<サイトメニュー> 
トップページ 自作漫画 『ちのしあ』キャラ紹介 日記 他の感想とか 他サイトさん紹介 はじめに読んでほしいページ
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 スタッフ&キャスト |
|
|
<スタッフ>
原作:羽海野チカ (月刊コーラス連載中/集英社)
監督:長井龍雪
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:島村秀一
キャラクター監修:羽海野チカ
総作画監督:兵渡勝
撮影監督:大河内喜夫
編集:西山茂
美術監督:柴田千佳子
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
音楽:DEPAPEPE
:林有三&サロン’68
監修:カサヰケンイチ
OPテーマ:『ふがいないや』 YUKI(EPICレコードジャパン)
EDテーマ:『スプリット』 スネオヘアー(EPICレコードジャパン)
アニメーション制作: J. C. STAFF
<キャスト>
竹本祐太:神谷浩史
花本はぐみ:工藤晴香
森田忍:うえだゆうじ
山田あゆみ: 高橋美佳子
真山巧:杉田智和
花本修司:藤原啓治
原田理花:大原さやか |
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第1話 |
「chapter.1」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:カサヰケンイチ
演出:長井龍雪 作画監督:吉田隆彦 |
|
深夜アニメのバブルが膨らみ続ける中で、原作未完の漫画をアニメ化するケースも増えてきました。開き直って完全オリジナルな決着をさせるものもあれば、作内テーマを決着させて折り合いをつけるもの、ヤケになって最終回っぽくない最終回で押し切るケースなんかがあるかなぁと思います。
この作品も、その例に漏れず未完の漫画のアニメ化ということで―――1期目はキャラ内での葛藤の決着ということに焦点を当て、恋愛関係には決着をつけないままの最終回となりました。アレはアレで、竹本の成長物語として見れば最高の終わり方だったんじゃないかなーと思いつつ。いつか原作が完結したら2期目のアニメをやってくれると嬉しいなーと考えていたら
原作が完結する前に2期目が始まりやがった。
アニメを観終わるまで原作を読まないようにしてるんで原作の状況は分からないんですが、今回の13話でちゃんと恋愛関係は決着させられるんですかね?
そうでなければ、映画のプロモーションのためにアニメが作らされたような印象すら受け取られかねません。必死に作ってるスタッフが報われないですよね・・・・果たして、決着や如何に。
とまぁ、良い意味でも、不安な意味でも、期待をコレ以上ないほど広げての第1話だったんですが。
1期目の総集編でした。
まぁ・・・そうなるわな。
1期目の放送から1年近く経つので「あー、そういえばこういうシーンあったなぁ」と思いつつ、ダイジェストだけで泣いちゃったりして。僕みたいにアニメだけを追いかけている視聴者にとっては嬉しい第1話だったんじゃないでしょうか。
ただ、流石に・・・1期目も原作も知らない人が、この総集編を見ただけで来週から楽しめるかというと。厳しいものはありますよね。公式サイトの登場人物紹介なんかで補完すれば良いんですが、このサイトの登場人物紹介って人が揃ってなかったような・・・と思ったら、2期目に備えてキャラも増えて相関関係が分かりやすくなっていました。これは1期目を観てない人も観た人も必見。相関図の真ん中にいるのが山田さんだというのが笑える。
○ 総集編でカットされてた部分を考える
1話目に総集編をやるということは、ここで出てきた事象がココから先の話に繋がると考えられます。
2クールのアニメを1話にまとめること自体は無謀だからカットすべきところはカットすべきだとは思うんですが、「え?そこは完全スルーなの?」と思った部分を幾つかピックアップします。竹本の家族設定みたいな設定部分は、後から幾らでも説明できるでしょうから考えないとして・・・
修ちゃんの旅が完全スルーされましたよ。
アメリカに行った森田、最北端に向かった竹本の話はちゃんと触れられたのに・・・修ちゃんに関しては一切触れられてませんでした。森田の旅は、その間に待ち続けたはぐの心的成長がしっかりおさらいされていましたし。竹本の旅も彼自身の成長と、帰ってきた後の竹本・はぐの繋がりをしっかりと抑えていましたが・・・修ちゃんに関しては、別にそういうのがなかったということなんでしょう。
つまりは、まさかの修ちゃん―はぐEDは可能性がないってことなんだよ!!
まぁ・・・当然ではあります。
竹本と出会った職人さんたちが全カットですよ。
僕的に最号泣ポイントだったあの辺の話が観返せなかったのは寂しかったんですが、重要なのは竹本が成長したという結果であって、その過程はダイジェストで抑える必要はなかったということなら納得はできます。あの人達が再登場するにしても、ちょっと説明台詞を入れるだけで済みますしね。
ちょっと曖昧な記憶なんですが、あの人達に出会って竹本は建築について勉強しようという気持ちと、「ウチに来るなら免許を取って来い」というアドバイスをもらったはず(多分)。なので、最初のシーンで竹本が建築関係の本を読んでいたのも、ラストで免許を取ったのも、1期目における竹本物語のラストの続きなんですよね。この辺は、1期目を観ていた人にとって「おっ・・・竹本はちゃんと頑張ってるんだな」と思える嬉しい描写だったかなと思います。
※ 追記:拍手でメッセージをもらいましたが、最初の本を読んでいるシーンと最後の免許のシーンでは竹本の髪の長さが違うので、最初のシーンは過去の描写じゃないかとのことです。た、確かに・・・・・話のまとめ方としても、過去→ダイジェスト→現在と流れた方がキレイな気がしますし。そっちの可能性の方が大きいかな・・・と。じゃあ、あの本は大学の勉強のために読んでたと考えるべきか・・・(そもそも現場に大学の知識なんて必要ねーとか散々言われてましたしね)
ということで、ダイジェストではありましたが“使いまわし”感はほとんどなくて、この辺は流石だなーと思いました。
○ とりあえず三角関係を思い出してみる
かなり記憶が曖昧なので、今週のダイジェストから脳内をフル回転して細かい繋がりを思い出してみるテスト。
昨日食べた夕飯のおかずすら覚えていない僕が、果たしてちゃんと思い出せるのでしょうか。
はぐ・竹本・森田の3人の場合―――
飛びぬけた天才がゆえに他人から理解されないという点では、はぐも森田も似たもの同士なんですよね。その結果、はぐは自分に近しい人にだけすがるようになって、森田は何かハイテンションで誤魔化す(笑)という正反対な道を取っただけで。だから、似たもの同士で悪口を言いながら、惹かれ合うというのも納得。
森田のアメリカ行きを機に、はぐは森田には森田の道を頑張ってもらいたいと応援し、自分も自分で頑張ろうと更なる努力を始める。そうした二人を見て、竹本は焦りを感じる・・・単に二人がくっ付くかとかそういうことではなく、自分には頑張れる道があるのかと。悩んだ末に、竹本は旅に出ていた・・・・・・
で・・・今週のダイジェストでは描かれてなかったんですが、確か竹本の旅の最中ははぐは戸惑っちゃうんじゃなかったでしたっけ。森田の旅立ちには応援できたのに、竹本がいなくなると何かが抜けてしまう・・・はぐの中で森田に対する感情と竹本に対する感情は違っていて、そのどっちが恋愛感情なのかは誰にも(はぐ自身)分からない・・・ということなんでしょう。そんな中、帰ってきた竹本ははぐに想いを伝える。これで1期目は終了・・・・・・
多分・・・これで合ってるはず。
山田さん・真山・理花の3人の場合―――
1年前にも思いましたが、車の中で野宮が山田さんにクギを刺すシーンは圧巻。というか、このシーンで僕の『ハチクロ』を見る目が180度変わったのです。すごく切なくて胸に突き刺さるんだけど、何かスッキリしないもどかしさを感じていた部分を、野宮さんが見事に(残酷なまでに)言い当ててしまうという・・・あと、演出の力なんでしょうが、このシーンの山田さんの演技で高橋美佳子への見る目も変わりました。今やサイトをあげて推している声優の一人に(笑)
真山は理花のことを間違いなく好きで、山田さんになびこうなんてつもりは全くないのに。山田さんを拒絶すると関係性が壊れてしまうので、それも怖い。真山は山田さんに自分の姿を見てしまうので「幸せになって欲しい」とは思うのだけど、自分にはムリだとも分かっている。野宮に「キープしてんだろ?」と挑発されてキレたのは、そうでないと確信している自分と、そうなのかも知れないと不安になってる自分が等しく存在するからなんじゃないかと。
んで、山田さんは山田さんで、そんな風に拒絶できない真山の隙を見て現状維持を続け、いつか真山と理花の関係が壊れてしまうのを待ち続けるしかない・・・と。
まとめると二人ともイヤなヤツっぽいんですが、キャラの心理描写をキチッと描いていた分、観ている最中に嫌悪感を覚えたりはしませんでした。観終わってから暫く経って、「あれ・・・?ひょっとして山田さんって酷いコなんじゃないの?」とは思うんですけど(笑)
何となく・・・個人的には山田さんの気持ちが痛いほど分かるので、酷いコだとしても感情移入しきっちゃっている分、どうしたって泣けてしまいます。「本当に好きなら幸せを願えるはずなのに・・・でも、壊れて欲しいと思ってしまう・・・」というセリフは、適わない片想いを経験したことのある人なら誰もが一度は思ったことあるキモチでしょう。だから・・・僕はこの作品が好きだったんでした。
というワケで、新しい情報はほとんどなかった第1話でしたが。色々なことを思い出して楽しかったです。
さぁ、来週からは続きが始まるんでしょうね。楽しみに待っています。
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第2話 |
「chapter.2」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:長井龍雪
演出:上田繁 作画監督:都築裕佳子 |
|
実質、これが第2期の1話目。
新番組の1話目の放送をこんなにもワクワクしながら待っていたのはいつ以来でしょうか・・・そして、その期待を裏切らない素晴らしい出来。と言うよりも―――1年以上アニメの感想を書き続けてきた今だからなのか、コンテ、脚本、セリフの鋭さに驚かされます。一つ一つのシーンに目を奪われてしまいます。このアニメ、こんなに凄いアニメだったのか・・・1年前の僕は、このアニメが存在することの凄さに気付きもしませんでした。
○ しゃっくりが繋げるキャラ同士の時間
絵描いてる時のしゃっくりって地獄なんですよねー。はぐの気持ちが痛いほど分かります。僕も色んなしゃっくりの止め方を試しましたけど、その方法の最初の1回は止まるんですよ。で、「こんないい方法があったんだ!次からはこれで治そう!」と思うと、次からは止まんないの―――
ちなみに、僕がやったことあるのは・・・
1.コップ(茶碗)の向こう側から水を飲む←はぐや理花さんがやってたの
2.驚かされる
3.くしゃみをする
4.「とうふの原料は?」と訊かれて、「大豆」と答える
5.寝そべって横隔膜の辺りを背中から押してもらう
6.我慢して寝る
どれも1回目は効くんですけど、2回目はとんと効かなくなっちゃうのです。
ネットで調べたら、真山がやってた砂糖水と、「1分ほど舌を引っ張る」というのがその他のメジャーな方法だそうで。あと2回はしゃっくりが出ても止める方法があるということですね!
という話は置いといて―――
こんな馬鹿な話を延々とやってるのは「流石ハチクロ」というカンジなんですが。ちゃんとココでキャラの微妙な変化を描いて、ラストシーンに繋げるというテクニカルな構成になっているのも凄い。もちろん単純に絵としての面白さもありますしね。デフォルメはぐがすっげー可愛い。デフォルメじゃなくても可愛いです。
はぐは随分と大人っぽくなった印象。どう見ても小学生だった第1期序盤と比べて、今や中学生くらいには見えますもの(笑)
相変わらずの作画の美麗さに加え、工藤晴香の演技も“進化”した様子が感じ取れます。なんせ先週、第1話からダイジェストで見せられましたものね・・・・・・あの頃に比べると格段に上手くなってると思います。
まぁ、上手い下手を僕が語るのもアレなんですが・・・高橋美佳子、杉田智和といった“他の作品で毎週聴いている声”もなんだか味わい深いもののように思えます。真山なんてどう考えてもダメ人間なのに、杉田智和の声なだけで全部許せるような気が(笑)
何せ僕、昨日『ハルヒ』の最終回を観たばかりですし。
また竹本も人間的な成長がそこかしこから感じ取れて、それでいて一つ一つの会話が“告白後”の微妙な関係を表していて―――そうした機微が感じ取れるのも、前回のダイジェストのおかげだったりするワケで。見事に作り手側の術中にハマっているということですね。恐るべし、『ハチクロ』スタッフ・・・・・・
○ とは言え、今回は三角関係×2のおさらいですからね
前回のダイジェストから、僕は必死に第1期ラストの人間関係を思い出していましたが―――
別にそんなことしなくてもスタッフ側からちゃんとおさらいの回が提供されました。理花さんが物凄く可愛らしかったり、大学時代の修ちゃんと理花さんの話だったりは新鮮な情報ですが。彼女を思いやる真山、その真山に死んだ旦那の影を重ねる理花さん、そんな二人をそっと見ることしか出来ない山田さん・・・・・・と、第1期の構図をなぞっているだけの回でした。
でもまぁ・・・なぞってるだけなのに、しゃっくりの件を繋げてみたり。パフェやカツ丼の件で笑わせてみたり。物凄くレベルの高い“おさらい回”をやってきやがります。ホント・・・凄い、この作品は。
作画の美麗さと、僕が1年の間に高橋美佳子ファンになってたこともあるんでしょうが。山田さんの一挙手一投足が素晴らしい!呆れるトコもお茶を一気飲みするトコもイイし、何より小悪魔バージョンにトキメきました。
しかし、彼女の思考は全部乙女思考に流れていくんですよね・・・流石にしゃっくりの件で乙女モードに入らんでもとは思いますよ。真山が理花の心配をしたのは山田さんの(出前の)ためという気もしましたし。「好きなヤツといる時ほど」って修ちゃんの言葉も、山田さんを気遣っての言葉ですしね。
「だって・・・栄養つけないと
頑張って、仕事しなくちゃいけないし・・・これからどんどん寒くなるし・・・」
(貴方が、他の人をどれだけ大事にしていても・・・ポキンと折れず、生きていけるように。
真山がもし、あの人を想って不安そうにする表情を見ても・・・私の心が、グシャって潰れないように)
でも、だからこそ僕は山田さんに惹かれる。キャラ萌えとかそういう段階ではなくて、一人の人間として、全然境遇違うのに、恋する彼女の全てに感情移入してしまいます。美脚・美乳でモテモテという設定のくせに、このコが典型的な少女漫画の主人公を地で進んでいるんですよね。そこにむしろ漫画漫画っぽい竹本・はぐ・森田さんの三角関係を絡めることで、この作品の異質性を保っているというか・・・山田さんのおかげで、この作品が異質な作品にはならずに済んでいるというか。
というか・・・何か、感想を書けば書くほど僕の思考回路は少女漫画の主人公に近いと気付き始めてきました。
少年漫画・青年漫画の恋愛劇が苦手なのって、単に僕が乙女気質だから?
とにかく、久々にアニメを観終った後に巻き戻して2度目を観ちゃっいましたよ。
森田兄弟の話は伏線? この作品、1期目ははこういうセリフをそれほど本筋に絡めたりはしなかったと思うんですけど、作り手の端っこの端っこの端っこの端っこの方にいる自分としてはそういう話をガッツリ見てみたい気もします。というか、森田家の素性くらいは明かされるんでしょうか・・・森田さんは謎な人だからこそ森田さんという気もしますが。三角関係をちゃんと着地させる気なら、しっかり描かなきゃならないって気もしますし・・・
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第3話 |
「chapter.3」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:福田道生
演出:佐々木皓一 作画監督:中野彰子 |
|
3話目の絵コンテは絵コンテ職人:福田道生。
先週で三角関係×2をおさらいできたので、今週はそこから一歩踏み込んで山田さんと野宮の話で丸々1話使ってきました。はぐはちょろっとだけ出てきましたが、竹本と森田さんは存在すら見えねぇ・・・2話通じて観ると、どう考えても主人公は山田さんだよなぁと思いつつ。山田さん好きな僕としては嬉しかったです。
ちょろっとしか出てなかったですが、はぐ役の工藤晴香はやっぱり上手くなっている気がしますねー。
高橋美佳子の輝きっぷりから考えるに、演出が上手いからこそなのかも知れませんが・・・・・・
○ 今週の主役は野宮でした
先週出てこなかったからどうしたのかと思っていたんですが、そうかすっかり忘れてた。コイツら鳥取に行ってたんだ・・・
鳥取に行っていたことすら忘れていた僕ですから、野宮と山田さんがどう決着をつけたのかもうろ覚えなんですが―――確か、野宮は山田さんに告げずに唐突にいなくなっちゃったんじゃなかったですっけ。
あの時点では第2期アニメがやることは知らなかったんで、コレはコレで上手い締め方だなぁと思っていた分・・・去っていったはずの野宮の方からアプローチが来てしまったのはちょっと残念だったかも。
ただ、山田さんのスノウドームの話から鳥取へと場面転換したり、一本の電話すら躊躇していた野宮の背中を山崎が押してあげたり、1期目→2期目に移る際の最大限の心配りはしていたからヨシとするべきかな。
何だかんだ言って、僕はこの事務所の連中が好きだってのもありますしね。第1期はこの人達が出てきてからハマり始めましたもの。野宮が車の中で山田さんの心中を見透かすシーンは、鳥肌が立ちまくったのを今でも覚えています。。
ということで、野宮→山田さんへの電話。
どんどん遠くへ行ってしまう理花と真山の背中を見て一人絶望する山田さんは、野宮の電話に明るく応える。いつも以上に、必要以上に饒舌に元気良く。視聴者は先週の彼女の涙と、今週で恐らくショックを受けているだろうことを知っているので、饒舌な山田さんを見るだけで切なくなってしまうのだけど―――
野宮もまた何も言わずに電話を切り、東京へと走り出す。受話器抱えて泣き崩れる東京の山田さんと、決意を胸に車のキーをさっと拾い上げて部屋を出る野宮の絵に痺れまくり。野宮カッコええ〜!ちゃんと山田さんの気持ちを分かってあげてたんだ!!と、CM中もずっと悶えまくっていたら
CM後にすれ違いで山田さんが鳥取に行っていてズッコけた。
こちらとしてもテンション上がりまくっていた分、野宮と一緒に「マジかよ・・・」な気分。初めてココで野宮を等身大に感じましたよ。美和子さんが誉めるのも納得なくらい、今週の野宮はグッと男前でした。もう真山なんか忘れちゃえよ、と本気で思う(笑)
○ しかし、青春まっしぐらだなぁ
第1期で真山も言ってたけど、「野宮さんみたいのは山田を傷つける」イメージだったんですよ。
観覧車の流れなんか“大人の男”っぷりを発揮して純情な(笑)山田さんを汚れさす悪い男なんだとすら思いましたし、上述した車中での追求なんか残酷そのものでしたし。でも、野宮と会って山田さんは変わったし、山田さんと会って野宮もまた変わったということなのか。9時間かけて東京まで会いに行く青春ボーイとなっていました。
どうして野宮が青春野郎になってしまったのか・・・この辺は、今まで相手にしたことのないタイプだとかそういうことなんでしょうが。結局、この作品って「片想いって辛いけど楽しいでしょ?」ってなことなんだとも思います。もし山田さんが真山のことを好きでなければ、真山のことで泣いていなければ、野宮だってここまでしなかったんじゃないかと。
「バレてる片想いって楽だよね。コレ以上傷つかなくても良いし、相手は罪悪感で優しくしてくれるし」
これは第1期の野宮のセリフですが―――まさか、野宮が同じ道を歩むとは。どうする山田さん?出来ることは弁当をガッツリ食べて栄養付けることだけだ!(しかし、行き帰りの弁当シーンもちゃんと対比になってるのがなぁ。細かい配慮ですよねぇ)
Aパートは終始シリアスなトーンでしたが、Bパートはデフォルメ多めで、その分最後の告白が浮き出てきた印象。この辺も上手いなーと思いつつ、単純にデフォルメ絵でのコメディも楽しかったです。山崎さんグッジョブ。ユニコーンもグッジョブ。流石に、あの状況で寝かせるのはマズい事態だとは思いますが・・・
よく我慢したなぁ、野宮。ヘタレだと罵る人もいると思いますけど、僕としては拍手を送りたいです。「性欲より大切なものが人生にはある」んですよ。起き抜けにパンを出されて嬉しそうに笑う山田さんを見たら、「あぁ・・・悪いことしなくて良かったぁ」と思いますよ。いや・・・どこまで野宮に感情移入してんだ、僕は(笑)
というワケで、ホント安定して面白い・・・
残り10話しかないのが惜しいほどに。 |
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第4話 |
「chapter.4」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:高田耕一
演出:秋田谷典昭 作画監督:梶谷光春 |
|
またしても竹本の出番なし!!
はぐは一応のとこ皆勤賞ですが、最初にちょろっと出てきて展開のキッカケを振りまくだけということで、『世にも奇妙な物語』におけるタモリくらいの役割でしかないんですが・・・・・・果たして、これで良いのか?いや、竹本・はぐ・森田さんが出てなくても十分に面白いし、この作品の元々のスピード感覚や、第1期とのブランクを考えればコレで正解だと思うんですけど。「竹本の告白でその後どうなったんだ?」と1年前から楽しみにしていた僕とすれば、早く描いてくれーとヤキモキさせられるばかり。
○ はぐの絵葉書から理花の描写へ
はぐの見つけた絵葉書から修ちゃんの思い出話に移り、修ちゃんから理花の記憶の話に移り、それを現在の真山が浄化しようとする話。非常に上手い流れるような構成で、上で竹本竹本騒いだ割に、一点の無駄もない脚本に「こりゃ入れるスキはねえもんな・・・」と納得させられるばかりでした。
しかし、はぐ役の工藤さんは上手くなり過ぎじゃないですか? 第1期の頃は終始タドタドしい口調だったのに、急に感情がこもった喋り方をされたようでビックリしました。初期のイメージが強すぎて、第1期も終盤はコレくらいだったのでしょうか?
恐らく、はぐの心的な成長を描く意味合いも強いんだとは思いますし、1本のアニメの場合はコレが大成功を収めることも多々あるのも確かです。『Vガンダム』の阪口大助(ウッソ・エヴィン役)が回を重ねるたびにどんどん上手くなり、それとともに作中でもどんどんシビアな話になっていき、ウッソもまた声優さんと同じように成長をしていったという例はよくある話だとは思います(なんでハチクロでガンダムの例やねんというツッコミは置いといて)・・・はぐの場合もまた、周りとの関係の中で心を開いていく過程を声優さんの成長とともに描く意図はあったんでしょう。
ただ、今回は第1期ラストから第2期のスタートまでに9ヶ月あって、その間に工藤さんが上手くなりすぎちゃったんじゃないかなぁ。9ヶ月間あったとは言え、視聴者にとっての『ハチクロ』はそこで時間が止まっていたので、第1期ラストのはぐから第2期のスタートのはぐは(ほぼ)同じ状況でなくてはならないはず。なのに、何故だか一気に上手くなられちゃって、「俺(私)の知らない間にはぐが成長してる!」と取り残された気分になってしまうのです。
・・・・・・・
・・・・・・・・・・まさか、コレ。帰ってきたら、はぐと森田さんがイイカンジになっていたことにショックした修ちゃんの心境を視聴者にも味合わせようという魂胆なのか!来週いきなり二人の関係が進展していたらどうしましょう。
それはともかく、修ちゃんの話。
原田を追って海に飛び込もうとする理花の記憶(?)から、原田の死後に後を追う選択肢すら理花から奪った修ちゃんの自責の念と、そんな背中を見て後を追わせようとまで考えてしまった修ちゃんを見た理花の罪悪感―――修ちゃんにとって二人が何だったのか、何故修ちゃんは理花を救えずバラバラの道を進んだのかがキッチリ補完されました。
この後に、理花のバックボーンを描いたこともそうだったんですが・・・理花が原田を追って自殺するという展開でも、そんな理花を真山が救うという展開でも、“理花を救える可能性があるのは真山だけ(修ちゃんではない)”ということをキッチリ描いておかないとならなかったんですよね。
ここに修ちゃんを使うのも、修ちゃんとはぐ、理花と真山を対比させる手法も見事だし、そこに絡めてちゃんとはぐの方にも伏線を張っておくという周到さが凄いですね。先週も野宮の話だったのに、ちゃんと理花の自殺伏線を匂わせていましたし。この辺、ホント週刊アニメの尺と楽しませ方を熟知しているなーという印象です。
○ 野宮との純情ボーイ対決なのか!
この作品の凄いとこは、先週アレだけ野宮がカッコよく見えて「もう真山なんてダメ人間は死ねばいいのに!」とまで思わせられたのに。今週、真山の突き抜けたダメっぷりを見せられたら「まやまー!!」と真山に感情移入させられまくりで、泣きそうになるまで追い詰められるところなんじゃないかと。
片想いって、片方から見るとその人だけがやたらドラマチックに美しく見えるんだけど。他の人だって片想いをしているからには、美しくて必死でドラマチックなんだよということなのか。単に僕が毎週感情移入し過ぎなのか・・・
ということで、何となくで理花と逃避行してしまう真山。
「あれ?この二人ってヤってなかったっけ?」少なくとも裸は見たことあるはずだよなぁ」と思ったんですが・・・後のセリフから考えるに、“そういう時だけは許す”関係だったということでしょうか。その歪みっぷりから考えれば、先週の野宮―山田さんの純な関係との対比になっているのかなと思ったり。
とにかく、一緒の部屋で寝泊りすることに胸が苦しくなって座椅子で寝たりなんて、真山はかわええやっちゃなーとつくづく。「俺のしあわせ貯金が!」に吹いたけど、ああいう思考って基本的に“モテないヤツ”“不幸なヤツ”のものですよね。今が幸せでも、これが長く続かないことを知っていて、いずれ来るしっぺ返しに怯えるような人・・・そんなん僕だけだと思ってました。まさか、真山に共感を覚える日が来るとは。
先週の「もう少しで全部終わるよ・・・」のセリフ通り、一つずつ仕事を終わらせることで自分の人生にも終わりを見出せようとしていた理花。奇しくも、真山の強行によって里帰りをした彼女は、また一つ“この世に残したもの”を失う。
先週の言い方からすると真山は恐らく知らなかったんでしょうし、その真山のセリフでしか情報を得ていない視聴者もまた知らなかったことなんですが。理花の実家はもう何も残ってませんでした・・・・・・先週までは「まだ彼女には実家という拠り所があるんじゃないか」と思ってたんですが、それすらももはや存在せず。修ちゃんも彼女を救えず、実家ももうなく、ただ帰る場所は原田の下しかなかったのに原田はもういない・・・・・
ここまでキッチリと描いたからこそ、ただ一人彼女を救える可能性を持った真山の魂の叫びがズッシリと響いてきました。まぁ、「分かってるならヤるなよ」というツッコミもあるんですが(笑)。あそこまでキモチのこもったストーカー宣言をされてしまうと、ストーカーも表現次第では格好良いんじゃないかと思えてしまうから凄い・・・
その後、理花が真山によって救われたということが暗に示され、うるうる。よかったなぁ、よかったなぁと感激してたんですが。
よくよく考えれば、理花さんとしては真山のストーカー行為を知ってたワケで、文句言われないようにパソコンの履歴を偽装して「二人用の部屋を探している」ように見せかけただけという可能性もあるんですよね(笑)
うーむ、今週も安定して面白かったです。
普通、1作目が好きだと続編は蛇足に思えるものなんですが・・・観ていると、むしろ1作目が観たくなってくるのだから凄いパワーです。1期目初期の、あのぬるい関係も、今見れば凄く楽しめそうですね。ビデオとっておけば良かった・・・
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第5話 |
「chapter.5」
脚本:黒田洋介 絵コンテ・演出:浅野勝也 作画監督:井嶋けい子 |
|
竹本、出てきたー!!
でもなんか、あんまし変わってないですね・・・2話に出た時は「コイツも随分と大人っぽくなったもんだ」と思いましたが、今週は「俺のパンの耳を返してよ!」ですからね(笑)。この辺の"外し”は狙ってやってるんでしょうけど、個人的には久々に森田さんや竹本の“外し”が観れたのが純粋に嬉しかった。蒸しパン差し出すはぐも激しく可愛かったですし。
今週は、山田さんを慰めるために美和子さんが健康ランドに引っ張りパイナップルが浮かぶ風呂に入り、竹本を元気付けるために真山が銭湯に引っ張るという風呂三昧な話でした。女性陣に比べて男性陣が貧相な風呂だったり、女性陣が現実的に涙を流しているのに男性陣はクサイ夢なんかを語って「カッコ良いっす!」と誉めあったり。些細な描写だけど、キッチリ対比させてキャラの位置や心情を描いているのが面白かったです。
○ キンモクセイで思い出す文化祭の季節
流石、乙女モードの山田さんは何からでも片想いのキモチを思い出して泣くことが出来ます・・・
この辺は彼女自身も今週のラストで言ってましたが、ある意味で自分を“報われないヒロイン”として泣いていれば、コレ以上苦しむこともなければ新たな恋に傷つくこともないって表れなのかもなぁと思いました。単純に「片想いって切ないねー」とか、「野宮なら幸せにしてくれる」とかで完結できないのが、なるほどこの作品らしいなぁと。
健康ランドのお風呂シーンなんかはデフォルメちっくでギャグで落としていたので、「何だよ!山田さんの美脚を堪能させてくれよ!」と大人気なく憤っていたのですが、その後に美和子さんの横で眠り続ける彼女のシーンで堪能させてもらったのでノー文句だ!!美和子さんの下着(?)はスルーするとして・・・(笑)
あれだけ美しく眠り続ける山田さんの後に、「あれー?美和子さんはどこ行っちゃったんだろうね」という会話になったので。まさか!今週の健康ランドのシーンは美和子さん死亡フラグだったのか?と本気で焦ったのですが、別にそういうワケでもなく、単に野宮が帰ってきただけでした。何はともあれ、これで役者が揃いましたね。
「彼のいそうなところをまわって、一目でも見たいから背中を探してしまう・・・」という山田さんの語りは第1期でもあったと思うんですが、二人とも卒業して、真山はもう理花と強い信頼関係で結ばれてて、自分だけが置いてけぼりをくってる―――という現状でのセリフだと、また一段とやるせなさが増しているような。まだ、あの頃だったら何とかなったかも知れない。でも、もう二人は自分の手の届かないところに行ってしまった・・・・・・
だから、誰かにすがりたいのだけど、すがることで新しい恋愛が始まるのは苦しい。そうした山田さんの葛藤が(後でだけど)描かれていたからこそ、いきなり目の前に現れた野宮にまわし蹴りして逃げるキモチに納得ができました。まぁ・・・アレだけ全速で走った後を、軽々と追いかけてくる野宮って何者だよというツッコミはできるけど・・・あ、そうか、リーダーの鼻を使って追いかけたのか。犬ってスゲー。
○ 森田さんの兄ちゃん、途端に老けたな・・・
そりゃ弟も「ちゃんと寝なよ」と心配しますよね。
兄弟の会話は、まだ視聴者的に彼らの目的が分からないので多少寒々しいところはあるんですが。その前にアレだけ大ハシャギしていたもんだから、ギャップで森田さんのもの苦しさは伝わってくるようにはなっていました。三角関係がどう決着するにしても、竹本が森田さんの真意に触れなければ決着のしようがないので、ここの会話も後から意味が分かるようになっているんじゃないかと・・・
パンの耳の辺りは下らなくて笑えるものでしたし、繰り返しはぐが可愛かったんですが。そうした描写からお金の話になって、大金を何かのために貯めている森田、いつか好きな人のためにも貯めておかなきゃと思っている真山、すっからかんでギリギリな生活をしている竹本・・・と、今後に向けて現状のおさらいをしていた模様。
真山の言う「人生にはチャンスが3回あって、そのチャンスをモノに出来るかどうかは所持金で決まる」のセリフ、ちょっと下世話なようにも思えますが、実際問題“夢を叶える”とか“幸せになる”という観点で言えばそれほど間違ってはいないかと。お金があれば、新しく違うことをやり直すことも出来ますからね。まぁ・・・人によってはチャンスは3回もなくて、気付いた頃には全部のチャンスを使い果たしていたりもするんでしょうけど・・・ハハ
この会話も単にお金がどうというだけではなくて、きっと今後に竹本がはぐのために何が出来る―――その時、森田はどうするかって話に向けた伏線かと思われ、期待が一層高まります。ここ数週間、彼らにほとんど出番がなかった分、ちょっとした描写でも「おぉっ!」って思ってしまう自分がいるのです。
この3人も、ようやくスタート地点・・・ここからが三角関係×2の始まりなのかな?
というワケで、期待を膨らませまくりながら次回へ。
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第6話 |
「chapter.6」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:鵜飼ゆうき 演出:武山篤 作画監督:川田剛 |
|
チビ森田兄弟役に皆川純子と釘宮理恵!!
ちょっとだけ出てきたスペイン人は、今最も熱い男性声優:小山力也だったみたいだし・・・ホント、チョイ役がムダに豪華ですね。この辺は音響監督の遊び心なのか、アニメの世界では一般的なことなのか。アニヲタ歴の短い僕としては分からんことですが―――まぁ、こういうチョイ役に芸能人とかを使って話題作りされるよりはマシかなーと。第1期のことを完全に忘れた上で言ってみました。
○ 森田兄弟の事情
兄貴の方はともかく、冒頭からいきなり森田さんの回想から入っていったのは、この作品にしては雑な演出なんじゃないかなーと思いました。第1期は正直あまり覚えていないんですが、第2期ははぐが見た絵葉書だったり小物だったりが場面転換に繋がって、全然違う場所にいるキャラの心理描写にすんなり入っていくという技術があったんで・・・唐突に回想された時は、どうしちゃったのかとさえ思いました。
恐らくはそれほど長くない回想だったからなんでしょうが・・・森田さんの回想のはずなのに、何故か工場の人の視点から始まったり。ストーリー上仕方ないとは言え、幾つか疑問が残る部分が目につきました。
そもそも、森田兄弟の真意というのは第1期からの最大の謎だったワケですから、「親父の工場を取り戻す」という使い古された設定を何の工夫もなく明らかにされたのにはちょっと拍子抜け。視聴者視点を竹本に合わせて、竹本が森田さんの真意を知ると同時にカタルシスを味あわせるとか。やり様は幾らでもあったと思うんですけど・・・ちょっと勿体ない気がしました。
しかし、兄貴は世界に影響力のある企業っぽかったですし、弟はアカデミー賞獲ってるし。幾ら大企業の工場が建ったからといって、町工場って取り戻せないもんなんでしょうか・・・まぁ、企業のお金と個人のお金は別物なんでしょうが。「来週までに1億」とかいうセリフもあったくらいですし、違和感は大きいかなぁと。
先週の真山のセリフが伏線だったようで、お金を持っていても使うことの出来ない森田さんと/お金を持ってすらいない竹本が。自分の可能性を試したくても、修ちゃんに遠慮して言い出すことすら出来ないはぐをどう救えるのかという話になりそう。しかし、そうしてカベを超えられないはぐを見ても、近寄って助けることすら出来ない森田さんに対して。一人黙々と塔を建ててる竹本(笑)・・・何か、ここまで来ても影の薄い主人公だなぁとつくづく。
ただ、「高い塔を建てるためにはもっと高い足場を組む必要があり、その作業はひたすら地味だ」という竹本のセリフや、はぐの「全部の箱を開けるには人の一生は短すぎる」というセリフは、モノ作ってる人間にとっては身に染みる言葉でした。これらのセリフが原作からあるのかアニメオリジナルなのかは知りませんけど、色んな雑誌を転々としながら『ハチクロ』を描き続けている羽海野先生の境遇から出たセリフならジンとくるものがあります。
漫画作りってホントそうなんですよ・・・竹本とはぐ、全く違う境遇の二人のセリフですが、両方のセリフが漫画作りの両面を示しているように思えます。漫画じゃなくても、アニメでも、映画でも、小説でも。二人が直面している絵画でも彫刻でも、よく分からん塔もそうか・・・ひょっとしたら全ての人にとっての人生そのものなのかもですね。作業の大半は地味で面白味のないものだけど、そうしたものに費やされてどんどん自分の人生が残り少なくなっていくという感覚。この作品の根底にある“今という時間は限られている”って、そうした意識から出ているのかもなぁと思ったり。
○ そして、皆が別々の道へ―――
先週、「ここからがスタートなのかな」と書いた通り。今週はスタートラインに立ったそれぞれが歩みだすという“繋ぎの回”でした。挿入歌に合わせてそれぞれのキャラの“今”を描く演出は、第1期の頃の僕なら「内容がない尺を埋めるための描写」なんて思ったんだろうなー。今ならばこのシーンの美しさはもちろん、こうしたシーンでそれぞれのキャラの“今”と、そして“ちょっと未来”が見えてくることが分かります。
誰も、誰の傍にいることもなく、ただ5人は別々の道へ・・・・・・
このシーンの後、山田さんたちが「真山が帰ってきたらみんなで海に行きたいねー」などと言い出したので、「全員で海に行きたい」は5本の指に入る死亡フラグの一つだよ!と思わずツッコんでしまいました。他の4つは各自で考えて下さい。
何年目かのクリスマスで既に「全員が揃ったクリスマスはコレで最後だった」的なセリフがあったので、やはり今後も全員が揃うことはない・・・ように見せて、最後の最後に皆で笑顔で集まるというのが一番キレイかな?とは言え、第2期に入ってからは全員が集まったシーンは一度もなかったので(竹本が免許とったシーンは揃ってたっけ・・・)、どこかで一度顔合わせさせておけば良かったのになーと思ったり思わなかったり。
今週は繋ぎの回なんで、あんまし書くことがない・・・
真山殴った後の、山田さんをローアングルで映した時の美乳描写が凄かったです。貧乳派の僕としては不覚でした。
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第7話 |
「chapter.7」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:大畑清隆
演出:高島大輔 作画監督:加藤万由子・住本悦子・吉田隆彦 |
|
どうやら最後の文化祭が作品としてのヤマ場となるらしく・・・先週でキャラの位置関係のおさらい、今週で森田兄弟の過去を視聴者に見せておいて、来週で一気にギアを上げる模様。ラストの血がはぐの血だとしたら、はぐを取るのか過去(に縛られた兄)を取るのかの決断を森田さんが迫られるということなんでしょう。
非常に美しく、ズッシリと心に響く過去編で、その辺りのことは後述するとしますが・・・
ちょっと、森田兄弟の過去を明らかにするにしては唐突だった気がしないでもないですね。先週、いきなし森田父が思い出されて、今週そこから一気に話が進んだワケなんですが・・・もうちょっとパパと根岸さんの存在を“匂わせるシーン”がこれまでにあっても良かったんじゃないかと思いつつ。一気に見せたかったのならば、先週では見せずに、今週で一気に全部描くくらいの力技が欲しかったかなーと思いました。先週のクッションがあった分、過去編のインパクトは薄れちゃいましたしねぇ。
○ とは言え、過去編の効果をよく知っている構成
全く同じことを今週の『ストパニ』感想でも書いたんで、いっそのことコピペしたいくらいなんですが(笑)
僕が思うに、過去編のポイントは2つ。“現在の描写では描けない新情報で視聴者を驚かす”ことと、“過去の描写から現在の事象・心情を繋げることで、現在の描写に奥行きをつける”の2点かなーと思います(もちろん、これ以外にも重要な要素があるかもですが)
この2点で言えば、今週の森田兄弟の過去編は教科書通りを通り越して120点の出来でした。素晴らしい過去編でしたた。
まずは一つめのポイント。先週微妙に過去が描写されてしまったので、今週明らかになった情報は少なかったんですが・・・森田パパの工場が買収されるまでの流れを描くと共に、森田パパと親友の根岸さんの対比で視聴者に“天才と凡人”の比較を印象付けて。森田兄弟が失ったものと、抱えたものをキッチリ描いていたと思います。
特に細かい心理描写―――お兄ちゃんが弟と父に劣等感を感じ、根岸さんにシンパシーを覚えたことで、外資企業(と根岸さんにもなのかな?)への憎悪を捨てきれなかったこと。また、お兄ちゃんが闇に取り込まれるのを感じた弟が、一緒に修羅の道へと堕ちていこうと手を差し伸べたこと―――こうした「説明台詞だけでは説明できない」ものを過去描写によって描いたという点で、かなり評価出来るんじゃないかと。先週までは森田兄弟がどうしてパパの工場に執着するのか分からなかったんですが、これに兄弟への負い目とコンプレックスが混ざっていたと考えるなら納得できます。こうした描写がある/なしで、キャラの行動の重みが全く変わってくるものですからね。
もう一つのポイント。こうした過去描写から、一気に“復讐”へと歩みだす森田兄弟、近づく嵐とハマビ祭、倒れるはぐ・・・と、過去編終了と同時に一気にギアが上がる一方。過去編で“森田パパと根岸さん”、“弟とお兄ちゃん”という二つの“天才と凡人”を描くことによって―――現在での“天才と凡人”、すなわちはぐや森田さんと竹本を隔てるものを暗示させる意図があるワケで。行動と作内テーマの両面で、過去編は現在に繋げて深みを増したことになります。ここまで見事な過去編はそうはないんじゃないかと。
あとは、来週以降の森田兄弟の描写、及び森田さんや竹本の選択が過去の描写とどう繋がってくるのかというところ次第ですかね。ここさえ決まれば、本当に語り継ぐべき過去編になりかねないほど素晴らしかったです。なるほど、そりゃ子ども時代のキャストも凝るワケですね。
○ そして、“天才と凡人”
兄弟姉妹&幼なじみにはつきまとうテーマ。って、僕が言うのもアレなんですが(笑)
今週みたくハッキリと明示はされてなかったと思いますが、そもそもが竹本を主人公にした物語はここから始まっているような気がします。“天才と凡人”というと、竹本だって妙な塔建ててたり悟り開いちゃって天才肌っぽいんで、“持つものと持たざるもの”と言い換えた方が分かりやすいかな?
竹本は森田さん→はぐのキモチに気付いた時から、ずっと「二人とは世界が違う」と感じていました。だから、自分を見失って自転車の旅に出たりしたワケなんですが・・・こうした関係は実は“山田さんと真山&理花”もそうですし、過去の関係で言えば“修ちゃんと原田&理花”もそうでした。山田さんなんか完全に天才肌ですが、真山と理花さんが作るものとは根本が違うから、絶対に自分がその領域に踏み込めないことを痛感させられる日々・・・という意味で、竹本や森田兄のそれに近いものがあります。
今週の描写だけではよく分かりませんでしたが、森田パパと森田ママに対しての根岸さんも似たような感情だったのかなーと。(にしても森田ママ、何故か山田さんに似てたと思ったんですが、ただの偶然?)
そう考えると・・・コレまでの森田兄の行動や言動が、なるほど違う意味が見えてくるなぁと。
第2期に入ってからだと思いますが、美大の生徒達を見て「成功する人間はほとんどいないのに」と捨て吐いていました。あの台詞・・・自分が決して成功できないことを知って、だからこそ闇に堕ちて復讐に走る道化だと気付いているからこその台詞だったのかと思います。脱落した人にとって、「まだ頑張れる」とすがり付いて努力している人はまぶし過ぎるんですよね。
でも、その一方で。森田さんがアメリカに渡る際に、お兄ちゃんは竹本を空港まで連れてったように記憶しています。同じように“持たなかった”はずの竹本に、高いところに飛び立つ森田の姿を見せつけ。その後に打ちのめされた竹本は自分探しの旅に出て、今は一心不乱に高い塔を建てているんですが―――考え方によっては、森田兄の行動によって竹本は自分を見つめ直したとも言えるワケで。彼は、まだ“持たざるもの”の可能性を信じたかったんじゃないかと。
そう考えるのならば、森田兄弟を救えるのは森田兄弟の互いではなく、竹本なんじゃないかと思います。
根岸さんや森田兄が葛藤したことって、第1期で竹本が乗り越えたものなんですもの―――あの時は「よく分かんないからガムシャラに走ったら、なんか空が青かった」みたいな分かりにくい台詞でしたが(笑)、今度はキッチリ言語化して森田兄弟の両方を救えれば良いのですが。ここんとこの影の薄さは半端ないので、ここでもフツーに出番ない可能性もありそうなのが怖い。
つーことで、期待を否応なく高めて次回へ。
来週がこの作品の真価を見せる回になるかと思うのです。
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第8話 |
「chapter.8」
脚本:黒田洋介 絵コンテ:高田耕一 演出:池端隆史 作画監督:都築裕佳子 |
|
カルロス=小山力也の奥さん(?)役が柚木涼香だった!!
何だコレは!!森田兄弟とはぐの話にボロボロ泣いていたのに、EDクレジット見てズッコけました。
『ハチクロ』観てる層には知らない人も多そうなので一応説明すると、現在放送中のアニメ『うたわれるもの』で主人公とヒロインを演じている二人で、この二人がやっている『うたわれるもの』ネットラジオが現在モノ凄い人気なのです。音泉で配信されているんですけど、小山さんの萌えキャラっぷりと柚木さんの小山さんラブ光線が凄すぎて各地で話題を呼び、毎週金曜日にはサーバーが落ちることが当たり前という異常事態。
間違いなく、『ハルヒ』後のアニメ業界で最も熱い声優さん方です。
ちなみに、理花役の大原さんとチビ忍役の釘宮さんも『うたわれるもの』のに出ていますね。メインキャラの大原さんはともかく、その他の3人はどういう経緯なのかなーと調べてみたら。この『ハチクロ』の音響監督:明田川仁さんは、『うたわれるもの』の音響監督:明田川進さんの息子だとか。脇役のキャスティングについては音響監督の権限が強いので、音響監督が一緒だと脇役が共通のキャストという作品も少なくないですが(『ターンエーガンダム』と『サムライ7』の一件で僕は知ったんですけど・・・)。音響監督同士の繋がりで決まるキャスティングもあるんですね。
アニメ業界での、超ベテランな父親と新鋭な息子というのは今話題な親子がいますけど(笑)。明田川仁さんはちゃんと下積みを経て(父親の下で補佐的な仕事もしていたらしい)、実績を残しているからこそ、一人の音響監督と一人の音響監督というイーブンな立場でこういう“遊び”が出来るんじゃないかと思われます。
いやー、笑った笑った。『ハチクロ』観ている人のどれだけが『うたわれ』ラジオ聴いてるのか微妙なことから考えると、こういう“遊び”はほとんどメリットのない無駄なチャレンジだとは思うんですが。「分かる人だけ楽しんでくれ!」という精神は、ツボにハマった時に凄い威力を発揮するものですから。笑わされた一人として、その勇気には拍手を送りたい。
○ お・・・おかげで、またも竹本の存在を忘れかけた
今週は珍しく竹本視点のお話だったのに・・・
そういや、僕は最近知ったのですが。アニメ第1期のラストでの竹本→はぐの告白、アニメでははぐが「帰ってきてくれてありがとう」と好意的なリアクションをするのだけど、原作ではビミョ−だったとか。なので、第2期目の最初で竹本が避けられていたのは原作との兼ね合いだそうで―――思えば、竹本が留年したのも雑誌移籍によって人間関係をおさらいする必要が出来たからというインタビューを読んだこともあるし、竹本はつくづく竹本なんだなぁと再確認をしたワケです。
でも、僕はそんな竹本が大好き。メイン男3人の中ではダントツで彼が好き。修ちゃんはもっと好きだけど(笑)
今週も、自分のことはおどけて話すのに誉められると照れまくったり、夢を語るのすら不器用で拙い説明だったり、怪我人が出たのを恥も見栄もなく「はぐちゃん以外でいてくれ」と思っちゃったり。この生々しいほどのダメさ加減と、ダメだからこその愛らしさが堪らない。この辺は、やっぱり女性作家だから出来る技でしょうね。男作家の場合はもっとコミカルにダメにしちゃうか、もうちょっとカッコよく描いてしまいますもの。
そんな竹本に本音を語るはぐ・・・
コレって結構凄いことだと思うのに、そのSOSすら汲み取れない竹本が流石だとは思う・・・「モノを作ることで僕らはどこに居たって繋がっているじゃないか!」くらいのことを言っておけばイイのに。竹本にすら(という言い方も酷いけど)自分と同じ世界にいてもらえないことを知ったはぐ、アバンの「絵が描けなくなったら」の台詞からするといよいよ持って・・・というところでガラスの破片で大怪我に。
この辺、第1期ははぐが宇宙人にしか見えなかった僕ですが、(次元は全然違うけど)モノを作るようになった現在なら彼女が言いたいことが分かるような気がします。
モノをカタチにするのに人生を賭けるってことは、それだけ危うくなれてしまうことですし、その他の全てを犠牲にする覚悟がなければならないこと。だから「共に歩む人がいれば」と森田を求めたのに、一方で「自分の好きな人の人生を変えてまで・・・」と修ちゃんを犠牲には出来ないという矛盾を抱え続ける・・・・・・右手を怪我しても、怪我しなかったとしても、いつかはぐは追い詰められて「絵が描けなくなったら」というプレッシャーに押し潰されたんじゃないかと思ってしまいます。
でも、はぐは絵を描くだけじゃなかったですよね。山田さんと一緒にケーキ売ったり、みんなで温泉行ったり、夏祭りに浴衣着ていったり。ハシャいで、笑いあった日々の中に、絵を描くことしかなかった天才少女が何かを見つけていられるのかどうか・・・
また、竹本にだけ吐露した「自分の好きな人の人生を変えてまで・・・」の真意をどれだけ竹本が汲み取れるのかが、ここから先のポイントかと思います。はぐのために竹本の人生をどこまで変えられるのか、竹本のためにはぐの人生をどこまで変えられるのか―――
ただ、この作品では“愛する人のために人生を捧げる”ことが全肯定されているワケではないのが興味深いところです。原田のために死を延ばして足掻いた理花、理花と距離を置くことで傷を癒すことを選んだ修ちゃん、そんな理花に自分の全てを曝け出した真山。どちらかというと“身を捧げる”ことよりも“別々の道でもそれぞれが立つ”ことの方が肯定的に描かれているような気も。兄貴の復讐のために付き合った森田さんも、悲劇的に描かれていますしねぇ。ここからの展開に期待大。
○ モノを作る心を忘れた男
子どもの頃、兄弟のヒーローは父親だった。
父親の作る機械が二人にとってのスタート地点だった、それが喩え天才と凡人に兄弟の道が分かたれていたとしても。父との生活は金儲けだけが目当てな男に踏み潰され、父のように輝くことが出来なかった兄は復讐を誓う。モノを作る心を忘れ、ただひたすらに自分も金儲けに奔走して―――モノ作りの心を忘れなかった弟は、闇に囚われた兄と共に修羅に落ち、自分の才能を金儲けと復讐のために使い続けた・・・
先週の過去編で、こうした兄弟の心情がキッチリと描けていた分、兄貴の台詞は重く物悲しかった・・・おどけつつも、うつむく森田さんの顔も見ていて辛かった。
だからこそ、正直、兄貴の復讐ってそれほど意味がないんじゃないかなぁとも思うんですけど・・・合法的に会社を乗っ取るとは言え、社長個人の資産は残るワケですし、強引なやり口は労働者の反感も買うでしょうし、実績のある社長は他でも引く手数多だと思いますし。コストカットの犠牲になった元従業員や、強引な買収などに対しての裁判が行われたとしても、それって社長個人の責任なのでしょうか?とりあえず会社を取り戻したことで復讐一歩目は達成したとは言え、個人を破滅まで追い込むためには合法的な手段だけでは難しいんじゃないかなぁ。
とは言え―――どう本筋に絡むんだろうと思われていた森田兄弟の過去が、遠まわしにはぐや竹本の葛藤にリンクされているのが面白いです。才能を持つ者/持たない者、モノを作れる者/作れない者。残り5話、彼らがどう選択してどういう結末を迎えるのか楽しみにしていたいと思います。
|
|
| ■ 『ハチミツとクローバー2』 第9話 |
「chapter.9」
脚本:黒田洋介 絵コンテ・演出・作画監督:福田道生 |
|
福田さんって絵コンテ以外も出来るんですね・・・しかもまぁ、どれも生半可じゃないクオリティで。
先週が急展開だった分、今週は“その後”を描いただけの繋ぎの回ではあるんですが。森田兄は復讐の重さに耐えかねて失踪、はぐは怪我とともに一人ぼっちになったことにより過度のストレスで身を傷つけ、竹本はそんな彼女を救えない自分の現実を確認してしまい絶望―――と、キャラの状況としてはどん底中のどん底。
第1期でも、竹本と山田さんを同時に追い込んだことがあったような気がするんだけど・・・今回は出ているメインキャラのほとんどがヘコんでる状態なので、観ている側とすれば更に落ち込むことに。ここから如何にして浮上するのか。逆に言えば、キレイに浮上さえ出来れば間違いなく傑作の部類に入るトコまで下地は出来ました・・・残りは3話?(話だと全12話だったらしい・・・勘違いしてました)果たして。
○ 「そうやって彼女は一人ぼっちになる」
この作品の只者じゃないトコは、はぐというキャラを傷つけてどん底まで落としておきながら、そんな彼女に圧倒される竹本や山田さんの“天才になれなかった”劣等感の方を描くというとこかと思います。この辺は、森田兄弟を描く際に、兄貴視点で弟が兄を庇おうとしたのを描いたり、弟視点で残酷になれない兄の優しさを描いたりするとこにも共通しているかも。
台詞一つで済ませることも出来るけど、こうして人間関係と絡めて描くことで、キャラ同士の繋がりが改めて浮き彫りになりますから。こういう丁寧さと技術が、何気ないけど凄いんですよ・・・マネをしたくても、一朝一夕で出来る技でもない・・・
というワケで、山田さん視点で描かれたはぐ。
「真山真山」と乙女モード一直線だと思われていた山田さんも、しっかりとはぐに対して圧倒されていたことが明らかに。僕は結構この二人のイチャイチャしてる様が好きだったので、もうちょっと丁寧に第1期から伏線張れていたなあ・・・と、ムチャなこと考えてしまいます。今まで、ただ単にイチャイチャしてきただけだったし、山田さんも視聴者から見れば“天才”の部類に入っちゃいますし。「別の世界の人間だと思っていた」なんてオイシすぎる告白を、何の前フリもなく出されちゃったのは勿体なかったです。
とまぁ・・・そんなビハインドをあっさり覆す野宮の台詞に惚れ惚れ。
物凄い照れくさい台詞だと本人は言ってましたが、『ハチクロ』という作品を象徴するような台詞とも思えました。「別の世界にいる天才」と誰しもが圧倒されてしまえば、その人は一人ぼっちになってしまう・・・それは天才と凡人というだけじゃなく、影を背負って原田の下に逝こうとした理花や、誰も寄せ付けずに復讐を全うしてその重みに耐えられなかった森田兄にも共通しているんじゃないかと思います。そして、理花の傍に真山が居てやったように・・・はぐを一人ぼっちにさせないよう、出来るのは山田さんだけだろ?と野宮が言語化してくれたのが感動的でした。僕らは第1期の第2話からずっと、はぐと山田さんのともだち関係を見続けてきたのだから・・・この言葉の重みも、山田さんがハッとして走り出す意味も分かるというものです。
また、その後の美和子さんらの屋上シーンも、先週のはぐの「みんなバラバラになるね」という台詞と繋がっているのでしょう。別々の道に進むであろうみんなが、何も考えずに一つの場所にいられる奇跡のような時間―――それが学生時代であり、「青春」というノスタルジックな言葉で表現される時間なのです。(山田さんと真山は卒業してるけど)大学でワイワイ出来ている学生な彼ら違って、既にそうした時期を既に通り過ぎた美和子さんや山崎にその言葉を言わせるのも上手い・・・
学生でなくなってしまったおにいさん&おねえさんからすると、学生時代は青臭くても良いから「友情って素晴らしいじゃん!」と走るべきだったと思うもので・・・走り出す山田さんの背を見ながら涙するのも、ギャグじゃなくて分かる気がします。
そうしたことを受けて、山田さんがはぐのところに行って、はぐの方も山田さんの気持ちに微笑むシーンは暖かかった。鬱まっしぐらのような今週の内容の中で、山田さんと彼女の背中を押した野宮の描写だけが救いになりました。山田さんの“ムリしてる元気”も、高橋美佳子さんが上手く演じていたと思います。
一方の竹本―――
まさかこういう展開だとは思ってませんでしたが、想像通りに真山との会話が伏線となり、「はぐのために人生を捧げられるのか」という選択と「そのためのお金は竹本にはない」という現実を突きつけられることに。何も考えずに「好きなら傍に居てあげればいいじゃん!」という安易な道で物語を締めるのではなく、ここでキッチリと竹本にシミュレートさせておいたのは、この作品らしい丁寧さだなと好印象でした。
好きだから傍に居たとしても・・・自分のコレまでの人生を棒に振ることになるし、支えてくれた親を裏切ることにも、彼女の重荷になることも竹本は考えました。森田さんは日本にいませんが、少なくとも修ちゃんのようにはぐを支えることは竹本には出来ない―――竹本とはぐがくっつくEDになるのだとしたら、今週竹本が考えた不安要素は全部裏っ返さなければなりません。お金も親も、はぐの気持ちもちゃんと納得させなければ。これは・・・生半可じゃないハードルです。
そうそう。お金がないことを花屋のシーンで印象付けておくトコなんかも、何気なく上手いんですよねぇ・・・
もちろん「重荷うんぬん」は、怪我する直前のはぐが竹本に話した心情があったからなんですが。竹本は第2期に入ってから出番がほとんどなかったので、シーンの大半が伏線となっているのが何とも(笑) でも、あのシーンがなければ、視聴者的にも竹本的にも「好きなら傍に居てあげればいいじゃん!」となっていたでしょうから・・・全部のシーンが絶妙に配置されていたんだなぁと、感心させられます。恐るべし『ハチクロ』。
○ てゆうか、はぐって父親がいたんだ・・・
初期の頃に出てきた設定とかすっかり忘れてた・・・はぐは中学時代おばあちゃんと住んでたとかじゃなかったっけ?
でも、どうやら竹本の台詞から考えるに、彼女が卒業後に帰ろうとしていた実家ももはや“帰れる場所”ではなく。父親の隣を女性が付き添っていたことを考えると、父親ももはや“はぐの父親”だけの人ではなくなってしまったということなのかと。天才的な絵が描けるなら、まだ引く手数多だったろうに。それもなくなるかもで、帰る場所もない・・・追い詰められた彼女は、身を傷つけることしか出来ない・・・
こうした辛すぎる展開でも、ずっと傍で手を差し出す修ちゃんだけが強くて・・・
きっとその強さも、原田の死と理花を救えなかった過去、理花を死なせてあげるべきかと迷った自分への責め苦があったからこそなんだろうと分かるワケで。竹本や山田さんの苦悩とは全然遠い場所に修ちゃんがドッシリと構えているのも納得です。こういう時、普段頼りない大人が物凄く落ち着いていたりするもんなんですが・・・過ごしてきた年の積み重ねが違うってことなんですよね。
ということで、辛い展開の繋ぎの回であるはずなのに、物凄く密度が濃くて見所の多い回だと感じました。
あとは着地をどうすのか・・・ここさえ決まれば、第1期と合わせて伝説級の作品になると思うんですけどね。
|
|
アニメ感想マラソンの結果(参考)により、この作品の感想はここまでです。
ご愛読ありがとうございました。
|
|
|

▲ 『ちのしあわせ家族』連載中。よろしければどうぞ。
感想ページTOPに戻る
indexに戻る
Copyright (C) 2006 yamanashi REI ALL RIGHTS RESERVED. |