| 『星のカービィ 夢の泉の物語』(FC/ACT) |
〜2007.3.10 |
|
ファミコン用/2Dアクション
任天堂/開発:HAL研究所
1993.3.23発売
Wiiバーチャルコンソール用
2007.2.27配信開始/500ポイント
公式サイト
|
※ このレビューはWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書かれたものなので、オリジナルのファミコン版や、リメイクされたゲームボーイアドバンス版とは内容が異なっている可能性があります。
このソフトが発売された93年と言えばスーファミ時代も後半に差し掛かり、次世代機の影が見え始めた時代でした。そんな時期に敢えてファミコンにて発売された『星のカービィ』第2弾・・・と簡単に言ってしまうのも抵抗があるくらい、この時期にこのソフトが発売されたのは重い意味があったそうです。
91〜92年と言えば、HAL研究所が大ピンチで(現在は任天堂社長の)岩田さんが社長になった辺り。任天堂のアドバイスと発売でゲームボーイ版初代『星のカービィ』を全世界500万本を売上げ、以後は任天堂のセカンドパーティとして負債を返済していったそうです(この辺りは『ほぼ日』の社長に学べを参照)。
HAL研究所の再建にと込められた熱い想いと、後に天才ゲームクリエイターと称されるようになる桜井政博氏の絶妙なゲームバランスにより、ファミコンの限界に挑んだ完成度とも言える一作でしょう。
|
※ GBAリメイク版 |
○ ファミコンの限界を超えつつ、ファミコンの限界を感じる面も
バーチャルコンソールの「いつでも中断可能」機能があるとさほど恩恵は受けられないかも知れませんが、ファミコンのゲームとしては太っ腹な「各面をクリア後にオートセーブ」というシステムに感動しました。
同じようにワールドマップから2D面に移るゲームの『スーパーマリオワールド』(90年、SFC)や『スーパードンキーコング』(94年、SFC)ですら特定の場所でしかセーブが出来ず、『マリオコレクション』(93年、SFC)に至ってはワールドごとにしか記録できなかったというのに(『マリオ2』のみ各面クリアを記録してくれるけど)。
また、各面には隠し要素もあり、スイッチを押すことで出現するボーナスステージによって攻略を楽に進めることが出来るのも凄いですね。『マリオワールド』のクリア方法によってマップが変わるというシステムには及ばないとは言え、『スーパードンキーコング』の面タイトルに「!」が付くという微妙なのに比べると攻略しがいがあります(笑)
システム面だけでなく、演出や敵の攻撃パターンなどもファミコンとは思えないほど豪華で。豪華すぎて、ファミコン特有の動きがスローモーションになる現象も多々あるのが善し悪しではあるけど・・・いやまぁ、ファミコン当時はこれが普通だったのですが、今見ると「げぇー!スローモーション中にやられた!」とズッコけることも多かったです。動かせないことが分かりつつ、なんであんなにいっぱい敵を出すんだと思っちゃう・・・
ボリュームは2Dアクションゲームの標準くらいですかね。『マリオ3』よりは少ないくらい。クリアに一週間、総プレイ時間は3〜4時間で達成率80%くらいでした。やりこみ要素を無視した力技のプレイだったので、遊ぼうと思えばそれなりの時間にはなりそうかな。どうやら達成率100%にした後のオマケ要素もあるそうなので。
○ アクションゲームの制約と自由さ
アクションゲームの歴史は攻撃のバリエーション増加と、それに伴う制約にあるとも言えると思います。
マントマリオやしっぽマリオで空が飛べるようになっても、そこには「一定距離の助走」が必要だったり。火の玉を投げられるようになっても、全ての敵を倒せるワケじゃなくメットやキラーは倒せないようにバランスが取られていました。そのバランスを理不尽なものに感じさせずに、「あぁ・・・空を飛ぶには助走が必要だもんな」とか「鉄の敵には火が効かないよな」と納得させられるゲームが優れた設定だったんですよね(これは『ゼルダ』や『どうぶつの森』のようにな最近の任天堂ゲームにも受け継がれている精神です)。
その点で言うと、カービィって何でも出来すぎるキャラであってバランスを取るのが難しいように思えます。
まずカービィは空を飛べる。そして、ほとんどのザコ敵は吸い込むことが出来る。その吐き出した勢いでほとんどのザコ敵を倒すことができる。生身では何もできないマリオに比べて、万能すぎて面白くなさそうに思えるんですよ。
でも、そこは「なるほど桜井さんが天才と言われる所以か」と思えるほど絶妙にバランスが取れています。コピー能力を駆使すれば攻略がしやすくなるのに、一つのコピー能力だけでは攻略がしにくいように考えられています。水中だと敵を吸い込めない(コピー能力を付けられない)など、一つのゲームをクリアするために様々なテクニックを要求してくる辺りが心地良いです。
実際、カービィの吸い込める範囲や、星になって跳ねているコピー能力が消えるのが早かったり、遊んでいる時にはイラッとさせられることも多かったんですが―――そうした“微妙にイラッとさせられる”くらいの制限があるからこそ、攻略できた時の爽快感があったりするんですよね。終盤のボス戦なんかは、ほぼ全てのボスが“残りライフ1”の状態で何とか倒したくらい(汗)。凄いバランスだなーと感心しました。
○ ただ、ボス戦には不満も・・・
とは言え、個人的にどうもこのソフトを絶賛し辛いのがボス戦の出来・・・
『マリオ』や『ドンキー』や『ゼルダ』のボス戦もそうなんですが。“ボス敵に何個かの攻撃パターンが設定されていて、その中の一つのパターン中だけこちらからの攻撃が可能なので、その攻撃が来るまでひたすら避け続ける・・・”というボス戦は、2Dアクションとしては退屈だと言わざるを得ないです。RPGの“ボス敵のHPを上げてバランスを保つ”くらい面白味がありません。
ボスの攻撃パターンが派手で面白いからこそ、この一点が残念でなりません。
いやね・・・主観の部分も大きいと思うのですよ。それを言い出すと「どうしてクッパは右端に斧を置いとくんだ」という話になっちゃうんですけど、僕はクッパが斧を置いたりボディプレスの結果穴に落ちていったりするのは納得出来るけど、『マリオワールド』のメカクッパ投げてくるのは納得出来ないというカンジですかね。それをやらなければ主人公は絶対に勝てないという行動を、敢えてしてくるボス敵のアホさが萎えてしまうというか。
というワケで、500円という値段を考えれば気軽に遊べる良作だったと思いますが、他人に薦めたいかというと微妙な気もするなーというのが本音です。もちろん作品の原点だからこその感想なのでしょうから、続編となるスーファミ版が配信されたならチェックしてみようかな。 |