【『BLACK LAGOON』感想】
 スタッフ&キャスト
 第1話「The Black Lagoon」
 第2話「Mangrove Heaven」
 第3話「Ring-Ding Ship Chase」
 第4話「Die Ruckkehr des Adlers」
 第5話「Eagle Hunting and Hunting Eagles」

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(音が出ます)



■ 『BLACK LAGOON』 スタッフ&キャスト
<スタッフ>
 監督・脚本・シリーズ構成:片渕須直
 キャラクターデザイン:筱雅律
 アニメーション制作:マッドハウス
 原作:広江礼威(小学館刊「月刊サンデーGENE-X」連載)


<キャスト>
 レヴィ:豊口めぐみ
 ロック:浪川大輔
 ダッチ:磯部勉
 ベニー:平田広明
 バラライカ:小山茉美







■ 『BLACK LAGOON』 第1話 「The Black Lagoon」
脚本:片渕須直/コンテ:西村聡/演出:川村賢一/作画監督:菅野利之

 原作未読。
 ガンアクションものということは知っていたけど、コミックスの表紙のイメージから『カウボーイ・ビバップ』的なSFものなのかと思っていました。なので、冒頭が東京(多分)の街並みから始まり、至極平凡なサラリーマンが日常から一気に非日常に落とされていく過程に驚きと共にワクワク。事前情報を入れなかったがゆえの面白さを味わえたのは非常に幸運でした。

 会話のテンポや、ニヤリとさせられるような皮肉めいた台詞回し、魅力的なキャラクターに、痛快なガンアクション―――世界観や持ち味は全然違うものの、受ける印象はまさに現代版『カウボーイ・ビバップ』。B級映画のノリを持ったまま、細部のクオリティを極限まで高めたような楽しさと味わい深さがあります。その為、シリアスで重厚なドラマを期待しちゃっている人にはオススメできないけど、「楽しけりゃそれで良いじゃん」という人にはとっても楽しい作品になりそうです。


 もちろん、第1話なんで作画の質は5割増しくらいに考えておくべきでしょうが、それを差し引いても高レベル。
 こういう役はどうなんだろうなーと思っていた豊口さんも、むちゃくちゃ格好良かった。あんまし期待していなかった分、このアニメは嬉しい誤算。楽しみな作品になりそうです。



 ○ 視聴者視点は日本人
 国立大を出て一流企業に就職し、うだつは上がらなかったものの毎日を必死に生きてきた岡島緑郎。
 冒頭いきなりシージャックされて、身代金目当てで拉致、いつ死んでもおかしくない状況で酒を飲んで怒鳴りあって、一緒に逃げて―――と、たった1話で日常→非日常の移り変わりと、ロックとブラック・ラグーンメンバーとの関係性構築までを一気に描きました。なかなかにハイペース。
 また、現代のくせに銃撃ちまくりの世界観で、この緑郎(以下ロック)の一般人キャラというのが感情移入しやすいキャラとして描かれているのが好印象です。このキャラがいなかったら、全然面白くない作品になってたろうなー。
 
「俺は!一気飲みなんて大っ嫌いなんだ!
 だけどな・・・
 大学のコンパで!会社の接待で飲まされ続けた、ニッポンのサラリーマンを舐めるなよ!!」


 どっかで聞いたことある名前だなーと出演作品歴を見ても、僕が観たことのあるアニメはないような(洋画の吹き替えはいっぱい観てますけど)・・・・・・と思ったら一つだけありました!浪川さんって『ガンダム0080』のアルの役だった人か!!僕にとっての泣きアニメの元祖です。奇しくもあのアニメの役柄も、戦争の中で翻弄されるジオン兵と出会った小学生の男のコという一般人視点でした。当時12歳だった浪川さんと比べると今の浪川さんは格段に上手いのは当たり前なんですが・・・一般人視点という似たような役柄で、再び彼の演技を楽しみに出来る日々がくるとは。感慨深いものがあるなあ。
 このキャラが全く違う環境の中でどんな風に変化して、どんな風に成長していくのか―――同じ日本人として、非常に楽しみにしています。



 
「人生は楽しまなきゃ―――損だぜ」
 「バカ言うな・・・・・・ハリウッドなんかよりも、よっぽどエンターテイメントじゃねえか」


 対するヒロイン役の豊口さんも、これまで西野つかさとミリアリアのイメージがあってアイドル声優という印象が強かったんですが。こういう役も格好良くこなすんだなぁと驚きました。今のところキャスト陣は文句なし。この辺の固め方も、『ビバップ』に通じるソツのなさを感じるんだよなぁ・・・・




 ○ まぁ、ハッタリアクションなんで
 ここまで誉めまくり過ぎたので、ちょっと冷静な意見も。
 ガンアクションものの定番ではあるんですが―――敵の弾は味方に当たらず、味方の弾は敵に当たるというのは譲るとしても。そこに何か“主人公サイドは何が凄いのか”でも説明してもらって説得力を持たせて欲しかったというのもあります。二丁拳銃とかいうレベルじゃなくて、圧倒的に強いなりの理由を示してもらえば・・・ロックに感情移入できている視聴者としても、「コイツらについていきたい!」と思えるんですから。


 あとは、やっぱり「ソコで終わるの!?」という1話の締め方かなぁ。
 アニメ全話の構成が上手い作品というのは、実は1話1話それぞれ単体でも楽しめるように構成しているもんだったりします。その分、この作品の第1話は消化不良なところもあったかな。起承転結で言えば、起:シージャックされて拉致される、承:レヴィにぶちきれて一気飲み対決、転:蜂の巣になる、結:とうとうぶちきれてガンシップに銃投げつける―――という、結だけ明らかに足りてないだろ!という構成でしたんでね。

 もちろん、第2話への引きとして意図してやっているんでしょうから、今後も同じようになるとは限りませんけどね。




 結果として第1話は申し分なく面白かったですが、これをピークに尻つぼみしたりしないように祈っております。



 








■ 『BLACK LAGOON』 第2話 「Mangrove Heaven」
脚本:片渕須直/コンテ:川村賢一/演出:川村賢一/作画監督:加藤やすひさ

 なるほど、第1話を観た時点では勘違いをしていました。
 この作品の中でのブラックラグーンメンバーとロックの関係は、『るろうに剣心』で言うところの剣心と弥彦―――いわゆる、一般人がヒーロー(ダークヒーロー)に憧れていく話なのかと思っていましたが。どうやらもっと対等な関係であって、ロックはロックで皆のことを認めていくし、皆は皆でロックのことを認めていく物語だったっぽい。
 そういう意味では、前回「いまいちレヴィ達の凄さは分かんないなぁ」というようなことを感想に書いたんですが、別にレヴィは剣心である必要はなくて。強さとかスキルに惹かれていくのではなく、境遇の中で人間と人間として惹かれていく(仲間という意味でね)という描写だったら、1話・2話通じて至極丁寧に描かれていました。


 2話セットで導入部だと考えれば、かなり上質な出来。
 これは今後も十分に期待して良さそうな作品です。



 ○ 影山部長の使い方で唸る
 「我々も向かおう」とか言い出した時は、まさかこのオッサンが来てピンチを脱出するんじゃ・・・という不安に駆られたんですが。ちゃんとブラックラグーンのメンバーで自力で脱出してくれました。しかも、ロックの策で何とかするという過程を経て、他のメンバー達に「ロックやるじゃん」と仲間意識を持たせるとともに、視聴者としても感情移入先のロックを身の丈にあった策で活躍させることで「ロックやするじゃん」と嬉しく思えるという。

 この辺り、曖昧なまま進めて有耶無耶なまま“何だか知らないけど助かった”展開にしてしまう作品も結構あるんでね。
 ロックみたいなキャラは活躍させるのが大変ですから、そういう妥協は仕方ないんですが・・・それだと主人公達のガンバリがちっとも伝わらないんですよ。何だかんだ、主人公達が頑張って活躍してこそ、視聴者はカタルシスを感じることが出来るのですから。



 で、そのロックの策。
 沈没船をジャンプ台に利用して船を飛ばし、空中のヘリに魚雷をぶつけるというムチャクチャなもの。ムチャクチャだけど、ちゃんと魚雷とか沈没船とか敵の性格なんかを上手く伏線にしておいたので、理不尽さは感じず、むしろ爽快感を覚えるほど。
 あのイヤ〜な敵を倒せたのは相当キモチよかった。魚雷がヘリ内部までめり込む絵は、ヴィンセント・ギャロの映画で銃弾が炸裂するシーンを思い出して笑いました。あのノリは笑っていいところですよね?B級映画の面白いトコだけ取ってきて、上手いとこエッセンスにしているような感じ。

 しかし・・・あそこで心配すべきことは「飛べるのか」でも「敵はツッコんでくるのか」でもなくて、船が着水の衝撃に耐えられるのかってことじゃないのか。「グラサンも無事だ・・・」の台詞で済ませてしまう辺りが流石だとも思うんですけど。



 そうして何とかして生き延びたブラックラグーンメンバーだけど、死守したディスクは政治的な取引によって影山部長のところに。アニメの流れだとイマイチ把握しきれなかったんですが―――元々は会社に不利な情報が入ったディスクを、他所に欲しがっている人がいたのでブラックラグーンが強奪。それをマズいと思った影山部長が傭兵に頼んでブラックラグーンごと始末しようとしたのだが失敗し、今度はブラックラグーンに依頼していた問屋みたいな小山茉美と取引してディスクを引き取った・・・という解釈でいいのかな?
 その解釈で良ければ、せっかく何とか生き延びたブラックラグーンに対して、のうのうと後からやって来て金で解決させた影山との対比や。そんな会社人としての人生を捨ててブラックラグーンに残ったロックと、会社人として日本のこまごました社会に戻っていく影山との対比が物凄く痛烈に描かれているなぁと唸りました。

 影山部長を悪役と捉えるなら痛い目合わせた方がスッキリ出来るのかも知れませんが、彼もまた使われる側の一人だと、別々の道を進むロックと影山部長の対比とするならこのやり方で良かったと思いますしね。第1話冒頭でロックが影山に憧れていたことを考えると、ロックの選択も熱いものがあります。視聴者的には最初から影山が胡散臭かったので、どこに憧れているのかイマイチ分からなかったりもするんですが(笑)




 ロックは結局、交渉人みたいな役割なのかな。
 依頼人、強奪対象ごとに人間ドラマが描けそうで非常に楽しみ。



 ○ 敢えて不安を言うとすると・・・
 漫画原作のアニメだから、ところどころ台詞の言い回しが分かりにくいところかな。
 今考えてみると、最近観ていたオリジナルアニメは「台詞が何と言っているのか分からない」という事態にほとんどならなかったことを思い出します。この辺、実はアニメ脚本家の腕の見せ所なのか・・・・まぁ、この作品みたいに独特の言い回しや過激な台詞が満載な原作は特別なのかも知れんですけど。


 







■ 『BLACK LAGOON』 第3話 「Ring-Ding Ship Chase」
脚本:片渕須直 絵コンテ:片渕須直
演出:片渕須直・荒木哲郎 作画監督:Cindy H.Yamauchi

 ラグーン商会の一員になったロックの新たな日常と、舞台となる街や海賊に関する設定説明、その上でレヴィやダッチのキャラの掘り下げ回―――ということで、第1〜2話が典型的なアニメの第1話の役割を担っていたのに対して、今週は典型的なアニメの第2話の役割+ドンパチという構成でした。手堅い中にも視聴者を飽きさせないようにエンタメに気配りをしているという。

 ・・・・・・なんだけど、単純に「悪いヤツやっつけたぜー!やったぜー!」という終わり方ではなく。EDの暗さもさることながら、ラストショットが仏像(?祈りとか天国とか言ってたからキリスト教系?)だったり、ダッチがロックに陳の最期を言わなかったりなどなど。この物語の行く末が一筋縄ではいかないことを暗示しているかのようでした・・・



 と思いつつ、公式サイトの構成によるとどうやら全12話っぽいことや、原作が未だ連載中だってことを考えると―――アニメ独自の解釈で決着させたりも出来なさそうでもあります。結局ここで見せた不穏な伏線も、原作との兼ね合いで禄に消化せずに終わってしまうんじゃないかと不安になります。これはなー、連載中の漫画をアニメ化してどう成功させるかというビジネスモデルにもなると思うんで、個人的には独自解釈でどんどんアニメオリジナルの味を出していってもらいたいんですけどねえ。




 ○ ダッチとロアナプラの街
 Aパートの大半の時間を使って、街の描写をしてきました。アニメ映画なんかでは冒頭30分くらいダラダラと街と世界観を説明するためにこんな風に描くことがよくあると思うんですが、そこでは如何に視聴者を飽きさせないかというところにポイントがあるかと。ドタバタだったり、追いかけっこをさせたり、ニ点同時展開を描いたり―――そうしたいわゆる“体温の高いアニメ”とは違い、こちらは終始静かなまま時間が経過します。もちろん、ここでの描写がBパートに向けた伏線にもなっているんですが・・・・・・この辺り、この作品の視聴者層がハッキリ分かるところかも知れないですね。

 ダッチは・・・今のところ、この手の作品の典型的ナンバー2(集団内のリーダー)といったところ。『ビバップ』でいうジェットとか、『攻殻』のバトーとか。安定して話を動かせそうだけど、その反面キャラとしての面白味は欠けてしまうかな。
 でもそうか・・・レヴィやロックの設定がトンでいるところがあるので、地に足がついた作品にするためにもこういうキャラにしたのかも。これでダッチのキャラまで異質だったら、安心して観れやしなかったろうし。



 ○ レヴィとロック
 ビックリするくらい仲良くなってるじゃないか・・・
 自分の好みの服を男に買ってあげるなんて、ヒロインらしい可愛い一面が垣間見れた瞬間―――というのは冗談ですが、危うさと陽気さを兼ねた女性キャラというのは意外に萌え要素抜群なのかも。属性的には(ビジュアルも性別も全然違うけど)『H×H』のキルアのようですし、天然な主人公(=ロック)に惹かれて(?)変化していくというのもキルアにとっても似ている。


 で、そのレヴィ―――幾らなんでも強すぎじゃないか。
 まぁ、相手が素人丸出しだという説明はあったものの、人間が飛び移れるような距離にいる敵船を次々と破壊していくなんて・・・B級映画どころか、少年漫画のノリですね。でも、高度な作画で有無を言わせないような勢いがあるという。裏を返せば、これ、作画が乱れ始めたら一気に駄作へと落ちてしまうような恐れもあるような・・・・・・
 銃弾の荒らしの中を敵船に向けて飛び移るなんて、幾らなんでも無傷なのは奇跡にもほどがあると思うんですが・・・煙でよく見えない!→だから、当たらない!という理論を、トンでも理論だというのは間違いないんだけど、ちゃんと説明として見せてくれたのは良かったかな。同じようなハッタリガンアクションでも「何故だか当たらない」の理由を考えもしない作品と比べても、一応のポリシーを感じられるので。

 にしても・・・レヴィが凄いというより、船を1撃で沈められる銃の方が凄いような気も・・・





 そういや、EDクレジットに銀河万丈の名前があったけど、どの人でしょう?
 小山茉美(バラライカ)の相手方ポジションだと面白いんだけど・・・それにしてもガンダム率高いなぁ。

 あと、『舞-乙HiME』に続いて内田直哉が報われない役柄で面白かった・・・死に際が描かれただけマシなのか(笑)


 







■ 『BLACK LAGOON』 第4話 「Die Ruckkehr des Adlers」
脚本・絵コンテ:片渕須直 演出・作画監督:室井ふみえ

 冒頭、東南アジアの美しい海を描いたと思ったら。一気に真っ暗な天気になって「ドイツももう終わりか・・・」とか言い出して、何事かと巻き戻してみるとちゃんと「in 1945」と書いてありました。あのスピードで英語の文字が出てきても全部は読めない僕の英語力・・・と思ったけど、観返してみるとドイツ語っぽいですね。ドイツ語は一つの単語も知らんので読めないのも無理はないけど、スタッフ側からしても「読めなくても仕方ない」という意思なのか? 何かそれ、「オシャレだから出しとけ」みたいな印象で好ましくはないですけどねぇ。


 とまぁ、最初は大いに戸惑いはしましたが、現代と1945年を交互に描く手法はイイ感じに対比になっていたんじゃないですかね。普通にこういう物語を描くなら、Aパート:過去→Bパート:現代と描くのが一番シンプルだと思うんですが―――それだと視聴者としても「あれ?今日『ブラックラグーン』の日だよね?」と混乱しちゃいますし。それ以上に、のどかにスキューバの話題なんかを出している現代と、殺伐とした二次大戦末期の軍人の覚悟なんかが対比になってたし。冒頭のロックとダッチの会話から、現代のシーンは全部サルベージへの伏線となっているという手の込みよう。

 第1〜2話のロックと影山の対比なんかも上手かったですが、この作品、とにかく脚本が丁寧。潜水艦の話も他の作品だったら「大丈夫か、これ?」と思っちゃったでしょうが、これまで3話の実績があるので、一つ一つの描写がちゃんと伏線になって来週にかかってくるんだと安心して見れました。恐らくは、あの艦長なんかの台詞が、現代のネオナチ風味の相手キャラを打倒してくれるんじゃないかと思います。





 ○ Bパートのベニーの説明を聞いてから見返してみると
 最初のシーンがドイツ脱出、次のウミガメスープのシーンはアフリカ辺り?、その次の「イギリス軍を見つけた」というシーンがインド洋(南アフリカからセイロンに向かう輸送船だな、と言っているのかな?セイロンか西路で180度逆方向になっちゃうけど・笑)、最後がインドネシア1945年3月25日―――
 ということで、どうやらヨーロッパではドイツの負けは確定したけど、日本ではまだ抵抗がドロ沼化している頃の話みたいです。イマイチ僕の記憶力は頼りにならんのですが、この頃はまだ東南アジアは激戦区ですよね、確か・・・・「マタビア(?)を目の前に!」ということは、目的地は元々東南アジアの日本軍の勢力内だったのか・・・? 軍事マニアから総ツッコミを受けそうな感想しか書けない自分がもどかしいですが、お手柔らかに。というか、アニメファンの大多数は僕と同じくらいの知識しかないと思いますから!(開き直っただけ)


 口ひげの緑の軍服が日本人将校:松戸中佐。
 白い帽子の軍人:艦長(アーヴェ少佐)
 帽子にドクロのついてる男:親衛隊の中佐

 艦長が日本人みたいな風体と発言だったので、誰が誰だか分からなくなっちゃいました・・・
 インド洋でイギリス艦を見つけるシーンは、ドイツ人の艦長が「これから日本にお世話になるのに日本を攻撃する連合軍側の物資を見過ごすワケにはいかない」と、なかなかに日本人泣かせなことを言ってくれていました。1回目見た時にはどの人がドイツ人で、どの人が日本人か分かってなかったけど。


 艦長と親衛隊の最後の会話も、萌えアニメ全盛の現在では異質なくらい骨太で熱かったです。
 あとは、この「国家の大義の前には家族など」という発言が次週にどうかかってくるかですよねぇ。惜しむべくは、ブラックラグーンのメイン4人が家族を持たないアウトロー(僕らから見たらファンタジーな存在)なので、こういうテーマに絡めた動きが出来ないということです。明かされてなかったロックの家族のことなんかを絡められれば一大傑作になると思うんですが、流石にそれはムリだろうなぁ・・・




 ○ というワケで、ドイツ軍人が熱すぎたせいで
 対比させる意味があったんでしょうが、ブラックラグーンメンバーのダラケまくったトコをネオナチに襲撃されて一転ピンチ。反撃出来るのか?というとこで次週へ。第1話もそうだったんですが、1話観終った時点ではフラストレーションを溜めまくって、次の話で解消という構成にするみたいですね。そのため、“タメ”の回だけだとイマイチ消化不良な部分がありますねー。

 あと、ネオナチといい、前回の中国マフィアといい。この作品の敵キャラはキモチワルイ奴ばっかなんだな。



 それでも説明を聞いている時のレヴィが普通に可愛かったり、仲間同士の人間関係を上手く操っているダッチの気苦労なんかは単純に楽しかったりもします。また、気苦労で渡した水中銃が、意外にも来週に活躍しそうだってのも上手い構成だと思いました。あとはコレらを来週のハッタリガンアクションで爆発させてくれるかどうか―――何はともあれ、安定した面白さは持続されています。次週に期待。


 







■ 『BLACK LAGOON』 第5話 「Eagle Hunting and Hunting Eagles」
脚本・絵コンテ:片渕須直 演出:香月邦夫 作画監督:奥田佳子

 サブタイは「鷲狩りと鷲を狩る」?ん??
 まぁ、「ネオナチによるハントと、ナチをハント」ってトコでしょうか・・・この辺あんまし知識ない分野なんで微妙ではありますが、作中でレヴィとロックが持ち帰るか揉めていたドイツ軍の紋章は鷲のマークだったような。これが親衛隊だけなのか、潜水艦の主なメンツもそうなのか、そもそも勲章と紋章って同じなのか?とか、色々と知らんことはありますけど・・・まぁ、多分、サブタイの意味はそんなトコだと。
 先週も書きましたけど、一般的なアニメファンは僕と同じくらいしかこういう知識はないと思うんで―――今後も「分かる人だけ分かれば良いや」という作り方だと、ぬるい視聴者は脱落していきそうですねー。1クールものならヘビーユーザーだけ残れば良いやという作り方も商業的には間違っていないと思いますが、2クールだったら首を絞めることになりそう。公式サイトの各話紹介のページを見ると全12話っぽいんですが、果たして・・・・




 ○ テンポ、更に落ちた・・・・・・
 今週は更に負荷かかる展開でした。
 先週、過去編をやったせいで視聴者的にはロックの「その勲章はこの人達が積み上げてきた・・・」の台詞に感情移入できてしまうので・・・ロックの意見を押し殺してレヴィに従わされただけじゃなく、レヴィにはボコスカ言われた挙句、あの論争の間にネオナチに侵入されて絵を奪われて―――と、散々な結果でした。
 来週以降ちゃんと逆転するんでしょうが、単に絵を奪い返しただけでやったー!とはいかず。今週、ロックが言っていた「その勲章はこの人達が積み上げてきた・・・」がちゃんと作中で肯定されるか、レヴィが言っていた「でも、金と銃以外に信用できるもんなんてねえ」という意見にロックが心から納得するかしないとキッツイところはあるかと思います。


 まぁ、今週“仲間を切り捨てたネオナチ”と、先週から描かれていた“仲間とともに死んでいった(家族を想いながら死んでいった)潜水艦の人々”から見るに―――レヴィとロックが真に仲間になるためのエピソードなんじゃないかとは期待しているんですが、今は“タメ”の段階でしょうからストレスが溜まりまくりです。しんどい・・・・



 それと、個人的には「信用できるのか金だけだぜ」って作中で全肯定されちゃうのは好きじゃないんですよ。
 それは別に「金以外にも大切なものがあるだろ!喩えば愛!」みたいなことが言いたいんじゃなくて、実際問題お金の価値なんて経済状態で上下動するんですから、明日には紙切れになっているかも知れないじゃないですか。どうして皆が1万円を見て1万円の価値があると思うかといったら、「1万円には1万円の価値があるんですよー。今日も明日も100年後もそうなんですよー」と公的機関が国民(及び国外の人々)を信じ込ませているからであって―――「オレは何にも縛られないアウトローだぜ!」とか言ってるキャラが、きっちりと「お金の価値だけは信じます」と公的機関と市場経済を信用しているというのは違和感ありありなのです。
 “お金大好きキャラ”を全否定するワケじゃなくてですね、喩えばお金によって宝石を散りばめたり、高級車に乗ったり、羽振りの良い生活をしていて「ぐっふっふ」と唸っているキャラだったら、各自それぞれの価値をちゃんと具現化していて人間的な魅力を感じられるんですが。この作品の場合、お金が実際にどう使われているのかが伝わってこないんで、レヴィの意見ってただの不幸自慢にしか思えないんですよ。喩えば、「この金で何ちゃらっていう銃が買えるぜ!」という台詞があれば可愛く思えるんですけどね。



 それと―――
 今週はダッチとベニーの会話を中心に、会話シーンが多かったからそう思ってしまったんでしょうが・・・スラング乱発だったり、言い回しが独特だったりって、別にそれ自体に意味はないと思うんですよ。「うっひょー。こんなスラング連発、カッコええ〜」と思わせたいだけなら、一つ一つの台詞・会話にすら伏線やら意味を散りばめてくるタイプのアニメに比べて脚本が弱く見えてしまいますもの。
 実際、それ以外の部分での脚本は凄く丁寧なのに・・・ダラダラとスラングを言わせているだけで時間が経過してしまうのは勿体ないような。原作のフンイキをアニメに再現するのって大変でしょうが、原作付きアニメの限界を感じてしまいました。




 ○ 政治思想を話している場合じゃねえ!
 まぁ・・・ネオナチを出して、真っ向からナチズムを否定するのもマズいとは思うんですが。
 日本でナチズムを描くには、完全な悪にするかギャグ風味で落とすかしないとイケないからキッツイですね・・・僕らは戦勝国の正義を歴史教育で習ってきているので、どうしても全体主義や選民思想の思想は理解しにくいですし。ナチズムが相手だと、“敵には敵の信じる正義がある”とは描けませんからねぇ。ギャグ風味に無個性化して描くしかないのだとすると、敵キャラとしては弱いですねぇ・・・シュトロハイムみたいに勢いで何とか押し切るとしても、今の日本じゃ厳しいでしょう。



 そういや、凄く基本的なことなんですが、酸素が足りなくなって船員が死んでいった潜水艦の中でレヴィとロックが普通に息をしているのは何故なんですかね? レヴィなんかタバコすってるし・・・
 先週、視聴者だけが潜水艦の事情を知らされたので、そうした事情にロックやレヴィがようやっと一歩ずつ近づいていくみたいな展開になるのかと思っていたんですが、なんか普通に絵を見つけちゃいましたね。船長が撃たれたことも、その後に親衛隊の人が撃たれたのも普通だったし・・・絵の価値が分からない他の船員が絵を弄くったりしてんじゃないかと期待してたのに、その辺は全部スルーでした。うーん・・・過去と現在を同時に描いた意味は、あんましなかったような。


 



 アニメ感想マラソンの結果(参考)により、この作品の感想はここまでです。
 ご愛読ありがとうございました。






自作漫画を描いています
▲ 『ちのしあわせ家族』連載中。よろしければどうぞ。


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