずっと祐一に期待していたのはこういうことなんでしょう。“鍵”の意味。不可解な設定として始まったこの漫画が―――その設定すらも活かして覚醒した瞬間です。


 そうそう・・・・チャンピオン立ち読み時には「静留は何しに来たんだ」と思ったものでしたが。彼女もデュラン復活に一役買っていたんですね。
 
「なつきはいっつも1人で行動しはるけど・・・・いざというときは、助けに来てくれる人がこんなにおるんえ うちも―――楯はんも―――」
という台詞は、母とアリッサをなつきが拒絶した「第28話:家族」での「―――私は・・・・・ずっと一人だった」という台詞を裏返す意味があったワケで。静留のおかげで一人ではないことに気付けたなつきだからこそ、デュランを復活できたんだと思います。


 そうして・・・・・最後、紗江子の媛星のイヤリングを破壊して「これで・・・・あなたは・・・・・ただの・・・・私の・・・母さ・・・・・」と涙するなつきには、こちらも涙涙。本当に素晴らしい物語を描いてくれました。間違いなく、僕の漫画読みとしての自分史に残る名作だったと思います。



 とまぁ、ここで終わるワケではないんですけどね(笑)
 大宇宙三大美少女が登場して最終巻へ―――



※ 追記:アニメ版を観終わって以後の感想
 この頃アニメが終了ということで、アニメでの最終決戦:舞衣vs命に併せて漫画版も舞衣vs命に。でもまぁ、尺の問題で“タメ”があった分、アニメ版の方が凄まじかったというのは確かですね。漫画版もソレを理解しているから、祐一の方に焦点合わせてきたみたいですし。
 アニメ終了後は、枷がとれたからなのか―――遥の妄想世界や、武田先輩の登場とか、奈緒のツンデレ化とか、かなりハッチャケた遊びが見られます。僕としても、漫画版はこの頃が一番神がかっていたなぁと思います。

 アニメ版を観た後だと、ifの物語として―――祐一がちゃんと漢気を見せればあんな泥沼にはならなかったんだということが分かって面白いですね。奈緒も地下遺跡の件でちゃんと碧とイベント起こしていた分、やけに協力的になったワケですし。アニメには出来なかった展開を、同じキャラで描くという・・・メディアミックスの究極のカタチを見せてもらえたワケで。ホント商売上手だったんだなぁ。








舞-HiME 5巻
キムラノボル/佐藤健悦
監修:谷口悟朗
構成協力:吉野弘幸
秋田書店・チャンピオンコミックス
2005年9月8日・発売
超能力バトル・学園・萌え
※ この記事は2005年の10月に前サイトでアップされたものに追記したもので

 媛星からやって来た宇宙三大美少女と、ついに目覚めた黒曜の君!
 シアーズ戦がカンペキな内容だったので、正直なトコ黒曜の君戦は大味で力技で押し切ったような印象があるんですが―――キャラメインのバトル漫画として、力を合わせて巨大な悪を倒す!!って王道燃え展開を踏んでいるのは、少年漫画としてもサンライズ発のメディアミックス作品としても正解だったと思います。奈緒にしろ、遥にしろ、序盤で敵対していた勢力と相互理解イベントを踏んでの(遥は踏んだかビミョーだけど)共闘というのは燃えますよ!

 表紙はようやく楯祐一メインの、舞衣・なつきを対比させての構図。
 裏表紙は碧。


 ○ シアーズ戦決着後
 
「!? いっけない!!忘れてた!!」(byあかねちゃん&カズくん)

 あかねちゃ―――ん!!
 いやいや、幾らなんでもおかしいだろ。なつきを助けるために舞衣や祐一なんかと理事長室に乗り込んで、地下遺跡を守らなきゃって一同が追いかけたというのにも関わらず。何で金魚すくいなんかやってんの!!

 これ、「忘れてたのが作者です」ってのが普通のパターンだと思うのですが・・・・・実は遥の妄想の中で二人は描かれているんですよね。味方キャラと敵キャラの数を考えて、奈緒の復活とかを計算していった結果―――どう考えても見せ場を作れず、「忘れてたことにしちまえ!」と開き直ったというのが真実ではなかろうか。


 この後の黒曜の君戦でバリア張る役として出てくるのは良いけど、それにしても見せ場がほとんどなくなってしまったなぁ・・・・・序盤はあれだけメインだったのに。人気がなかったから出番失ったと考えるにしても―――チョイ役としてはバシバシ出てたし、何よりアニメ版の次回作では結構メインクラスのキャラだったりするんですよね。序盤でカップル成立したせいで、ストーリーに組み込みにくかったとか??



 ○ 46億年前
 状況がさっぱり分からんけど・・・・・マリーアントワネットと楊貴妃に46億年前の戦士たちはズタボロにされて、その戦士たちがたまたま現在の戦士たちと似ていたってこと? いや、そう考えるよりはHiMEの力を持つ者として、廻りまわって生まれ変わった―――みたいな解釈の方が美しくはありますね。
 そう考えると・・・・なつきに似た戦士が腕輪をしていて、舞衣に似た戦士が小型の銃のようなもので戦っているというのが意味深く思えます。二人は元々似たような存在で、たまたま現在の境遇がこういう形だったからこう生まれてきたんだってことかな?


 それにしても―――黒曜の君の目的が世界の浄化なら、46億年前に生物を滅ぼして地球がリスタートしているんだから、そこで目的達成してるんじゃないの? それとも、その後に人類が生まれた際にも媛星は地球を追い出され、再び戦うことになった―――ということ? うーん?
 次回作『舞-乙HiME』のアニメ版1話で「この辺は地球時代の文明が残っている」というような台詞もあったことを考えると、舞-HiMEって時代を超越した壮大なサーガなんだと考えることも出来ますが・・・・・流石に、これが何年も続いて第3弾・第4弾と続かれたらアレだなぁ・・・・・・・


 黒曜の君のことを聞かされて、イチ抜けしようとする奈緒はイイキャラしてる。こういうコがいないと、全部が全部ストーリーに沿ったキャラしかいなくて物足りなく思えますしね。どさくさに紛れて逃げようとしてる武田先輩にも笑った。アナタの大切ななつきさんが死んじゃいますよ!!


 ○ 晶くんって深優とキャラ被ってるよね
 晶くんごときに乳首券は使えない!とばかりに、半裸に剥かれても乳首描写がない―――と思ったら、その後の舞衣の回想でめっさ描かれてました。サラシ巻いてる状態では期待していたのですが、剥いてみたら貧乳ではなくて残念でした。

 なつきも奈緒も脱いだら結構あったし、佐藤先生の描く女のコって着やせするコばっかですか。そう考えると、ミコトが漫画版ではいまいちパッとしなかった理由が分からんでも・・・・



 ○ 深優vs凪
 凪は最後までこんな扱いか・・・・・・
 サンライズの作品は、一機の試作機>大量生産された量産機という伝統があるので。複数登場した時点で、たいした見せ場もないのは決まっていた―――って、それは深優も一緒か。ヘビーアームズ状態に笑いました。

 最終回で凪が生き残っていたのは・・・・・・なんで??


 ○ 祐一・なつきvs舞衣
 黒曜バージョンの黒いカグツチと、愛に目覚めてパワーアップした金色のデュランの対決。スタンドバトルは大技ばっかでよう分からんのですが、「家族を失うことを恐れた」舞衣と「家族を得た」なつきの対比が素晴らしかった。欲を言えば、「家族」でこの二人の対決を締めるんであれば、序盤でもっと「擬似家族」の描写を入れておけば感動も二倍増しだったのに・・・・・
 まぁ、初連載コンビですからね、序盤からそこまでを期待しても編集部的にはNGが出るってこともあったでしょうし・・・・・・・


 それはそうと。巧海が舞衣に着替えをさせたと思ったら、スカートがフリフリ・ニーソックス・肩パットというよく分からん趣味に。巧海を裏切ったとたんに肩パットが破裂するんですが、スカートまで元に戻っているのは何故・・・・・・・本来ならブレザーもスカートもニーソも破裂して半裸になるべきではないですか!!(熱弁)


 ○ 遥・雪之・碧vsマリー・アントワネット
 超絶破壊力コンビと、凶悪な再生能力を持った敵との対決。チャンピオン連載時は触手緊縛ばかりに目を奪われてましたが(笑)、今読み返すと「学園に残った静留」と「学園を守るために戦う遥」の物語としてのクライマックスだったんですね。

 身を挺して学園を守って遥が自爆した後、生徒会執行部の腕章を静留が拾うシーンは遥が本当に死んでたら物凄い名シーンだったことでしょう。いや、死んどけば良かったとかそういう意味ではなくて。


 ○ ミコト・奈緒・晶vs楊貴妃
 中学生トリオ。この3人の共闘は熱い!
 対する楊貴妃はエレメントを消滅させる能力。これで中学生トリオはエレメントを何度も出さなきゃいけなくて、どんどん体力を消耗しちゃうんだけど―――鉄の意志で起き上がり続ける!って、アレ・・・・・・武田先輩は? ジュリアが出てるってことは、その度に武田先輩に触っているはずなんですが。

 ミコトが「舞衣のために」と熱くなるのはともかく、奈緒なんかは何故そこまで戦うのかイマイチ描かれていないためにちょっと消化不良。でも、半裸になりながら必死に戦う奈緒は、ヘアピン効果もありまして、すげー可愛い。この最終巻の間に、どんどん可愛くなってるじゃないか。もうちょっと、奈緒視点でも「奈緒-舞衣」とか「奈緒-ミコト」とか「奈緒-碧」なんかの関係性構築の流れで描いて欲しかったかも。


 ○ 真白・二三vs巧海
 二三さんが大ガマを持っているんですが、これって二三さんのエレメント? 彼女は真白の鍵でもあってHiMEでもあるんですかね。もしくは、これはエレメントではなく生身の武器で、わざわざ学園から持ってきたとか(笑)
 真白のホワイトラビット、二匹は銃を持っていますが、一匹はピコピコハンマー、一匹はハリセンです。戦闘能力のないチャイルドだとしても、これでラスボスに勝とうとしていたのか!?そりゃあんまりだ。

 
「ボクは幼女に手を出す趣味はないですから」と巧海くん。
 実の姉貴には手を出そうとしてたような・・・・・・・


 
※ 追記:次回作『舞-乙HiME』を読むと、二三さんの大ガマについては多少考察の余地が出来たかも。どうやらホントに学園から持ってきたみたい(笑)


 ○ 舞衣・なつき・祐一vs巧海
 というワケでラストバトル。
 巧海がずっと抱えていた孤独や劣等感をちゃんと描写して、なおかつ最後は祐一に“剣道家”として剣を握らせ、舞衣となつきに脇を固めさせるという磐石の展開。要所を押さえているがゆえに地味だけど、最終決戦としてはコレしかないって描き方ですね。
 カグツチの剣は46億年前のデザインと一緒なのかと思って読み返したらベツモノでした。ん・・・・ここは何で? そもそも46億年前にはチャイルドはいなかったのかな。チャイルドらしきものがやられてる描写はあるんですが、チャイルドが死んだら鍵も死ぬ設定なんだから、祐一っぽい戦士が生きているワケもないし。

 そうそう。シアーズ戦でアレだけポイントになった「チャイルドが死んだら鍵も死ぬ」をバトル描写に加えられなかったのは激しく残念。まぁ、加えていたらここまでのテンポで突き抜けることは出来なかったでしょうが・・・・・緊張感を加えるためにも、読者に思い出させるくらいの演出は欲しかったなぁ。



 ○ 最終回
 珠洲城遥はネタだろうと一発で分かったけど、インコはマジで死んだのかと思った。
 碧と葉子センセイの関係はエロイですね。いや、大人の友情だってコトは分かっていますが、それでも大人の女性の百合ってものを考えてみたくなるじゃないですか!十代のソレよりも、更にエロイと思います。

 静留の髪を結んでる紐が、ちゃんと粛清フラッシャーで吹っ飛んで髪が下ろされるんですよね。ムダに芸が細かい。

 原田・瀬能の一般人コンビもちゃんと描かれてますね。

 深優は学園に入るのか・・・・・・まぁ、「家族」物語の帰結点としては素晴らしいのですが、彼女に殺されたレイプ男の立場は。何だか振り返ってみると、あの男だけはこの漫画の世界観(学園の雰囲気)から浮いていたなぁ。

 ミコト・奈緒・晶の3人は仲良くなったなぁ・・・・・・この3人の関係は素晴らしく萌えるんだけど、この3人って同学年なの? ミコトと奈緒は中3で、巧海は13年しか生きてないはずだから、巧海と同じクラスに潜入してた晶くんとは年が合わないような。
 奈緒のラストの顔は、小手川漫画のデフォルメみたいで可愛い。この路線は次回作『舞-乙HiME』でも活かされることを期待してます。

 あかねちゃん&カズくんは―――別に言うことないや(笑)

 巧海は学園に復帰。いや、そのことよりも中等部の制服が学ランだったことにビックリ。漫画版で中等部の冬服が出てきたのは、詩帆転入時の1コマだけだったはずなので―――読者としても「巧海は学園に復帰するんだ」と理解しにくかったような。

 
※ 追記:メールにて、マリー・アントワネットと楊貴妃が生徒として登校してるとの情報を頂きました。ホントだ・・・・・何度も読み返したのに気付かなかった(武田先輩の横ですね)。しかも、中等部なのかよ!
 凪といい、巧海といい、媛星消滅後は黒曜サイドにいたキャラもカテゴリー無化されたってことなんですね。邪悪さの消えた凪も見てみたいですねえ。
 しかし、シアーズのみならず黒曜サイドも許して学園に編入させる風華学園って偉大ですよね。地球滅亡しかけたというのに。



 舞衣・なつき・祐一は第1話の頃と同じような感じに。
 舞衣がなつきの告白台詞を知っていたのは・・・・何故だろう。あの場にいて、舞衣に報告しそうな人って―――静留?

 で、新たに風華学園に転入してくる生徒として、次回作『舞-乙HiME』の主人公アリカが1コマだけ登場。アニメなんかの場合は最終回に次回作のキャラが登場することは結構あるので、そういうノリなんでしょうが・・・・・・
 アリカが「共学って凄いんですね・・・・・」というのが意味深いですね。『舞-乙HiME』が女子オンリーの学園だってネタでもあるんでしょうけど。多分、それだけではなくて。『舞-HiME』の冒頭で祐一は共学に夢を見て学園にきたワケですし、そこから“鍵”として色んな出会いがあって、苦難もあったけど、それでも「男女が互いに想い合えたから勝ち取れた未来」なワケで。最後を締めるに相応しい台詞だったんです。連載時には気付かなかった。素晴らしい。



 なんだか、ツッコミとか不満とかエロへの反応とかばっかになっちゃいましたが、総じて全5巻ムチャクチャ楽しかったです。徹底された「タメてタメて裏返し」の爽快感とか、初連載で信じられないくらいの画力向上を見せた作画家とか―――凄かった要因は幾つもあるんでしょうが、何よりも魅力的なキャラがここまで多かったことがヒットの最大の理由でないかと。こればっかしはサンライズの戦略勝ち。
 魅力的なキャラという素材を、キムラノボル・佐藤健悦という一流に成長していった料理人が調理したからこそのヒット―――漫画作りの新たな道を切り開いたんじゃないかと思います。

 僕はアニメ版『舞-HiME』は残念ながら見ていなかったんですが、そのリンクとギャップを楽しむことも出来たろうし(序盤はアニメとの差異を叩かれることの方が多かったみたいですが)、次回作『舞-乙HiME』とのリンクなんかも楽しめて・・・・単なる一作品だけでなく、多方向での楽しみが可能だってのも凄い。




 最終巻のラストのページにキムラノボル氏のコメントが載っているんですが、やはりこんなビッグプロジェクトの片翼を担うプレッシャーは凄かったんだというのが分かります。メディアミックス商品だから少しの優遇はあったろうけど、それでも打ち切りの恐怖と戦い、それでいて「これで成し上がってやるぜ!」という野望に燃えられた二人だったからこそ―――この作品のようなパワーが出来たんではないかと。

 「成功させたい」「チャンスをものにしたい」、そんな人達が結束したからこそ結果として出来た奇跡のような作品―――それが漫画版『舞-HiME』だったんではないかと思います。ホント、素晴らしい作品でした。それでは、次回作『舞-乙HiME』が早く単行本になることを待っております。



※ 追記:アニメ版を観終わって以後の感想
 晶くんは、アニメ版と一番立ち位置が違うキャラかも・・・アニメ版じゃ「きゃあああ」なんて言いそうにないもんな。てゆうか、読み返す度に思うのですが、晶くん一派は巧海=黒曜の君というのを覚醒前から知っていたんですかね? なら、さっさと殺しておけば世界滅亡の危機になんざならなかったような・・・

 二三さんの大ガマは、アニメ版で彼女のエレメントとして出てましたね。チャイルドは・・・どうやらアニメ版だと真白の体そのものがチャイルドっぽかったんで、正体が普通の小学生な漫画版では出せなかったということですか。おかげで漫画版では二三さんの存在意義が―――(笑)

 黒いカグツチvs金色のデュラン。アニメ版を観た後だと、力勝負でカグツチをを押し切ったことの意味が全然違って感じれました。その前のなつきのビンタも、アニメ版での二人の関係構築の過程を知っていると更に意味深く。漫画版は祐一メインだったから、舞衣-なつきラインはおろそかになりがちだったのが残念・・・・


 漫画版ではHiME能力のない静留―――アニメ版のようにギスギスし過ぎていない状態で、バシバシ戦う彼女も見たかったですが・・・それは『舞-乙HiME』のほうで補完するとして。個人的には、戦闘能力が皆無ながら裏で戦力集めたりサポートしたりしてる彼女にオンタイムの頃から燃えていました。全員が全員、戦う必要はないのですよ。遥の腕章を拾うシーンがグッときます。



 最終話に出てくるアリカ・・・アニメ版最終話ではセーラー服(中等部の制服)でしたが、こちらではブレザー(高等部の制服)ですね。アリカの年齢設定は14〜15歳くらいだと思ったので、セーラー服の方が正しいカタチなんですけど―――(『舞-HiME THE MOVIE』の予告でもセーラー服でしたし)
 漫画版では尺の問題でイマイチ学園生活を描けなかった分、セーラー服=転校生という印象が出せなかったから、漫画版でも印象強かった高等部の制服にしたのかなぁと・・・








■ 漫画もアニメも観終わって―――僕にとって『舞-HiME』とは何だったのか?

 恐縮ですが、まずは私事から―――
 僕はこの創作サイト『Cサイド』を開設するにあたって、前サイトで書いていた全ての感想コンテンツは置いてくるつもりでした。創作サイトをするのに同分野の優れた作品について感想を書くのは足枷にこそなれ、絶対にプラスにならないことを分かっていたからです。結果的には、『舞-乙HiME』感想・・・というか、『舞-HiME』シリーズの感想だけ持ち越してきたんですが・・・実はコレには理由があります。


 確か・・・アニメ版『舞-乙HiME』の2話目か3話目の感想を書いた頃にもらった一通のメール―――全文転載する許可はとれないんで、僕の方で勝手に要約すると―――

 
アナタは漫画版を贔屓目に見て、アニメ版に対して批判的な感想を書いていますが。世間的には、前作の『舞-HiME』だってアニメ版の方が評価が高いですよ。「漫画版はこうだ」「アニメ版はこうだ」などと言うのではなく、もっと客観的な感想を書いて下さい。


 ってなもんで。
 ハッキリ言って、このメールをもらってから暫くは感想書く気にはなれなかったですね。
 僕としてはアニメ版『舞-乙HiME』の感想を書くにあたって、先行されて始まっていた漫画版『舞-乙HiME』との設定やアプローチの違いを言及しつつ、そのリンクとギャップを楽しんでいたので―――どちらが面白いかなんて、一言も論じたつもりはなかったんですが。
 昔っから叩かれていたように、僕の感想は攻撃的になりがちで、「ここをこうすればもっと面白くなったのに」と書いたつもりが「ここがこうじゃないので駄作だ」と解釈されることが多々ありまして・・・・それはもちろん、読み手を意識した文章が書けない僕の文才と人格に問題があることだってのは間違いないのですし。そうした現実に目をつぶってまで、身分不相応な感想を書き続けることは出来ないや・・・・って思ったのです。

 感想サイトをやっている人にはそれぞれ色んな目的があるでしょうが、僕の場合はただ一つ―――自分が好きなものを「こんなに面白いんだよ」と言うことで、その作品を手に取る人が一人でも多くなれば嬉しいから―――
 『舞-乙HiME』が好きだから感想を書いていたのに、『舞-乙HiME』を好きな人を憤慨させてしまった―――それは、僕が感想サイトを続けていた理由の全てを否定するものでした。



 そして、もう一つ―――
 僕は『舞-HiME』が始まった際、単なる萌え漫画なんだろ・・・と漫画版もアニメ版もスルーしていた負い目があったのです。幸い、チャンピオンは立ち読みし続けていたので、作画が急激に向上し始めた辺りから追いかけ直すことができたんですが、当時既に2月でアニメ版は佳境に入っていたころ。アニメを観続けていた人に尋ねてみたところ、「途中からは絶対に入らない方がいい」とのことだったので、アニメは最後までスルーしていました(このアドバイスを下さった方には物凄く感謝をしています。ホント、途中から入らなくて良かった)
 第2弾として『舞-乙HiME』が始まることを知った時、今度こそ漫画もアニメも追いかけるぞ―――と意気込んでいたのですが、ずっと、前作『舞-HiME』のアニメ版を観ていないくせに『舞-乙HiME』アニメ版の感想を書く資格があるのか・・・と、悩んでいたのです。

 そこを前作の『舞-HiME』だってアニメ版の方が評価が高いですよ。という一言で突かれたワケで。これはもうイコールで、「アナタに感想を書く資格なんてないのですよ」と言われているのと同じようなダメージがあったのです。
 だからもう・・・『舞-乙HiME』の感想を書く気力が果ててしまい。このまま感想を書くことから逃げて、一人で一ファンとして楽しめば良いじゃないかって何度も思いました。



 でも・・・・・

 「鴇羽さんや玖我さんは関係ありません!!―――あなたはどうしたいのですか?
 真実から目をそらし、耳をふさぎ、かつての仲間や友人を忘れて、頭のいい生き方をするのですか? もう一度聞きます ―――あなたはどうしたいのですか?」


 漫画版の真白に言わせれば、こういうことです。
 あぁ、ここで逃げたら二度と『舞-HiME』とは向き合えなくなるし、『舞-HiME』を好きだった日々すら否定することになってしまうんだ。それはとっても悲しいことだし、あの日々に救われて生き続けていられた現在の命すら否定しかねない。そんなのイヤだ。それだったら、「オレは・・・バカで結構だっ!!!」

 だから、アニメ版『舞-HiME』を観よう―――と。


 地元のレンタルビデオ屋には一件も置いてなかったので途方に暮れていたのですが、『舞-乙HiME』の公式サイトから、バンダイチャンネルを使えば全話観れるということが分かり、『Cサイド』の公開が一段落したら観ることを決めました(これが、静止画地獄の始まりにもなるんですが・・・)





 
前置きが長かった。
 
本文はこっからなんで、ここから読んでくださって結構ですよ。


 といった過程を経て、アニメも漫画も『舞-HiME』全話堪能した現在。僕が思ったことは―――
 どちらが面白いかなんて、どうでもいいや

 やっぱ、この気持ちは変わらない・・・『舞-HiME』の漫画版とアニメ版どちらが良いかなんて、カレーのルーとライスどちらが良いかを論じるようなもんで、両方があってこそカレーだろと、その結論だけで全てなんですよ。ルーとライスはもちろん別物で、別物だからこそ一緒に食べるとオイシイ。別々に食べてもオイシイ。そういうことなんです。


 コミックス1巻に載っている古里さんのインタビューでプロデューサー自身が仰っているように、
 「『舞-HiME』は、登場するキャラの魅力に夢中になってもらいたい」ものなんです―――重厚なシナリオと、無駄のない脚本、圧倒的な作画なんかで忘れがちなんですけど。この作品、根本にあるのは“キャラの魅力を描いている”だけなんですよ。だからこそ、あのラストでも多くの視聴者は納得するんですし、中盤のシリアスな展開もキャラを掘り下げる新しい手法の一つだったワケです。


 王道バトル漫画としての漫画版と、謎と鬱と萌えと絶妙なキャラ配置を楽しむ新しいカタチのエンタメだったアニメ版。
 メディアも方向性も尺も違うんですから、キャラの描き方だって全然違います。遥、奈緒、真白、なつきなんかは比較的漫画版の方が見せ場多かったですし、舞衣、命、碧、雪之、紫子なんかはアニメ版の方が見せ場が多かったですよね。

 アニメ版と漫画版でポジションが違うキャラの筆頭といったら静留とか晶くんなんだと思うんですが、どっちが正しい静留か―――なんて議論ではなく、どちらも正しい静留なんですよ。設定と、ちょっとした歯車が違うだけでこんな別の物語になる・・・というifでもありますし、『舞-乙HiME』も含めてキャラ=役者という見方をして、パラレルに動くキャラを見て楽しむことができるってことなんだと思います。


 ブラッド・ピッド主演の映画なんていっぱいありますが、その内のどの役柄が正しいブラッド・ピッドかなんてことはありませんよね。全ての役はブラッド・ピッドであるし、全てが=ブラッド・ピッドではない。




 『舞-HiME』のスターシステムってそういうことなんだと思うのです。
 様々なメディアとアプローチ方法によって、キャラの魅力を多角的に描くのが『舞-HiME』プロジェクト。


 だから・・・漫画版よりもアニメ版が面白いとか、アニメ版よりも漫画版が面白いとか。無理に優劣をつけること自体が凄く虚しいことだと思うのです。

 もちろん、それぞれの人が「自分としてはコッチの方が感動したなー」と思う気持ちを否定はしませんし、それは正しい感情だと思います。でも・・・そんなもん他人に押し付けんなよ。世界中の全ての人が自分と同じ意見になっちゃったら、世界なんてとってもちっぽけなもんになっちまうぞ。良いじゃないですか、自分が好きだったら自分が「好き!」と叫んでいれば。ものの価値は多数決なんかで決められないんですから―――






 ・・・・なんか、どんどん論点ズレていったな。
 要はアレです。僕は『舞-HiME』のシナリオも作画も好きでしたが、それ以上にキャラが大好きだったということです。是非、あおいちゃんと奈緒が同室でどんなやり取りをしていたのかを明かしてもらいたかったです。(何だ、この締め)

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