【アニメ版『舞-HiME』メモ 2】
 
第14話「ねらわれる学園」 
 第15話「天翔ける ミ☆ 女子高生」 
 第16話「Parade♪」 
 第17話「うそつきな、唇」 
 第18話「――はじまり。」 
 第19話「こころの迷宮」 
 第20話「炎の舞/涙の運命」 
 第21話「黒き君、目覚めるとき」 
 第22話「くずれゆく……」 
 第23話「愛情と友情、非情」 
 第24話「コイ・ハ・タタカイ」 
 第25話「運命の刻へ」 
 第26話「「shining☆days」 



■ 『舞-HiME』 第14話  「ねらわれる学園」

 シアーズ財団による学園占拠。脅かされる日常の中で、1クール目で明らかになったHiME達がそれぞれ動き出し、最終的に集結―――これは学園バトルとしてはかなり王道でいて燃える。しかし、ここから単純にシアーズ倒して終わりそうにないのってのは、オンタイムだったら気付きようもないですよね・・・・


 ○ しょく?ショック?
 他のサイトさんとか見て「ショック」と書いてましたけど、アリッサの発音を聞く限り「しょく」っぽいですね。日蝕とか月蝕の「蝕」でいて、媛星が関係してくるとかそんなかな。媛星によって月が隠れると狼男のように正気を失うとか?自分でも何言ってるか分からん。

 しかし・・・アリッサも「蝕」のことを知っていて、それでいてHiMEを狙うのか。
 管理してうんぬんは“自分達の作ったHiME”だけいれば良いってことかな? でも、それだとわざわざチャイルド具現化させてから殺さなきゃいけない意味が分からないし・・・・・

 てゆうか、残りのHiMEを誰かハッキリしておきたいのなら、なつき捕まえた時に尋問しとけば良かったのに・・・アレは囮として他のHiME達をおびき寄せるために使ったのかと思ってたのだけど、雪之のことは感知出来てなかったみたいだし。イマイチ、シアーズが何したいのか分からん。まぁ、雪之のチャイルドが光学迷彩だったために見つけられなかったとういことなのかな?



 ○ なつきが空から降ってきた時はどうしようかと思った
 学園接収、女子のみ全員血液検査という異常事態に、それぞれのHiME達が包囲網突破―――

 紫子は石上の手によって学園を脱出。その後、一番地の人によって真白の元へ移送・・・ってことは、石上は一番地じゃないのかな? シアーズの動きをいち早く察知していたり、石上は一般人ではなさそうに思えるんですけど。シアーズサイドだったけど、紫子に情が移って裏切ったとか? どっちにしろ死亡臭が・・・・

 舞衣は主人公らしからぬ、女子トイレで捕獲。軍人入ってきて、「あの・・・ここ・・・(女子トイレ)」という辺りが流石。
 舞衣は命によって助けられるんだけど―――詩帆との絡みによって、また鬱な展開に。なんかもう、このコが心からの笑顔を出せる日は来ないんじゃないかと可哀想になってきました。

 なつきは最初から学園に居やしねー。あかねちゃんが闇医者っぽいとこに預けられたので、彼女からHiMEの秘密を知らされることになるんでしょうか・・・いい加減、凪が教えてやればいいのに。ボロボロのあかねちゃんはホント痛々しい・・・・

 碧は真っ向から軍人しばいて逃走。

 奈緒は色仕掛けで逃走(笑)
 中学生相手に何やってんだ・・・・

 雪之は(本人意図してないけど)遥によって血液検査を免れることが出来ました。遥株はガンガン上がっていくんですけど、ここの繋がりが“チャイルドが死ぬと想い人が死ぬ”の伏線になりそうで、フツーの描写でも安心して見てられません。


 これで7人。あかねちゃんも含むと8人か。
 シアーズが把握していたのは、自分達が呼んだオーファンを倒した舞衣、なつき、命、紫子、あとは既にHiME能力を失ったあかねちゃんの5人だけ。今回の学園占拠の目的は、血液検査を避けるためにHiME達が尻尾を出すのを誘ったためなので―――碧、奈緒、雪之はまんまと罠にハマったワケです。しかし、雪之の場合は遥が逃げてもおかしくなかったのだし、アリッサの策はどうにも穴が目立つような・・・・・


 で、視聴者に前話で提示されたように―――HiMEは12人。
 上で述べた8人の他にあと4人・・・男子として通ってるのでシアーズの包囲網の外にいた晶くんは別として、視聴者も知らない残りの3人のHiMEはどうやってシアーズの監視網を抜けるんでしょうか。


 詩帆は遅刻してきて洞窟に隠れていたために血液検査を逃れました・・・完全に偶然ですけど、もうHiME確定で良いんじゃないかな? 彼女がHiMEだと更なる鬱展開になりそうで恐ろしいんですけどさ。

 静留は傍観・・・?雪之の様子も勘付いているみたいで、どうにかして反撃のチャンスを狙っていそう。静留に関しては「想い人は誰だ?」って伏線が初期の頃から張られていて、まぁそれはなつきなんでしょうから、その想いが明らかになるのとHiME能力のお披露目を同時に行うと、物凄い燃え展開になりそうです。その為には一旦なつきがピンチにならないといけないんですが、あの人はいつもピンチだから・・・(笑)

 あとは真白・・・?
 葉子先生はここんとこ画面に映っていないので、彼女の線は消えると思います。

 入院中のあおいがHiMEってのも見事な展開なんですけど、記憶操作までされたなら一番地がHiMEかどうか把握してるはずですし、今回この場に呼んでいないということは彼女はHiMEじゃないんじゃないかな。てゆうか、僕は彼女が好きだから、どうかHiMEでないでくれと願っているのです。




 さてさて―――2クール目最初の回ということで、各キャラのおさらい&反撃開始の準備段階って感じだったんですが。
 あかねちゃんからの情報が入るまでは、味方サイドの死亡者は出ない展開なんですかね。個人的に、誰か一人が“チャイルドが死ぬと想い人が死ぬ”を舞衣やなつきに知らしめるために敗れると思っているんですけど・・・そこから逆算していくと、想い人がハッキリしている人ほど危ないですよね。

 舞衣→ 祐一?
 なつき・・・不明
 命→ 舞衣?
 碧・・・不明
 奈緒・・・多分いない
 紫子→石上
 雪之→遥
 晶くん→巧海

 危ういのは紫子、雪之辺り・・・遥が消滅すると作品的にかなりの喪失感なので、いなくなってもファン的に支障のない(失礼)石上はやはり黄信号か。




<次回予告>
 舞衣と碧。
 あれ?舞衣は紫子がHiMEであることに気付いてなかったの? 12人のカウントん時にはちゃんと数えていたような。
 第2話の予告にもあった萌え談義・・・このアニメ、ファン置いてけぼりでシリアスに突っ走ったような評判だったんですけど、こういう次回予告のネタとかを見る限りは「そこも踏まえて作ってあった」ので、置いてけぼり食らってるファンに対しも「すまないなぁ」という気持ちがあるんだなーって思います。







■ 『舞-HiME』 第15話  「天翔ける ミ☆ 女子高生」

 シアーズ財団から学校を取り戻すために共闘するHiME達。
 理念や目的を持つアリッサ達と、持たなかったからこそ悩み続けた舞衣の対比も素晴らしかったし。その後のトンデモロボットアニメばりの宇宙特攻とか、氷の中に身を沈める深優とアリッサとか、まさに王道バトルアニメの最終決戦と言わん熱さが全開。行方不明になる主人公ってのも、完全に少年漫画の最終回のノリ。

 でも、ここからあと10話続くんだよな・・・王道最終回をここでやってしまったということは、ここからは王道ではない展開が続くということなのか。祐一とか詩帆の扱いを見る限り、ここからドロ沼が始まるってな気もするのだけど。



 ○ サンライズ、セルフパロ? 命のクラウチングスタートに燃える!
 こういう個別の出撃シーンってのは完全にガンダムの最終決戦ですよ。舞衣と碧はかろうじて意味ありそうだけど、デュランにちょこんと乗ってるなつきと生身で走り出す命は一体・・・

 その後の艦隊戦も、『ガンダムW』のようなムチャクチャっぷり。無数のミサイルをエレメントのバリアで防ぐ舞衣って、ひょっとしたら地上最強なんじゃないか? まぁ・・・それが最後の特攻の伏線となっているんでしょうけど。
 相手が艦隊とは言え、ここまでやって死者0なんて都合よくはいかないよなぁ・・・・・碧なんか戦艦の真ん中突き抜けてるし。



 ○ 祐一の葛藤伏線は・・・
 舞衣に「アンタはどうせ何も出来ないでしょ!?」と言われた辺りから、どうしようもないくらい“タメ”に入ってます。今回はなつきにまで用なし扱いされちゃいました・・・なつきに言われたくはないなぁ(笑)
 でも、この楯祐一というキャラ。未だにバックボーンが見えてないんですけど、怪我で剣道辞めて、怪我は治ったけど部には戻れないみたいなキャラだったはず―――もう、スタートラインからマイナスだったワケで。彼は彼自身で何らかのイベントを経て成長しなきゃならないってことですね。

 ベタなとこで祐一→舞衣の想い告白とかそういうとこでしょうか。


 一方、詩帆はとうとう単独でオーファンに遭遇。生き延びたということは、HiME能力に目覚めて撃退したか、タイミングよくアリッサが死んだかのどっちかなんでしょうが・・・この描き方は、HiME能力覚醒の伏線っぽい。アリッサが人造のHiMEだということが明らかになったので、残り3人のHiME―――1人は詩帆で間違いないですね。



 ○ 舞衣の決意、アリッサの最期
 アリッサの生い立ちは想像の範囲内でしたし、その最期もベタなものではありましたが・・・

 生まれた時から目的を持たされて、その成就の為だけに生きてきたアリッサと。
 突然HiMEなんてものが目覚めてしまって、逃げることも出来ないまま巻き込まれて、ウダウダウダウダと悩みながら、それでも学園を守るために戦った舞衣―――この対比が、砲撃に向けて突撃する舞衣に繋がったのには感動を通り越して「すげえ!」と叫んでしまいました。まさか、あんな風にウダウダウダダ悩み続けていた1クール全部がここに集約されるとは。


 火の鳥のように甦るカグツチもカッコ良かったし、その後の大気圏突破も理屈抜きで楽しめた。でも、これ・・・制御できない力でボスを倒しちゃったということで、ちょっと先行き不安。地に足つかない力というのはバトル漫画では諸刃の剣になりかねないので(例:『ARMS』)、単純に「やったー!やったー!カグツチ万歳」とはならないでしょうしね。



 ○ 残りのHiMEの動向
 紫子は思うように戦えないから祈ってるだけなの?

 舞衣たちは晶くんがHiMEだってことを知らないまま、晶くんは舞衣たちがHiMEであることを知りました。こういう情報量の差は、今後何らかのすれ違いになるかな? 凪は晶くんがHiMEだってことを知っていたので、真白も知っているんだけど敢えて皆と一緒には呼ばなかったということなのか。てゆうか、真白は自分でHiMEを集めていたんだから、12人全員を把握していると思うんですけどねー。

 HiMEかどうかは分からないけど、静留は結局動きませんでしたね。普通に血液検査受けたのか?
 なんか上手いこと騙したのか、そもそも血液検査でHiMEかどうかを判断することが出来るかも微妙だったのか。




 うーん・・・学園奪還とアリッサ撃退が1話に詰め込まれたのは、ちょっと物足りなかったです。
 アレだけ脅威だった深優も結局倒せたことにはなってないし・・・最もストレス溜まっていたところを消化してくれなかったので、あまりカタルシスは感じられないかな。まぁ、アリッサはともかく深優は復活するのかも知れませんが。

 ・・・でも、このまま深優は復活せず『舞-乙HiME』に繋がるってのは、なかなか美しい繋がり方かも知れません。アニメ版はまだ分からんけど、漫画版『舞-乙HiME』のミユとアリッサを知っていると・・・もう!





<次回予告>
 なつきと舞衣。
 まぁ、誰も舞衣が死んだとは思ってないだろうけど、命の叫びの後に「死んでないわよ!」ってのは・・・・・







■ 『舞-HiME』 第16話  「Parade♪」

 閑話休題。
 最後となるであろうほのぼのパートから、最終幕へと続く急展開。いや・・・あと10話残ってるんですけど、これ、HiME同士で戦い合っただけじゃ10話はもたないですよね。何かまだギミックが残されてるんですかね??

 あれ・・・脚本がキムラノボルでした。
 調べてみたら『舞-HiME』はこの回以外の全部は吉野さんがやってるっぽいんだけど、何故これだけキムラノボルなんでしょう。内容の方は・・・正直なトコ、ダメな時のキムラノボルみたいな感じでした。コメディ描写はあんましなぁ・・・でも、ラスト付近のギアの上げ方は見事。



 ○ 喉元過ぎれば
 風華学園の生徒達、立ち直るの早すぎ!
 アレだけのことがあって、宇宙規模のバトルまでしでかしたのに、何事もなかったかのように日常が始まって―――これはまるで少年漫画の最終回みたいな感じで、舞衣自身も「もう・・・終わったんだよね」と言ってることから、ここ数回の王道展開はやはりスタッフが意図してやっていた模様。

 「あー平和になった、よかったよかった」と思わせておいての落差。


 しっかし、視聴者にとって千絵&あおいの一般人視点の存在は大きいなぁ。ここんとこずっとHiMEチームの視点で動かされていた分、こうやって一歩引いた一般人視点で冷却させてくれるのはありがたい。だからこそ、あおいちゃんがオーファンに襲われたりするのが辛いんです。



 ○ で、舞衣はどうやって戻ってきたの?
 何か、フツーに帰ってきちゃいましたが・・・・これは伏線?

 日常モードに戻り、静留となつきとか、舞衣と命とか、巧海と晶くんとか。それぞれの関係性をおさらい。真白は「老人達の相手」ということで出張。凪は自分の役目を担うために学園に戻り、媛星に向かって熱唱(笑)
 真白と老人達というのは漫画版でもチラッと出てましたけど、エヴァっぽいやり取りですね。てゆうか、この作品自体が「エヴァ後のアニメ」をサンライズが作った―――って感じではあるんですけど。エヴァではゲンドウとか冬月とかリツコさんがやってたポジションを、こちらでは真白が担っているというのは凄い。あと、それらの対比から考えると、石田彰が凪をやっているというのもなかなか複雑な感じ。



 ○ 最後のほのぼのパートかなぁ・・・
 チェンジアップだと分かっているチェンジアップは、ただの緩い球だって気はしますが・・・
 無理くりに集められた7人だから、意外な組み合わせが面白かったりしました。雪之のツッコミとか、キス魔になってセーラー服着てる紫子とか、自分の研究時間確保のために画策してる碧とか、ようやくカラオケ来れて喜んでる舞衣とか。こういう小ネタは良い感じではあります。あと、奈緒となつきの縛りとかもナイス。

 でもまぁ、過去2度の急激な鬱モードを知っている分だけ、「あ・・・これ、今から落すぞってサインだ」と分かってしまっているのが辛いか。ここでHiME同士の結束を描いておいて、今度はHiME同士が戦わなきゃいけない・・・うーん、今の檀家では戦う必然性が全くないんで、どういう理由で彼女らを戦わせるかに注目したいと思います。


 媛星が月にかかってるけど、あの状況はまだ「蝕」ではないのかな?



 ○ その他の動向
 あかねちゃんから情報を聞き出すことに成功?
 ・・・これでタイミングよく“チャイルドが死ねば想い人も死ぬ”という設定を皆が知ることができますね。

 巧海が晶くんの性別を知ってしまう。
 ・・・男だろうが女だろうが、そんなことを気にする必要はないのです。可愛ければ良いのです―――とか、中学生に言ってもムダですよね。巧海は照れて逃げ出したのに、晶くんが暴走して馬乗りになって「始末しなきゃ!」みたいなノリになっているのは、巧海と同じように視聴者も「え?どういうこと?」と思ってしまうような・・・

 詩帆は寝ている時も髪を解かないんですか?
 ・・・詩帆→祐一描写の繰り返し。タイミング的に、これはもうHiME確定なんでしょうけど。祐一の“タメ”がどう転ぶかは未だに分からん。詩帆が破れて祐一死んで舞衣も壊れちゃう―――とか、ド級の鬱展開だったらどうしましょう。



 という訳で、この回は良くも悪くも繋ぎの回。
 来週以降が修羅場と化すのか??



<次回予告>
 巧海と晶くん。
 胸ネタ。姉弟ネタとか貧乳コンプレックスとか、何かもう色んな要素の詰まったやり取りで爆笑しました。こういうの見ると、やっぱキャラの回し方が尋常じゃなく上手いって思いますね。







■ 『舞-HiME』 第17話  「うそつきな、唇」

 サブタイは巧海と晶くんのチューのことなのか、本音をグッと飲み込むしかない舞衣のことなのか―――
 とにかく、前回のコメディパートから一転して、深みのある話に戻ってきました。細かい描写がやはり伏線だったりが、こうやって毎話毎話感想を書いているほどに必死に観ている僕のようなヲタクには嬉しい展開です。あの、ほのぼのしていた序盤の展開が、やはり全部裏っ返ってきました。あぁー、この展開はゾクゾクします。



 ○ 老人はお婆ちゃんでした
 エヴァよろしく、ジジイ達の前で裸に晒される真白さまを期待していたのに!!(笑)
 でもまぁ、HiME自体が女権の能力なので、こういう組織の上層部が女性なのも当然か・・・オッサンどもが幹部だったシアーズとの対比を考えても、ここはかなり深いものがありそう。一番地があくまで日本がうんぬんとか言ってるのと、シアーズがアメリカ主導(とは明言していなかったと思うけど、碧がお国柄とか言ってたから)だってのも対比?

 でも、凪はあくまで黒曜の君のために動いていて、星とか国とか考えてる一番地とは別で、また良心の呵責に苦しんでる真白とも別―――と考えられるんでしょうが、どうでしょう。最終的に、この真白の“タメ”が解消される展開が最クライマックスなのかなー。



 黒曜の君の正体は、実は観始める前から知ってたし。『舞-乙HiME』の役割配置からも分かっていたんですけど。
 彼は目覚める前から、ただ純粋に舞衣のことが好きだったのか?? 何かソレ考えると・・・・ちょっと可哀想な気が。あと、舞衣が彼のことを好きになっちゃって、誰かに破れた時はどうするつもりだったんでしょう。



 ○ 晶くんと巧海
 萌え死ぬかと思った。

 巧海の心情吐露とか、その後に天秤にかけられずに苦しんでいる晶くんとか、もう全部が素晴らしい。何せ自分が負けたら巧海が死ぬし、自分が勝っても巧海の姉貴(舞衣)が悲劇を背負うことになるワケで―――こりゃ八方塞ですね。晶くんだけが他のHiMEを知っているという情報差が活きてきました。うわー、ホント隙がねえ構成です。



 ○ 戦う運命を知って苦しむHiME達・・・
 悲劇にならない唯一の方法は、先にHiME自身が死んじゃうことかなーと思っていたんですが。その場合も想い人は死んでしまうとか・・・うわー、マジかよ。もうこれは鬱な展開以外進みようがないだろ。でも、コレだと深優が言っていた「チャイルドを具現化した状態で倒さないと意味がありません」の発言が意味不明に・・・・・


 碧は佐々木なる人物からメールを受け取る。恩師とかそんな感じ?
 葉子がその辺を知っていそうなのに、もう随分と不自然なほど映っていません。最後に彼女が出てきたのはケーキの回か。オンタイムでは2ヶ月くらい出ていないことに・・・何だろう、何かここにもギミックが仕掛けられていたら凄まじいんですが。

 紫子は神に祈るも、石上はやはり何か企んでいたみたいで。
 石上も凪サイドで、紫子を戦わなきゃいけないような状況に追い込む役目なのかな? でも、紫子に想われちゃったら、彼女が負けた時に死ぬのは自分だぞ。

 奈緒はこれまで敢えて生い立ちを描かなかったフシがあるので、ここら辺を描きつつ、HiME同士の対決をかき回す役目なのかなー。彼女は(命は微妙だけど)誰相手でも躊躇なく戦えそうですし。問題は、想い人が誰か分かっていないことなんですが。

 雪之は・・・もう、遥との絡みが見てらんない。遥が優しさを見せれば見せるほど辛くなるよ・・・

 なつきは、想い人について考え中・・・この動かし方だと静留なんか? でも、なつきと静留が両想いでどちらもHiMEだってのが、最も鬱な展開だと思いますが・・・・うわーん

 静留と武田先輩の会話は萌えた!



 ○ そして、序盤の伏線を消化しつつ、悲劇が始まる・・・!
 かつて「頑張るなんて言っちゃいけないよな」と言ってくれた男に、「頑張ってね」と言い合って別れるしかなかった舞衣。公園を眺めながら涙する姿もムチャクチャ切なかった・・・しかも、こういう一つ一つの片想い描写が悲劇に繋がるというのが、もう。

 ラストに出てきたHiMEは、声では判断できないようにしてあるんでしょうが、第6話で出てきた詩帆の花嫁衣装っぽいので、詩帆だってことでしょう。これで舞衣が詩帆と気付けば葛藤やら何やらでまたウダウダしちゃうんですけど、気付かずに倒しちゃっても祐一が死ぬし・・・どうやれば救いのある展開になるんだ!?

 しかし、舞衣の気持ちに気付いた詩帆が舞衣を倒しに来たんなら、舞衣死亡=祐一死亡ということになりかねないんだから、よく分からん行動という気もします。詩帆のとこだけ凪が来なかったというワケでもなさそうですし。



 そもそも、HiME同士が思い合ってる場合は相手を殺せば自分が消滅する事態になりますよね。命は舞衣が好きだし、静留となつきみたいな関係もあるし・・・命は兄上の伏線あるけど、黎人は黒曜の君なんでしょうし。
 こういうバトルロワイヤルものというのは単純に「生き残るのが一人なら、主人公が生き残るんだろ?」と思っちゃいがちなんですが、この“想い人が死ぬ”という設定のおかげで先が全く読めなくなっています。一体どうやって決着させるんだろう。バッドエンド以外の筋が思いつかない・・・


 そういや、命に「兄貴は風華の地にいる」と言ったのは爺さんでしたっけ。晶くんの父上もHiMEのことを知っていたみたいだし、なつきの母はHiMEの研究をしていたんですし、実はHiMEの家族構成ってかなり重要要素かも。詩帆のジジイもHiMEの伝説を受け継いだ神社関係だったしなぁ・・・・



<次回予告>
 詩帆と祐一、アンド舞衣。
 「色んな意味でオレ、死にそう」はマジで洒落になってねえ。本編が鬱度MAXまで上がりそうな展開なので、こういうコメディを番外でやってくれるのはありがたい限り。もう今となっちゃ聴けないけど、ラジオとかも鬱な本編とバランス保つ意味があったのかもなーなんて思ったり。







■ 『舞-HiME』 第18話 「――はじまり。」

 とうとう始まってしまったHiME同士の対決―――
 どうやって仲間同士で戦わせるのかと思っていたら、ここに至るまでに凪は散々細工をしてきたようで、ちょっと背中を一押しされただけで戦い合ってしまうという無情な展開でした。確かに凪の小細工とか石上の陰謀なんかを入れてきたおかげでアニメとしてグッと完成度増しているんですけど、よくよく考えてみれば現実の人間関係だってこんな風に壊れやすくて儚いもんだよなぁ・・・と深く考えさせられてしまいます。

 てゆうか、元々の『バトルロワイヤル』ってそういう話だしな・・・



 ○ 詩帆(仮)はあっという間に撤退しました
 ちょっと拍子抜けだったけど、ここでどっちかが負けたら祐一が死んじゃうし・・・もうちょっと後まで引っ張るっぽい。
 しかし、圧巻なのは!ここで助けに入ったのが命ということで、ここから命−舞衣の関係性を描き直すことに繋げてきたということですよ。HiME同士が戦う運命であるって直前に、この描写―――あぁ、やっぱこの二人も敵味方に分かれて戦わなきゃならんのか。こんなにも自然にイチャイチャできるベストカップルなのに・・・

 奈緒や紫子はともかく、舞衣・命・なつきの3人が戦い合う展開はなかなか想像しにくいので、ちゃんと過程をじっくりと描いてもらいたいもんです。



 ○ やはり石上先生は一番地でした
 えーっと・・・前回、コーヒー飲んで眠らされたのは一体。
 あれから先ずっと、紫子が先生の言いなりになっているということは―――えっ、マジで、そういう理由で「神に祈る資格がない」ってこと? オトメになれない体??

 でも、何か。紫子が襲われた時点で視聴者は石上が一番地だと分かっていたので、紫子が皆を罠にハメようとしているのが(視聴者には)バレバレだったのが勿体なかったような・・・でも、迫水と石上のやり取りがなかったら、最後の石上の台詞で「あぁ、石上ってのは一番地だけど、更に暴走して媛星の力を手に入れようとしているのか・・・」と分からなかったでしょうし。これはこれで良いのか。


 でも、多分。この石上のスタンドプレーも、凪の掌の上なんでしょうね・・・・



 ○ 奈緒vs他の全員
 奈緒のセーラー服に付いているリボンがすっげぇ可愛い。あと、貧乳具合が素晴らしい。

 紫子(というより石上)の陰謀にて、奈緒一人が孤立―――言われてみれば、HiME7人っつっても全員が全員仲良しってワケじゃなくて。奈緒や紫子は真白に集められ、どちらかというと最後に加入した組。紫子なんかはシアーズ戦でも一人祈ってるだけだったし(笑) あの時は「あー、まだチャイルドの使い方分からないんだ・・・」と思っていたのですけど、ここで情勢を混乱させるために作品として出させなかったというのが真相かな。あそこで“幻を使う能力”だと明らかになってたら、奈緒もなつきもあそこまでバカバカしく騙されなかったはず・・・多分。



 ○ 碧ちゃんが・・・もう、泣ける
 ツリ目、巨乳、自信過剰でお調子者―――
 キャラとしては好きだけど、タレ目・貧乳系な女性が好きな僕としては萌えられる相手ではなかったし、シンパシーを感じることもできなかった碧ちゃんなんだけど・・・

 真白に向かっての啖呵が・・・・あぁ!もう泣かずにはいられない!
 
「先生・・・・か。
 腰掛けっつ−か、論文が書き上がるまでの我慢とか思ってたけど。
 私みたいな半端な教師にも、懐いてくれるコ達が居てさ。なんか、本気で先生やってみようかな、なんて思ったりして。
 だからアタシは―――あのコ達を守る!!」

 ここまでの18話だってムチャクチャ燃えてきた。でも、ここのシーンが今までの全てのシーンの中で最も震えた。
 お調子者だけど、まっすぐで、一生懸命で―――そんな碧ちゃんがこれまで描かれてきたからこそ、涙せずにはいられないのです。

 対するは、二三さん。
 ハガレンよろしく、掌を合わせて大鎌召還―――漫画版でチラッと出てきたのはコレですか。
 真白ではなく二三さんがHiMEだったのか・・・そういや、ケーキの回で万能メイドっぷりを発揮していたし、彼女が中ボス級でも確かに納得。

 これで登場したHiMEは―――
 舞衣、なつき、命、碧、奈緒、あかねちゃん、紫子、雪之、晶くん、詩帆(仮)、二三さんの11人。アリッサはまがい物のHiMEだと凪が言っていたので、残り1人・・・これは多分静留なんでしょうけど、舞衣たちはアリッサが人造のHiMEだということまで知らなかったので、残り1人のHiMEの存在には気付いていないってことか。うわー、ホント、これどうなるんでしょう。



 ○ その他の動向
 一人、まだ他の者にHiMEとバレていない晶くんの行方が状況打破の鍵となるのか・・・?
 それと・・・ただ一人、晶くんがHiME(というか秘密の忍者)だと知っている巧海も土壇場で鍵になってきそうです。うわー、このクライマックスから逆算してのキャラ配置だったのか。凄まじすぎる。この二人の使い方次第で、このアニメの完成度も随分変わってきそうなんで、期待しておきます。


 それと―――なつきが「私には大切な者などいない」発言。これは漫画版の「私はずっと独りだった・・・!」に通じるものが。
 彼女に関しては既にタメに入っているので、なつき−静留ラインが“HiMEの能力が生む悲劇”というネガティブなものとして描かれるのではなく、そこから立ち上がるためのポジティブ展開になるんじゃないかと予想しておきます。てゆうか、そうであってくれ!





<次回予告>
 命と舞衣。
 スタンダードなネタだと思いきや、最後に一捻り。この後の展開を想像すると、この二人がイチャイチャしているだけでやりきれない気持ちになってしまいます。あぁ・・・あぁ・・・







■ 『舞-HiME』 第19話 「こころの迷宮」

 ぐはっ・・・
 面白い。本当に面白いんだけど、直視できないくらいの鬱な展開・・・これまで主人公が築き上げてきた関係全てを壊し、徹底して彼女を追い詰めていくという。計算され尽くした構成ということは、こっから大逆転ということも考えつつのキャラ配置だと思うし、そこまでの段取りを進めるだけの余力もあるとは思うんだけど・・・そこに到達するに犠牲者0というワケにもいきそうにないし、犠牲者が出れば出るほどハッピーエンドにはなりそうにないし。どうなるんでしょう・・・これ。



 ○ 逆転の鍵を握るか、杉浦碧?
 前話であれだけ僕をボロボロ泣かせてくれた碧ちゃん、戦闘シーン全カットで敗れてました。マジかよ(笑)
 そういや、漫画版のシアーズ戦でもいつの間にか負けてたしな・・・戦闘面では大味な性格が災いして使いにくいのかも。

 だがしかし、あれだけの扱いで“引き”に入ったのだから、この碧−真白の会話がストーリー的に無意味であるワケがありません。元々、彼女は戦闘描写よりも歴史研究によってHiMEの秘密を明らかにしてきたポジション。歴史学者として、教師として、舞衣達を救うための逆転の一手を担う役目になるんだと期待していますよ!



 というワケで、碧ちゃん不在のままHiMEは争い合うことに―――
 12人で争い合うなんて、シナリオ作る立場からしたらキャラ多すぎだろ!と悲鳴上げたくなりそうでなんですが。ちゃんとここから逆算してキャラ配置しているからこその、一人たりとも無駄なキャラがいないという奇跡のようなバトロワものになっているのがスゴいです。武田とか遥とかも、ちゃんとキャラを(意図せず)追い詰めるポジションを担っているんだもんなー。

 強いて言えば、葉子先生くらい? でも、彼女にも何かイベントが残されてそうですし・・・



 ○ 舞衣、包囲網
 最強のチャイルドを持つが故に、石上の策によって追い詰められていく舞衣―――
 まぁ、石上の策というよりは偶発的なもの・・・いや、凪曰く「既に整っていた」というべきか。ちょっとしたすれ違いや思い合いがどんどんどんどん彼女を追い詰めていくという。

 まずは巧海の「重い」発言―――
 次に、晶くんがHiMEであることに気付き、晶くんを討てば巧海が消滅するという現実―――
 自分に牙を剥いた雪之と、雪之に剣を向けた命への憤り―――
 そして、(詩帆はわざとなんだけど)偶然目撃してしまった祐一と詩帆のキス―――

 全てを失ってしまった彼女が、一人、部屋で黙々とゴハンを食べて、風呂に入って、寝る・・・そんな当たり前の描写が、これまで騒がしくて楽しくて色んな人とイチャイチャしていた描写が続いていたからこそ、どうしようもなく切なく思えるのです。あー、やっぱ前話の舞衣-命の描写はこの展開のためのチェンジアップだったのか・・・


 て・・・・ちょっと待て、舞衣。
 オマエの頭ん中に、黎人のことはこれっぽっちも入ってないのか・・・そりゃ他に好きな男がいれば、自分に言い寄ってくる男なんて忘れてしまうんだろうけど、なんかちょっと黎人が哀れに思えてきました。



 ○ 逆転の鍵を握るのか2、藤乃静留?
 てゆうか、初期の頃―――それこそ創立祭とか吸血鬼騒動の頃から、彼女がみんなの異変に気付いていたという伏線は張られていたと思うんですが・・・まだ核心部分には触れてきません。ここまで描いておいてHiMEでなかったら、ある意味で大逆転なんですが・・・

 武田に逃げ場を奪われた祐一が詩帆をキスしたり。
 遥との繋がりが、雪之を戦闘に駆り出したり。

 HiME以外のキャラは、その繋がりによってHiMEを追い詰めていく役目ではあるんですが・・・静留だけはなつきを追い詰めるワケでもなく、積極的に絡むでもなく、ただ優しく見守っているという。この関係性・・・喩え静留がHiMEでなかったとしても、この静留-なつきの関係性が“人と人の繋がりはそう悪いもんではないんだよ”と裏っ返ってくるんじゃないかと思うのです。

 そのために、今は“タメ”の段階。
 “チャイルドが死ぬと大切な人が死ぬ”ということを気にして敢えて距離を取るなつきを、静留が最後には救うのか―――




 ということで―――この鬱展開も、ちゃんと最後には救われるんだと信じて観ることにします。
 同じサンライズの名作で言えば『プラネテス』なんかは最後に全部ひっくり返してきたんだけど、『舞-HiME』の源流となっているであろう『エヴァ』なんかは最後まで鬱だったしなあ・・・果たして。



<次回予告>
 巧海と舞衣・・・にツッコミ入れるなつき。
 これまでコメディとして楽しませてくれた次回予告だけど、本編があんな風だから同じコメディでも空元気にしか思えない―――というのをネタにしてきた感じ。これ、本編のギアチェンジをよく理解しているから出来る遊びだなぁ・・・







■ 『舞-HiME』 第20話 「炎の舞/涙の運命」

 ・・・・・・・・・・
 噂には聞いてたけど、舞衣のブチ切れモードはマジでトラウマになりそう。



 ○ 石上の策謀―――
 石上の作戦としては、「想い人が死ぬとチャイルドが出せなくなる」ので、「奈緒を罠にハメて狂わせた後、晶と戦わせて巧海を消滅させる」と「カグツチがいくら最強でも、出せなくなってしまえば舞衣は奈緒にすら殺されるだろう」―――というもの。こうやってチャイルドを一匹ずつ倒していけば、そのチャイルドはどんどん強くなるから紫子が最強のHiMEになる・・・

 って、アレ?
 この論理だと奈緒が最強にならないか??

 そして、肝腎の奈緒が碧に足止めされていたのにゲンナイが殺されたということは、直接殺した誰かがいたと思うんだけど・・・(命ではないと思う)。石上はそれにすら気付いてないのか?それとも、ゲンナイを倒したのは紫子なの??



 とまぁ、石上の策はどんなに頑張っても、もっと大きな誰かの掌で弄ばれているがゆえに成り立っているところはあって。
 まぁ、それが黒曜の君なんでしょうけど・・・奈緒のケガとか、命の暴走とか、舞衣の想い人が巧海ではなくて祐一になっていたとか、偶発的なものが重なっての悲劇という気がしてしまいます。命の暴走は黒曜の君の差し金で間違いないけど、舞衣の想い人に関しては「アンタ何もやってねえじゃん」と言わずにはいられず・・・

 黒曜の君も、出てくる前から何だか小者くさくなっちゃって―――逆に、カグツチという化け物に踊らされて取り返しのつかないことをしてしまった舞衣の自責の念が深く心に突き刺さってきます。このままじゃ・・・主人公のくせに舞衣がラスボスになっちゃう。



 しかし・・・こういう各人の想いが錯綜していく展開は見事なんですけど、「想い人が死ぬとチャイルドが出せなくなる」という設定は先に見せて欲しかったかなぁ。舞衣の想い人が巧海ではなかったというのは、かなりの重要要素だと思うし・・・もうちょっと大事に見せて欲しかった設定だったかも。どこに入れるべきかなんて、ここまでカンペキな脚本だと、どこにも入れられなかったろうけどさ・・・・



 ○ そびえ立つ二本目の柱―――巧海、消滅
 二本目の柱ということは、やはりアリッサは数に入ってないということですね。

 消滅した想い人は復活しない方が作品としてはキチッと決まると思うんですけど、この描写だと・・・復活の可能性もあるのか? 正直、復活でもされたらここまでのシリアス展開が全部茶番になってしまうので―――無駄に全員生き返ってのハッピーエンドなんざ勘弁してもらいたいです。


 とにかく。とうとう晶くんが敗れ、巧海が消滅・・・
 2話くらい前までは、晶くんは最終決戦まで残ると思っていたんだけど―――舞衣包囲網が始まった前話辺りから雲行きが怪しくなっていたしなぁ。でも、まさか舞衣を追い詰めるために巧海というキャラが配置されていたとは・・・ホント、計算高い脚本ですね。

 その晶くん−巧海物語。ここが主人公パートでも名作だったろうってほど、ここの関係性は最後までパーフェクトでした。徐々に徐々に関係を深めていって、最後、晶くんが「オレが負けたらお前が消えちまうかも知れねえんだ・・・」と告白する彼(彼女)に笑顔で「それでもいいよ」と言えた巧海―――ちゃんと、丁寧に描かれてきた二人だったからこそ、ここの会話がむっちゃ泣けました。
 巧海の設定自体は最初から救いようもなかったし、舞衣を追い詰めるためのキャラだったんなら“ただいるだけのキャラ”になってもおかしくなかったんですけど・・・ちゃんと晶くんとの関係の中に救いを描いて、最期には巧海も笑顔で消滅させられるような展開にしたのは見事というしかない。仮に巧海が復活しなかったとしても、これはこれで一つのハッピーエンドなんだと思いました。


 まぁ・・・そんな弟の恋事情なんて知らないお姉ちゃんとしては、ブチ切れモードにもなってしまうんでしょうけどさ・・・



 ○
「私には・・・本当の好きなんて・・・なかったんだな・・・」
 舞衣と命が戦い合うって展開はちょっと前の伏線から分かっていたのだけど、一体どうやってこの二人を戦わせるんだろうと思っていました・・・命を暴走させた兄の形見とか、舞衣がゲンナイを殺したのは命だと勘違いしてしまったこととか、色々の要因が重なっての悲劇ではあったんですが―――それだけでは決してなくて

 命が舞衣を想う気持ち自体が、実は本当の好きではなかった―――という悲しい現実。

 “チャイルドが死ぬと想い人が死ぬ”という設定を知った時に、「うわー!何だそのどうしようもなく辛い展開は」と思ったものなんですが。まさかそれすら上回る、“命には誰かを想うことが出来ない”という展開が考えられていたとは。彼女だけチャイルドが出せないというのも全部伏線だったんですね・・・・

 これまで、何度も何度も何度も、命の発していた「好きだ」という言葉が・・・ネガティブに跳ねッ返されるための伏線であって、命が絶望して涙を流すしかないように追い詰めるために計算され尽した展開だったという。祭りのシーンで「好き」という感情を雪之やあおいから聞いていたのも、全部・・・・・・これだけ救いがなくて、どうしようもなくて、悲しいシーンを描くために、ずっと命と舞衣の関係を描いてきたというのか・・・もう、もう、哀しくて涙が止まらない。



 もちろん・・・この超鬱な展開も、最後に大逆転するための“タメ”だとは思ってはいるんですが・・・。
 ミロクは消滅してなかったし、三本目の柱も立たなかったので、命は死んでないと思うし。
 兄からもらった形見の伏線も未消化なので・・・・・・いやさ。藍染隊長よろしく、黒曜の君がベラベラと解説するという萎え展開もありえるっちゃありえるけど。ここまではほぼパーフェクトで進んできた吉野脚本でそんな構成ミスはしないと思いますんで。


 ということは、僕が勝手になつき-静留ラインで消化されると思っていた“想い人がいるからこその強み”を、命の復活で描くことになるのかな? 今度こそ、本当に舞衣を大切に思えるようなった彼女が、その想いゆえにチャイルドを出して舞衣を助ける―――とか。

 ここまで来て王道展開で救われることを期待している僕って一体・・・・



 ○ 静留の初陣ってこれ・・・・?(笑)
 しかも、出てきたチャイルドがタコとヤマタノオロチを足したようなブサイクなヤツなの・・・・

 一応、なつきを助けるための出陣だということで燃え要素は揃っているんですけど、よりによって舞衣と命が殺し合おうとして“想い合うことの無意味さ”みたいなものを描いている時にシルエットだけ出てこなくてもさー。静留の伏線に気付かず、アリッサを12人の中にカウントしていた人は「13人目のHiME!?」と驚いたのかも知れんけど・・・・・・


 まぁ、それは良いや・・・・
 注目すべきは、一時と言えどもカグツチを抑えたこと。最強のチャイルドを抑えたということは、彼女もまた最強のHiMEであるということですか。やはり、彼女もまた最後の大逆転の鍵を握るのかな・・・



 そういや、命がチャイルドを出せなかった理由が「想い人がいないから」だと(多分)判明したということは、なつきにも奈緒にも想い人がいるということですよね。そういや、紫子がチャイルド出せるようになったのは、石上先生の絵のモデルをやってから・・・なるほど、今から考えると全ての辻褄が合います。晶くんは巧海に会う前からゲンナイ呼べてたっぽいですけど(笑)



 ということは・・・なつきの想い人は・・・
 もう出てこないと思われてたシアーズも出てくるということは、母親絡みでまだイベントがあるのかな。ここ数話、彼女だけはしっかりと自分を保って主人公っぽい立ち回りをしてくれてた分(いかんせん戦闘では役立ってないんですが)、彼女もまた”タメ”に入られると作品として直視できないものになりかねんのですが―――





 超鬱展開といえども、まだ、まだ逆転の鍵が残っているので、その希望にすがって観ています。勝手に絶望してはいけません。そういや、詩帆は祐一と手を繋いでいたので病室から出ていないっぽいですね・・・・・つーと、あの白い着物を着ているの自体がチャイルドということか? そう考えると、今回なつきが見失ったのも分からなくもないですし。
 しかしなぁ・・・舞衣がここまで追い詰められたのだから、詩帆のチャイルドを殺して祐一も消滅させる展開はないと思うんですよねー。2度同じコトを繰り返す脚本はないと思うので・・・むしろ、それを畏れて舞衣が雁字搦めになりそうな気が。



<次回予告>
 あおいと千絵・・・にツッコミ入れるなつき。
 作品序盤はなつきのスタンドプレイばかりが目立っていたのに、今や一番みんなのことを考えてるのはなつきだもんなぁ。







■ 『舞-HiME』 第21話 「黒き君、目覚めるとき」

 ラスボス登場、残り5話―――という状況なのに、結末までの展開が全然想像できない・・・
 王道なら、祐一への愛を認めた舞衣がなつきとともに黎人と戦って、命も元に戻って、黒曜の君を倒したぜイエーィ!ってなラストなんだろうけど。どうにも舞衣もなつきも単純に復活出来そうにないし、そもそも黒曜の君を倒したから世界が平和になるというワケでもなさそうですし・・・・

 というのも、真白が碧に語った“この争いの真相”がまだ視聴者に分かっていないから。
 結界を張って凪には聞かせないようにしてまで真白が語った真相。歴史を知る彼女が真相を語り、深優起動―――というシーンでようやく結末も見えてくるようになるのかな・・・ということは、それはラス前くらいまで取っておくでしょうから。まだ、鬱な状況は続くっぽい。



 ○ なつきまでどん底に落とされました
 なつき母に関する細かな疑問点がこれで全て解消・・・まさか、娘を売ろうとしていたとは。

 しかし、ここのジョン・スミスとの会話はなかなか絶妙。本筋はなつきを追い詰めることだったんでしょうけど、下手すれば説明くさくなってしまう要素をココにつぎ込んできたおかげで、この後の展開で情報過多にならずに済みました。なつきが最後に深優を見た人物というのも、ちゃんとココにかかってくるのも凄い・・・

 ・シアーズの会長は死んだ(多分、アリッサのチャイルドが死んだから・・・?)
 ・現在の会長は“今回の戦いには”関わりあうつもりはない(これは当時、「では300年後・・・」という台詞があった)
 ・シアーズは深優の残骸を捜しているが、湖の中にはなかった

 ここの時点で“HiMEの戦いは300年ごとに起こっている”、“深優を拾った者がいる”という二つの重要要素が視聴者に提示されるので、真白と碧の会話が活きてくるんですね。御見事。



 あー、忘れてた。なつきのことだった。
 なつきのどん底を救ったのはやはり静留―――と見せかけて、どうにも単純にコトは運びそうにありません。



 ○ 誰かを想うためなら鬼になっても構わない
 これは黎人の台詞なんですが―――なつきのために奈緒を殺そうとした静留のことを指しつつ、巧海のために命を殺そうとした舞衣のことも指しているワケです。つまり、僕が勝手に作中全肯定されるもんだと考えていた“静留−なつきライン”もまた、舞衣の暴走と同じようにネガティブなものとして描かれたという・・・

 これは流石に予想外・・・
 タメてタメてタメて登場した静留の想いが、まさかネガティブなもののように描かれるとは・・・


 誰かを想う気持ちすら否定するのなら、何を信じてこのアニメを観れば良いんだ―――ということで、オンタイムの頃にここらで脱落者が続出したというのも納得。かなり肯定的に描かれた晶くん-巧海ラインはあんな風になってしまったし、他の皆は全部ネガティブに描かれているし・・・


 で、唯一肯定的に描かれてたのが彼女↓
 正直、僕も彼女の存在がなければ相当ダウンしながら観ていたろうなぁ。



 ○ 真白から逆転の鍵を託された碧
 「生徒を守りたい」と言った碧の言葉だけは、ここまで決して否定はされていません。
 やはりあのシーンは重要な場面だったらしく、そこから一歩進む形で―――真白は最後の鍵を碧に託します。こうやって一つ一つの会話がちゃんと大事な意味を持っていて、その意味がちゃんと次に繋がっていくという脚本はホント美しい。

 というワケで、深優の復活です。

 いや、碧が敢えて復活させないという展開も可能性としてはあるんですが(笑)、真白→碧と託された鍵が無意味に終わるワケもない。彼女の復活が、大逆転へ向けた最後の希望になるんでしょう。もう、むっちゃ期待。



 そりゃね・・・アリッサとともに湖に沈むシーンに感動した身としては、簡単に復帰されてもどうしていいか分からないんですけど。あれだけ最強として描かれておきながら、誰にも倒されないまま退場してしまったことにも不満があったので―――ここで味方サイドの切り札として登場するのは燃えてきます。



 ○ 真白、出陣―――
 静留の出陣が期待はずれだった分、こちらには震えっ放し。
 HiMEは12人出揃ってしまったので真白は何なんだろうと思っていましたが、なるほど300年前の戦いでHiMEとして戦った12人の内の一人ということなのか。300年という数字が繰り返されていたので、混乱せずに観れた―――あぁ、二三さんの突撃はカッコいいなとか思ってたら矢先

 命が復活してた。

 うわああああ。死んではないと確信はしていたけど、こんなに早く、しかも黒曜の君サイドで出てくるとは。
 真白の人形化とか、300年とか、深優の復活とか―――他の要素には丁寧に伏線張ってあった分、突如として伏線もなく復活した命には本気でビックリしました。これ、絶対にわざとだよなぁ。伏線張りまくった脚本を見せておけば、伏線のない展開はないだろうと観ている人は油断して、そこに合わせてギアを一気に上げる。
 “HiMEは皆、全ては黒曜の君の掌の上だったのさ”というより、“視聴者は全部小原監督&吉野脚本の掌の上だったのさ”という気分です。




 さて、かつて「僕に女きょうだいはいないんだよ」と言っていた黎人様。
 あの当時はまだ目覚めていなかったからなんでしょうが、黒曜の君には300年前も現在も、守ってくれる妹が存在しているというのも何かの要素っぽいですね・・・・黒曜の君ではなく、黎人の生い立ちも絡んでくるんでしょうか。舞衣を煽っておいて、命に守ってもらっているというのも何かありそうですし。



 ○ さて、残りのHiMEは―――
 舞衣・・・命を殺した(と思っている)ことで放心中。祐一との絡みでも素直に復活できそうにないドロ沼状態が気にかかります。
 なつき・・・母の事実を知り戦闘意欲を失う。静留との絡みでも立ち上がることが出来ないっぽい・・・まさか、武田?
 碧・・・一人元気。深優起動の鍵が全てを握りそうな感じなんですが、佐々木教授とか葉子がまだ掘り下げられていないから、何か不安もあるというのが本音。
 奈緒・・・とうとう彼女の過去が掘り下げられました。しかし、忠実にHiME同士で殺し合おうとしているのは彼女だけだな。
 紫子・・・石上が成り上がるための駒なんですが、逆に石上のせいで黒曜の君に瞬殺されそうな・・・
 雪之・・・意外にも、彼女も元気組。便利すぎる能力がどちらに動くかに注目。
 二三・・・えっ、結局やられちゃったの??
 詩帆(仮)・・・狙っているのは舞衣だけなんで、祐一の動き次第でどちらにもなりそうな。
 静留・・・彼女も元気組。でも、奈緒曰く「アンタの方がカウンセリングの必要がある」とのことで、なつきへの想いがむしろ否定的に描かれているのが気になります。なつき復活の鍵は、静留→なつきの想いではなく、なつき→静留への想いということか?(武田は?)




 残り5話・・・一気に観たいところなんですが、このメモを書かなきゃいけないからそうもいかず。
 また数日間、日にちを置くことになりそうです。この超鬱な状況で・・・・



<次回予告>
 真白と凪に対する黎人へのツッコミ―――
 いや、ホント最初から怪しかった。てゆうか、そういうポジションだったし。でも、それは登場人物を限定して観られる視聴者の立場からということで、作中の人物・・・真白なんかは全校の生徒を怪しまなきゃいけなかったんだからそりゃ断定できるワケもなかった・・・というメタなツッコミとも言えるかも。







■ 『舞-HiME』 第22話 「くずれゆく……」

 最後の展開に向けて、それぞれのキャラが動き出す回。碧や雪之と言った、これまで戦いそうになかったキャラが前線に出てくることになりました。
 繋ぎの回っちゃ繋ぎなんですが、これまで秘められていた人間関係なんかが有機的に動いているので退屈はしません。なつきと舞衣にはまだ復活伏線があるけど、他のキャラは掘り下げられた途端に脱落しそうな勢いがあります。しかも、一人脱落すると、もう一人別のキャラが消滅するというのは・・・・気付いたら学園に誰もいなくなっていそう。
 最初にこのアニメの設定を見た時は「キャラ多すぎだろ!」とツッコんだもんだったのですが、多いからこそのこういう展開だったのか・・・


 ○
「これでいいの・・・これで。あたしの想いが祐一を殺すから」
 千絵とあおいちゃんは最後まで一般人視点でありがたい・・・しかも、千絵がやたらカッコいい。
 というワケで、千絵に後押しされた祐一が舞衣に会いに行くことに。黎人も後押ししてるのはどういう意図なんでしょう。

 舞衣と祐一の互いの呼び名が「楯」「鴇羽」だったのは、いずれコレが「祐一」「舞衣」にひっくり返る時が来て、それが二人の救いになる時なんだろう―――と勝手に思っていましたが。まさか、決別のシーンでひっくり返ってしまうとは。
 もちろんコレが“心から想い合っている二人が離れなければならない哀しさ”を表現していて、ソコはとっても良かったんですが・・・これだと舞衣はどうやって復活するんでしょう? 祐一サイドから歩み寄って舞衣を助けたとしても、舞衣が詩帆倒した途端に祐一消滅で、舞衣が更にぶっ壊れそうだしなぁ・・・・



 ○ 逆転の鍵を守れるのか、碧
 ジョン・スミスから直々に深優の危険性を教えられた黎人は、命に始末を任せることに―――
 ということは、黒曜の君サイドにとっても深優は逆転の鍵となる不確定要素だってことで・・・真白と碧のやり取りに燃えまくっていた僕としては、ここが重要視されるのは嬉しい限り。吉野脚本はヲタク視聴者の気持ちを分かっているなー。

 それにしても、命に続いて二三さんまでが黒曜の君サイドに・・・命と違って操られているっぽいですが。
 言われてみれば、二三の戦闘シーンは碧戦も命戦もカットされていたんでした。これは後々、敵として主人公サイドと戦うからこそ、彼女の能力を隠しておこうという意図だったと思われ。でも・・・大切な人(=真白)を失えばチャイルドは出せないんですよね。そうか、だから前回ラストで真白が磔みたいになっていたのか・・・


 
「あの人に認められるような女になりたくて・・・私はずっと足掻いてるのかも知れない」
 碧の想いを覚悟を描いて、彼女はついに切り札を目覚めさせに―――カッコいい、カッコいいよ!!
 しかし、コレで碧がいつ退場しても構わなくなってしまったなぁ。


 というワケで、命vs碧―――
 まともに戦ったら命の勝ちは間違いないんだろうけど、深優起動がかかっている分、何かが起こる予感がします。



 ○ 葉子先生、まだ居たんだ・・・
 碧の覚悟を描くとともに、紫子の現状描写とともに、碧→葉子への預け物。
 保健室という1シーンでここまで詰め込めるんだから、ホント圧巻だよなぁ・・・描写にムダがない。


 紫子はどうやら妊娠したっぽい?
 想い人の他に大切な人が出来た場合はどうなるのか分からないんですが、石上先生はチャイルド消滅とは関係なく、個人的に黒曜の君サイドに殺されそうな感じが・・・その場合も紫子退場となるんでしょうが、それだとチャイルドの力は無駄になってしまいますね。どうするんでしょう。
 僕的には、こういう“生命の誕生”が不確定要素となって、黒曜の君サイドのカンペキな策略を覆すって展開なら燃えるんですけど!とってもサンライズっぽいし!!(というよりも、富野アニメっぽい)


 碧→葉子の預け物は何でしょう。葉子というポジションを考えると佐々木教授絡みと考えるのがフツーなんですが・・・
 物語的には、碧が退場した後に残りのHiMEに託したメッセージとかだったら熱い。彼女はHiME同士の戦いを研究していたのだから、この戦いのカラクリをある程度見破っていたのでしょうし。これが舞衣かなつきかの手に渡って、いずれ来る逆転のチャンスに結びついたら感涙モノなんですが・・・



 ○ 詩帆に戦闘の意思はない?
 どうやら彼女が病室から出ていないのは確からしい。
 寝ている間に舞衣を襲っているということは、幽体離脱とかそういうことなんでしょうか。そうすると、白衣装は一体・・・

 この“正体が分からない相手に襲われている”状況は激しくストレスが溜まるんだけど、これが詩帆と分かって倒したからといってカタルシスが生まれるワケもなく、更に鬱展開になりそうな感じですし・・・どうやってもハッピーエンドになりそうにねえ!!


 一方、静留に瞬殺された奈緒の行く末・・・なんか、更にぶっ壊れちゃったみたいで。
 黒モード入った舞衣に真っ先にやられるのは彼女なのか!?



 ○ なつき←静留←遥←雪之
 何だ、このドロドロの四角関係は・・・

 静留となつきの関係は『舞-乙HiME』なんかではかなりコミカルに描かれているし、もうネタ的に公認されているもんなだと思っていましたが。この夜這い疑惑はオンタイム時にはかなりの衝撃だったみたいで・・・ネタがネタではなくなってしまった、と言いますか。言われてみれば、生徒会室で寝ていたなつきを見つめる静留なんかはかなり思いつめたものがあったしなぁ。


 というワケでやはり・・・静留→なつきの想いは、作中ネガティブとして描かれました。
 そのお相手のなつきは「マジかよ!」と倒錯中。それでも“大切な相手”がいない彼女はとうとうデュランを呼ぶことも出来なくなって―――ジョン・スミスが退場しないということはシアーズがまだ話に絡むということでしょうから、やっぱりなつき復活の鍵は母親絡みなのかな??

 しかし・・・・しかし・・・・今回は何と言っても!
 能登麻美子の叫び!!
 あぁ・・・これまでずっと秘めていた分、雪之の語る遥像にはうるうるしちゃうし、そこの裏にある雪之の気持ちがずっと切ない・・・何でこんな百合キャラが多いんだろうと思っていましたが、これもまた「好き」という気持ちに色んな形があって、それを対比させて描こうというキャラ配置だったワケか・・・遥は雪之を追い詰めるポジションってだけじゃなくて、ポジティブに裏返すためのキャラだったのか。


 静留→なつきは、“大切な人のためなら鬼にもなれる”
 遥→静留は、“絶対に適わないと理解しつつ追い続けたい相手”
 では、雪之→遥は? というところで次回へ―――「一番弱い」と言われたチャイルドを持つ雪之が、「一番強い」カグツチを抑えたチャイルドを持つ静留と戦うのか・・・



 こうした関係を踏まえた上で、『舞-乙HiME』でのナツキ・シズル・ハルカ・ユキノの4人のポジティブな関係を見つめ直すと、なかなか深いものがありますね・・・てゆうか、アチラは“誰かを大切に思う気持ち”は(まだ)無条件に肯定されているっぽいからなぁ。『舞-HiME』の4人もこんな設定ではなければ、もっとポジティブな関係になっていただろうってことか―――



 ますます面白くなってきましたが、これで残り4話―――話に区切りをつけるためには、そろそろ脱落者を出していかなきゃならなくなりそうで。ホントにこれ、ちゃんと逆転へと繋がるんでしょうか??


<次回予告>
 凪と舞衣。
 凪の思惑通りに戦い合うHiMEについて。うーん・・・まぁ、今回はイマイチか。







■ 『舞-HiME』 第23話 「愛情と友情、非情」

 あれ・・・前回まではカンペキな脚本だったのに、ここに来て駆け足な展開になっちゃったような・・・
 碧と雪之が瞬殺されたのは演出的な意味もあったんでしょうが、病院でのなつきと祐一の会話なんか急いで詰め込んだって印象が強くイマイチ。つーか、倒れて目覚めたばっかの相手にフツーに喋りかけてる祐一もどうかしてるし、「オマエ本当に倒れてたの?」と言いたくなるほどマトモな返答をしているなつきもどうかと・・・


 まぁ・・・こういうツッコミは、普段あんまし気にしないトコではあるんですけどね。
 ここ数回が何の文句もないほど、パーフェクトに心揺さぶられてたもんで―――



 ○ 命vs碧
 扉と鍵を利用した時間稼ぎと、それを破壊しようとする命の攻撃―――緊張感抜群でめっちゃ燃え。
 限られた時間の中で深優を起動しようとした碧は、“記憶のフォーマット”をする間もなく、命の攻撃から深優を守るために敗れ去った・・・“記憶のフォーマット”、碧は深優のためを思って「(アリッサのいない世界では)眠らせてあげたかったけど」と言っていたほどなんで―――フォーマットをして楽にしてあげようか悩んだ時間が、命の攻撃に晒されることになったということか・・・最後の最後まで彼女は教師だったんだなぁ。


 
「ごめん・・・教授。
 でも・・・誉めてくれるよね」


 嘆き悲しむことしか出来なかった他のHiMEと違い、彼女は悲しまなかった。迷いも後悔もない戦いだったから―――
 この碧の気持ちは、後に葉子を通じて舞衣に渡ることになるんですが・・・ここまで真白→碧→舞衣と引き継いできた想いを、舞衣はあっさり「ゴメン、碧ちゃん」と切り捨てやがった。えぇえええ!!? おっま、ここに来るまでどれだけの人が苦しんできたと思うんだ。


 しかし・・・この碧が破れるシーン、柱が4本目なんですよね。
 あかねちゃん、晶くんに次いで3人目かと思ってましたが・・・・ひょっとして二三さんってもう敗れてるの? 柱が立つシーンがなかったのでチャイルドも真白もまだ生きているのかと思ってましたが、彼女がチャイルドを出せるかどうかで話も随分と変わってくるので―――ここの疑問もちゃんと最後には明らかにしてもらいたいもんです。


 ちなみに―――命がとうとうチャイルドを出しました。
 「兄上がくれた」という言葉が、“兄という大切な人が出来たのでチャイルド召還が出来るようになった”という意味なのか、また別の意味なのか。二三さんを倒した結果、そのチャイルドを呼べるようになった・・・とかなら上の疑問も解決するけど、それだとコレまで命が使っていた技にチャイルドが似ている理由が分からなくなっちゃうな。



 ○ 静留vs雪之
 雪之、弱ぇええええ!!
 前回あれだけ叫んだり睨みきかせていたりしていたので、石上の罠にハマって舞衣を襲っていた時に比べて成長したのかと思っていたのに・・・遥を制して戦おうとしたトコなんかはカッコ良かったけど、そこまでだったなぁ。

 逆に、遥は最後まで遥らしく・・・雪之に執行部長の腕章を託して消滅。
 詩帆→祐一、舞衣→巧海、静留→なつきに代表されるように、この作品、“一途に想いすぎること”に対して懐疑的に描いているとこがありました。大切に想うがゆえに、その狂気に自分が支配されることもあるんだと―――
 でも、今回の遥→雪之や、碧→教授(碧→生徒一人一人ってのもそうですね)なんかはかなりポジティブに描かれていました。舞衣が狂っていくとこなんかを見て鬱になった視聴者に対して、こうやって徐々に裏っ返していくという意図があるのかも知れないですね。

 遥に腕章を託された雪之同様―――アリッサを失くした深優が、物語の鍵を握っているのも熱い。これがちゃんと舞衣(大切な人を失うのを畏れている)・なつき(大切な想いがなくなってしまった)ら主人公サイドに繋がっていけば、とてつもないカタルシスへとなるんですが、果たして。


 というワケで―――晶くん-巧海物語と同様、碧物語、雪之-遥物語にも大満足。
 これはもう、想い人は復活しないでくれと思っていますよ。遥のラストに涙した僕としては、切にそう願います。



 あれ・・・柱、6本目?
 6本ということは―――「11本立てば終わる」と碧は言ってたので、残るHiMEは6人??

 舞衣、静留、奈緒、紫子、詩帆(仮)は確定として・・・あとはチャイルドを呼べなくなったなつき?
 黒曜の君サイドに堕ちた命と二三はカウントしないってことなのかな? そうすると、碧が敗れた時に4本目だったのがワケ分からなくなるんですが・・・・



 ○ そして、静留は一番地を滅ぼしに行く・・・
 凪と一番地は相容れぬものという伏線は張ってあったのですが、まさかコレを暴走した静留にやらせてしまうとは・・・
 なつきが止めにいくとしても、単純にデュラン復活して奈緒倒したぜイエーイ静留を追おう!なんて展開にはなりそうにないし。


 紫子は、真実に気付いた舞衣に精神攻撃―――
 石上を撃たなかったのはチャイルドを残すためで、チャイルドを残したのは舞衣を救うため・・・とか甘っちょろいことを考えていたのですが、舞衣が真実に気付いたのは全くの偶然なのでソレはないのか。てゆうか、傷のエピソードなんかすっかり忘れてたわ!!それを保健室のエピソードで絡めてくる辺りが、さすが。




 紫子は微妙ではありますが・・・
 これで主人公サイド(舞衣、なつき)と、狂気サイド(静留、奈緒、詩帆)、黒曜の君サイド(命、二三)と、キレイに分かれました。これだけキャラが沢山出て、有機的に動きまくって、それでも最後は舞衣となつきに全ての命運がかかっているというのがクソ熱いです。

 祐一と深優は、舞衣となつきの復活に関するキャラなんかなー。
 深優に関しては「女科学者が作った」とスミスが言っていたので、(コレは漫画版の設定を引きずっているからかも知れませんが)作中に女科学者は一人しか出ていないので―――それ絡みでなつきが復活するんではないかと予想しておきます。あと、個人的には迫水にも見せ場を作って欲しい・・・




 残り3話かー。
 ここまで計算された脚本なら「まとまらない」なんて事態にはならないでしょうが・・・どっちの方向でハッピーエンドにしてくるのかが楽しみでもあり、不安でもあります。



<次回予告>
 えっと・・・紫子と命は分かるんだけど、メインで喋ってたのが誰か分からん。
 台詞的には奈緒っぽいんだけど、南里侑香って役によって全然イメージ違うからなぁ・・・







■ 『舞-HiME』 第24話 「コイ・ハ・タタカイ」

 なんか・・・色んな意味で凄すぎて、どこから感想に触れていいのかサッパリ分からん。
 続々と退場者が出ているので結末までの展開が予想しやすくなってもおかしくないのに、二三さんの役目とか柱の数なんかを視聴者には分からないように調整しているせいで、まだまだ分からないようにしてあるんですね・・・これ、ホント、オンタイム時に色んな人と語り合って観てたら面白かったろうなー。そんな友達なんざいませんが。


 こうやってヲタク同士で推察し合って楽しむという意味で、やはりコレは“サンライズが総力をあげて作ったエヴァ”なんだろうなーとか考えていたら。
 冒頭がまんまエヴァで大笑いしました。



 ○ 紫子が見せた舞衣の望み―――
 言われてみれば、漫画版でも紫子は幻覚を使って仮想空間で相手を追い詰めるという戦法を使っていたので・・・こうやって舞衣に“本当に欲しかったもの”を見せる展開を予想できていてもおかしくはなかったんですが。漫画版の使い方が180度違う方向だったため、全く考え付かなかった!てゆうか、この能力でどうして人間椅子が思いついたんだ、恐るべしキムラノボル!!


 舞衣の望んでいた世界は・・・父も母も健在で、巧海は健康で、命もちゃんと妹としてからかいあったりしてて、祐一のことを好きでいられて、詩帆とも友達として仲良くできていて、みんな笑顔で、学校が楽しくて―――やはり。今から振り返ってみると、姉弟で「この学校に来て良かったね!」と言い合っていた10話のケーキの回なんかが彼女にとって理想であったワケで。

 もう戻らないものを突きつけられた切なさったら、そりゃ溜まんない。あぁ・・・あかねちゃん・・・

 でも・・・今からだって手に入れられるものがあるはずだって、きっとコレは紫子からのメッセージだったんでしょう。
 紫子が見せた舞衣の脳内世界だとしても、そこに存在した巧海との会話が・・・・もう!泣かずにはいられるかってんだ!!


 巧海消滅の回にも書いたんですが、巧海というキャラ―――晶くん-巧海物語としてはコレ以上ないほどカンペキなもので、作品としてはもう巧海復活しない方が良いじゃんと思いたくなるほどのクオリティだったんですが。お姉ちゃんとしては笑顔で死んでいった弟の気持ちなんか分かるはずもなくて、その結果として悲劇に直行していったワケなんですけど―――
 巧海消滅によってもう描きようもないと思っていた舞衣-巧海物語を、こうやって紫子の能力を利用して完結させてくるとは。ホンット、隙がない構成です。全ての関係性の結末をちゃんと作品内で描ききるんですから・・・凄すぎる。


 巧海の言葉、祐一の言葉で―――舞衣が復活・・・と思ったら?あら?
  いや、精神的には復活で良いと思うんですけど・・・

 ちょっとエヴァ絡みで語るなら、“理想の世界”を単に描いて終わるんじゃなくて・・・あと2話残っていて、そこからキャラクターを前身させるのに使っているというのが―――サンライズの意気込みというか、創り手としてのプライドを感じさせてくれるなぁと。“エヴァもどき”ではなくて、“エヴァ以後の作品”としての意味なんだと思います・・・



 石上が黒曜の君の正体を教えて、紫子は石上とともに心中―――
 この紫子-石上物語も、紫子が求めた「愛」という物語も、カンペキに完結しました。妊娠説は・・・あれ?


 柱は7本目ですね。



 ○ 奈緒vs静留
 静留は一人で一番地を崩壊させ―――
 奈緒は生い立ち語り・・・彼女の大切な人は、病院で眠り続けている母親でした。彼女の荒れた生活は、犯人に直接罪を償わせられないがために、社会全体に報復しようとした結果・・・と考えると、それこそなつきや舞衣と似たような境遇だったと思われます。
 それをちゃんと視聴者に認識させておけたおかげで、その後のなつきが「似てるんだ・・・オマエと私は」というのが納得できるというのが凄い。

 
「私が奈緒のようにならなくて済んだのは―――お前や、他のみんながいてくれたからなんだ。
 もっと早く気付けば良かった・・・私の・・・大切なもの」


 舞衣が紫子、巧海、祐一によって自分の大切なものに辿り着いたように―――
 なつきは奈緒、静留によって自分の大切なものに辿り着きました―――


 二人の主人公がボロボロになりながら、別々の道を歩んで、それに気付いた瞬間・・・二本の線は一つに繋がります。
 
「HiMEの運命・・・そんなものに踊らされてたまるか!
 だろう?舞衣!」


 熱すぎる!!
 かつて「私には大切な人などいないからな」と言った相手である舞衣の名を、ここでなつきが呼んで一本の線に―――複数主人公が最後には合流というのは王道なんですが、ここまでキレイに、分かれて、ボロボロになって、互いに成長して、合流・・・と描ききったのはそうそうお目見えしたことがありません。


 あと、ジュリア消滅で立った柱は・・・数が分からないように立ってますね。
 う・・・・ぐ・・・



 ○ 詩帆vs舞衣―――
 さくにゃん、こんな声も出来るんだ!!こえぇ――、マジ声優って怖ぇ!!
 ひょっとして前話の次回予告で喋ってたのって詩帆なの??


 この詩帆と舞衣の修羅場バトル、どうやっても決着つかないだろうと思っていたんですが・・・それを見越しての黒曜の君、命を雁字搦めにする最狂の策“命を煽って舞衣を守らせるために詩帆と戦わせ、祐一消滅”を用意していました。確かに、舞衣が選んだように・・・普通ならここで舞衣が詩帆に撃たれて祐一消滅になっちゃうもんな―――
 って、あれ?それでも結果的には一緒ですよね。負けてはいないけどチャイルド出せなくなるのが舞衣か、詩帆かって差だけで。そこの役割を(スタッフではなく)黎人が舞衣にしたがった理由があるんでしょうか?? 柱・・・詩帆と舞衣の想い人が消滅したというのに、1本しか立ってなかったっぽいし・・・最終的に黎人が狙っているのは舞衣ということなんか。


 しかし・・・この舞衣・祐一・詩帆の三角関係―――祐一は舞衣を選んだので、作品的にはここで終息しちゃってもおかしくなかったのに。これに命を絡めて次に繋げてくる辺りが流石・・・巧海消滅が自分のせいでないと分かっても、真白と碧を倒したのが自分だというのは確かなので戻れない命。そして、祐一の死に嘆いているものの、大切なものに辿り着いた舞衣は、前回と違ってそんな命の流す涙に気付けたというのも凄く意味深い。



 祐一、消滅―――
 彼もまた、舞衣と詩帆を救うため、笑顔で消滅・・・最後のキスは、紫子の幻覚攻撃の中ですら果たせなかったキス。詩帆はなんか可哀想なまま終わっちゃったんですが、舞衣-祐一物語も満足なカタチで幕引きとなりました。あっぱれ。



 ○ さて、残りの展開は―――?
 巧海消滅の際には、なつきは舞衣を止められなかったんですが・・・今回はしっかりと抱きしめて止めました。
 この二人が最終的に逆転へと繋げれるのか??

 恐らく、立った柱はこれで9本。あと二本立てばHiMEの争いは終わります。
 そして、残るHiMEはなつきと静留。カグツチを呼べない舞衣。黒曜の君サイドの命と二三―――恐らく黎人の策としては、命を使ってなつきと静留を倒すことで、舞衣を最後の一人にしようとしてるんでないかと。


 ちなみに・・・石上が言っていた、チャイルドを倒すとその力が倒した者のものになるを信じると・・・
 舞衣・・・アリッサ(?)
 なつき・・・誰も倒してない
 静留・・・雪之、奈緒
 命・・・真白(?)、碧、詩帆(晶)

 と・・・現時点で最強は命。次いで静留か。唯一精神的にマトモななつきが、デュランが呼べるか微妙で、なおかつ誰一人倒していないってのが絶望的な戦力差を感じさせます。


 ということは・・・黎人の策を破る逆転の鍵は、やはり深優になりそうな勢い。
 真白→碧→舞衣と受け継がれてきた“人の想いが運命を変える”が、ちゃんとなつきにも受け継がれるのでしょうか。まだまだ、女科学者の真相を信じてますよ、僕は!





 つーワケで、今回、物凄く面白くて高密度でした。ホントにいつもと同じ時間だったんでしょうか・・・
 なんか2時間くらいあったような内容だったような・・・・


<次回予告>
 祐一と舞衣。
 あぁ・・・普段なら絶対に「うっざ・・・」と思うようなバカップルっぷりも、本編の方がアレな展開なんでむっちゃ泣ける。
 ということは・・・コレを次回予告でやっちゃうってことは、本編では祐一復活しないってことなんでしょうかね。







■ 『舞-HiME』 第25話 「運命の刻へ」

 ラスト2話・・・大好きな作品のラストを観るというのは、やはり物凄く切ないもんです。
 もはや鬱展開は潜り抜け、後はどうやってハッピーエンドに帰結するかってことなんですが(この描き方ならバッドエンドはないだろうと晶くん-巧海物語のころから思っていました)―――作品の方向とは別なところで、僕の心がギュッと締め付けられるのです。ずっと終わらなければ良いのに―――心からそう思えた作品が、これまでどれだけあったことでしょう。



 ○
「あたし達、アンタのこと好きだからね・・・それは忘れないで」
 この作品の何が凄かったって言うと―――脚本も声優陣も作画もどれも神レベルではありましたが、やはりキャラ配置が凄かったんだと思います。これだけ沢山のキャラがいたのに、無駄なキャラなど全くいなかった。ほとんどのキャラに意味と見せ場がありました(難点を言えば、葉子先生くらい?)

 特に、この千絵とあおいというキャラ―――この二人の使い方が最後までカンペキでした。
 日常から非日常へと堕ちていく超能力バトルという分野では、この“一般人視点”というキャラが配置されることが多々あるんですが。ほとんどの場合はおざなりになりがちで、ストーリーが非日常にエスカレートされるにつれていつのまにか退場しているってケースになってしまいがち。
 でも・・・特にあおいちゃんなんかは、作中の“日常”と“非日常”の割合を描くためにものすっご貢献していたと思います。10話でパーティやってたり、吸血鬼に襲われたり、その記憶を失ったり、奈緒の失踪を心配をしたり。彼女の発言で、どれだけ学園に日常が残っているのかが分かるようになっていたんですね。

 その二人が、とうとう学園を去る―――たった一人、教室に残った舞衣の絵が象徴するように。
 もう、守るべき日常はどこにもない――――――


 そして、舞衣は最後の戦いに。
 栗林みな実の歌がめっさカッコ良い。25回も聴いたオープニングだけど、この歌と映像は飽きることなかった―――これがあってこそのアニメ本編なんだなーと思います。



 ○ なつきの大切なもの―――なつきvs静留
 
「多分・・・人は大切なものがあるから・・・それが本当に大切だから・・・迷ったり、間違えたりする」
 
「そうかも知れませんね。藤乃さんもアナタに・・・その・・・恋して・・・アナタが大切だからこそ、あんな・・・」
 
「なら、私は・・・恋なんて知りたくない」
 「でも・・・それがあるから・・・人は生きていけるんですよ。」


 ここの会話は―――設定もシチュエーションも違うけど、漫画版の“鍵”と同じような意味に。その結論を導くキャラがどちらもなつきというのが、きっとどちらのスタッフにとっても玖我なつきというキャラが特別だったということの証明なんでしょうね。ずっとネガティブに描かれ続けてきた“大切な人への想い”が、前話辺りからようやっとポジティブに裏っ返ってきました。

 というワケで、玖我なつき物語も終局へ―――


 迫水にしても山田にしても、こうやってなつきを支えてきた人達がいて、そう人達を最後に描いておいて出撃―――というのが熱すぎる。やっぱこのアニメ、根っこは王道熱血バトルものなんだなぁとしみじみ・・・


 彼女が「私はおそらく生き残れない・・・」と舞衣に託したのは、静留を倒せば自分が消えることを覚悟していたから。
 また、最終バトルらしく校舎内で大暴れしてくれたのも、学園モノとしての意義を感じさせてくれて熱かった―――




 というワケで―――なつき・静留消滅。
 ネガティブに描かれ続けた静留→なつきという関係を、なつき→静留というポジティブな想いで裏っ返すラストでした。この二人の関係も、引っ張って引っ張って、これしかないという結末でまとめてきました。まぁ・・・次回作の二人を知っているからポジティブに裏っ返るのは分かっていましたけど、ここまで清々しいものになるとは―――なつきさん、静留に殺された人々をお忘れか? なつきの言動を見る限り、彼女は“全員復活”を信じてるみたいだし、こう描くということは復活しそうな感じではあるんですが・・・



 ○
「私は・・・アリッサちゃんをあんなに大切に想っていたアナタを信じる!」
 碧ぃ―――!!
 フォーマットされてないのは逃げ出したのを見て分かっていましたが、それが碧の遺志(死んでないけど退場したので)だったのが熱い。ホント、このアニメは隅々まで一切の手抜きせずに熱血バトルだなぁ・・・と。真白、碧と引き継がれてきた想いは、コレで舞衣と深優に託されました。


 言われてみれば・・・アリッサの認証なしでは戦えなかったはずの彼女。
 柱に残されていたアリッサのコールで戦闘モードに・・・あれ?アリッサっての柱って立ってったっけ? 命の柱は立ってなかったというので説明はつくんですが・・・晶くん敗れた回で2本目じゃなかったかなぁ。陰でよく見えずに3本目だったとすると、碧が敗れた時に4本目だったのが分からなくなるし・・・・まぁ、雪之が敗れた際の6本目以降は間違いないんでしょうが


 整理してみると・・・
 あかねちゃん、アリッサ、晶くん、二三さん、碧、雪之、紫子、奈緒、詩帆、なつき、静留―――
 ということは二三さんはもうチャイルド出せないのか・・・結局、彼女は何だったのか。まがい物のHiMEもカウントされるなら、アリッサみたいのを11人作ればいつでも門を開けれたんじゃないのか、シアーズ・・・



 ○ 舞衣vs命―――最後の戦い
 
「だが、楯祐一はもういない。君の弟も消えた・・・そんな君にカグツチが呼べるのかい?君にはもう何もないんだ、この僕以外には」
 
「あるわ!!祐一への想いが、この胸にいっぱい・・・だから!!」

 号泣した。
 もうネガティブに堕ちることはないと思っていましたが、ちゃんと主人公の口から言語化されて証明してくれるとは。“この想いこそが何より大切で、何より強い”と。堕ちるとこまで堕ちた彼女だからこそ、この台詞はキレイ事ではなく心に響きます。真白、碧、紫子、なつき・・・様々な人が紡いできたこの言葉の意味を、主人公がカタチへと昇華する時!カグツチ召還!!熱すぎる!!!


 そして、想い合う二人が最後の戦いに―――舞衣と命の対峙で、物語は最終回に。





 チャイルドが倒れれば想い人は消える・・・
 この設定で、最後に残った舞衣と深優がともに“想い人を失った者”同士であるとともに、その想いがあるからこそ戦っているというのが涙腺揺さぶってきます。アリッサと深優の繋がりが、アンチマテリアライザという黒曜の君サイドが想定していない“何か”を発動して・・・というだけでも熱いんですが、この場に深優が来るまでに多くの人の想いが込められているというのも熱い。僕、今回「熱い」しか書いてない気がする(笑)



 さて・・・泣いても笑っても次がラスト。
 どういうラストにしろ、ここまでカンペキに構成された脚本でラス前まで来た作品なんだから、最終回で全部台無しになることはないと信じています。どちらに転んでも納得できるラストがくると―――あぁ、ホントこの1ヶ月間楽しかった。


<次回予告>
 舞衣と命。
 この次回予告も最後ということで、なかなか感慨深い・・・







■ 『舞-HiME』 第26話 「shining☆days」

 うわぁ・・・めっちゃコメント困る最終回だ・・・
 いやね。ハッキリ言って、完成度という点で言えば全員復活してハッピーエンドなんざ絶対にやるべきではないと考えていてですね。晶くん-巧海にしても、雪之-遥にしても、祐一-舞衣にしても・・・全ての関係性がこれ以上ないほどカンペキに描ききって退場したキャラばかりだったのですから、全員復活は蛇足にしかならないだろう―――と、晶くん脱落の辺りから思っていたんですが。


 あかねちゃんの笑顔見たら、全部吹っ飛んだ。

 そういう意味で、やっぱりこのアニメは最初から最後までキャラの魅力で引っ張ってきた作品だったんだと思います。多分、「サンライズ初の美少女アニメを作るんだ!」と決めた時から最後まで、ずっとこの全員復活ハッピーエンドというのは揺るがなかったんじゃないかと。
 基本的に、キャラの立ち位置はほとんど第1話の頃とは変わっていなくて、それでいて各キャラが「好きだって想いは大切だよね」と思えた部分だけが違う・・・3年生の卒業式を描いての最終回なんだけど、卒業後の何ちゃらというのは全く考えさせず、ずっとこの関係が続いていくかのような永遠性を描いているんですね。それこそ現実味が薄く、数話前に舞衣が幻想世界として思い描いたアレのように・・・ぶっちゃけ夢オチなんじゃないかと思ったほど。



 というワケで・・・
 全員復活をギャグチックに仕立ててしまったのは、「作品としては残念なこと」でしたが―――
 「キャラアニメとしては正解」だったんだと思います。


 これをどう評価するのかは、それぞれの人がアニメに何を期待しているのかによって変わるってだけで・・・
 あぁー、でもなぁ。個人的には、25話目まではカンペキに“人生ベスト1アニメ”だと断言できる作品だっただけに、「ちゃんちゃん!」という終わり方は本当に勿体なかった・・・



 ○ 深優とアリッサの絆が生んだ奇跡
 アンチマテリアライザによって真白の封印が解けたことによって、柱に込められていた想い人が復活し、各HiMEも力を取り戻すことに・・・この説明だと紫子がどうして生き返ったのかが分からんのですけど(笑)、それぞれの場所にいたHiME達の下に真白の影が浮かび上がる画面は壮観でした。あかねちゃんを別にして、退場したHiME達の行方を頑なに描かなかったのは、ここまでの“タメ”だったワケですね。


 HiME全員復活→媛星特攻とか、エレメント解除して命に抱きつく舞衣とか、何だか突然祐一が復活してチャンバラしたりとか、大ボスが出てきて攻撃が効かない!→かつて戦った強敵(とも)が心を一つにして助けてくれたりとか。
 ノリはホント、コレ、サンライズが得意な熱血ロボットアニメまんま・・・と言いますか。スパロボっていうか。FF4というか。90年代のRPGのラストバトルみたいな雰囲気ですよね。コレはコレでアリだとは頭では納得出来るんですが・・・じゃあ、あの修羅場は何だったのだよ、とも言いたくなってしまうワケで。

 舞衣が頑張ったご褒美とか、真白→碧→深優へと引き継がれた“人の意志が運命を変える”の体現とか、製作サイドからの精一杯のこれまでのメッセージはあったとは言え。うぅむ・・・ちょっと割り切れんものが。そうか、命の空腹もラーメン食わなかったことが伏線なんだもんなー。全部、狙っての描写だったんですよね・・・はぁ。



 とは言えね。実は、紫子が妊娠伏線を無視して心中した辺りから全員復活なんだろーなとは覚悟はしていました。
 覚悟はしていた分、スタッフもそれを上回ろうとギャグで落としてきたってことなんでしょうか。いいじゃん、そこはストレートで。最後の最後にハッピーエンドにしたいなら、照れずに王道進めば良かったじゃんか・・・



 ○ で、このアニメは一体何だったのか―――
 ウダウダ悩んだり、修羅場ったり、“大切な人のためになら鬼にもなれる”とかなってみたりとか・・・色々と錯綜してきたこの作品ですが、最後の千絵とあおいちゃんの台詞が証明するように。この作品は「本当に大切なものを大切だと言い切れるようになる」までを描いた作品だったんだと思います。だから、それを舞衣となつきに気付かせた24話の時点でピークに達していたんですよね。

 ラスト2話は、舞衣→命の気持ちを描くことで、命→舞衣の「私には・・・本当の好きなんて・・・なかったんだな・・・」を裏っ返すための話だったはずなんですが―――舞衣がエレメント解除して抱きつけたのは、祐一が復活したからってのがどうにも。本当にテーマを明確にしたかったんなら、これまで命が犯してきた罪も全部飲み込んで舞衣が「好きだ」と言ってもらいたかったです。ホンット・・・ここまでの25話がカンペキな脚本だったため、最終話の詰めの甘さが気になって気になって。






 しかし・・・今からなって考えてみると、このアニメは最初からハッタリバトルだったワケで。戦艦ぶち抜いたり、宇宙まで上がったり、舞衣が宇宙から難なく帰ってきたり、そういうノリは中盤まで当たり前だったワケで。これは全部17話〜25話までの鬱展開の間に、知らず知らずミリ単位に計算され尽くされた脚本に慣れてしまった証拠とも言えるのかも。
 このアニメの本筋はハッタリバトル&萌えアニメだったのは間違いなく、大半の時間はコレに割かれていたのにも関わらず、超良質な人間ドラマを見せられたせいで混乱しつつ終わってしまったという感じ・・・


 最後にチラッとアリカがセーラー服で出てくることからも分かるように、この段階で既に次回作は企画されていたはず(つーか、古里さんのインタビューを見る限り、『舞-HiME』始まる半年以上前から『舞-乙HiME』の企画は考えていたみたいですが)。こうやってモヤモヤしたものを残して次回作に繋げるという手法は真っ当だし、成功しているとも言えるんじゃないかと。


 結局のところ、言えることはただ一つ。
 僕は最後まで製作サイドの掌の上だったんだなぁ・・・・


 恐らく第3弾はないでしょうから、シリーズラストになるであろう『舞-乙HiME』の帰結のさせ方に注目しておきます。




 ○ 最後に蛇足となるでしょうが、キャラについて語らせてください
 最初にも書きましたが、僕は漫画版『舞-HiME』から入ったクチ。アニメ版の視聴の前には様々な情報が入ってきていて、その中でも多かったのは「終盤がとてつもない鬱展開」と「舞衣が作品を暗くしている」の二つだったかと・・・この二つは覚悟しながら見ていたので、気にならなかったのはそのおかげとも言えるんでしょうが・・・

 でも、やっぱ。このアニメは舞衣の魅力あってのアニメだったんじゃないかと思います。

 いや、巨乳がどうとか百合がどうとかじゃなくて。
 弱さを見せないように努力している様や、「誰かのために」が崩れた時に壊れていく様、それらを乗り越えて最終決戦時にカグツチを呼べたことなど・・・彼女の弱さも強さも、とっても人間らしく、感情移入できるものだったと思います。“好きなキャラ”は他にもいっぱいいましたが、「あぁ・・・分かるなぁ」と最も共感できたキャラは間違いなく舞衣でした。僕にとって。

 まぁ・・・コレは年齢的なものもあるんでしょうが。『舞-HiME』が敢えて挑戦した相手であろう『エヴァ』のシンジなんかは当時ちっとも共感できなくて・・・・紫子や祐一がいなければ舞衣もシンジみたいになっていたという見方も出来るかも知れませんが、僕はそう思わなくて。
 舞衣の原動力となったのは常に“誰かを大切に想う気持ち”だったワケで。決してキレイ事じゃなく―――大切に想ったからこそ命を撃ったのだし、巧海に選ばれなかったことに失望したのだし、祐一に選ばれなかったことに絶望したのです。ポジティブでもネガティブでも、強すぎた想いというのが彼女の全てであって。それゆえに身を滅ぼしていく様は、凄く心に残りました。



 最後に全員復活してしまったことであやふやになっちゃった感じはありますが、そんな彼女が「全てを失ったとしてもこの想いはなくならない!!」と言えたことに本気で感動しました。そこまでの過程に様々な人の想いが繋がっていたのも熱かったし、ネガティブまっしぐらだった彼女がポジに裏っ返るという瞬間も熱かった・・・・だからこそ、全員復活は・・・(しつこい)







■ 蛇足の蛇足 好きだったシーン・好きだったキャラ ベスト3

 好きなシーン3位:
 「先生・・・・か。
 腰掛けっつ−か、論文が書き上がるまでの我慢とか思ってたけど。
 私みたいな半端な教師にも、懐いてくれるコ達が居てさ。なんか、本気で先生やってみようかな、なんて思ったりして。
 だからアタシは―――あのコ達を守る!!」


 碧vs真白。
 臨時教師でしかなかった彼女が、本当の意味での教師になった瞬間―――このシーンがちゃんと最終回まで繋がっての奇跡という展開も感動ものでした。またね・・・碧は退場してからもカッチョ良かった。深優起動に関する彼女の意思や、「でも、誉めてくれるよね・・・」と教授に言うとことか。


 好きなシーン2位:
 「私には・・・本当の好きなんて・・・なかったんだな・・・」

 舞衣vs命。
 「好き」という言葉を理解できなかった命が流した涙の意味―――キャラ設定だと思っていた命→舞衣の想いがネガティブに堕ちた瞬間の絶望と言ったら・・・もう!でも、これがちゃんと最終回の舞衣に繋がって、最終的にポジに裏返るというのも熱いのです!


 好きなシーン1位:
 「だが、楯祐一はもういない。君の弟も消えた・・・そんな君にカグツチが呼べるのかい?君にはもう何もないんだ、この僕以外には」
 
「あるわ!!祐一への想いが、この胸にいっぱい・・・だから!!」

 舞衣vs黎人。
 大切な人を失ったHiME達は放心状態で戦場を去っていった。巧海を失った舞衣は狂気に堕ちていった・・・
 でも、最後の最後。色んな人が紡いできた言葉によって、舞衣は自分の中の大切なものを信じることができた。全てのネガティブ要素を裏っ返して主人公が立ち向かう!主人公vsラスボスという構図の中では、間違いなくアニメ史に残る名シーンでした。





 好きなキャラ3位:
 日暮あかね

 作中時間の大半を精神崩壊して過ごした彼女でしたが・・・舞衣の決意と対比させながら、和くんに告白するシーンはもうジーンと来てしまって。ぶっちゃけて、彼女の存在がなければ全員復活ハッピーエンドは許せなかったろうなぁ。最終回、及び舞衣の脳内世界でジェラってる彼女が激しく可愛かったです。幸せになれて本当に良かった・・・本当に・・・



 好きなキャラ2位:
 鴇羽巧海

 男キャラ。漫画版も好きなキャラでしたけど、こちらも別ベクトルで大好き。
 晶くん-巧海物語としても、舞衣-巧海物語としても、むっちゃ泣いた・・・最後、晶くんのために笑顔で消えていったのはもう!キャラをムダに配置しない『舞-HiME』の底力を痛感させてくれたキャラでもありました。



 好きなキャラ1位:
 瀬能あおい&原田千絵

 1位なのに2人だ!!(笑)
 でも・・・ホント、この二人がいなければ僕にとって『舞-HiME』は特別な作品にならなかったろうな。駅で千絵が舞衣を抱きしめるシーンとか、もう思い出すだけで涙腺がボロボロになってしまいます。一般人視点で常に日常を歩んでいた彼女達だけど、彼女らは彼女らで舞衣やクラスメイト達を心配していて、いつでも日常に戻ってこれるように最後まで学園に残り続けたんでしょう・・・・



 正直、好きなシーンもキャラもベスト3じゃ全然足りないくらい本当に色んな想い出が詰まった26話でした。
 本当に・・・本当に・・・26話、観るのも感想(にすらなっていないものがほとんどでしたが)書くのも楽しかったです。ありがとうございました。また、このメモを読んで下さった方、拙い文にも関わらず、最後までお付き合い下さいまして本当にありがとうございました。この1ヶ月間は、毎日が濃密で楽しかったです―――それではまた、機会があれば会いましょう。





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